⭕ セロフィートとデート 9
プラネタリウムを堪能して、会場から出ると売店は大混雑していた。
店員のキノコンが御客を上手く誘導している。
マオ
「 す…凄い反響だな!
先にグッズを買っといて良かったぁ~~ 」
セロフィート
「 プラネタリウムは楽しめました? 」
マオ
「 勿論だよ!
もう、最高だったよ!!
満員御礼なのも分かる。
此は何回でも来たくなるよ!
チケットを買わなくても入れるのも良いよな 」
セロフィート
「 キッチンカーへ行き、かき氷を買いましょう 」
マオ
「 賛成ぇ~~♪ 」
展望台の中を歩いてエレベーターへ向かう。
エレベーターも満員御礼で行列が出来ている。
此は直ぐに順番は回って来ないぞ。
マオ
「 エレベーターに乗れる迄、暇だな~~。
時間も掛かりそうだし…… 」
セロフィート
「 ふふふ…。
待つのは嫌です? 」
マオ
「 当たり前だろぉ~~。
オレはセロと違って待ち専じゃないんだ 」
セロフィート
「 ワタシも待ち専ではないですけど? 」
マオ
「 自覚してないのかよ……。
早くかき氷食べたいのにぃ~~ 」
セロフィート
「 はいはい。
ではビジネスビルに移動しましょう。
マオもワタシも《 セロッタ商会 》の社員で登録してます 」
マオ
「 やったぁ!
そっか、《 セロカ君の本屋 》で働いてるから、《 セロッタ商会 》の社員になるんだっけ? 」
エレベーターを待つ行列に並ばなくて済むなんてラッキーだ。
因みにビジネスビル,ビジネスホテルと通じている出入り口には、警備員の帽子を笠の上に乗せて、警備係りのタスキを掛けているキノコンが1体ずつ立っている。
ちゃんとビジネスビルの中に有る企業に籍の有る社員なのかチェックをしている様だ。
セロとオレなら顔パスで通れそうだけど、それだと他の御客からしたらフェアじゃない。
ちゃんしたとチェックを受けてから、ビジネスビルに入れてもらえた。
──*──*──*── ビジネスビル
1階まで直通のエレベーターに乗って1階まで下りれば良いだけど、折角だからビジネスビルの中に有る《 セロッタ商会 》を覗きに行く事になった。
──*──*──*── セロッタ商会
セロフィート
「 最上階が《 セロッタ商会 》が利用しているフロアになります 」
マオ
「 最上階のフロア全部が? 」
セロフィート
「 そうです。
建築したのは《 セロッタ商会 》ですし、1番良いフロアを利用するのは《 セロッタ商会 》の特権です 」
マオ
「 そう言われちゃうと、そんな気がするんだよな~~ 」
という訳で《 セロッタ商会 》のドアを開けて室内へ入ると──、キノコン達がめちゃくちゃ寛いでるぅぅぅぅぅぅぅぅ?!
マオ
「 えっ、会社…………えっ…………どゆことぉ?! 」
セロフィート
「 元気そうです。
皆楽しめている様です 」
マオ
「 いゃいゃいゃ──、何で皆、全力で寛いでるんだ!?
会社として良いのか? 」
セロフィート
「 問題無いです。
する事してますし 」
マオ
「 セロはキノコンに対して寛大だな 」
キノコン
「 セロフィート様とマオ様エリぃ 」
キノコン
「 御早う御座いますエリぃ 」
寛いでいたキノコン達が、ワラワラと次々に寄って来る。
マオ
「 あれ??
何か何時もとサイズが違うな。
一回り小さい? 」
セロフィート
「 このキノコン達は未だ成長期です 」
マオ
「 成長期?
成人してないって事か? 」
セロフィート
「 そうです。
大人になれば、マオの為に大活躍してくれる頼もしい戦力です 」
マオ
「 へ、へぇ── 」
キノコン
「 セロフィート様ぁ、新しい事業を考えてみましたエリぃ 」
セロフィート
「 聞きましょう 」
キノコン
「 有り難う御座いますエリぃ 」
新しい事業??
ただ寛いで遊んでるだけに見えるのに── “ 仕事してる ” ってのは “ 事業を考えてる ” って事か?
セロに話を聞いてもらえる事になって嬉しそうだ。
キノコン
「 ──と言う事業ですエリぃ 」
セロフィート
「 クラフト盆栽展ですか。
良いでしょう。
思うままにやってみなさい 」
キノコン
「 エリぃ~~(////)
有り難う御座いますエリぃ(////)」
マオ
「 即決かよ…。
良いのか? 」
セロフィート
「 問題無いです。
何事にも挑戦する事は大事です。
先輩キノコン1体と〈 器人形 〉を数体付けますし、失敗はしないでしょう。
失敗しても問題無いですし 」
マオ
「 えぇと……クラフト盆栽ってのは、針金,紙,粘土なんかの素材を使って本物そっくりに盆栽を作るんだ?
植物の世話が苦手な人には良いかも知れないな? 」
キノコン
「 本物の盆栽は高価ですエリぃ。
素人には盆栽の世話も大変ですエリぃ。
本物を再現した手工芸品のクラフト盆栽は、『 盆栽には興味は有るけど── 』と足踏みしている盆栽好きを対象に出来ますエリぃ。
盆栽文化が廃れて来ている今、少しでも盆栽に興味を抱き、盆栽の魅力に触れて、盆栽を身近に感じてもらえる切っ掛けを作りたいですエリぃ 」
マオ
「 世話をしないで見て楽しめる楽チンなクラフト盆栽を弘めて、盆栽文化が廃れない様に手助けする──って事か? 」
キノコン
「 はいですエリぃ。
展示会にはプロのクラフト盆栽師達が丹精込めて作り上げた渾身の作品を展示してもらう予定ですエリぃ。
展示会終了後には、購入する事も可能にしますエリぃ。
プロクラフト盆栽師達の紹介もして、御客に宣伝,売り込み,依頼の斡旋もしますエリぃ 」
マオ
「 へぇ?
まともな理由で逆に吃驚したよ。
成功すると良いな 」
キノコン
「 有り難う御座いますエリぃ。
頑張りますエリぃ(////)」
セロフィート
「 他にも有れば聞きましょう 」
マオ
「 えっ?!
セロ、デートは?
かき氷は? 」
セロフィート
「 デートは御開きしましょう。
ワタシはキノコン達の事業展開の企画を聞きます。
マオは帰ります?
帰るなら転移魔法で裏野ハイツへ帰しますけど? 」
マオ
「 ………………オレも一緒に聞くよ!
こんな機会、滅多に無いかもだし。
とんでも企画が有ったら遠慮無く却下するからな! 」
セロフィート
「 はいはい。
キノコン、マオにスイーツを用意しなさい 」
キノコン
「 はいですエリぃ!
試作中のキノコン印の味見を御願いしますエリぃ 」
マオ
「 良いよ。
チェックしてやるから、じゃんじゃん持って来い! 」
そんな訳で、折角のデートは途中で御開きになってしまった。
だけど、成長期のキノコン達が考えてる事業企画が気になるのも事実だ。
セロは何にでもOK出しそうだからな、オレがストッパーにならないとだぞ!
キノコン達が嬉しそうに並んでいる。
皆、セロに事業企画を話したいみたいだ。
意欲と元気が有って良いと思う。
かき氷は次の機会になりそうだな。
トホホぉ~~~~( ;⊃Д`)
◎ 訂正しました。
因みに ─→ 因みに
何時もと ─→ 何時も
持って来い(こ)! ─→ 持って来い!
◎ 追加しました。
マオ
「 最上階のフロア全部が? 」