✒ 夏祭りと花火大会 5
マオ
「 セロ──。
アレって何かな?
俳句かな? 」
セロフィート
「 寄ってみます? 」
マオ
「 うん! 」
セロと一緒に気になる屋台へ向かう。
マオ
「 えぇと──、コレって何て読むんだ? 」
セロフィート
「 狂俳です 」
マオ
「 狂俳って何だ? 」
セロフィート
「 和歌は五・七・五・七・七で句を詠みます。
俳句は俳句は五・七・五で句を詠みます。
狂俳は五・七か七・五で句を詠みます。
12音と最も短い句を詠む定型詩の様です 」
マオ
「 へぇ~~。
短歌や俳句よりは簡単なのかな? 」
セロフィート
「 さて、どうでしょう?
参加して句を詠んでみます? 」
マオ
「 う~~ん…………折角だし、やってみようかな? 」
そんな訳で、オレは人生初の狂俳に挑戦してみる事にした。
屋台の御姉さんが狂俳の決まりを丁寧に教えてくれる。
どうやら、与えられた題に対して、面白くてユーモアに富んだ句を作るらしい。
題と同じ言葉を使っても駄目らしい。
題が「 風鈴 」なら、句の中に「 風鈴 」を入れて詠むのは駄目なんだとか。
他にも幾つか決まりは有るけど──、大事なのは『 心に浮かんだ工夫や思い付きを大切にする 』事らしい。
セロフィート
「 マオ、お題は『 どんどん 』です。
思い付きます? 」
マオ
「 どんどん??
何でどんどんなんだ?? 」
セロフィート
「 其処は深く考えてはいけません。
マオ、ユーモアに富んだ句を詠んでください 」
マオ
「 プレッシャーを掛けるの止めろぉ~~。
うぅ~~ん…………。
どんどん…………花火の音もどんどんだよな── 」
マオ
「 ──よし、出来たぞ!
聞いてオレの才能に驚くなよ!
── 上がるよ花火 アイス食う ──
どうだ!!
中々の傑作だろ★ 」
セロフィート
「 そう……ですね?
初めて詠む句としては──、マオらしいです? 」
マオ
「 おぃ~~!
何で疑問系なんだよっ!! 」
セロフィート
「 マオはアイスを食べながら花火を見るのが好きですね 」
マオ
「 良いだろ、別にぃ~~。
冷たいアイスを食べながら、星空を綺麗に彩る花火を見たいんだよ! 」
セロフィート
「 はいはい。
──マオ、お題は『 トマト 』です。
思い付きます? 」
マオ
「 トマト?
トマトと言えば──、真っ赤とか、ハヤシライスかな?
トマトソースも有るよな!
トマトかぁ………………難しいかも? 」
セロフィート
「 そう言わずに、句を詠んでみてください 」
マオ
「 う~~ん…………トマト……………… 」
マオ
「 出来だぞ!
自信は無いけど──。
── 真っ赤かだね 潰したい ──
どうかな? 」
セロフィート
「 マオはトマトを潰したいです? 」
マオ
「 潰したいって言うか──。
まぁ…………投げ付けてみたいとは思うけど……。
七・六になっちゃうからな~~ 」
セロフィート
「 ふふふ…。
危険な思考ですね 」
マオ
「 何でだよ、頑張って考えたんだからな!
褒めてくれても良いだろ~~ 」
セロフィート
「 はいはい。
そろそろ次の屋台へ行きましょう。
飴細工で動物を作ってくれる屋台が有ります 」
マオ
「 飴で動物?
わぁ、見てみたいな! 」
セロフィート
「 行きましょう 」
セロは屋台の御姉さんと話している。
狂俳のパンフレットも1枚貰っている。
興味が出たのかな?
マオ
「 セロ、狂俳に興味が有るのか? 」
セロフィート
「 ふふふ…。
マオのユーモアに富んだ傑作を幻夢さん,玄武さん,弓弦さんに教えようと思って♪ 」
マオ
「 止めろぉ~~!
恥ずかしいだろぉ(////)」
もぅ、セロは余計な事をしようとするんだから──。
マジで止めてほしい!!