✒ お祓いの依頼 14
──*──*──*── リビング
中庭から家の中へ入ると、奥さんが冷たい飲み物を用意してくれた。
ソファーに腰を下ろして座ったら、用意されてた冷たい飲み物──カルピスを飲む。
マオ
「 冷たくて美味しい~~♪ 」
住人の女性
「 マオさん、お疲れ様でした。
何杯でもおかわりしてくださいね 」
マオ
「 有り難う御座います! 」
オレが嬉しそうに御礼を言うと、奥さんも笑顔で返してくれる。
住人の女性
「 あの…………抜いた百合の花は……どうなるのでしょうか…… 」
霄囹
「 抜いた百合は全部、僕が回収した。
鳥居の上に植えられたいたからな、処分する前に色々と調べないといけない。
あの場所には暫く何も植えない方が良い。
因みに百合の花の球根は何処で買ったんだ? 」
住人の女性
「 あの百合は家を購入する前から裏庭に植えられていました。
不動産屋さんから “ 家の完成を祝って植えた百合だ ” と聞いていました 」
マオ
「 じゃあ、やっぱり──不動産屋もグルって考えは間違いないかも──だよな?
不動産屋が裏庭の土の中にカラフルな鳥居を埋めて、その上に百合の球根か苗を植えたいた──って事になるんだもんな。
完全に故意犯の黒かな? 」
霄囹
「 未だ決め付ける事は出来ないが、可能性は高くなった。
此処は住宅だからな。
この家と類似した状況に陥っている民家が他にも在るかも知れないぞ 」
マオ
「 奥さん、この家を売ってくれた不動産屋の名刺とか残ってないかな? 」
住人の女性
「 名刺は主人が管理しています。
連絡をして聞いてみます 」
霄囹
「 ──後は部屋の氣の捻れと絡みが悪化しない様に今の状態を維持させるだけだ 」
マオ
「 維持させるって、どうするんだ? 」
霄囹
「 幻夢に借りを作りたくないからな………………………………断腸の思いで800万の御札を使う 」
マオ
「 シュンシュン……。
血の涙を流す程の嫌なら、ケチって幻夢さんに頼むか?
オレが連絡するけど── 」
霄囹
「 …………………………嫌だね!
幻夢には頼らない!! 」
マオ
「 シュンシュン…………強情だなぁ~~ 」
シュンシュンは狩衣の袖から御札を取り出す。
オレには高額な御札と安物の御札の区別が付かない。
シュンシュンの狩衣の袖の中は四次元ポケ◯トみたいになってるんだろうか??
シュンシュンは壁に掛けられている額縁を取り外すと、額縁の後ろを仕込んだ。
その額縁を同じ場所に掛け直した。
霄囹
「 良し、此で家の中に関した取り敢えずの処置は済んだな 」
マオ
「 取り敢えずの処置?
家の中??
未だ何かあるのか? 」
霄囹
「 陰陽師と霊能力者から買った品物の確認は済んだが、次は無償で貰った物を調べる。
勿論、不動産から貰った物も含めてだ。
それと、家族が身に付けている品が有れば、それを回収してほしい。
単身赴任している夫が身に付けているのは保留にするとして、アンタと娘さんが身に付けてる品は回収してくれ 」
マオ
「 そっか、買った物ばっかりじゃないんだよな。
最初の頃は、お試し品って事で無償でくれたりする事も有るんだよな 」
霄囹
「 次来る時迄に回収しといてくれ。
次回には氣の捻れと絡みを解し正常に戻せる 」
マオ
「 良かった。
次回には解決するんだな 」
住人の女性
「 有り難う御座います…… 」
霄囹
「 氣が正常に戻れば、心霊現象にも怪奇現象にも悩まされる事は無くなる。
もう暫くの辛抱だ。
800万の御札の効果で、この家の中に霊的存在も怪異も入って来れない様にした。
完全にではないから0には出来ないが、今迄よりは頻度も減る 」
マオ
「 異形も怪異もシュンシュンの御札を毛嫌ってるもんな。
万能の御札じゃないのは1.000万の御札じゃないからか? 」
霄囹
「 い゛っ…1.000万の御札なんて使えるかぁ!!
アレを作るのには時間が掛かるんだ!!
物凄く疲れるんだぞ!!
400万も使って御膳立てしたんだ、800万でも十分過ぎる!!
これ以上、赤字を出して堪るかよ! 」
マオ
「 シュンシュン…… 」
住人の女性
「 あの……心霊現象と怪奇現象の件は分かりました。
娘も安心すると思います……。
ですが………………生き霊の件は…………どうしたら… 」
マオ
「 生き霊?? 」
霄囹
「 そうだったな。
生き霊問題が残っていたな 」
シュンシュンは胸の前で腕組みをすると両目を閉じて無言で考え始めた。