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⭕ 囲碁界に新風が走る! 1


──*──*──*── 4月9日


──*──*──*── 日曜日


──*──*──*── 碁会所


 4月の入学式が終わり、数日が経った日曜日の朝──、裏野ハイツから徒歩30分ほどの場所にある最寄り駅から電車に乗り、5駅先の場所に有名な囲碁名人が開いている碁会所がある。

 その碁会所に子供の姿となったげんづるた。

 予定では10歳だったが、誕生日を迎えたら10歳になるように変更した為、げんづるの外見年齢は9歳だ。


 入学式が終わる日まで、げんづるは県外にあるセロフィートの本屋へ行ってはタダで本を読んだり、キノコンから≪ にっぽんこく ≫の歴史や現代社会を学び、知識を広げた。

 自分達の(しま)(ぐに)と世界観が似ている事もあり、歴史も現代社会も読み書き,算術も大して苦労はしなかった。

 バスに乗ったり、電車に乗ったり、タクシーに乗ったり、買い物をしたあとの支払い方などに多少、手こずったぐらいだ。


 げんはプロ棋士を名乗る大人と対局中で、づるは院生だと言う少年と対局中だ。

 似ていない二卵性双生児のげんづるの周囲には、子供 ~ 年配者のひとだかりが出来ていた。


 げんづるも強過ぎる絶対無敗のセロフィートと打つ事が多かった為、自分よりも棋力の低い相手に大しては指導碁を打つ癖が付いてしまっていた。

 キノコンやしゅんしょうしょうれいと打つときは勝負碁を打つ事も出来るのだが、マオと打つとき指導碁になってしまっていた。


 碁会所にかよい囲碁を打っているアマチュア達,院生達,プロ達の棋力はマオよりも弱く、無意識に指導碁を打ってしまっていた。

 小学4年生になったばかりの9歳の子供達に、プロを目指す院生とプロ棋士が指導碁を打たれている。

 ひとだかりが出来て大騒ぎになるのは当然だった。


 正午にはキノコンが持たせてくれたお弁当を2人で仲良く食べ終えたあと、お帰りチャイムが鳴り出す迄のあいだ碁会所で囲碁を打ち続けた。

 「 打ちたい! 」と対局を望む人が多かった為、げんづるは1人で複数を相手にして碁を打った。

 1人で複数と打つ多面碁打ちは慣れたもので、くるくる回る椅子の上にに座り、左右に2人,前に2人の計6名 対 自分で打っていた。


 9歳の双子が6人を相手に多面打ちをし、どの盤上も指導碁だという事で、碁会所内は大騒ぎで大慌てだ。

 げんづるもセロフィートと打ちまくっていた所為もあり、自分達の棋力が飛び抜けている事に気付けず、すっかり自重する事を忘れて打っていた。


 お帰りチャイムが鳴り始める前に最後の対局を終えたげんづるは、挨拶をして碁会所を出ると帰って行った。

 双子が帰って行ったのを見送ったあと、プロ棋士と院生達はさま記入された棋譜を見ながら棋譜並べを始め、検討に入った。


 れも指導碁。

 とても9歳の子供が打てるレベルの指導碁ではなく、プロ棋士にも打てる者がるか分からないほどに美しい指導碁が盤上に再現されていく。

 惜しみ無い強さを見せ付けられた棋譜を前に、プロ棋士はかへ電話を掛けたあと、棋譜帳のコピーを持って碁会所を飛び出して行った。

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