⭕ 海水浴しよう 6
──*──*──*── 砂浜
《 海の家 》を出て、セロと一緒に浜辺を歩く。
青い空,青い海,白い砂浜,海面に浮いてる土左衛門──うん??
マオ
「 どざえもん?? 」
セロフィート
「 マオ、どうしました?
マオ
「 セロ──、海面に浮いてるアレってさ…… 」
セロフィート
「 “ 遭難ごっこ ” でもしているのでしょう。
最近は変わった遊びが流行っているそうです 」
マオ
「 遭難ごっこ??
そんな傍迷惑な遊びが流行ってるのかよ?
紛らわしいだろ…… 」
セロフィート
「 “ 流行り ” とは、そういうものです。
此も時代の流れです。
そっとしといてあげましょう 」
マオ
「 良いのかな…… 」
セロフィート
「 正義感の強い民間人が助けたに行き、文句を言われて揉めた事例も有ります。
救助は専門家に任せ、通報するだけに留めていれば、責められたり揉める事も無いです 」
マオ
「 そうだな…。
助けたのに悪者にされて、文句を言われて責められるのは嫌だもんな。
気にはなるけど……見なかった事にする! 」
セロフィート
「 それが良いです。
本当に遭難しても自業自得で処理されます 」
セロは海面に浮いている土左衛門(?)には興味が無いみたいだ。
折角、楽しい海デートをしてるのに視界に土左衛門(?)がチラ付くのは嫌なんだけどなぁ~~。
マオ
「 本当に土左衛門だったら嫌だから、キノコンに回収してもらいたいんだけど…… 」
セロフィート
「 夏の海には怪異が住み着いてますし、放っといても問題無いです。
明日には消えてます 」
マオ
「 土左衛門を見ながらデートなんて “ 気分が萎える ” って言ってるんだけどぉ! 」
セロフィート
「 マオ、何時から神経質になりました?
昔はそんな子では無かったでしょうに 」
マオ
「 何気に傷付くぅ~~。
トゲトゲの海胆を投げるキャッチボールは遠慮したいんだけどぉ?! 」
セロフィート
「 海胆なんて持ってませんし。
ははぁ──。
マオは海胆を使った投げ合いっこしたいと♪ 」
マオ
「 言ってない!
当たったら痛いだろが!
それより、綺麗な貝を探そう。
波の音が聞こえる貝とか有るかも! 」
セロフィート
「 好きにしてください 」
マオ
「 言い方ぁ~~!
2人で探した方が楽しいだろ。
宝探しみたいでさ! 」
セロフィート
「 はいはい。
君が望むなら── 」
マオ
「 嫌そうに聞こえるんだけどぉ~~? 」
セロフィート
「 マオの気の所為です♪ 」
セロと一緒に綺麗な貝や波の音が聞こえそうな貝を探すけど、中々見付からない。
取り尽くされてるのかな?
マオ
「 無いな~~。
有りそうな浜辺なのに…… 」
セロフィート
「 ──人喰いザメと楽しそうに戯れるマオが見たいです。
戯れてみません? 」
マオ
「 急に何だよ?
絶っ対に嫌だぞ!! 」
セロフィート
「 イルカさんとは戯れるのに、鮫さんとは戯れたくないです?
マオの我が儘さん 」
マオ
「 イルカは人間側が余程の事をしないと噛まないだろ。
鮫は居るだけで襲って来るじゃないかよ 」
セロフィート
「 空腹だからでしょうに。
満腹にしとけば、鮫さんも大人しいです。
幸いにも鮫さんの餌には困りませんし♪ 」
マオ
「 海水浴を楽しんでいる人達を鮫の餌に使うなってば。
楽しい海水浴が台無しになっちゃうだろ~~ 」
セロフィート
「 はいはい…… 」
マオ
「 何で残念そうに言うかな……。
そう言えばさ、夏の海には怪異が住み着いてる──とか言ってたよな。
アレってマジなの? 」
セロフィート
「 事実です。
姿の見えない人間にはピンと来ないだけで、怪異も異形も其処等辺に居ます 」
マオ
「 その辺に…………?? 」
セロフィート
「 今はマオから距離を置く為に避難してます 」
マオ
「 どゆことだよ? 」
セロフィート
「 麼白さんを眷属にした影響です。
余程の御馬鹿さんでは無い限り、マオに近付いても悪さはしません。
ワタシの隣に居れば尚更です 」
マオ
「 麼白が近くに居ないのに影響が出てるって事かよ?
恐ろしい呪靈だな…… 」
セロフィート
「 恐れるのではなく、“ 心強い ” と言ってあげてください 」
マオ
「 なぁ、貝を見付けるのが得意な怪異って居ないのかな? 」
セロフィート
「 そんな都合の良い怪異は居ません。
貝は自力で探してください 」
マオ
「 分かったよ……。
なぁ、その海に住み着いてる怪異は悪さをするのか? 」
セロフィート
「 ワタシの比護下に入ってる怪異は悪さをしません。
海の秩序を守る為に悪戯はしますけど 」
マオ
「 悪戯ぁ? 」
セロフィート
「 海を汚したり、砂浜を汚すマナーの悪い人間に対して悪戯はします。
命は取りませんけど、腕や足を拝借したりはするでしょう。
禁止されている釣り,身勝手なサーフィン,水上バイクの乱暴な運転…等々の決まりを守れない人間は、海に引き摺り込まれ遭難します。
運が良ければ救助隊に助けてもらえるでしょう 」
マオ
「 ははは……。
まるで海のパトラーだな 」
セロフィート
「 人間より海の事を知り尽くしてますし、適任でしょう。
海で遭難する98%はモラルが無く、マナーも悪く決まりを守らず破る人間側の自業自得です。
残りの2%は不慮のアクシデント、イレギュラーです 」
マオ
「 98%も人間側が原因を作ってるのか?
知らなかったよ。
海は人間が好き勝手にして良い所じゃないもんな 」
セロフィート
「 海に住み着いてる怪異は、誰よりも海を大切に思いながら暮らしているだけです。
悪戯をしても大目に見てあげてください 」
マオ
「 セロが許してるんだから、オレが文句を言えないだろ~~ 」
◎ 訂正しました。
本当に遭難しても ─→ 本当に遭難しても