⭕ お祓いの依頼 13
──*──*──*── 裏庭
マオ
「 シュンシュン、裏庭で何するんだ? 」
霄囹
「 百合って此か? 」
マオ
「 そうだよ。
珍しい品種だろ。
色も白じゃなくて赤紫色に白い斑点なんて珍しいだろ 」
裏庭に着いたシュンシュンとオレは、綺麗に咲き誇っている百合の花の前に立つ。
シュンシュンは珍しい品種の百合を見詰めている。
百合の花に見惚れてる訳では無さそうだ。
霄囹
「 マオ、この百合を引き抜いて穴を掘れ 」
マオ
「 は?
何だよ急に?
綺麗に咲いてる百合を引き抜く??
勝手に抜いたら駄目だろ 」
霄囹
「 馬鹿!
この百合は球根諸とも処分するんだ。
鳥居は土の中に埋まっている筈だ 」
マオ
「 えぇっ?!
何で土に中に埋める必要が有るんだよ? 」
霄囹
「 良いから始めろ。
僕の助手だろ 」
マオ
「 人使い荒いな~~。
数が多いんだからシュンシュンも手伝えよ! 」
霄囹
「 僕に百合を引き抜く程の腕力が有ると思うのか?
僕は非力なんだぞ! 」
マオ
「 胸張ってセロみたいな事、言うなよ……。
──仕方無いな。
一致ょ、一仕事するか! 」
オレは民家の住人である奥さんに事情を話して、百合の花を掘り起こす為に使うスコップ── シャベル?? ──を借りる事にした。
根っ子や球根を根刮ぎ土から取り除く為には引っこ抜くより、スコップを使った方が良さそうだからだ。
シュンシュンは絶対に力仕事をしない。
本当、こういう所はセロに似てるよな~~。
仕方無いから、オレが1人で百合の花を抜く事にした。
マオ
「 ふぅ──。
あぁ゛~~~~っ、やっと終わったぁ~~~~。
はぁ…………疲れたぁ~~ 」
霄囹
「 良い運動になったな、マオ! 」
マオ
「 シュンシュンは何もしてないけどな~~ 」
霄囹
「 何言ってる!
扇子を扇ぎながら日蔭でマオの頑張りを見ていたじゃないか! 」
マオ
「 はぁ~~もぉ~~…………何でそういう所だけ似るかな~~ 」
球根と根っ子ごと抜いた百合の花は、シュンシュンがちゃっかり回収したみたいだ。
何かに使う気なんだろう。
どんな事に使うかは聞かないでおこうと思う。
霄囹
「 見ろよ、百合を掘り起こした場所から鳥居が出て来たぞ 」
マオ
「 本当だ!
デザインは同じだけど、色が違う。
カラフルな鳥居だな。
だけど──、何で態々土の中に埋めてたんだろうな? 」
霄囹
「 理由は知らないが、実行犯に吐かせれば良いだけだ。
此で中庭と裏庭に隠されていた鳥居は全てみたいだな 」
マオ
「 他にも有ったのか? 」
霄囹
「 あぁ、式隷に見付けさせた 」
マオ
「 シュンシュン、楽し過ぎじゃないか? 」
霄囹
「 何処がだ!
400万もする貴重な水晶がおじゃんになったんだぞ!
400万の赤字を出してるんだ! 」
マオ
「 シュンシュンの降霊術って金が掛かってばっかだよな。
もっと安い水晶を使えば良かったんじゃないか? 」
霄囹
「 水晶のペンデュラムもピンキリなんだ。
今回の降霊に安物は使えなかったんだ。
途中で粉々に砕けて後片付けが大変な事になってたぞ。
飼い犬の未練も暴走していた。
状況に合わせ、見極めて使うのがプロだ。
肝心な時にケチるのはプロ失格だぞ 」
マオ
「 オレの時にはケチって安物を使ってたくせに良く言うよ 」
霄囹
「 マオは不老不死だろ。
ケチっても問題は無いじゃないか。
僕は相手を選んでケチってるんだぞ! 」
マオ
「 胸張って言う事じゃないだろ……。
でもさ、この鳥居って何の効果が有るんだ?
庭に隠して仕込んでさ、何がしたかったんだろうな? 」
霄囹
「 だが、此で障害物を排除する事が出来た。
家の中へ入るぞ 」
マオ
「 冷たいアイスコーヒーでも飲みたいな~~ 」
霄囹
「 自分で買えば良いだろ。
僕は奢らないぞ! 」
マオ
「 シュンシュンに言ってない! 」
シュンシュンとオレは裏庭から中庭へ移動して、家の中へ入った。