⭕ NEWフレンド 5
──*──*──*── 冒険者斡旋所
エイツの為に作ったオーダーメイドの防具,ブーツ,武器,装飾具が完成し、順調にカスタマイズも済ませる事が出来た。
今も順調に冒険者ランクをあげれている。
セロの真似をしないでエイツと気楽に話せる様になってマジで助かってもいる。
受け入れてもらえて良かった。
エイツがメンバーの一員となってからは現実の事も良く話す様になった。
エイツは現実ではデザイナーをしている様だ。
デザインのアイデアを描き溜めていた大事なスケッチブックを紛失して落ち込んで塞ぎ込んでいた時期もあったらしい。
紛失したスケッチブックは見付かったけど、可愛がって信頼していた後輩にデザインのアイデアを丸ごと盗まれて散々な目に遭っているみたいだ。
現実のエイツに会って話した事が無いから、エイツが一体どんな人物なのかは知らないし、エイツの話が事実なのかもオレには分からない。
だけど、部署から干されて仕事を回してもらえない状態が続いていて落ち込んでいる話を聞いたから、オレなりにセロへ相談してみた。
セロに掛かれば、エイツが何処の誰で何をしている人物なのかは朝飯前だ。
仮にエイツの話が事実なら、間接的にでも助力をしたいと思っている事をセロには伝えてある。
身元特定や身辺調査なんかはキノコンがしてくれるだろうし、現実でのエイツへの接触は〈 器人形 〉がする事になるんだろう。
後の事はセロに丸な──お任せしようと思う。
オレはオレなりに【 VWG・MMQ 】の中でエイツと一緒に楽しむんだ!!
因みにエイツはチョコミントが好きみたいだ。
オレもチョコミントが好きだから気が合うのは嬉しい。
最近はコンビニで開催されているチョコミントフェアの話題で盛り上がっていたりする。
エイツ・クロード・エンデミン
「 ──それで、チョコミントパフェを食べたんだけど── 」
マオ:セロー
「 チョコミントパフェ、美味いよな♪
オレはロースンのチョコミントパフェが好きなんだ 」
エイツ・クロード・エンデミン
「 僕はサンクスケーのチョコミントパフェが好きだよ。
ミニステッポのチョコミントパフェも濃厚で好きだけど~~ 」
マオ:セロー
「 分かる!
セブンイレルンのチョコミントパフェもイケるよ! 」
霄囹:ゲンブ
「 あのさぁ……チョコミントの話は一旦止めないか?
今は新しく受けた依頼の話をしたいんだ 」
マオ:セロー
「 御免な、ゲンブ。
ゲンブはチョコミントが苦手だったよな 」
霄囹:ゲンブ
「 苦手じゃなくて嫌いなんだよ……。
今回、受けた依頼の話をするぞ。
僕が受けたのは【 ≪ 砂漠の町 ≫へ向かう依頼人の娘の護衛をする 】という内容だ。
依頼人の娘は “ エレニカ ” って依頼書に書いてある 」
マオ:セロー
「 ≪ 砂漠の町≫か──。
えぇと、此の依頼を成功させれば、≪ 砂漠の町 ≫へ行ける様になるんだっけ? 」
霄囹:ゲンブ
「 あぁ、そうだ。
≪ 砂漠の町 ≫へ行ける様になれば、≪ 砂漠の町 ≫の《 冒険者斡旋所 》で依頼を受ける事が出来る様になる。
依頼を達成させれば、《 酒場 》でクエストを受けれる様にもなる。
そのクエストの中に【 セントクリファードの追憶 】に関連する重要なアイテムを入手出来るクエストが有るんだ。
“ ユニークバッドエンド ” のシナリオEDでクリアする事で、入手したアイテムを所有していれば【 セントクリファードの追憶 】のクエストをクリアした際にレアリティの “ 精霊王の剣 ” をゲットする事が出来るんだ。
重要な隠しアイテムだから必ずゲットしたい 」
マオ:セロー
「 結構遠回りなクエストだよな。
まぁ、新しい≪ 町 ≫へ行けるのは楽しみだよ 」
霄囹:ゲンブ
「 ≪ 砂漠の町 ≫にはオアシスを取り囲んだリゾート地も在る。
リゾート地の《 酒場 》は “ UKの宝庫 ” とも言われているんだ。
珍しいモンスターも出現するらしいからな、今から楽しみで仕方無い 」
マオ:セロー
「 モンスター図鑑を完成させるのって骨が折れるよな……。
感心するよ 」
霄囹:ゲンブ
「 ≪ 砂漠の町 ≫への護衛依頼は、依頼人の娘を “ 無傷 ” で連れて行かないといけないから難易度が高い。
砂漠で遭遇するモンスターは強敵揃いだ。
気を引き締めて≪ 砂漠の町 ≫を目指すぞ 」
エイツ・クロード・エンデミン
「 あの……どうしても “ 精霊王の剣 ” は必要なのかな?
