✒ 少年陰陽師★平安幻想異聞録 7
マオ
「 赤馬と青馬に何を渡したら買収を出来るんだ? 」
セロフィート
「 こっ恥ずかしいラブレターと同人誌を選んでください 」
マオ
「 えっ?!
ラブレターと同人誌を渡すのか?
そんなもんで試練の洞窟に入れるんだ?
見た目の割りにチョロい式神!? 」
兎に角、セロが教えてくれたアイテムを選んで、門番の式神にアイテムを渡してみた。
こっ恥ずかしいラブレターと同人誌を受け取った門番の赤馬と青馬は、シュンシュンに試練の洞窟に入場する為に必要な入場板をくれた。
セロフィート
「 これで試練の洞窟を自由に利用する事が出来ます。
入場板を所持した事で、平安時代にある試練の洞窟にも自由に出入り出来るようになります 」
マオ
「 平安時代にも試練の洞窟があるのか? 」
セロフィート
「 勿論です。
陰陽院の奥にあります。
平安時代で入場板を入手するのは困難です。
現代で入手する事が出来て幸運でしたね 」
マオ
「 へぇ~~、そうなんだ?
平安時代で苦労したくないよな… 」
[ 試練の洞窟 ]〔 入場 〕〔 陰陽院へ戻る 〕の2択が出る。
選ぶのは勿論〔 入場 〕だ。
ギギィィ~~と重たくも不気味な音が聞こえる。
扉が開いたんだろう。
画面に映っていた試練の洞窟の門前のイラストが内部を思わせるイラストと切り替わる。
[ キャンプ場 ]〔 キャンプ 〕〔 退場 〕[ ダンジョン ]の3択
が出た。
マオ
「 〔 退場 〕は “ 門の外へ出る ” って事だよな?
〔 キャンプ 〕は寝泊まりするって事か? 」
セロフィート
「 [ キャンプ場 ]ですからね。
〔 キャンプ 〕を選ぶと調理が出来ます。
厨房から拝借した非消耗品と万引きした消耗品を使い、料理を作りましょう。
〔 キャンプ 〕を選んでください 」
セロに言われて〔 キャンプ 〕を選ぶと〔 炊事 〕〔 洗濯 〕〔 入浴 〕〔 睡眠 〕の4択が出る。
〔 洗濯 〕〔 入浴 〕〔 睡眠 〕には触れずに〔 炊事 〕を選ぶ。
画面に調理が可能なメニューがズラッと並んでいる。
マオ
「 こんなに沢山の料理が作れるんだな!
料理名の後ろに “ ×99 ” って付いてるのは持ってる料理かな?
未だ作ってないから買った料理か。
色の付いてない料理を先ずは1食ずつ作って、後から99個にすれば良いよな? 」
セロフィート
「 消耗品が足りなくなれば、食堂へ転移し、ごっそり〔 万引き 〕すれば良いです。
〔 炊事 〕を始めましょう 」
マオ
「 お、おぅ… 」
調理可能な料理を全て作って、99個にする為に、消耗品が足りなくなる度に、食堂へ転移しては必要な分を〔 万引き 〕して、キャンプ場へ転移で戻ってから〔 炊事 〕を続ける行程をひたすら繰り返した。
最後に食堂で消耗品を〔 万引き 〕して、確りと補充したら〔 キャンプ 〕を切り上げた。
[ セーブ ]も忘れずにした!
マオ
「 式神のLVを上げに来たのに〔 炊事 〕で大分時間を使っちゃったな… 」
セロフィート
「 マオ、[ ダンジョン ]を選んでください 」
マオ
「 うん。
いよいよだな! 」
[ ダンジョン ]を選ぶと〔 探索 〕〔 調査 〕〔 攻略 〕の3択が出る。
マオ
「 〔 探索 〕〔 調査 〕って何するんだ? 」
セロフィート
「 [ ダンジョン ]には地図が無いです。
地図を自分で作成する必要があります。
〔 攻略 〕する前に現代で〔 探索 〕〔 調査 〕をして、地図を作成すれば平安時代でそのまま使う事が出来ます。
平安時代で〔 探索 〕〔 調査 〕をして地図を作成する作業は難儀です。
後々の事を考えて作成しときましょう 」
マオ
「 分かったよ。
〔 攻略 〕前に〔 探索 〕〔 調査 〕だな!
