⭕ 新種の呪靈 1
◎ 読者の皆さん、御早う御座います。
お盆なのに盆休みを貰えなかった作者です。
読者の皆さんは、お盆休みを楽しめましたか?
コロナ明けではっちゃけ過ぎて、イレギュラーな事故が原因でお盆どころではなかった国民が今年は多かったかも知れませんね。
──*──*──*── 東京都米●市米●町米●横丁
──*──*──*── 犯罪天国都市・米●町
──*──*──*── 裏野ハイツ
──*──*──*── 102号室
──*──*──*── 玄関
幻夢さんとのデートを終えて帰宅すると──、玄関でマオキノ,セノコンが嬉しそうに出迎えてくれた。
マオ
「 ただいま、マオキノ,セノコン── 」
マオキノ
「 マオ様、お帰りなさいませエリ 」
セノコン
「 幻夢さま、いらっしゃいませエリ 」
獅聖幻夢
「 お邪魔します。
セロ殿は居られますか? 」
セノコン
「 セロ様なら、2階の寝室で読者をされてますエリ 」
マオ
「 今日は帰って来たんだな!
幻夢さんは座って待ってて。
オレはセロを引っ張って来るから! 」
獅聖幻夢
「 分かりました。
待たせて頂きますね 」
──*──*──*── リビング
幻夢さんはセノコンにソファーへ案内される。
その間にマオキノが、幻夢さんの為に和茶を淹れている。
セノコン
「 幻夢さま、その赤子は何ですエリ? 」
マオキノ
「 如何にも不味そうな赤子エリ~~ 」
セノコンとマオキノが物珍しそうに幻夢さんが抱っこしている赤ん坊を見ている。
興味を示したみたいだ。
獅聖幻夢
「 流石、キノコン殿です。
この赤ん坊を喰べると消化不良を起こすかも知れません 」
セノコン
「 消化不良は遠慮したいエリ 」
マオキノ
「 危険物エリぃ~~ 」
何とも残念そうな声を出して、物欲しそうな目で赤ん坊を見ている。
可愛いんだけど、何でも喰べたがるのは止めてほしい。
マオ
「 ………………………… 」
幾ら新種の呪靈だからって、目の前で “ 不味い ” とか “ 喰べる ” とか話すのはどうなんだよ?
マオ
「 マオキノ,セノコン──、その赤ん坊は食べ物じゃないからな!
そうだ──、お土産を買って来たんだ!
気に入ってもらえると嬉しいんだけど── 」
オレは赤ん坊から目を晒せる為に水墨画展の土産販売店で買ったグッズをマオキノとセノコンに手渡した。
マオキノもセノコンも予想外みたいな顔をして驚いている。
マオ
「 そんなに高いもんじゃないんだけど……。
可愛いマオキノとセノコンに合うかな──って思って買ったんだ(////)」
本当はオレが「 可愛い 」って思って選んだエナガの手拭いなんだけどな。
マオキノ
「 マオ様ぁ~~~~!!
嬉しいですエリぃ~~~~(////)
家宝にしますエリぃ~~~~!! 」
セノコン
「 エリぃ~~~~(////)
感激ですエリぃ~~~~!!
是非とも、キノコン料理を召し上がってくださいませエリ♥ 」
マオキノ
「 腕に縒りを掛けて作りますエリ♥
一生涯、マオ様に忠誠を尽くしますエリ!! 」
大袈裟だぁ~~~~。
キノコン料理って事は、生きてるキノコンを使って作る料理だよな?
キノコンは元々食用として作られたから──。
大変な事になったぞ!!
マオ
「 有り難な──。
気持ちだけ受け取っておくからな。
あははは………… 」
獅聖幻夢
「 喜んでもらえて良かったですね、マオ殿 」
マオ
「 お──オレ、セロを呼んで来るから! 」
有り難そうに手拭いを掲げて、嬉しそうに悦っているマオキノ,セノコンの事は置いといて、オレは階段を上がって2階の寝室へ向かった。
──*──*──*── 2階・寝室
マオ
「 セロ、ただいま! 」
セロフィート
「 お帰りなさい、マオ 」
セロはオレを見ないで声を掛けてくれる。
お約束だな。
マオ
「 言うなら、オレを見て言ってくれよ!
ちゃんとセロからの依頼を達成させたからな! 」
セロフィート
「 はいはい。
御苦労様でした 」
セロめぇ!!
1日めいっぱい頑張ったオレより、読んでる本の方が大事なのかよ!
