✒ 少年陰陽師★平安幻想異聞録 6
〔 調味料 〕〔 香辛料 〕〔 食材 〕〔 料理 〕を全部──、〔 購入 〕じゃなくて〔 万引き 〕した。
飲食物は全部、消耗品だ。
全ての消耗品を99個ずつ購入しようとすると、かなりの金額になる。
オレはゲームの中なのに、支払う事をケチったんだ。
ゲームの中だから出来る事だ。
こんな事を現実でしたら即逮捕だろう。
どうせ、セロが揉み消して完全犯罪にしてくれると思うけどな!
凄い量の消耗品を〔 万引き 〕して入手したから、アイテム欄は一杯だ。
だけど、未々余裕がある。
一体何れだけのアイテムが入るんだろうな?
セロフィート
「 マオ、〔 万引き 〕も手慣れて来ましたね♪ 」
マオ
「 止めろぉ!
犯罪者が誕生したみたいに言うなぁ!! 」
セロフィート
「 [ セーブ ]をしたら厨房へ入りましょう 」
マオ
「 厨房?
さっき皿洗いをしたばっかだぞ 」
セロフィート
「 〔 購入 〕で消耗品を頂いたでしょう。
調理道具,調理器具,食器,食具を入手する必要があります。
調理道具,調理器具が無いと作れない料理もあります 」
マオ
「 〔 万引き 〕の次は厨房に入って “ 盗み ” かよ…。
このゲームはプレイヤーを悪の道にでも誘ってんのか? 」
セロフィート
「 昔からゲームでは人様の家に無断で入り、土足で物色し、アイテムを当然の権利のようにくすねてました 」
マオ
「 言い方に刺々しい悪意を感じるのはオレの気の所為か? 」
セロフィート
「 現実では決して許されない行為です。
多くの子供達が “ 世界を救う勇者 ” を疑似体験の出来るゲームを通し、大人の階段を上がりました 」
マオ
「 絶対に上がったら駄目な方の階段だったんじゃないか? 」
セロフィート
「 現実では決して許されない行為を堂々と胸を張り、心から楽しんで体験する事が出来るゲームが世の中には必要なのです。
ゲームの中だけでは満足が出来ず、現実で犯罪を起こす人間が異常なだけです。
ゲームは悪くないです 」
マオ
「 このゲーム、『 プレイヤーに犯罪を誘発させる危険なゲームだ! 』とか言われて、過保護な親やPTAとかを敵に回しそうだな。
大炎上しそうなんだけど… 」
セロフィート
「 そんな些細な事を気にしてはガッポリは出来ません 」
マオ
「 …………そだったな。
“ ガッポリする ” のが本来の目的だったな… 」
セロフィート
「 〔 手伝う 〕で食堂のオバちゃんから御褒美を貰えましたから、厨房に入れます 」
マオ
「 食堂のオバちゃんから黄金の鍵を貰えないと厨房には入れないのか? 」
セロフィート
「 そうですよ。
現実でも一般人が厨房へ立ち入る事は禁止されてます。
御褒美を貰う事で、立ち入り禁止の厨房へ入れる権利も得られます 」
マオ
「 へぇ~~。
裏技っぽいな 」
兎に角、厨房へ入ってみる。
[ 厨房 ]〔 物色 〕〔 拝借 〕の2択が出る。
〔 拝借 〕を選ぶと〔 物色をしないと拝借は出来ません 〕って文字が出る。
意地でもプレイヤーに 〔 物色 〕させたいんだな?
〔 物色 〕を選ぶと〔 調理道具 〕〔 調理器具 〕〔 食器 〕〔 食具 〕の4択が出た。
〔 物色 〕で盗みを誘導するなんて、まるで悪の御手本だな…。
取り敢えず、〔 調理道具 〕〔 調理器具 〕〔 食器 〕〔 食具 〕を順番に〔 物色 〕をしてから〔 拝借 〕を選んだ。
アイテム欄に非消耗品が大量に追加された。
セロフィート
「 [ セーブ ]をしたら厨房を出て、食堂も出ましょう 」
マオ
「 お、おう。
次は何処に行くんだろうな? 」
[ セーブ ]をした後、[ 厨房 ]〔 出る 〕を選んで、次は[ 食堂 ]〔 出る 〕を選んだ。
食堂から出ると、シュンシュンが「 書庫に行こう 」って台詞が出る。
マオ
「 セロ、書庫って?
資料室と違うのか? 」
セロフィート
「 黄金の鍵を入手した事で行けるようになった場所です。
立ち寄って損はないです 」
マオ
「 ふぅん?
15枚も皿洗いをしないと貰えない稀少なアイテムだもんな?
行ってみるか… 」
オレは地図を見ながらドット絵のシュンシュンを動かして書庫へ移動させる。
書庫に着いた。
[ 書庫 ]〔 読書 〕〔 物色 〕〔 拝借 〕〔 金庫 〕の4択が出る。
マオ
「 金庫ぉ?
