✒ MMQ真夏イベント 後半8
──*──*──*── ベレッダルジンの街
──*──*──*── 領主の屋敷
──*──*──*── 中庭
冒険者が飛ばした式神に依って──、『 連れ去られた聖女は1人では無い事 』『 ブブゼペル城に囚われている事 』『 聖女達を全員救出する事 』『 領主邸の中庭へ転移させる事 』『 転移させた聖女達を見ても驚かない,騒がない,慌てない事 』『 聖女達には真摯に対応する事 』『 聖女達を保護し匿う事 』を──等々の情報を知らされていた領主ではあったが、中庭へ転送されて来た聖女達の決して正常とは言えない異常な状態とあられのない姿を目の当たりにし、あまりの衝撃的過ぎる光景に腰を抜かしそうになる程だった。
中庭へ転移された聖女達の様子は──、既に出来上がっており、身体中が火照っている様に見える。
全身から甘い香りを漂わせており、全身からは雌特有のフェロモンが発せられているかの様だ。
聖女の瞳は虚ろだが、未だ物足りなさを感じているのか、物欲しそうな顔をしている聖女達の姿も見られる。
由緒正しき神聖な聖女も衣装は見るも無惨にボロボロで、聖女達が身に付けていた筈の下着類は乱暴に剥ぎ取られてしまった様に見えて取れる。
豊満な胸もムラムラを掻き立てる太股も大胆に “ こんにちは ” しており、女体好きの男がこの場に居たなら、滝の様に涙を流しながら、歓喜しながら、聖女達を拝んでいる光景とも言えるだろう。
領主は聖堂教会へ連絡を済ませると、屋敷の使用人達に事情を話し、中庭に転移された聖女達を保護する事を伝える。
働き者の使用人達は直ぐ様準備に取り掛かった。
ゲンブ,オレ,リ◯さん,ナ◯ガさんが領主邸に到着すると、領主邸の正門前に聖堂教会の神官達が立ち往生していた。
どうやら領主邸の中へ入るのを禁止されている様だ。
何でだろう??
マオ:セロー
「 男性神官だけ正門前に居るけど何で中に入らないんだ? 」
霄囹:ゲンブ
「 どうやら領主邸の中へ入るのを許可されてるのは女性神官だけみたいだな 」
マオ:セロー
「 何でだ? 」
霄囹:ゲンブ
「 原因は大方聖女だろうな。
神官とは言え男だ。
聖女の世話をするんだから、同じ女である女性神官の方が適してるに決まってるだろ 」
マオ:セロー
「 それもそっか。
それよりさ、領主に会わないとだろ?
何とかして中に入れてもらえないかな? 」
霄囹:ゲンブ
「 頼んでみるか。
おぉーーーーい、領主の依頼を受けて聖女達を救出した〈 S・G 〉だ。
領主邸の中に入れてくれ 」
ゲンブが中庭へ向かって声を上げると領主邸の外に待機している男性神官の1人が領主邸の状態を聞かせてくれる事になった。
聖堂教会で慈善活動をしている神官ってのは、基本的に親切な設定なんだよな。
困った事が起きた時に頼ると快く手助けしてくれる有り難い組織なんだ。
親切な男性神官の話に依ると──、『 連れ去られた聖女達が救出され、領主邸の中庭に居る事 』『 聖女達を保護する為、救護班の派遣を頼む 』という要望を受けて、神官達は領主邸へ駆け付けたらしい。
領主邸に到着した神官達が中庭へ入ろうとしたら、領主邸で働いている使用人の女性に「 男子禁制です 」と伝えられたさうだ。
未だ被害に遭っていない使用人の男性達は既に領主邸の外へ避難が済んでおり無事なんだとか。
使用人の男性達が何の被害に遭ったのかと言うと──、ゲンブとオレで転移させた聖女達に襲われたらしい。
此は領主邸の外に避難の出来た使用人達からの目撃証言とも一致しているそうだ。
聖女達を保護する準備を整え終えた使用人達が中庭へ出て、聖女達の元へ駆け寄った迄は良かったんだけど──。
まさか聖女達が目の色を変えて使用人達を襲い掛かって来るとは考えもしていなかったらしく──、完全に油断していた男性の使用人達はあっさりと聖女達に捕まったらしい。
因みに聖女は “ 戦える聖女 ” と呼ばれている為、戦闘能力に長けていて、モンスター退治も余裕でこなせてしまえる武人でもある。