⭕ お祓いの依頼 5
マオ
「 中の上の菠蓙茗が、シュンシュンに依頼をして丸投げした家って事は、“ 相当ヤバい ” のかぁ~~ 」
霄囹
「 敷地内にも入らず、外から見ただけで判断した腰抜けだからな。
危険回避能力は高い奴だ。
他の霊能力者なら報酬欲しさに敷地内へ入ったかも知れないし、自宅にも上がったかも知れない。
だが──、菠蓙茗は素直に自分の勘──本能に従った。
缶ジュース1本くらいは奢ってやらないとな 」
マオ
「 缶ジュース1本って──。
勘と缶を掛けてないよな?
グリーン車で8.000円の駅弁を食べてたくせにセコいなぁ 」
霄囹
「 セコくて何が悪い!
別に勘と缶を掛けてもないからな! 」
マオ
「 ……………………………。
マオキノにも来てもらえば良かったかもな…… 」
霄囹
「 ──そう言えば、エイツの事は何か分かったのか?
キノコンに探らせてたんだろ? 」
マオ
「 あ、うん。
身元を特定して、勤め先の会社も判明したってさ。
〈 器人形 〉が会社へ行って、エイツを引き抜いたらしい。
エイツは新しい職場で専属デザイナーとして働いてるってさ。
新しいブランドを立ち上げる企画に向けて懸命に取り組んでる──とか聞いたかな 」
霄囹
「 ふぅん?
元気そうなら良いんだがな。
前の会社を退職したなら、揉めなかったのか? 」
マオ
「 其処等辺の詳しい事情は聞いてないけど──、エイツのデザインを盗んで自分の作品として発表してた後輩は、異動前の職場でも同じ事をしていたみたいで、被害者はエイツだけじゃなくて、エイツ以外にも大勢居た事が分かったんだ。
被害者は泣き寝入りするしかなくて、悔しい思いをしていたみたいでさ、デザインを盗まれた被害者の会を立ち上げたみたいだな。
今は裁判を起こす為に水面下で動いてるみたいだぞ。
〈 器人形 〉が弁護士をする事になるだろうし、他人のデザインを盗んでる犯行現場の証拠はセロが用意するだろうから、被害者の会が勝つに決まってるよ 」
霄囹
「 後輩が世話になってる先輩のデザインを盗んで、自分のアイデアとして公表するなんて──、そうそう出来るもんじゃないな。
大方バックに大物でも居るんだろう。
セロフィートは序でにその会社を乗っとる気じゃないのか? 」
マオ
「 有り得るかもな。
《 セロッタ商会 》との裁判で負けた企業の株は90%も取られちゃうからな。
会社がデザイン泥棒を庇って、守る為に勝ち目の無い裁判に挑むのか──、デザイン泥棒を泥棒を退職させて切り捨てるのか──。
どっちだろうな? 」
霄囹
「 会社から切り捨てられたデザイン泥棒に対しても裁判は起こすのか? 」
マオ
「 起こすんじゃないかな。
被害者の会を立ち上げたんだから、裁判をしない選択肢は無いと思うな 」
霄囹
「 然し、裁判が始まると忙しくなって【 VWG・MMQ 】をする時間が取れなくなるんじゃないのか?
転職先でも忙しいんだろ? 」
マオ
「 エイツが忙しいかは分からないけど、遣り甲斐は感じてるみたいだよ。
職場にはエイツのサポートをさせる為にキノコンに補佐させてるみたいだからな 」
霄囹
「 キノコンが仕事を手伝うなら問題無いな。
キノコンは人間みたいにデザインを盗んだり、裏切ったりしないからな。
8月には大型真夏イベントも控えてるんだ。
出来るなら3人で参加したい。
エイツには是可否でも時間を作って【 VWG・MMQ 】に[ ログイン ]してほしいんだ 」
マオ
「 それなら、マオキノに伝達してもらうよ。
オレも3人でイベントに参加したいよ。
因みにどんな大型真夏イベントなんだろうな? 」
霄囹
「 さてな。
詳しい情報は未だ伏せられているんだ。
“ 精霊王の剣 ” もゲット出来たし、イベント迄は自由行動で良いだろう 」
マオ
「 そうだな。
オレも最近は外出する事が増えたから、あんまり【 VWG・MMQ 】に[ ログイン ]出来てないんだ 」
霄囹
「 マオが外出すると彼此で事件が起きるつてのに──。
漸く割り切れる様になったのか? 」
マオ
「 セロに誘われたら断れないだろ!(////)
オレだってセロとデートしたいし、楽しみたいんだ(////)
多少の犠牲は止む負えない──って言うか………… 」
霄囹
「 多少の犠牲か。
言う様になったじゃないか!
成長したな、マオ 」
マオ
「 顔や名前の知らない人間より、セロを優先するって決めたからな(////)
8月には祭りや花火大会も開催されるだろ。
今から楽しみにしてるんだ 」
霄囹
「 夏祭りか。
僕も行きたいから連れてけよ 」
マオ
「 何でだよ!
セロと夏祭りデートしたいんだから邪魔しないでくれよな! 」
霄囹
「 限度額の無いマオのMBKを貸してくれたら良いんだ。
僕はMBKさえ有れば、十分祭りを楽しめるからな★ 」
マオ
「 …………………………………………考えとく………… 」
霄囹
「 貸してくれないなら、デートを邪魔しても良いんだぞ★ 」
マオ
「 シュンシュン! 」
目的の駅に到着する迄の3時間、オレはシュンシュンと他愛無い話をして過ごした。
◎ 訂正しました。
丸投げしたした家 ─→ 丸投げした家
企画に懸命に ─→ 企画に向けて懸命に
デザイン泥棒を庇って ─→ デザイン泥棒を庇って