何で書庫に金庫があるんだ?? 」
セロフィート
「 黄金の鍵が無いと開けれない金庫です。
書庫の奥にあります。
先ずは、〔 読書 〕〔 物色 〕〔 拝借 〕を済ませてしまいましょう 」
マオ
「 そうだな 」
セロの言う通り、オレは〔 読書 〕〔 物色 〕〔 拝借 〕を順番に進めた。
資料室と同じだな。
最後に残った〔 金庫 〕を選ぶ。
ステータス画面に切り替えて、黄金の鍵を選んだら[ check ]が出ている金庫に使った。
何で食堂のオバちゃんが書庫の奥にある金庫の鍵を持っていたのか──って事に突っ込んだら駄目な気がする。
ゲームだもんな!
敢えてスルーするのは大人の優しさってもんだろう。
黄金の鍵を使うとカチリ……キィィ~~という音が聞こえる。
金庫の鍵が解錠されて、金庫の扉が開いたんだろう。
画面には金庫の中のイラストが出ている。
白い布にくるまれている何かだ。
マオ
「 うん?
御札が貼ってある?? 」
画面の中のシュンシュンは、金庫の中へ手を伸ばして、白い布を取り出そうとしている様子の文章が出る。
白い布の上には強力な呪符が貼られているらしい。
画面の中のシュンシュンは、何の迷いもなく、警戒もせずに貼られている呪符を丁寧に剥がして、白い布も捲る文章が出る。
マオ
「 シュンシュン……幾らなんでも不用心過ぎないか? 」
セロフィート
「 ゲームですし。
好奇心には勝てないものです 」
マオ
「 良からぬ事が起きたりしないよな? 」
セロフィート
「 アイテムを入手するだけです。
何も起きません 」
画面には勾玉のイラストが出ている。
綺麗な虹色に輝く勾玉だ。
画面の中のシュンシュンは勾玉の穴に紐を通すと首に掛けたみたいだ。
見付からないように狩り衣の中に入れたみたいだ。
白い布と剥がした呪符はアイテム欄に追加された。
金庫の扉を閉めて、施錠をしたら、黄金の鍵もアイテム欄に追加された。
セロフィート
「 [ セーブ ]をしましょう。
勾玉を所持していると、平安時代で隠しイベントが発生します 」
マオ
「 へぇ?
隠しイベントか…。
どんなイベントだろう?
楽しみだな! 」
セロフィート
「 書庫を出たら、式神のLV上げをしましょう 」
マオ
「 そうだったな。
LV30にしないといけないんだっけ? 」
セロフィート
「 後の事を考えてLV50まで上げましょう 」
マオ
「 えぇっ?!
後40も上げるのかよ!? 」
セロフィート
「 平安時代に着いてから秒でGMOVになりたくないでしょう? 」
マオ
「 そんなに平安時代ってヤバいのかよ!?
それで、何処で式神のLVを上げるんだ?
訓練場か? 」
セロフィート
「 試練の洞窟です 」
マオ
「 試練の洞窟? 」
セロフィート
「 隠しダンジョンみたいなものです。
試練の洞窟には、とあるアイテムが無ければ入場は出来ません。
マオは既に持ってますから入場出来ます。
行きましょう 」
マオ
「 行くったって、どうやって…… 」
セロフィート
「 [ セーブ ]しました?
書庫を出てください 」
オレは直ぐ様[ セーブ ]をした。
[ 書庫 ]〔 出る 〕を選んだ後、シュンシュンが「 そろそろ部屋に戻ろうかな 」って台詞が出る。
画面には[ 自室 ][ 試練の洞窟 ]の2択が出た。
セロフィート
「 アイテムを所持していなければ、[ 試練の洞窟 ]は出ません。
マオ、[ 試練の洞窟 ]を選んでください 」
マオ
「 おう 」
オレは迷わず[ 試練の洞窟 ]を選ぶ。
シュンシュンから「 そうだ! 試練の洞窟で腕試ししてみよう! 」って台詞が出る。
画面がドット絵に切り替わると、シュンシュンが勝手に陰陽院の中を歩いて進んで行く。
シュンシュンは迷わず[ 試練の洞窟 ]を目指して動き続ける。
見てるだけで良いなんて楽チンだな。
画面が切り替わると立派な門のイラストが出る。
立派な門の左右には、人の姿をした赤馬と青馬が立っている。
マオ
「 門番かな?? 」
セロフィート
「 式神です。
彼等に話し掛けて、アイテムを渡しましょう 」
マオ
「 門番の式神に賄賂を渡して買収するのかよ…。
未だプロローグのチュートリアルなのに犯罪行為しかしてない気がするぅ~~!! 」
セロフィート
「 [ セーブ ]をしてからアイテム欄を見ましょう 」
マオ
「 分かったよ… 」
◎ 変更しました。
試練の場 ─→ 試練の洞窟