そんな苦労をして迄、入手しなくても良い様な…… 」
霄囹:ゲンブ
「 寝言はベッドの中だけにしろ!
良いか、エイツが契約している妖精王は虹属性の精霊王だろう。
“ 精霊王の剣 ” は精霊や精霊王にとってはスペシャルサンクスな能力を与える代物なんだぞ!
虹属性の精霊王は全属性の魔法を扱えるが──、精霊なら中級止まりで、精霊王なら上級止まりだ。
だが、“ 精霊王の剣 ” をエイツが所持しているだけで、精霊なら上級魔法,精霊王なら特級魔法を使える様になる。
“ 精霊王の剣 ” のLVを上げれば、精霊王なら超級魔法,極級魔法をすら使える様になんだ。
精霊や精霊王の為に存在してる凄い武器なんだぞ!!
当然、エイツが装備をして使う事も出来るんだ 」
エイツ・クロード・エンデミン
「 分かったよ……。
そんなに凄い武器なんだね。
何としてもレアリティの “ 精霊王の剣 ” を入手出来る様に僕も頑張るよ…… 」
霄囹:ゲンブ
「 僕が協力するんだから当然だろ!
EDに出現するモンスターは手強いんだ。
エイツの妖精王にもパワーアップしてもらわないと困るからな。
此も未来への投資だ 」
マオ:セロー
「 結局はゲンブの為かよ。
でも、特級,超級,極級にパワーアップした魔法は見てみたいよ。
妖精王が使う魔法って、冒険者が使う魔法と同じなのかな? 」
エイツ・クロード・エンデミン
「 違うみたいだね。
精霊は精霊魔法を使うし、妖精は妖精魔法を使うみたいだよ。
精霊王で妖精王の場合は、精霊魔法と妖精魔法を掛け合わせた特殊な魔法を使ってるみたいだよ 」
マオ:セロー
「 精霊魔法と妖精魔法を掛け合わせた特殊な魔法か~~。
何か凄いな! 」
霄囹:ゲンブ
「( その特殊な魔法ってのは、セローが使ってる古代魔法なんだがな。
エイツも居るし、今は黙っとくか )
≪ 砂漠の町 ≫へ向けて出発する時には依頼者が場所を用意してくれる。
依頼人の娘は基本、馬車の中で過ごしてもらう事になるが──、この依頼人の娘はとんでもないトラブルメーカーだ 」
エイツ・クロード・エンデミン
「 トラブルメーカー??
それって……どういう………… 」
あっ、エイツの顔が曇った。
“ トラブルメーカー ” って、嫌な言葉だよな。
オレまで不安になってしまう。
マオ:セロー
「 ゲンブ、それは順調に依頼を “ 進められない ” って事なのか? 」
霄囹:ゲンブ
「 一言で言うなら “ 運営側の悪意 ” ってヤツだな。
やたらと問題を起こすNPCとして有名なんだ。
プレイヤーのコメント欄で炎上するぐらいだからな。
≪ 砂漠の町 ≫に到着する迄は厄介事の連続だと思い、覚悟しとけ。
達成難易度が高い原因には、依頼人の娘も組み込まれているからな 」
マオ:セロー
「 えぇっ?!
トラブルメーカーを護衛するのかよ?
