⭕ 海水浴しよう 1
──*──*──*── 海水浴場
キギナ・メグド・ナール
「 きゃっほい★
海よぉ~~~~♥
青い空、青い海、白い砂浜、そして──海には欠かせない美少女の私!
良いわぁ~~~~♥
海、最高ぉ~~♪♪♪ 」
マオ
「 はぁ…………。
ゴーグル持って来れば良かった…… 」
惷麗
「 おい、マオ。
ゴムボートに乗りたいから準備しろ 」
マオ
「 オレはシュンシュンのパシリじゃないぞ。
オレはゴムボートに乗りたくないからパス! 」
惷麗
「 美少女の僕が誘ってるんだから付き合えよ!
本当なら玄武を誘って乗りたいけど、出来ないからマオで我慢してやるんだ。
有り難く付き合えよ 」
マオ
「 全然有り難く無いからな!
キギナと乗ってろ。
オレはセロとイチャイチャしながら、かき氷を食べるんだ!
邪魔しないでくれよな 」
シュンシュンを軽くあしらったオレは、シュンシュンを砂浜に残して《 海の家 》へ向かって歩く。
来たくも無い海に迄来て、煩いシュンシュンとキギナの相手なんてしたくないんだ!
潰れて取り壊される予定だった《 海の家 》を《 セロッタ商会 》が買い取って、キノコンが新しく建て直して、新築の《 海の家 》に大変身している。
因みに御客を相手に商売はしていない。
この砂浜──海水浴場は私有地になっているからだ。
キノコン達が新鮮な魚介類を海から調達してくれて炭火焼きしてくれている。
幻夢さん,玄武さん,弓弦さんは、真っ昼間から酒を片手に新鮮な海鮮焼きを食べて楽しんでいる。
3人共、長さが膝下まで有るズボンみたいな水着を穿いていて、上半身はアロハシャツを着ている。
前をボタンで止めて無いから、3人の素晴らしい腹筋を拝める様になっているんだ。
幻夢さん,玄武さんは烏帽子の代わりに麦わら帽子を被っていて、弓弦さんは麦わら帽子の代わりに縁がハートのサングラスを掛けている。
マオ
「 セロは何処かな? 」
1階にセロの姿は見えない。
セロなら日陰で読書をしていると思ったんだけど──、2階かな?
1階は食事スペースになっていて、寛げる座敷になっている。
掘り炬燵式になっているから、正座して座る必要がなくて楽チンだ。
1階の壁紙には《 裏野ハイツ 》と繋がっているドアの絵が描かれていて、自由に往き来が出来る様になっていて便利だ。
因みにドアの絵は2つ有って、ドアには[ 101号室 ][ 102号室 ]と書かれている。
──*──*──*── 2階
階段を上がった2階は畳の大部屋になっていて、布団を敷いて大人数で寝れる様になっている。
高級な本物の畳が贅沢に敷かれているだけの何も無い大部屋では、セロとキノコンが囲碁をしてた。
他にもキノコンが囲碁の打ち合いをしている。
皆囲碁が大好きだな。
マオ
「 セロ──。
読書しないで囲碁してるなんて珍しいな。
1階で一緒にかき氷食べないか? 」
セロフィート
「 1人で食べてください 」
マオ
「 そっけな!
海に来てるんだぞ!
囲碁より、海デートしようってば! 」
セロフィート
「 マオ…… 」
オレは後ろから両手を伸ばして、セロに抱き付いて甘えてみる。
セロに対してこんな事して許してもらえるのは、オレぐらいだろう。
セロはオレに対しては寛大だから──。
セロフィート
「 はいはい。
マオの甘えん坊さん。
この対局が終わる迄、待てます? 」
マオ
「 待つよ。
どうせ、セロが勝つだろ 」
セロフィート
「 マオ、勝負は最後まで分からぬものです 」
マオ
「 勝負に負けれないセロが何言ってんだよ…。
セロは白石だよな。
オレにも打たせてよ 」
セロフィート
「 はいはい。
今から黄石に変えましょう 」
セロは古代魔法を発動させて、白石の色を黄色に変えてくれる。
セロフィート
「 マオ、ワタシの代わりに打ってください 」
マオ
「 おぅ!
じゃあ── 」
オレは黄石を摘まんで碁盤の上に置く。
キノコンが黒石を置く。
因みに誰が見ても見分けが付く様に、キノコンの本体はタスキを掛けてくれている。
キノコンの棋力には個体差が有って、分身体でも強さが異なったりする。
セロと対局していたキノコンの実力をオレは知らない。
このまま白石で打っていたら、間違い無くセロが勝っていただろう。
オレはキノコンに勝てるかな?
マオ
「 ……………………えぇと──、此処かな?? 」
セロフィート
「 ふふふ…。
未々の様ですね 」
マオ
「 このままだとオレが負ける??
セロなら此処からでも勝てちゃうんだよな? 」
セロフィート
「 おや、もう諦めてしまいます? 」
マオ
「 キノコンが強過ぎるんだよ!
オレ、指導碁が打ててないし!
完全に負け確定じゃんか 」
セロフィート
「 マオは諦めが早過ぎます。
弓弦さんなら未々粘ります 」
マオ
「 弓弦さんはオレより強いじゃんか。
オレ、弓弦さんと打って、1度も勝てた事が無いんだぞ!
弓弦さんを例えに出すのは狡い! 」
セロフィート
「 はいはい。
マオの為に最善の一手を打ちます。
この一手を生かしてください 」
セロが摘まんだ黄石が赤色に変わる。
セロが碁盤の上に赤石を置いてくれた。
「 いかせ 」と言われても、次の黄石を何処に打てば “ いかせる ” のか分からないんだけどぉ!!
赤石の “ いかし方 ” が分からないオレって救い様の無い馬鹿かも知れない。
マオ
「 タイム!
幻夢さんにヘルプしたい! 」
オレより弓弦さんの方が強いけど、弓弦さんより玄武さんの方が強い。
その玄武さんより囲碁が強いのは幻夢さんだ。
幻夢さんの棋力は、セロ未満の玄武さん以上だから、赤石を “ いかせる ” 次の一手が分かる筈だ!!
オレは幻夢さんの棋力に賭けたい!!
◎ 変更しました。
《 海の家 》に向かって歩く。─→ 《 海の家 》へ向かって歩く。