⭕ 新種の呪靈 3
──*──*──*── 1階・リビング
2階にマオを残して1階に下りて来たセロフィートは、ソファーに座り和茶を飲みながら一息付いている獅聖幻夢の向かいに立つとソファーに腰を下ろして静かに座る。
セロフィート
「 お帰りなさい、幻夢さん。
呪怨霊さんを実体化させる事に成功したのですね 」
獅聖幻夢
「 半分は賭けでしたが、何とか──。
セロ殿が呪怨霊を弱体化させてくれていた御蔭です 」
セロフィート
「 呪怨霊さんに呪肉させる為の呪靈を作るのは難しかった様ですね 」
獅聖幻夢
「 私もこんなに手こずるとは思いませんでした。
飛び切り新鮮な素材の提供には感謝しています。
今回の実験で貴重な特級呪靈を数百体も犠牲にしてしまいましたけど──、それを上回る程に脅威となる呪靈が誕生して感極まっています 」
セロフィート
「 此で漸く呪怨霊さんをマオの眷属に加える事が出来ます。
幻夢さんが快く協力してくれた御蔭です 」
獅聖幻夢
「 いいえ、私も面白い実験は好きですから♪
呪靈の改良も出来て楽しかったですよ。
良い退屈凌ぎになりました。
此からですね── 」
セロフィート
「 幻夢さん,弓弦さん,アノスベルドさんに御披露目するのは、ある程度の思慮分別の出来る呪靈さんに成長してからが良いでしょう 」
獅聖幻夢
「 とは言え、誰が呪靈を躾るのですか?
私には子育ての経験が有りません 」
セロフィート
「 その問題は無いです。
セノコン,マオキノ──、此方に来なさい 」
セノコン & マオキノ
「「 はいですエリ 」」
セロフィートに呼ばれたセノコン,マオキノは、素早くセロフィートと獅聖幻夢の傍へ動く。
セロフィート
「 セノコン,マオキノ──、お前達に赤ん坊の世話を任せます。
マオの新たな眷属とする呪靈です。
≪ キノコン王国 ≫で育てなさい 」
セノコン
「 畏まりましたエリ 」
マオキノ
「 お任せくださいませエリ 」
セロフィート
「 赤ん坊をお前達に託します 」
獅聖幻夢
「 宜しく御願いしますね 」
獅聖幻夢は特殊な白い布でくるんでいる新種の呪靈をセノコンへ手渡す。
セノコン
「 可愛い寝顔エリ。
殺気が沸々と湧き上がって来ますエリ★ 」
マオキノ
「 邪悪な気が溢れ出てますエリ。
殺気を刺激される臭いがしますエリ 」
獅聖幻夢
「 キノコン殿に悪影響を与えるとは──。
侮れませんね。
此は将来に期待も出来そうです 」
セロフィート
「 此では≪ キノコン王国 ≫も悪影響を受け、支障も出てしまいますね 」
セロフィートは新種の呪靈に向かって古代魔法を掛ける。
すると殺気を刺激されていたセノコン,マオキノが落ち着きを取り戻し、平常心に戻った。
セノコン
「 セロ様、有り難う御座いますエリ 」
マオキノ
「 此なら安心して≪ キノコン王国 ≫へ連れて帰れますエリ 」
セロフィート
「 マオに呪靈さんの名付け親になってもらいましょう。
名前で縛れば、最低限の制御にはなるでしょう 」
獅聖幻夢
「 それは良いですね。
マオの眷属になるのですから、マオ殿を名付け親にするのは名案です 」
セロフィートと獅聖幻夢は、新種の呪靈について話終わると、囲碁を打ち始めた。
獅聖幻夢もセロフィートには勝てないが、絲腥玄武と並ぶ程の棋力を持っている。
絲腥玄武に囲碁を教わり、メキメキと上達したキノコン達を負かせてしまえる程の実力である。
絲腥玄武よりも獅聖幻夢の方が上手かも知れない。
そんな獅聖幻夢とセロフィートが囲碁を楽しんでいると──、入浴を終えたマオが2階から下りて来た。
◎ 変更しました。
材料 ─→ 素材
湧き起こって ─→ 湧き上がって
◎ 訂正しました。
漸く ─→ 漸く