⭕ 顔の変わる人形 6
霄囹
「 折角だ、マオにも人形を祓う所を見せてやるよ。
見物料を1分10万にしといてやる。
僕は何て心が広くて優しいんだ! 」
マオ
「 見物料が10万は高いだろ!
オレはシュンシュンの主人じゃないか。
1分100円な 」
霄囹
「 馬鹿言えよ!
本来なら100万だぞ。
それを1割の10万にしてやるってのに、100円だってぇ!
表に出して使えない裏金なんだから、僕にくれても別に良いだろが! 」
マオ
「 【 呪人形の館 】の建設作業を頑張るキノコン達を労う為に全額を使うなら、1分100万でも良いぞ 」
キノコン
「 マオ様ぁ~~~~(////)
マオ様の御世話係りをしていないキノコンにも御優しいですエリぃ~~(////)
今のマオ様の御言葉をキノコン達に伝達したいですエリぃ~~ 」
霄囹
「 はぁ!?
駄目に決まってるだろ!
僕の懐に入らないじゃないか! 」
マオ
「 シュンシュン……。
菠蓙茗からは5.200万も支払ってもらえるんだから要らないだろ。
キノコン達にも御褒美あげないと手伝ってくれなくなるぞ!
キノコン、皆に伝達してくれるかな? 」
キノコン
「 はいですエリ!
勿論ですエリ!
有り難う御座いますエリ♥ 」
マオ
「 建設中にシュンシュンが無理を言ったり、我が儘を言ったりするかも知れないけど、深くて寛大な心で大目に見てやってくれな? 」
キノコン
「 マオ様の頼みとあらば、全てのキノコンは素直に聞き入れますエリ。
霄囹ちゃまはマオ様に感謝するエリ 」
マオ
「 有り難な、キノコン。
シュンシュンはオレの友達だから── 」
霄囹
「 フン…………(////)
余計な事するなよ…(////)」
マオ
「 それで?
何処で人形の御祓いをするんだ? 」
霄囹
「 僕の異界でする。
僕の異界では曰く憑きの人形は悪さを出来ないからな 」
マオ
「 シュンシュンの異界──。
そう言えば、玄武さんも自分で作った異界を持ってるんだっけ──。
シュンシュンの異界にはどうやって行くんだ? 」
霄囹
「 転移陣を使って行く。
現世と異界を繋ぐ特殊な転移陣だ。
マオ、此を手首に付けるんだ 」
マオ
「 シュンシュン、此って何だ? 」
霄囹
「 ミサンガだ。
僕の異界は北海道くらい広いからな。
迷子にならない為の貴重な道具だぞ。
1つ70万な 」
マオ
「 たっかぁ!!」
オレがシュンシュンから手渡されたミサンガを手首に付けてる間に、当のシュンシュンは特殊な転移陣を事務所内に出現させていた。
霄囹
「 行くぞ 」
マオ
「 ……………………此が転移陣?
真っ黒い球体じゃないかよ。
入っても大丈夫なのか……?? 」
霄囹
「 現世と異界を繋ぐ “ 特殊な転移陣 ” って言ったろ。
普通の転移陣とは違うんだ 」
シュンシュンに手首を掴まれて、怪しい真っ黒い球体の中へ入る。
モヤモヤとしている転移陣の中に入ると広い庭園に出た。
──*──*──*── 霄囹の異界
マオ
「 うわっ──、何だよ、此処は?
凄いな──、まるで巨大な日本庭園じゃないか!
此処がシュンシュンの異界── 」
霄囹
「 城内の庭だ。
城の敷地内に式神,式隷を放し飼いにしてある。
お祓いする場所は城外に在るから式神に乗って行くぞ 」
マオ
「 城ってのは、シュンシュンが作ったのか? 」
霄囹
「 当たり前だろ。
異界ってのは殺風景な景色が果てしなく続くからな。
自分好みに自由に変えるんだ。
この城は≪ 日本国 ≫に来てから時代劇を見て作った城だ。
10km範囲に城を作って在る。
興味が有るなら見て回って良いぞ 」
マオ
「 10km範囲って、結構な距離が有るじゃんか 」
霄囹
「 僕が暮らすのに使ってる本邸は異界の中心に在る。
お祓いが済んだら連れてってやるよ 」
マオ
「 お、おぅ…… 」
──*──*──*── お祓い場所
空を飛べるシュンシュンの式神の背中に乗せてもらう。
空を飛んでると風を切って気持ち良い。
上空から見る異界の地面は赤茶色く染まっている。
景色はシュンシュンの言う通りで、殺風景な平地がひたすら広がっているだけだ。
面白味は微塵も感じられない。
遠くに見える小さな点みたいなのが、シュンシュンの作った城らしいんだけど、遠過ぎて全く以て分からない。
早く近くで見てみたいな。
人形の御祓いををする場所に到着した。
式神の背中から降りて近付いてみると、キャンプファイヤーをするみたいに長さの有る丸太が組まれている。
丸太は正方形じゃなくた8角形になっている。
キノコン
「 この中には霄囹ちゃまが引き取った曰く憑きの人形が入ってますエリ。
既に仕分け済みの販売には使わない──【 呪人形の館 】に展示する専用の人形ですエリ 」
マオ
「 何か……雑な扱いしてるんだな…… 」
キノコン
「 作品的価値も商品価値も無いに等しい人形ですエリ。
敢えて雑に扱い事で、人形に深見がでますエリ 」
マオ
「 そう……なのかな?? 」
霄囹
「 今から御焚き上げを始める。
キノコンはキャンプファイヤーから離れ、配置に付いて準備しろ! 」
キノコン
「 伝達するエリ 」
キノコンが仲間のキノコン達に伝達をしている間、シュンシュンは御焚き上げの準備を始めた。
準備と言っても狩り衣の袖の中から御札を出してるだけなんだけどな。
キノコン
「 霄囹ちゃま、キノコンは所定位置に着いたエリ 」
霄囹
「 よし、うちわを構えて扇ぐ準備だ。
上手くタイミングを合わせろ 」
シュンシュンは手に持ってい御札を法力を使って、空中に浮かせる。
扇子を使って御札を1枚1枚キャンプファイヤーの丸太へ飛ばして行く。
飛んで行った御札は次々に丸太の隙間からスルッと中へ入って行った。
◎ 変更しました。
この中に引き取った ─→ この中には霄囹ちゃまが引き取った
◎ 訂正しました。
販売に使わない ─→ 販売には使わない




