✒ MMQ真夏イベント 後半5
──*──*──*── 第5関門
オレ達パーティは松明の明かりを頼りにして、地上を目指して前に進む。
地下には放たれた(?)合成獣が大量に潜んでいて倒しながら進まないといけない。
地下で倒す合成獣はモンスター枠じゃないから、モンスター除けの道具を使っても効果は無い。
どうやら第5関門ってのは、襲い掛かって来る合成獣を魔法に頼らずに倒しながら、自力で地上を目指さないといけないらしい。
シュンシュン──ゲンブ曰く、[ ロード ]が出来ない様になっていて、[ セーブポイント ]から再開する事は不可能らしい。
とんだ鬼畜プレイだ。
リ◯さんのLVを上げる為にフィールドへトンズラしといて正解だった訳だ。
大金を叩いてリ◯さんの装備を整えたのも正解だった。
今のリ◯さんは十分戦力になっている。
リ◯さんは短剣と女性にも扱い易い長剣を装備している。
臨機応変に短剣と長剣を使い分けて戦ってくれる。
規格外の魔法をブッ放してモンスターを吹っ飛ばすリ◯さんもカッコイイけど、剣を振るって戦うリ◯さんの姿もカッコイイ。
合成獣を1体も残さず倒しながら先に進んでいると、リ◯さんの足が止まった。
どうやら、牢屋の中にリ◯さんの知り合いが居るらしい。
牢屋の中からリ◯さんの名前を呼ぶ声が聞こえる。
リ◯さんは物凄く嫌そうな顔をしていて、関わり合いたく無さそうだ。
「 気にしないで先に進みましょう! 」なんて言うから、牢屋の中からリ◯さんを呼ぶ女性の声が大きくなった。
どうやら、牢屋の中から助け出してほしいみたいだ。
可愛く駄々を捏ねて嫌がるリ◯さんを宥めて、会話を進めるイベントが発生した。
リ◯さんの会話から分かったのは、牢屋の中に居る声の主──女性は、リ◯さんと同じ魔導士で知り合いらしい。
一流の魔導士なんだけど、厄介事を持ち込むトラブルメーカー的な存在で、何度も面倒事に巻き込まれて苦労してるんだとか。
そんな訳で──、リ◯さんは “ 金魚のう●ち ” こと、ナ◯ガさんとは意地でも関わりたく無いらしい。
「 魔法の使えないナ◯ガは役立たずで足手まといの御荷物だから、置いて行った方が良いんだからね! 」と熱弁する始末だ。
リ◯さんは相当ナ◯ガさんの事を嫌っているみたいだ。
トラブルメーカーに関わりたく無いと断言するリ◯さんの気持ち、オレにも痛い程分かる。
でも、此はゲームでイベントだ。
貴重な仲間をゲット出来るか出来ないかの瀬戸際でも有る。
リ◯さんの希望を聞き入れて、放置は出来ない訳で──。
何や彼やと一悶着有ったけど、頑として嫌がるリ◯さんを何とか説得して、ナ◯ガさんを牢屋から出す事に成功した。
どうやらナ◯ガさんも連れ去られた聖女を救出する為に城へ来たらしい。
自慢の魔法をブッ放していたら、足元に現れた魔法陣で開いた落とし穴から地下に落ちてしまったんだとか。
地下に落ちてから魔法が全く使えない状態になって、襲って来る合成獣から逃げ回ったらしい。
鍵が開いていた牢屋を見付けて一時的に逃げ込んだ迄は良かったけど、鍵が掛かってしまい出られなくなってしまったらしい。
魔法を使えれば、簡単に壊して出られるけど合成獣が彷徨いているから、出るに出られない状況だったそうだ。
それにしてもナ◯ガさんの格好が凄い。
此も冒険者への細やかなサービスなのか──、露出度全開の際ど過ぎる水着みたいな衣装を着ている。
左右の胸がデカくて、まるで巨大なスイカが付いてるみたいだ。
女性にしては長身、艶やかで綺麗な黒髪が膝の後ろまで伸びている。
スタイルも抜群に良いから、黙って微笑んでれば男にモテそうだ。
そう、あくまでも “ 黙って微笑んでいれば ” だ────。
霄囹:ゲンブ
「 役立たずで足手まといなのは地下に居る間だけだ。
地上に出れば、ナ◯ガも魔法を使える様になる。
聖女を無傷で救出する為にも戦力は多い方が良いだろう 」
ゲンブの言葉は辛辣だけど事実だ。
今のオレ達が優先すべきは、聖女を無傷での救出する事だ。
成功させる為なら手段は選ばず、利用の出来るものは何でも利用する必要がある。
因みにナ◯ガさんのLVは何故か伏せられている。
その所為でオレ達にはナ◯ガさんのLVが分からない。
運営ぃ゛~~~~っ、不親切だぞっ!!
合成獣を倒してもナ◯ガさんのLVは上げれない──って事なのか?
運営めぇ!!
兎に角、新たなパーティメンバーとして一流魔導士のナ◯ガさんが加わった。
リ◯さんは気に食わない様で最後までごねたけど、ゲンブの怒濤の正論攻撃を聞いて諦めたみたいだ。
此がLVの差で表される威厳の力なのか…………。
LV500の威厳力、恐るべしぃ~~。
ゲンブに耳打ちされた後のリ◯さんは笑っていたけど──、ゲンブはリ◯さんに何を吹き込んだんだろう??
玄武さんの姿で若い女の子に耳打ちなんてしないでほしいんだけどな!!
破廉恥ぃ~~。
再び地上を目指して先に進む。
向かって来る合成獣は、ゲンブ,オレ,リ◯さんの3人で倒しながら地上を目指した。