⭕ セロフィートとデート ８
──＊──＊──＊── プラネタリウム
プラネタリウムの受け付けもキノコンが担当していた。
セロカ会員が自分の会員カードをタッチすれば入れる簡単な入場方法で、チケットを買う必要が無かった。
駅に有る改札口みたいな機械に会員カードをタッチさせれば、自動的にＰ払いされる仕組みになってるらしい。
会員カードでＰ払いをした際には、スマホの “ ＋メッセージ ” を通ってデジタルレシートが送信されるんだとか。
何時，何処で何に対して，何Ｐ使ったのか分かるのは有り難いと思う。
Ｐ残高も分かるみたいだ。
Ｐ払いが嫌な人は、セロカマネーでも支払いが出来るらしい。
その場合は並ぶ改札口の機械が違うみたいだ。
会場内に入ると満員御礼みたいに、かなりの御客が座席に座っている。
プラネタリウムが始まるのが待ち遠しいのか、ザワザワと賑わしい。
マオ
「 人気が有るんだな。
カップルだけじゃなくて、親子連れも多いみたいだな～～ 」
セロフィート
「 家族でも楽しめるデートスポットです。
｛ プラネタリウムが始まると座席が透明になる演出が入ります。
まるで宇宙空間に浮いている雰囲気を楽しめます ｝ 」
マオ
「 マジかよ？ 」
セロフィート
「｛ このプラネタリウムには、遥か昔に滅んでしまった≪ 大陸 ≫が生み出した高度な科学技術を用いてます。
誰にも真似の出来ないプラネタリウムです。
リアルな宇宙を感じる事が出来、銀河系も美しく見れます ｝」
マオ
「 へぇ、そうなんだ？
楽しみかも！ 」
満員になったのか、扉が閉められる。
キノコンが中央に出て来て、マイクを持って星座に纏わる彼是な話を聞かせてくれる。
そう言えば、中央に有る筈の機械が無いな。
マオ
「｛ セロ──。
プラネタリウムってさ、中央にデカい機械が有った筈だよな？
何で機械が無いんだ？
下から上がって来る仕組みにでもしてるのか？ ｝」
セロフィート
「｛ 投影機の事です？
高度な科学技術で改良された投影機は、持ち運びの出来る手軽な形になってます ｝」
マオ
「 そうなんだ？
｛ あんなデカい機械が持ち運び出来る様に──。
セロ、その≪ 大陸 ≫ってさ、何で滅んだんだ？
原因は有るんだろ？ ｝」
セロフィート
「｛ 文明が滅亡する原因の９割は人類ですけど？
陸民の生活を豊かにする為、水素，原子力を平和資源として活用していた迄は良かったのです ｝」
マオ
「｛ すいそ？
げんしりょく？？
何だそれ？ ｝」
セロフィート
「｛ 原子力は主に “ 原電 ” として、電気を起こす動力源として使われ、陸民の生活を支えていました。
生活を豊かにする為、平和利用されてました。
原子力を “ 原電 ” として利用する事で電気代を頗る安く陸民へ提供する事が可能になります ｝」
マオ
「 ふぅん？
｛ 古代魔法で電気が使いたい放題のオレ達には関係無い話だな。
その≪ 大陸 ≫ではさ、魔法は使えなかったのか？ ｝」
セロフィート
「｛ 魔法を使えていた者達は迫害され、捕らえられては処刑されてました。
魔法を排除し、科学技術で発展し栄えた≪ 大陸 ≫でした ｝」
マオ
「｛ でもさ、≪ 大陸 ≫なんだから〈 皇 〉が居ただろ。
〈 皇 〉は何をしてたんだ？
黙って高見の見物でもしてたのか？ ｝」
セロフィート
「｛ 残念ながら〈 皇 〉は長期出張中で≪ 大陸 ≫には不在でした。
長期出張中の間、管理を任せていた人間の子孫が暴走したのです。
暴走者というのは必ず現れるものですし ｝」
マオ
「 ………………そだな…… 」
セロフィート
「｛ 平和資源として活用していた原子力も核を平和資源として活用する事が可能になる迄の “ 繋ぎ資源 ” でしかないです。
その≪ 大陸 ≫では叡智の結晶として活用する方法を編み出し、原子力から核へ資源を移行しました。
核を平和資源として活用出来ていた迄は良かったです ｝」
マオ
「 それ、さっきも聞いた様な……。
｛ …………もしかして、軍事利用の為に兵器として使っちゃったとか？？ ｝」
セロフィート
「｛ 惜しいです。
魔法使い達は、魔法を活用し、水素エネルギー，原子力エネルギー，核エネルギーを融合させ、新時代に相応しい “ 新しい資源 ” を生み出しました。
大金に目の眩んだ欲深い魔法使いの１人が仲間達を裏切り、“ 新時代の資源 ” の情報を漏洩します。
それが引き金となり “ 新時代の資源 ” を手に入れたい人類は、水素，原子力，核を兵器として使い、魔法使い達に宣戦布告をしました。
“ 新時代の資源 ” を明け渡す様、兵器をチラ付かせて脅した訳です ｝」
マオ
「｛ 新しい資源を生み出した魔法使い達と平和資源を兵器として悪用した人間達との戦争が始まったって事か？ ｝」
セロフィート
「 まさか。
｛ そうなる前に当時の先代が≪ 大陸 ≫に悪性の病原菌を撒き散らし、人類を衰退させました。
原子力，核のみならず、人類を生かす資源を〈 テフ 〉へ変換してしまいました。
地球の寿命を縮めない為の処置です ｝」
マオ
「｛ 魔法使いは？
生き残ったなら≪ 大陸 ≫が滅ぶ訳ないよな？ ｝」
セロフィート
「｛ 新しい資源も〈 テフ 〉に変換されました。
その事に憤った魔法使い達は、当時の先代を敵と見なし、戦う事にしました。
結果は言わずとも分かりますね？ ｝」
マオ
「｛ そだな……。
敵う訳ないもんな。
全滅したんだろ？
悪性の病原菌で人類は衰退しちゃった──って事か…… ｝」
セロフィート
「 欲張るのも程々に──の教訓です 」
マオ
「 規模のデカ過ぎる教訓だな～～ 」
セロフィート
「 マオ──、キノコンが会場内から出ると始まります 」
星座の話を終えたキノコンが「 夢の時間を御堪能くださいませエリ★ 」と言って会場内にから出て行くと、会場内が徐々に暗くなった。
会場内が真っ暗になると沢山の星が現れて、まるで別世界に変わってしまった。
まるで本当の宇宙に浮いてるみたいな不思議な感覚に陥る。
確かに座席に座っているのに、自分が動いている様に感じる。
高度な科学技術で作られたプラネタリウムって──凄いっ！！
◎ 訂正しました。
タッチすれば入れる ─→ タッチすれば入れる
Ｐ払い ─→ Ｐ払い
１人が仲間を裏切り ─→ １人が仲間達を裏切り
◎ 変更しました。
手に入れる為、─→ 手に入れたい人類は、
変換されたしまった事に憤った魔法使い達は、─→ 変換されました。
その事に憤った魔法使い達は、