………………一筋縄じゃ行かなそうだな…… 」
エイツ・クロード・エンデミン
「 …………………………………………もしかして、達成困難なクエストランキングに入ってたりする? 」
霄囹:ゲンブ
「 あぁ、確実に入ってるな。
だが、ランキング順位は5位だ。
達成が困難なだけで、出来ないレベルじゃない 」
マオ:セロー
「 5位って……。
未だ4つも達成困難な依頼が有るのかよ…… 」
霄囹:ゲンブ
「 戦闘時の話をするぞ。
戦闘に参戦の出来る人数は最高で9名だ。
妖精王は具現化しないと魔法を使えないんだったな 」
エイツ・クロード・エンデミン
「 うん。
ゲンブが用意してくれた依り代に憑依すれば戦闘に参戦可能だよ 」
マオ:セロー
「 妖精王には後方で魔法を使ってモンスターを弱らせてもらって、エイツとオレが前線でモンスターを攻撃する──って感じになるかな 」
霄囹:ゲンブ
「 セローも魔法を使えるんだから、惜しまず使えよ 」
マオ:セロー
「 分かってるよ。
エイツみたいに武器に魔法を纏わせる事は出来ないけど、臨機応変に戦うよ 」
因みにオレが使える魔法も全属性だ。
職業は不人気トップ3に入る “ 吟遊詩人 ” だけど──、初級,低級,下級,中級,上級,特級,超級,極級を扱える “ 超越の魔法使い ” でもある。
本来なら魔法は複数攻撃,全体攻撃が出来る便利な能力なんだけど、裏技を使ったお蔭で単体しか攻撃が出来ない仕様になっている。
とんでもないバグだ。
威力は半端無く高いのに単体しか攻撃が出来ない。
複数攻撃,全体攻撃を選択しても、単体しか攻撃が出来ない。
まぁ、装備してる鞭なら単体攻撃だけじゃなくて、複数攻撃も可能だから良いんだけど……。
吟遊詩人が鞭でモンスターを攻撃するってのも変な感じだ。
魔法には熟練度があって、最初に覚える初級ファイアの熟練度を999まで上げると低級魔法のファイアを覚える事が出来る。
低級ファイアを熟練度999に上げると下級ファイアを覚える事が出来る。
そんな感じで、オレは初級ファイア ~ 極級ファイアまで使える訳だ。
炎だけじゃなくて、水,風,雷,氷,土,聖,闇,光の9属性を扱える。
光は8属性の魔法を覚えたら習得可能な魔法で、属性関係無く敵に大ダメージを与える事が出来るし状態異常をランダムで与える事も出来る属性でもある。
エイツに憑いてる妖精王は、物理攻撃は出来ないけど魔法攻撃なら可能みたいだ。
とは言え、単体攻撃,全体攻撃は出来ないみたいで、複数攻撃のみ可能らしい。
特殊な魔法みたいだし、ゲームバランスを考えて制限されているんだ。
魔法で複数攻撃が出来るのが羨ましい。
因みにエイツは剣士だから単体攻撃しか出来ない。
剣に魔法を纏わせて戦えはするけど、複数攻撃,全体攻撃の特殊技とかは覚えられない様だ。
武器には固有技が付いていて、装備をすれば誰でも使えるのが一般的なんだけど、“ 妖精憑き ” のエイツは武器を装備しても固有技を使えないらしい。
オレも武器の固有技を使えないけど、バグだから仕方無い。
エイツの場合は妖精王が原因になってるみたいだな。
霄囹:ゲンブ
「 ──僕は式神を召喚する。
式神を召喚したら式神に指示を出す事になるから、戦力外だと思ってくれ。
依頼人の娘を衛りながら戦闘を進める事になる。
依頼人の娘が勝手に彼此動き回らない様に僕と式神で取り囲むから、戦闘は任せるぞ 」
マオ:セロー
「 護衛するのに依頼人の娘も戦闘メンバーに入るのかよ?
勝手に動き回るって最悪なんだけど…… 」
エイツ・クロード・エンデミン
「 戦闘中に依頼人の娘が戦闘不能になった時点で依頼は失敗になるんだ……。
確かに難易度は高いね 」
霄囹:ゲンブ
「 依頼人の娘は敵味方も関係無く攻撃をする設定になっている。
明らかに “ 運営側の悪意 ” の具現化と言っても良い 」
マオ:セロー
「 最低なんだけど…… 」
霄囹:ゲンブ
「 僕達なら達成出来るさ!
正門に行けば依頼が始まる。
明日に備えて各自、準備を整えよう。
準備を終えたら正門前の石像で[ ログアウト ]する様にな 」
エイツ・クロード・エンデミン
「 うん、分かった 」
マオ:セロー
「 現実では明日から5連休だったよな。
一気に依頼を達成を目指すのか? 」
霄囹:ゲンブ
「 そのつもりだ。
エイツは大丈夫か? 」
エイツ・クロード・エンデミン
「 大丈夫だよ。
何時頃に[ ログイン ]する? 」
霄囹:ゲンブ
「 そうだな── 」
そんな訳で《 冒険者斡旋所 》でゲンブが受けた依頼は、明日から始める事になった。
楽しみだけど、不安もある。
◎ 訂正しました。
スケッチブックブックス ─→ スケッチブック
盛り上がって鋳たりする ─→ 盛り上がっていたりする
衛ながら ─→ 衛りながら