⭕ お祓いの依頼 2
◎ 読者の皆さん、御早う御座います。
早くから作品を読みに来てくださり有り難う御座います。
◎ 本来、投稿する予定だった「 お祓いの依頼 2 」に手違いで「 お祓いの依頼 3 」を上書き保存し、消してしまった為に新たに打ち直しました。
内容を思い出せず暫く打てませんでしたが、なんとか投稿する事が出来てホッとしています。
本来は依頼人の家に到着した所から始まっていました。
沈んだ気持ちを上げる為に新幹線の車内から書く事にしました。
──*──*──*── 新幹線・車内
マオ
「 それで──、シュンシュンに依頼された内容って、どんなのだ? 」
霄囹
「 知らないな 」
マオ
「 知らない??
依頼を受けたのはシュンシュンなんだろ?
何で知らないんだよ? 」
霄囹
「 依頼人からは『 家を見れば分かる 』って事しか言われてないんだ。
僕に依頼した奴は──、家の前に立っただけで踵を返して帰って来たらしい 」
マオ
「 それって──どゆことだよ? 」
霄囹
「 僕に依頼した奴ってのは、“ 菠蓙茗 ” って名で活動している有名な霊能力者だ。
菠蓙茗が尻尾を巻いて逃げ帰った家だからな。
相当ヤバい物件かも知れないぞ 」
マオ
「 ヤバいって──。
シュンシュンなら大丈夫なのか? 」
霄囹
「 実際の家を見ないと何とも言えないな。
僕は本来の能力をセロフィートに封じられているからな。
出来る事には限度が有る。
状況に依っては、幻夢に頼る事になるかも知れない…… 」
マオ
「 幻夢さんはセロに能力を封じられてないもんな 」
霄囹
「 出来るなら幻夢にだけは頼りたくない…… 」
マオ
「 シュンシュンの封印を解除してもらえないかセロに頼んでみるよ 」
霄囹
「 マオ……(////)
お前は良い奴だな。
流石は僕の専属財布だ! 」
マオ
「 誰が専属財布だよ!
一言余計だぞ! 」
マオ
「 それにしても何でグリーン車なんだ?
一般車両の指定席でも良かっただろ? 」
霄囹
「 一般車両は人が多いじゃないか。
僕は空いてる車両で優雅に寛ぎたいんだ 」
マオ
「 贅沢だな~~。
確かに乗客は少ないし、空いてるけどさ── 」
霄囹
「 空いてる車両は良いもんだろ?
それにグリーン車で買える高級駅弁も美味いしな! 」
マオ
「 めっちゃ高いけどな~~。
何で駅弁1つに8.000円も使わないといけないんだよ? 」
霄囹
「 グリーン車で食べるんだぞ。
安い駅弁なんか食えるかよ! 」
マオ
「 こんな事ならマオキノに弁当を作ってもらうんだったな…… 」
霄囹
「 何だよ、食べないなら 僕が貰ってやるぞ 」
マオ
「 食べるに決まってるだろ!
オレが買ったんだからさ 」
霄囹
「 駅弁は美味いが茶は安物だな。
8.000円も取るんだから高級玉露茶ぐらいは付けてほしいもんだ 」
マオ
「 贅沢言うなよ。
駅弁に付いてるお茶にしては美味いじゃん。
最近はお茶の付かないのが当たり前みたいだぞ。
味は兎も角、付いてるだけでも良心的だろ 」
霄囹
「 フン──。
良心的でも安物の不味い茶を付けるのは駄目だろが!
口直しにデザートが食べたいな── 」
マオ
「 シュンシュンの我が儘振りは今日も平常運行だな 」
霄囹
「 『 上手い事、言った 』みたいな顔するな。
如何にも僕が我が儘みたいな言い方をするなよ! 」
マオ
「 我が儘だろぉ~~ 」
霄囹
「 それにしてもグリーン車ってのは残留思念体が多いんだな 」
マオ
「 は?
残留思念体??
えっ、居るのか?? 」
霄囹
「 居る居る。
面白い程って訳じゃないけどな。
新幹線に乗車する乗客が知らず知らずに連れて来るんだ。
駅で新幹線から降車する時に知らず知らずに残留思念体を連れて車内から連れ出して行くが──、新幹線は利用客が多いからな、減っても直ぐに増えるんだ 」
マオ
「 うぇ゛~~~~マジかよ……。
見えなくて良かったぁ~~ 」
霄囹
「 一般車両なんて乗客の乗車,降車が頻繁だからな、残留思念体の数がグリーン車より多いぞ。
全ての残留思念体が車内から居なくる訳じゃないから、車内に留まって残留思霊体になってるのも居るんだ。
残留思念体も残留思霊体も何の力も無いから、その場にひっそりと静かに佇んでるだけで、一切の害は無いんだが──例外もある 」
マオ
「 澱みか? 」
霄囹
「 そうだな。
時間が経つと残留思念体が残留思霊体になるのはマオも知ってるだろ? 」
マオ
「 セロから聞いてるから知ってるよ。
残留思霊体は澱みの悪影響を受けて地縛霊に変わる場合が有るんだよな?
澱みの悪影響を受け続けると悪霊化して、怨霊化して、最後には死霊化するんだよな 」
霄囹
「 その通りだ。
人間に害を与えるのは悪霊化してからが殆どだが、地縛霊になると澱みを引き寄せる様になる。
地縛霊自体は人間に害を与える事は無いが、澱みは人間に悪影響を及ぼし、身体を不調にするんだ。
原因不明の体調不良なんかは、肉眼では見えない澱みが原因になっている場合もある。
澱みは生物に纏わり憑き易いからな 」
マオ
「 オカルト番組や心霊特番で心霊スポットなんかに行くと “ 必ず ” って程、体調が悪くなる芸人が居るよな。
澱みの所為なんだな 」
霄囹
「 番組ってのは視聴率を取る為に莫大な金を使って作るんだ。
大抵は仕込み,ヤラセが殆んどだ。
自分を売り込む絶好の機会だ。
芸人にとっては人生の懸かった見せ場なのさ。
上手い演技が出来れば、CMやドラマ,映画の出演にも繋がるからな。
要は番組の盛り上げに貢献が出来れば良いんだ。
TV局からギャラを貰ってるんだから、貢献して盛り上げない訳にはいかないだろ。
仕込み,ヤラセ,八百長は視聴者にバレなきゃ良いんだ。
内部告発をする奴は0にはならないから、慎重に実行する必要は有るが、炎上しても視聴率に繋がれば “ 計画通り ” ってヤツだ。
TV業界はブラック企業なのさ! 」
マオ
「 シュンシュンが言うと本当な気がして来るんだよな~~ 」
霄囹
「 敏感な奴や神経質な奴を使うとガチで身体不調を訴える場合が有る。
本当に病院送りになって笑えない場合になるんだ。
無駄な出費が増えるし、お蔵入りになったら目も当てられないし、大損害だ。
そんな訳で、ガチでヤバそうな軟弱芸人は心霊番組の撮影や収録には呼ばれないのさ。
リアルを追求する拘りの強いプロデューサーの中には呼ぶ奴も居るがな 」
マオ
「 へぇ、そうなんだ。
プロデューサーに依るんだ 」
霄囹
「 オカルト番組も心霊特番も娯楽の1つ。
視聴者を楽しませる為のエンタメだからな 」
◎ 訂正しました。
駅弁は美味いが ─→ 駅弁は美味いが
8.000も取るんだから ─→ 8.000円も取るんだから