⭕ 夏祭りと花火大会 2
──*──*──*── 県外
──*──*──*── 夏祭り会場
キギナ・メグド・ナール
「 一寸ぉ~~、可愛く着飾った私が居るのに何で誰も褒めないのよぉ!!
嘘でも良いから一言でも褒めなさいよぉ!! 」
セロフィートの友達にされている死神の娘であるキギナ・メグド・ナールは、両肩をフルフルと震わせていた。
今日の夏祭りの為にめいっぱいおめかしし、オシャレに着飾って来たと言うのに、目の前に立っている3人組の男達は全く興味が無いのか、見向きもしてくれないからだ。
キギナ・メグド・ナールは地団駄を踏みながら、3人組に指を差して文句を言う。
獅聖幻夢
「 馬子にも衣装ですね、キギナ 」
玄武
「 髪を黒く染めれば良かったのではないか? 」
弓弦
「 浴衣の似合わない者は居ないだろう 」
キギナ・メグド・ナール
「 私は “ 褒めろ ” って言ったのよ!
アンタ達──、私に興味無さ過ぎじゃないのよぉ~~! 」
玄武
「 我は式妖魔であるしな 」
弓弦
「 私も異性は苦手だ。
出来れば近付かないでもらいたいのだが── 」
獅聖幻夢
「 死神と色恋沙汰等論外でしょう 」
キギナ・メグド・ナール
「 私は別に色恋沙汰をしたい訳じゃなくて──、もっとちやほやされたいのよ!
可愛い美少女と夏祭りを楽しめるのよ!
もっと喜びなさいよぉ~~!! 」
玄武
「 何故我等がキギナをちやほやしなければならぬのだ? 」
弓弦
「 全く以て理由が無いな 」
獅聖幻夢
「 セロ殿とマオ殿は未だでしょうか? 」
キギナ・メグド・ナール
「 コラぁ~~!
私を無視するんじゃ無いわよぉ!!
水着を披露した時も無反応だったしぃ~~。
やっぱ、コイツ等は駄目だわ……。
男として終わってるわぁ~~~~ 」
惷霊
「 おっ、居た居た!
何だよ、僕を入れて5人だけかよ。
マオとセロフィートは未だ来てないのか? 」
獅聖幻夢
「 霄囹──。
今回も女装ですか…… 」
惷麗
「 今は、“ 惷麗 ” だ!
“ 霄囹 ” って呼ぶな。
それに此は女装じゃない!
性別反転してるんだから、今の僕は女だ! 」
玄武
「 我には近寄るでない!! 」
弓弦
「 悪いが私にも近付かないでくれ…… 」
獅聖幻夢
「 霄囹はキギナの御守りをしてください。
別行動しましょう 」
惷麗
「 コラぁ!
来たばっかの僕にキギナを押し付けるんじゃない! 」
獅聖幻夢
「 海水浴場でも仲良くつるんで誘われていたでしょう。
夏祭りも2人で屋台巡りでもしてください 」
惷麗
「 男3人で夏祭りを楽しもうって言うのか?
だったらMBKを1枚貸せよ! 」
獅聖幻夢
「 お断りします。
2人も持っているでしょう 」
惷麗
「 僕のは限度額が決まってるんだよ!
1万円なんて直ぐに尽きるだろうが!
因みにキギナは3万の内、幾ら残高が残ってるんだ? 」
キギナ・メグド・ナール
「 3.000円も残ってないわよ。
私はマオのMBKを当てにしてるんだもの! 」
惷麗
「 ま、そうだよな。
意地でもマオと合流しないと屋台も夏祭りも楽しめないな 」
獅聖幻夢
「 マオ殿は私達の主人ですよ。
財布扱いするとは嘆かわしい── 」
玄武
「 やはり共に居るべきではないな 」
弓弦
「 セロは知っているのか? 」
玄武
「 知っていれば唯では済まぬのではないか? 」
獅聖幻夢
「 MBKも没収されているでしょうね。
セロ殿と合流した際には伝えましょう 」
玄武
「 うむ、それが良いな 」
弓弦
「 マオも気苦労が絶えないのだな 」
そう言いながら獅聖幻夢,絲腥玄武,厳蒔弓弦は、惷麗とキギナ・メグド・ナールから離れて行った。
キギナ・メグド・ナール
「 一寸ぉ~~。
何なのよ、彼奴等ぁ!
霄囹を避けるなら分かるけど、何で私まで避けるのよぉ! 」
惷麗
「 誰が “ 霄囹 ” だよ──。
今の僕は “ 惷麗 ” だってのに!
はぁ…………未た玄武に逃げられたな…… 」
キギナ・メグド・ナール
「 アンタ、相当嫌われてるわね!
それにしても、マオと合流しないと夏祭りを楽しめないわ!
マオったら何時になったら来るのかしら? 」
惷麗
「 仕方無い。
またヤリチン目的の野郎にナンパされてやるか。
然し、今度は何処で金を巻き上げてやろうか── 」
キギナ・メグド・ナール
「 人気の少ない神社裏で良いんじゃないのぉ~~?
さっさと馬鹿な男を釣りに行きましょう~~ 」
惷麗
「 馬鹿が!
釣るんじゃない。
か弱い美少女の僕等が釣られてやるんだ。
魂を抜いてから金品を頂くぞ! 」
キギナ・メグド・ナール
「 賛成よぉ♥
来年は楽が出来るわぁ~~ 」
惷麗とキギナ・メグド・ナールは、海水浴場の時と同様に夏祭りでもヤリチン目的で女性をナンパする盛り中の男達に目を付けてもらえる様に歩く。
果たして惷麗とキギナ・メグド・ナールの被害者となる男達の人数は、海水浴場の人数を上回る事が出来るのか────。
◎ 訂正しました。
さったと馬鹿な ─→ さっさと馬鹿な