⭕ お祓いの依頼 1
──*──*──*── 東京都米●市米●町米●横丁
──*──*──*── 犯罪天国都市・米●町
──*──*──*── 裏野ハイツ
──*──*──*── 102号室
──*──*──*── リビング
???
「 マオ──、居るか! 」
マオ
「 ──ぅん??
ふんふん??
ほうふはんはよ? 」
オレは今、マオキノが態々作ってくれた出来立て熱々の特製ピザを頬張って食べている最中だった。
霄囹
「 ピザを食べてたのか。
僕も食べるから寄越せ! 」
勝手にドアを開けて、勝手にリビングに上がり込んで、我が物顔で食卓の椅子に腰を下ろして座ったシュンシュンは、オレが返事をする前にテーブルの上に並んでいるピザの1つに手を伸ばす。
ピザを手に取ったシュンシュンは当然の様に口に入れて食べ始めた。
口の中に入ってるピザを慌てて飲み込んだオレは、シュンシュンの手からピザを奪い取った!!
霄囹
「 おい、コラ!
何で僕のピザを取るんだよ!
返せよ! 」
マオ
「 このピザはオレ専用のピザなんだよ! 」
霄囹
「 マオ専用のピザだってぇ? 」
マオ
「 マオキノセノコンが丹精込めて育てた毒キノコがふんだんに使われてる特製ピザなんだぞ!!
シュンシュンには毒キノコの免疫なんて無いだろ! 」
霄囹
「 何だってぇ!?
毒キノ──── 」
シュンシュンは言葉を言い掛けたまま床に倒れてしまった。
顔を真っ青にさせて、ピクピクと痙攣を起こし始めていた。
マオ
「 い…言わんこっちゃない──。
マオキノ、シュンシュンに解毒剤を飲ませてやってくれよ 」
マオキノ
「 エリ?
解毒剤なんて作ってませんエリ 」
マオ
「 えっ?
作ってない?? 」
マオキノ
「 はいですエリ。
マオ様は解毒剤を必要としませんエリ。
用意してませんエリ 」
マオキノは花丸満点をあげたくなる様な素晴らしい満面な笑顔で言ってくれる。
マオ
「 だけどさ、オレ意外が間違って食べちゃう場合だって有るだろ。
今のシュンシュンみたいにさ。
此からは念の為に解毒剤を作っといてほしいな…… 」
マオキノ
「 マオ様の為に御作りした特製毒盛り沢山ピザを横取りした霄囹ちゃまが悪いですエリ。
此は受けるべくして受ける正当な罰ですエリ。
盗み食いは駄目ですエリ~~ 」
マオ
「 可愛い顔と可愛い声で言わないでくれよ……。
心が抉られちゃうからさ。
シュンシュンは大丈夫なのな? 」
マオキノ
「 毒に免疫が皆無でも霄囹ちゃまは眷属ですエリ。
3時間程経てば目を覚ましますエリ。
後遺症も3日も経てば完治しますエリ 」
マオ
「 そっかぁ~~。
3時間と3日ぁ?!
結構、掛かるんだな…… 」
マオキノ
「 邪魔な霄囹ちゃまは縁側へ移動させますエリ 」
マオ
「 縁側じゃなくてソファーの上に寝かせてくれな 」
マオキノ
「 ……………………………………畏まりましたエリ。
マオ様は盗人にも御優しいですエリ~~ 」
不満が有るのかマオキノはシュンシュンをヒョイっと軽々と持ち上げると、ソファーの上に置いた。
優しく──じゃなくて、ポイッと置く感じだ。
勝手に盗み食いをしたシュンシュンが悪いんだけど、幾らなんでも一寸乱暴だよな……。
マオキノ
「 マオ様、冷めない内にピザを堪能してくださいませエリ♥ 」
マオ
「 う、うん。
そうだな…… 」
♥を飛ばしながらマオキノが嬉しそうに用意してくれるピザを食べる事にする。
美味しいんだけど、毒入りじゃない普通のピザを食べたいよな~~。
何で毒キノコって美味いんだろうな……。
──*──*──*── 3時間後
マオキノの手作りピザを完食して30分後、ソファーの上で仰向けで寝込んでいたシュンシュンが目を覚ました。
俯せで寝かせたマオキノに頼んで、シュンシュンを仰向けにしてもらったんだ。
マオキノが如何に御立腹なのが行動で分かる。
シュンシュンは一体どんな後遺症に3日間も苦しむ羽目になるんだか──。
う~~~~ん、気になるぅ~~~~。
マオ
「 シュンシュン、大丈夫か?
