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⭕ お祓いの依頼 16


霄囹

「 空気ちゅうただよあっってのは、りょう問題と関係が有るんだ 」


マオ

りょうと関係が有る??

  どゆことだよ? 」


霄囹

りょうってのは、生きてる人間が “ 特定の相手に執着し過ぎるあまり、無意識にたましいの一部を相手へ飛ばす(悪意) ” だと思われている。

  りょうってのは、いてる奴を苦しめるだけでなく、生命エネルギー(精気,運気…等)を吸い取り、精神をむしばみ、体力もうばい弱体化させて行くんだ 」


マオ

「 そのりょうが、このいえに出てるって事か? 」


霄囹

「 あぁ──、このいえの空気ちゅうただよあっに引き寄せられて集まってよう、故意に仕組まれているんだ 」


マオ

「 仕組まれてる?? 」


霄囹

りょうは無意識に飛ばされているが──、目的の相手の元へ飛んでるさいちゅうに、このいえに引き寄せられてしまう。

  このいえに有ったぶつが無くなり、ぶつだんも先祖のはいすらも無くなった。

  とどのつまり、先祖の霊と子孫という対象を守る存在が不在な状態だ。

  先祖の霊には子孫をちからが一切無いのが現実だ。

  人間の御都合主義の象徴でもある “ 守護霊 ” と呼ばれる霊も実際には存在しない。

  亡くなった先祖をるのも、先祖の霊の代わりに子孫を守るのも(諸天善神)(諸佛諸菩薩)だ。

  ぶつだんの中心にはどころとなるほんぞんまつられているのが一般的だ。

  菩提寺のだんなら、菩提寺が信仰のしょとしているほんぞんまつられているものだ。

  そのほんぞん宿やどっている御神霊(たま)(諸天善神)(諸佛諸菩薩)なんだ。

  ちなみに神格化された人間の霊は例外だ。

  ぶつだんの有るいえは多少なりとも菩提寺のほんぞんちからいえを守ってもらえているが、このいえにはが無い。

  ぶつを潰させ、ぶつだんはいを処分し、菩提寺ともえんを切らせたのは、あっいえの中にただよわせる空間を作り、あっで充満させる為だったんだ。

  りょうを引き寄せる事で、住人がこのまずいやがる霊障を起こさせ、住人が自分だけを頼るように仕向けたんだ。

  悪意がギチギチに詰まった計画的犯行だ 」


マオ

「 じゃあ、引き寄せられるりょういえの中へはいってれないように出来れば、りょう問題も解決出来るって事だな! 」


霄囹

「 そうだが──、りょうを敷地内へれない事は出来ない。

  今の僕に出来る事は心霊現象,怪奇現象を最小限におさえ、被害を減少させるぐらいだ。

  此でも十分過ぎるくらい凄い事なんだぞ。

  りょうを引き寄せる力を弱める事は出来ても、消す事は出来ないんだ。

  いえの中へはいってりょうめる事は出来ないが、かずを減らす事は出来る。

  今の僕には此が精一杯なんだ。

  僕はセロフィートじゃないからな、なんでもかんでも完璧にゼロには出来やしない 」


マオ

「 シュンシュン……。

  じゃあさ、能力ちからを封じられてないげんさん,げんさん,づるさんなら出来ないか? 」


霄囹

づるは退治が専門だから論外だ。

  毎回、づるに出張させてりょうを退治されるのは効率が悪い。

  そもそも怪異(妖怪)がらみでない依頼をづるは引き受けないだろうしな 」


マオ

「 言えてる……。

  づるさんは心霊系よりも怪異系寄りだもんな 」


霄囹

げんげんが手を組んだとしてもむずかしいだろうな。

  げんは陰陽師としてはがみきの腕だが、専門分野が異なる。

  残念だがちからそくだ 」


マオ

げんさんも心霊系ってよりも怪異系だもんな。

  いやってるのか心霊系には関わりたくなさそうな雰囲気を出してるよな。

  夏の風物詩的な心霊番組も見ないし…… 」


霄囹

げんでもゼロには出来ないだろう。

  げんなら『 今のいえを取り壊し、更地にしてから建てなおせば解決します 』って言うだろうな。

 カネは掛かるが1番てっばやい方法なんだ 」


マオ

いえを取り壊して建てなおすか──。

  たしかに言いそうかも??

  取り壊す前には、とどこおりなく無事に解体作業を終わらせられるように供養しないとだろ?

  更地にしたあとも建てなおしする前には供養しないとだろ?

  おおかりになるよな 」


霄囹

「 完全にりょうちたいなら、神聖なぶつぶつだんが必要になる。

  立派なぶつだんでなくても構わない。

  毎日、掃除をし易いシンプルな雛壇式のぶつだんい。

  先祖だい(だい)はいか、先祖だい(だい)のルーツを辿たどれる過去帳を作る必要が有る。

  子孫が手を合わせて心を向け、祈れる対象が必要だからな。

  その対象が、自分と関係の有る身近な御先祖という存在だ。

  1番肝心なのは、先祖の霊と生きた子孫を守ってくれる(諸天善神)(諸佛諸菩薩)御神霊(たま)宿やどす為のほんぞんが必要だ。

  家族がほんぞん宿やど(諸天善神)(諸佛諸菩薩)に手を合わせ、先祖の冥福を祈る行為を続けていれば、(諸天善神)(諸佛諸菩薩)ちからで守られるようになる。

  そうなれば、いえまえに見えないバリアが張られ、りょういえの敷地内へはいってれなくなるって訳だ。

  額縁の裏に挟んだ御札とキノコンのヌイグルミを回収しても問題無くなる。

  心霊現象,怪奇現象に悩まされる事も無くなる 」


マオ

「 だけど、ゼロには出来ない…… 」


霄囹

「 そのとおりだ。

  だからこその僕なんだ!

  困った事が起きたときには【 セロッタ法律相談所 】を頼ればいし、僕にも依頼すればい。

  い値で依頼を受けてやる! 」


マオ

「 腐ってもシュンシュンって事か。

  なおして損した! 」


霄囹

「 あのなぁ──。

  僕は “ 陰陽師 ” でってるんだぞ!

  商売として “ 陰陽師 ” で稼いでるんだ!! 」


マオ

「 まぁ、早いはなしが詐欺師の霊能力者(元陰陽師)から、本物の陰陽師シュンシュンにバトンタッチするって事だな 」


霄囹

「 フン。

  そういう事だ 」


 シュンシュンとオレの会話を静かに聞いていた奥さんは、困惑しているのか複雑そうな表情をしている。

 なにはともあれ、単身赴任ちゅうけんがいらしをしている旦那さんに相談してからになるだろうな。

 むすめさんにも事情を話して納得してもらう必要が有るだろう。

 この依頼を完全に解決させるには、前途多難かも知れないぞ。

◎ 訂正しました。

  先祖をるのも、─→ 先祖をるのも、

  敷地内にはいれない事は ─→ 敷地内にれない事は

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