✒ 饅頭こわい 1
──*──*──*── 東京都米●市米●町米●横丁
──*──*──*── 犯罪天国都市・米●町
──*──*──*── 裏野ハイツ
──*──*──*── 102号室
──*──*──*── リビング
マオキノ
「 マオ様ぁ~~、饅頭が出来上がりましたエリ 」
セノコン
「 マオ様、ご賞味くださいませエリ 」
マオ
「 有り難な、マオキノ,セノコン。
ホカホカしてて美味そうだな! 」
マオキノとセノコン作ってくれた饅頭は3種類も有って、何れも美味しそうに見える。
マオキノ
「 マオ様の為、腕に縒りを掛けて作りましたエリ♥ 」
セノコン
「 マオ様の頬っぺたを落としちゃいますエリ★ 」
オレに向かってウインクしてくれるセノコンが可愛い(////)
食卓テーブルには白皮の饅頭,薄黄皮の饅頭,薄赤皮の饅頭が乗せられた大皿が並んでいる。
何色の饅頭から食べようかな?
マオ
「 ──うん?
この皮、ほんのり甘いな?
皮だけでもイケるぅ♪ 」
マオキノ
「 饅頭の皮には蜂蜜を練り込んでいますエリ 」
マオ
「 へぇ~~蜂蜜入りの皮なんだ?
優しい甘さだな♪
中身も美味いよ。
一寸だけ口の中がチクチクするけど──。
何でかな? 」
セノコン
「 針にも栄養が有りますエリ。
抜かずに付けたまま捏ねましたエリ 」
マオ
「 うん?
針を抜かずに捏ねた??
どゆこと?? 」
セノコン
「 饅頭のタネには、丁寧に捏ねた蜂を使ってますエリ 」
マオ
「 んん??
はち……………………??
はちって──どんなはち?? 」
マオキノ
「 マオ様は御惚けるのが御上手ですエリ~~。
蜂は蜂ですエリ★ 」
マオ
「 いや、惚けてないから!
だから、どんなはちだよ?? 」
セノコン
「 …………………… 」
マオキノ
「 …………………… 」
マオ
「 ……………………何で黙るかな? 」
セノコン
「 マオ様、本当にピピンと来ませんかエリ? 」
マオキノ
「 蜂蜜を集める蜂ですエリ。
マオ様の為に栄養価の高い蜂を飼育していますエリ 」
マオ
「 ………………は?
………………蜜蜂って事か? 」
セノコン
「 違いますエリ。
蜜蜂は絶滅危惧種認定寸前の稀少な蜂ですエリ。
別の場所で大事に飼育していますエリ 」
マオ
「 そ、そうなんだ? 」
マオキノ
「 “ 黄金の蜂蜜 ” は全て蜜蜂が集めて作った稀少価値の高い “ 幻の蜜 ” ですエリ 」
マオ
「 へ、へぇ……。
そんな稀少価値の高い蜂蜜とは知らずにオレは何気無く食べてた訳だな?
とんだ贅沢をしてたもんだ! 」
セノコン
「 元々はマオ様に味わって頂く為に集めた蜂蜜ですエリ。
マオ様の蜂蜜ですエリ 」
マオキノ
「 キノコン印のスイーツにも使っていますエリ。
元々はマオ様に美味でリッチなスイーツを召し上がって欲しかったからですエリ。
マオ様のスイーツですエリ 」
マオ
「 何から何迄、オレの為に有り難な(////)」
マオキノ
「 当然の事ですエリ。
マオ様はキノコンの救世主ですエリ。
マオ様には日頃からもっと贅沢を楽しんで頂きたいですエリ! 」
セノコン
「 マオ様は慎まし過ぎますエリ! 」
突然、マオキノとセノコンから説教をされる羽目になった。
オレは十分過ぎる程、贅沢な暮らしをさせてもらってるんだけど、マオキノとセノコンからしたら質素に見えるって事か──。
可愛い声で「 エリエリ 」と怒っているマオキノとセノコンが可愛い~~(////)
心は和むんだけど、何時迄も御説教は聞きたく無いからな、話題を変えようと思う。
マオ
「 えぇと──、蜜蜂じゃなかったら、どんな種類の蜂を使ってるんだ?? 」
マオキノ
「 オオスズメバチ,キイロスズメバチ,モンスズメバチ,コガタスズメバチ,シマアカスズメバチ,チャイロスズメバチ,ツマグロスズメバチ,ヒメスズメバチ,クロスズメバチ,オニグロスズメバチ──、10種類のスズメバチをブレンドして作りましたエリ★ 」
マオ
「 ………………スズメバチって危険極まりない殺人蜂じゃなかったっけ?? 」
セノコン
「 勿論ですエリ。
本来は食用では無いですエリ。
でも、マオ様には関係無いですエリ~~ 」
マオキノ
「 マオ様の為に愛情を注いで、美味しい蜂さんになる様に育てましたエリ。
コネコネする時もマオ様の笑顔を思い浮かべて丁寧に捏ねましたエリ♥ 」
マオ
「 ………………あぁ…………うん…………。
有り難うな? 」
とんでもない饅頭を食べさせられてた!!
まさか、殺人蜂を使った饅頭だなんて、誰が思うよ!
確かに美味いし、スズメバチを食べても死ぬ事は無いけどさぁ!
………………これ全部、完食しないと駄目かな??
うぅ…………此って新手の嫌がらせじゃないよな??
マオキノとセノコンの愛情が痛重くて、辛い────。