因みにさ〔 探索 〕〔 調査 〕をしている間は戦闘ってするのか? 」
セロフィート
「 “ 初心者に親切 ” をモットーにしているゲームです。
戦闘は〔 攻略 〕で好きなだけ出来ます 」
マオ
「 親切な部分がチラッとでも有った記憶が無いんだけどな~~ 」
セロフィート
「 ちゃんと有ります。
マオが気付けないだけでしょう 」
マオ
「 解せないんだけど! 」
まぁ、良いや。
[ ダンジョン ]の中を〔 探索 〕〔 調査 〕をして地図を作ってしまおう。
〔 探索 〕〔 調査 〕は以外と時間が掛かった。
無事に[ ダンジョン ]の地図が完成したけど、1時間近く掛かった。
マオ
「 …………はぁ…。
やっと地図が出来上がったな~~。
1時間もコントローラーを触らないで待ってないといけないなんて、結構辛いよな… 」
セロフィート
「 待っている間にチョコもパンもケーキも食べれたでしょう? 」
マオ
「 それはそうだけどさ… 」
セロフィート
「 腹拵えも出来ましたし、[ ダンジョン ]の〔 攻略 〕を始めましょう 」
マオ
「 お、おぅ。
〔 攻略 〕か……。
ドキドキするな! 」
[ セーブ ]をしてから、〔 攻略 〕を選ぶ。
シュンシュンから「 よし、腕試しだ! 」って力強い台詞が出る。
画面がリアルな3D映像に切り替わる。
ドット絵じゃないシュンシュンを自由に動かす事が出来る。
Rボタンを押すと画面が左右に動いて360度を見れるようになっているし、Lボタンを押すとダンジョンの天井を見る事が出来る。
オレは地図を見ながらシュンシュンを動かして[ ダンジョン ]の中を移動する。
マオ
「 セロ、何とも遭遇しないけど、何でだ? 」
セロフィート
「 勾玉の力です。
主人公を避けているから遭遇しません 」
マオ
「 えぇ~~!
避けられてたらLV上げが出来ないじゃんか 」
セロフィート
「 そんな事ないです。
逃げ惑う妖魔を襲い倒せば良いだけです 」
マオ
「 鬼畜のススメぇ!!
でも、どうやって襲うんだよ? 」
セロフィート
「 陰陽師らしく法術を使います。
妖見の術を使えば、見えない妖魔の姿を見る事が出来ます 」
マオ
「 そんな便利な法術あったかな? 」
セロフィート
「 ステータス画面で法術を開いてください 」
マオ
「 うん… 」
セロの言う通りにステータス画面を開くと、呪符の隣に見慣れない “ 霊符 ” が追加されている。
なんだろう?
マオ
「 セロ、霊符って何だ?
今迄こんなの無かったよな? 」
セロフィート
「 補助系専用の霊符です。
強力防御霊符,強力回復霊符,強力結界霊符,強力隠行霊符,強力浄化霊符,身体能力強化霊符…等を作れます 」
マオ
「 へぇ?
なんか凄そうだな 」
セロフィート
「 これも勾玉の力です。
呪符は簡単に作れますけど、霊符は簡単ではないです。
霊符を作るには専用の道具が必要です。
[ ダンジョン ]最深部のボスを倒せば入手が出来ます。
頑張る目標が出来ましたね 」
マオ
「 最深部まで行くのかよ?
また時間が掛かりそうだな~~ 」
セロフィート
「 因みに、勾玉を所持していない場合、最深部に着いてもボスは居ません。
入手出来るアイテムも無いです。
謂わば、隠しボスですね 」
マオ
「 隠しボスか…。
勾玉を持ってるだけで、色々と違うんだな~~。
よし、式神のLV上げ、頑張るぞ!!
先ずは妖見の術だったな 」
オレは法術を選んで、妖見の術を探した。
色が付いてるから使えるみたいだ。
妖見の術を発動させると、画面に見えてなかった妖魔の姿が現れた。
地図にも黄色い丸が出ている。
マオ
「 赤い三角がシュンシュンで、あの黄色い丸が妖魔だな。
画面に現れたのは、滑らかな3Dポリゴンの妖魔。
めっちゃシュンシュンから逃げてるぅ~~。
勾玉効果が凄いな!
壁にぶつかって進めないのに未だ逃げようとしてる!! 」
セロフィート
「 マオ、1階の妖魔を全て倒して地下1階へ下りましょう 」
マオ
「 必死に逃げる妖魔を背後から襲って倒すなんて、非道で外道で容赦ないな…。
正義は何処だよ? 」
セロフィート
「 陰陽師に正義を求めないでください。
弱者虐めと集団リンチは陰陽師の特許です 」
マオ
「 嫌な言い方するぅ~~ 」
セロフィート
「 事実ですし。
マオ、サクッと倒してLVと信頼度を上げましょう 」
マオ
「 弱い者イジメは気が進まないけど、式神を強くする為だもんな。
気持ちを切り替えて、ダンジョン攻略するぞ!!
何せ、式神は8体も居るからな! 」
セロから助言を受けながら、オレはシュンシュンを動かして、逃げ惑う妖魔達を背後から襲ってはひたすら倒し続ける。
果敢に向かって来る妖魔が居ないから、完全に悪役だぁぁぁぁぁぁ!!
こんな陰陽師で良いのか??
全然、健全で誠実さの欠片もないド鬼畜ゲームなんだけどぉ!!