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⭕　浴衣を買って！　３

春麗

「 ──アイス、美（う）味（ま）いな！

　流（さす）石（が）はラムレーズンナッツトルテプレミアムバニラだ！」

キギナ・メグド・ナール

「フン、私のマーブルクッキーソーダミントの方が美（お）味（い）しいわ！」

春麗

「何（なん）だとぉ！」

キギナ・メグド・ナール

「何（なに）よ、死を司（つかさど）る死神の私と殺（や）る気なのぉ～～？」

マオ

「どっちも美（お）味（い）しいからな！

　オレを挟んで口（こう）論（ろん）するのは禁止！

　これ以上、口（くち）喧（げん）嘩（か）するならオレは帰るぞ！」

キギナ・メグド・ナール

「 ……………………………………悪かったわよ…… 」

春麗

「帰るな！

　大人しくしてやる…… 」

　全（まった）く…………、キギナと性別反転したシュンシュンは何（な）故（ぜ）か仲が悪くなって口（くち）喧（げん）嘩（か）や言い合いが絶（たえ）えないんだよなぁ……。

　何（なん）で無駄に張り合うんだか……。

春麗

「マオ、僕は名前を改名しようと思うんだ」

マオ

「急（きゅう）だな。

　どうしたんだよ」

春麗

「春（しゅん）麗（れい）の “ 春（しゅん） ” を “ 惷（しゅん） ” に変えたいと思うんだ。

　 “ 春（しゅん）麗（れい） ” から “ 惷（しゅん）麗（れい） ” に改名したんだ」

キギナ・メグド・ナール

「激しくど（・）う（・）で（・）も（・）い（・）い（・）内容ねぇ～～」

春麗

「お前(キギナ)には聞いてない！

　黙ってろ」

マオ

「喧（けん）嘩（か）腰（ごし）口（く）調（ちょう）で言い返すの禁止な！」

春麗

「うぐっ………… 」

キギナ・メグド・ナール

「怒られてやんのぉ～～！

　キャハハハハァ～～（*≧∀≦*）♥ 」

春麗

「ぐぬぬぅ……。

　死神風（ふ）情（ぜい）がぁ～～…… 」

マオ

「キギナ、笑い過ぎだぞ。

　セロ経由で、アルベルドさんにチクるからな」

キギナ・メグド・ナール

「ちょっ、パパンには言わないでよ！

　過保護でウザいんだからぁ！」

マオ

「育ての父親を “ ウザい ” 呼ばわりしたらだから駄目だろ。

　育ての恩が有るんだから」

キギナ・メグド・ナール

「恩が有ってもウザいのよ！！

　連れ戻されるのは嫌（いや）なの！

　私は自由に暮らしたいんだから── 」

マオ

「なら、シュンシュンと仲良くしろ。

　何（い）時（つ）までもオレをクッション扱いするなよ」

キギナ・メグド・ナール

「 ………………努力はするわよ…… 」

マオ

「約束な。

　口約束だからって破（かぶ）るなよ。

　チクるから！」

キギナ・メグド・ナール

「愛（いと）しい眷属を脅迫するなんて卑怯だわ！！」

マオ

「断じて愛（いと）しくない！」

春麗

「おい、僕が話してたのに無視するな！」

マオ

「名前を改名するんだっけ？

　良（い）いんじゃないのか？

　シュンシュンの名前なんだし、シュンシュンの好きにしたら良（い）いだろ。

　じゃあ、今から “ 惷（しゅん）麗（れい） ” で良（い）いんだな？」

春麗

「変じゃないか？」

マオ

「どうかな？

　どの道、オレは “ シュンシュン ” って呼ぶし。

　春（はる）に心（こころ）の合（ごう）字（じ）だろ。

　春（はる）よりかは、女子っぽいんじゃないか？」

春麗

「そうか（////）

　なら、今から僕は “ 惷麗 ” だ！」

キギナ・メグド・ナール

「漢字を変えるなら口調も態度も改めなさいよね～～」

惷麗

「黙ってろ。

　僕に話（はなし）掛けるんじゃない」

マオ

「シュンシュン、言い方！」

惷麗

「分かったよ…… 」

　全（まった）く……もぅ……大人しくアイスも食べれないのかよ……。

　はぁ…………疲れるぅ～～。

　さっさと買い物を済ませて帰ろう。

マオ

「アイスも食べ終わったし、浴衣を買ったら帰るぞ！

　早く選んでくれよな。

　オレに意見を聞くのは禁止だから！」

キギナ・メグド・ナール

「 ………………………………分かったわよぉ…… 」

惷麗

「決めるから待ってろ。

　浴衣に必要な小物も合わせて選ぶが良（い）いよな？」

マオ

「５点だぞ！

　それ以上は脚下な」

キギナ・メグド・ナール

「マオ──、私も良（い）いわよね！」

マオ

「良（い）いよ。

　どっちも浴衣を入（い）れて５点だからな」

　浴衣を選ぶのを手伝うのは疲れるから、シュンシュンとキギナに任せる事にした。

　此で勝手に好きな浴衣を選んでくれたらオレは楽（ラク）だし、待ってるだけで良（い）いから助かる。

　オレは呉服屋の前に設置されるベンチに座ってシュンシュンとキギナが目当ての浴衣一式を選ぶのを待つ事にした。

　シュンシュンとキギナが選んだ浴衣一式の料金をオレのＭＢＫ(魔法のブラックカード)で一（いっ）括（かつ）払（ばら）いした。

　有（あ）り難（がと）う、知らない誰かが秘密裏（り）に隠して貯めている裏（うら）金（ガネ）！

　今回、使った金額分（ぶん）は偽札に変わっちゃうけど、悪いのは脱税して裏（うら）金（ガネ）を貯めてる人だからな。

　うん、オレは悪くないよ★

惷麗

「良（い）い浴衣が買えた。

　やっぱり買い物するならマオが居（い）ないとな！」

マオ

「オレに集（たか）るの止（や）めてほしいんだけどな～～」

キギナ・メグド・ナール

「８月から始まる夏祭りが楽しみだわ～～♪

　張り切って魂（たましい）を狩るわよぉ～～」

マオ

「夏祭りで魂（たましい）狩るとか物騒過ぎるんだけど…… 」

キギナ・メグド・ナール

「分かってないわねぇ、マオ！

　夏祭りみたいに人間がは（・）っ（・）ち（・）ゃ（・）け（・）る（・）イベントは魂（たましい）が狩り易いのよ。

　大勢の人間が集まるんだもの。

　一（いち）網（もう）打（だ）尽（じん）にし易いの★ 」

惷麗

「何（なん）だよ、事件でも起こす気か？」

キギナ・メグド・ナール

「花火大会中（ちゅう）に狙うのも良（い）いけどぉ～～、それだと来年の花火大会に響いちゃうからね。

　帰宅ラッシュを狙う予定よ★

　道路は混雑するし、渋滞するのが目に浮かぶでしょ。

　今年の夏祭りで、来年の１月までのノルマを達成する予定よ★ 」

マオ

「ははは……。

　今年の夏祭りの帰宅ラッシュは地獄絵図になる訳だ……。

　あんまり乱獲しない様（よう）にな？」

キギナ・メグド・ナール

「ちゃんと心（こころ）得（え）てるわよ！

　何（なに）せ、此（こ）処（こ）は “ 犯罪天国（パラダイス）都市 ” の米●町なんだから！」

惷麗

「期待は出来そうにないねぇ」

マオ

「ははは…… 」

⭕ 浴衣を買って！ ３

⭕　浴衣を買って！　３