オレが分かるか? 」
霄囹
「 うぅ゛~~~~。
無い筈の胃がムカムカする様な感覚がする…… 」
マオ
「 それは毒キノコの後遺症かも知れないな。
“ 3日で元気になる ” ってマオキノが言ってたよ 」
霄囹
「 ………………そうかよ……。
クソッ──選りに選って毒キノコ入りのピザを食べるなんて──、とんだ失態だ…… 」
マオ
「 見た目だけじゃ分からないから仕方無いよ。
実際に美味いんだからさ。
次から気を付ければ良いだろ 」
霄囹
「 それもそうだな…… 」
マオ
「 処で何か用が有って来たんだろ?
どうしたんだ?
一緒に【 VWG・MMQ 】をする為に来たのか? 」
霄囹
「 ん……あぁ……そうだった……。
ゲームをしに来たんじゃないんだ。
陰陽師の依頼が入ったんだが、今の僕には手持ちが無いんだ。
だから、マオに僕の財布として付いて来てほしくてな! 」
マオ
「 シュンシュン──。
最低な誘い文句だな。
オレを歩く財布扱いするなんてシュンシュンだけだぞ 」
霄囹
「 仕方無いだろが!
僕のMBKは使えないんだ! 」
マオ
「 今月分を使っちゃった訳かよ?
1万円も有ったのに? 」
霄囹
「 1万なんて直ぐに無くなるだろ!
今日日、小学生の小遣いだって5万は貰ってるんだぞ!! 」
マオ
「 いゃいゃいゃいゃ、幾ら何でも小学生に5万は有り得ないだろ~~。
未だ7月に入って1週間しか経ってないってのに、無駄遣いし過ぎだぞ 」
霄囹
「 陰陽師は何かと金が掛かるんだよ! 」
マオ
「 色んな所でぼって稼いでるくせに良く言うよ 」
霄囹
「 ぼったくってないぞ!
僕は常に良心的な価格を提示してるんだ!
兎に角、今の僕には限度額が無いマオのMBKが必要なんだ!
マオしか使えないから、来てくれるだろ 」
マオ
「 眷属に歩く財布扱いされる主人って…… 」
霄囹
「 眷属が困って助けを求めてるんだぞ!
見て見ぬ振りする主人が居るかよ! 」
マオ
「 シュンシュンのそういう処だと思うんだよな~~ 」
式妖魔の玄武さんにとって、シュンシュンは自分達を作った親の親の親みたいな立場になるんだろうけど──、避けたくなる原因が分かる気がするな。
マオ
「 オレの所に来る前に、幻夢さん,玄武さん,弓弦さんには相談したのかよ? 」
霄囹
「 幻夢に相談する訳無いだろ!
彼奴に借りなんて作りたく無いからな! 」
マオ
「 シュンシュン…………仲間なんだから、偶には頼れよ。
じゃあ、玄武さん,弓弦さんは? 」
霄囹
「 あの2人は仲良く他県に在る温泉宿の怪奇依頼を受けに行ってる!
玄武は僕を敵視して完全に避けてるし、弓弦は僕を警戒して距離を取ってるからな…… 」
マオ
「 そりゃそうだろ。
性別反転した姿で玄武さんに言い寄ったり、夜這いなんてするから、敵視もされるし警戒もされるんじゃないかよ。
全裸で夜這いなんてやり過ぎだからな。
自業自得だよ…… 」
霄囹
「 だから、僕にはマオしか居ないんだ!
マオのMBKだけが頼りなんだよ!
分かるだろ?
頼むよ、マぁオぉ~~~~ 」
マオ
「 全く……。
セロにねだるオレみたいな言い方するなよぉ~~(////)
──分かったよ、一緒に行くよ。
シュンシュンが依頼者の足元を見てぼったりしないか監視しないとな! 」
霄囹
「 適正価格より良心的な報酬額を提示してるだけだ! 」
マオ
「 信用出来るかよ。
──マオキノ、シュンシュンと出掛けて来るよ。
セロが帰って来たら伝えといてくれな 」
マオキノ
「 畏まりましたエリ。
行ってらっしゃいませエリ 」
エプロンを身に付けて家事をしてくれているマオキノに見送られて、シュンシュンと一緒に玄関を出た。
◎ 訂正しました。
頬張って ─→ 頬張って
3日で元気になる ─→ 3日で元気になる