オレは大股で歩いて、ソファーへ近付く。
何時もはセロの前に立って本を取り上げるんだけど、今日はセロの背後から読んでる本を取り上げた。
セロが読んでいた本には、オレが読めない文字がビッシリと並んでいる。
何が書かれているのか全く分からない文章だ。
セロフィート
「 ──マオ、読書中です。
本を返してください 」
セロは後ろを振り向かないで言う。
だから、オレはセロから取り上げた本をベッドの上へポイっと投げ捨てた。
マオ
「 今は本よりオレだろ!
幻夢さんとデートしたオレを労ってくれても良いだろが!!
後半のデートなんて大変だったんだぞ!! 」
セロフィート
「 本を投げないでください。
本に妬くとは、マオは変わりませんね 」
マオ
「 妬いてない! 」
セロはオレがベッドの上に投げた本に視線を向けている。
別に怒ってはないみたいだ。
マオ
「 女装してまで頑張ったのにぃ!! 」
オレは両腕を伸ばしてセロの後ろから抱き付く。
セロの左頬に軽く口付けして甘えてみた。
セロフィート
「 マオ──、君に取り憑いていた呪怨霊さんに何をしました? 」
マオ
「 幻夢さんが引き剥がしてくれたよ。
改良した呪靈を試したい──って言ってたけど?
夕食から戻ったら陰陽陣の中に知らない赤ん坊が居たんだ。
幻夢さんは “ 新種の呪靈 ” って言ってる。
セロに見せる為に連れてき来てるよ。
そんな事より、先ずはオレにする事があるだろ! 」
セロフィート
「( 成功しました様ですね。
流石は幻夢さんです )
──マオが着替えてからにしましょう。
ワタシは幻夢さんに詳しい経緯を聞きます。
マオは入浴を済ませて来てください 」
マオ
「 えぇ~~……。
オレより新種の呪靈を優先する気かよぉ~~ 」
セロフィート
「 大事な事です。
勝手な事をされたのですよ。
知らん顔は出来ません。
事情を聞くのは当然の事です 」
マオ
「 尋問なんてしないよな? 」
セロフィート
「 簡単な “ 事情聴取をする ” だけです♪ 」
マオ
「 幻夢さん──、セロから逃げてぇ~~~~!! 」
セロフィート
「 マオ──、今夜は朝まで『 いいこと 』しましょう。
身体の隅々まで労わせてください。
構いませんね? 」
マオ
「 う、うん……(////)
ほ…本当だな?
信じても良いんだよな?
セロフィート
「 ふふふ…。
勿論です。
マオだけのセロフィートを信じてください 」
マオ
「 分かったよ(////)
化粧を落として、元の姿に戻るよ 」
ソファーから腰を浮かせて立ち上がったセロは、漸くオレの方を向いてくれる。
眼鏡を掛けてるセロも良い(////)
セロがオレを抱きしめてくれる。
優しく抱擁してくれるのは嬉しいけど、チューぐらいはして欲しいんだけどな!(////)
まぁ、お楽しみはベッドの中まで御預けって事だよな(////)
オレから離れたセロが階段を下りて1階のリビングへ向かったのを見送った後──、オレは壁紙に描かれているドアの前に立つ。
ドアの絵には[ 洗面脱衣室 ]と書かれている。
態々ドアを開けなくても洗面脱衣室に入れるんだから古代魔法の転移ゲートってのは凄い。
両手が塞がっていても、荷物を床に置く必要も無いから楽だし有り難いんだ。
洗面脱衣室を出た先には《 厳蒔屋敷 》の中に在る温泉と繋がっているから、何時でも好きな時に向こうの屋敷へ遊びに行けるし、過ごす事も出来る。
本来なら遠く離れている≪ 島国 ≫に秒で行けてしまうんだから、便利さに恐れ入ってしまう。
因みに幻夢さんは一体全体どうやって、あの≪ 島国 ≫から≪ 日本国 ≫に渡って来たんだろう??
良く良く考えてみたけど、1度も聞いた事が無かった。
山程居る呪靈を使って、荒波の海を渡ったのかな?
有り得そうかも──。
1番は本人の幻夢さんに直接聞く事なのは分かってるんだけど、真相を聞くのは一寸怖いんだよな~~。
セロと似てるからな…………。
「 人間浮き輪を作って渡りました♪ 」なんて笑顔で言われたら、どんな顔すりゃ良いんだか──。
幻夢さんの事だから、真面目に教えてくれるとは思うけどな……。
なんて事を考えながら──、[ 洗面脱衣室 ]のドアに近付いて、絵の中に入った。
◎ 訂正しました。
「 危険物って事エリね 」─→「 危険物エリぃ~~ 」