✒ パーティへの御誘い 1
──*──*──*── フィールド
マオ:セロー
「 ふぅ──。
剣や刀以外の武器って扱い難いな……。
適性Sじゃなかったのかよ! 」
霄囹:ゲンブ
「 適性Sでそれなら十分だろ。
使えば使う程熟練度が上がるから今より扱い易くなる筈だ。
頑張れよ 」
マオ:セロー
「 ゲンブは鉄扇しか使わないのか? 」
霄囹:ゲンブ
「 使わないんじゃなくて、バグで使えないんだよ。
バグで適性は全てDだしな 」
マオ:セロー
「 幾ら何でも一寸バグが多過ぎないか? 」
霄囹:ゲンブ
「 裏技にはバグが付き物なんだよ。
バグを気にしてたらゲームを楽しめないぞ。
バグ探しに楽しさを見出だせば良いんだ 」
マオ:セロー
「 セロみたいな事を言うんだもんなぁ。
オレは無理かも~~。
あっ、そう言えばさ、ギルドを作ったのは良いけど、オレ達のギルドは何処に在るんだ? 」
霄囹:ゲンブ
「 決まった場所には無いぞ。
ステータス画面の[ ギルド入室 ]を押せばギルドへ移動が出来るんだ。
戦闘中以外なら好きな時にギルドへ入室が出来る訳だ。
何処かに拠点を “ 置きたい ” ってなら、先ずは土地を買う必要がある 」
マオ:セロー
「 え゛っ?!
VWなのに土地を買うのか? 」
霄囹:ゲンブ
「 当たり前だろ。
拠点を決める必要性は無い仕様になってるぞ。
土地代は高いからな。
無理して買う必要は無いさ 」
マオ:セロー
「 それもそっか。
メインメンバーは2人だもんな 」
霄囹:ゲンブ
「 拘りの強い輩や見栄を張りたい輩が土地を買うんだろうよ。
ギルドを作ったら、ギルドで[ セーブ ][ ログアウト ]が出来る様になるんだ。
[ ログイン ]したらギルドから始まるから、地図で好きな場所を選択して転移が出来る。
但し、行った事のある場所限定だ 」
マオ:セロー
「 便利なのか不便なのか微妙だな 」
霄囹:ゲンブ
「 セロカ会員なら特典で便利な魔法道具を贈呈されてる筈だ。
転移はギルドや宿泊室から行きたい場所へ移動する時しか使えないから、普段の移動は徒歩か馬車になる。
だが──、特典で贈呈されてる魔法道具を使えば、移動は楽になる。
地上のモンスターとの遭遇率も格段に下がるしな 」
マオ:セロー
「 へぇ~~。
そんな便利な魔法道具を貰えるんだな。
オレも貰えてるのかな? 」
霄囹:ゲンブ
「 会員登録を済ませてからキャラメイクしてあるから贈呈されてる筈だ。
ステータス画面を出したら、非消耗品の画面を開いてみろ。
“ セロッタ商会からの贈呈品 ” って文字をタッチしてみろ 」
マオ:セロー
「 えぇと…………………………此か!
文字が変わった!
“ 魔法の箒 ” …………えっ、箒?? 」
霄囹:ゲンブ
「 そうさ、魔法の箒だ。
コイツはMPを注ぐ事で、宙に浮いて高く飛んだり、速く進んだり出来るんだ。
馬車を使うには金が掛かる。
魔法の箒を使えば、馬車代を節約する事が出来るんだ。
海は渡れないが、川や湖を渡る事も出来る 」
マオ:セロー
「 じゃあ、距離が有る時は移動手段として魔法の箒を使えば良いんだな! 」
霄囹:ゲンブ
「 飛ぶ高さに依って遭遇するモンスターの種族が違うから気を付けろ。
空のモンスターは出現率,遭遇率が地上より上がっているから注意が必要だ。
高ければ高い程、強いモンスターと遭遇するから、LVが低い内は魔法の箒の使用を控えた方が良いぞ 」
マオ:セロー
「 何だよ、それぇ。
糠喜びじゃんかよ! 」
霄囹:ゲンブ
「 ちゃんと “ 使用可能なLV20以上 ” って説明に書いてあるだろ。
LV20以下の僕等には未だ使えないアイテムさ 」
マオ:セロー
「 …………………………当分は徒歩移動って事だな。
因みにどんなモンスターと遭遇するんだ? 」
霄囹:ゲンブ
「 そうだな──、ワイバーンやドラゴンは強敵だろうな 」
マオ:セロー
「 ファンタジーだな!
ワイバーンやドラゴンの背中に乗って散歩したいよな~~ 」
霄囹:ゲンブ
「 だったら、愛玩奴隷を買って育てないとな。
愛玩奴隷の職業は “ テイマー ” だが、LVを上げて “ 魔物使い ” の上──、“ 魔獣使い ” にクラスチェンジさせる必要があるぞ。
まぁ、気長に頑張れよ★ 」
マオ:セロー
「 クラスチェンジぃ~~~~?
本当に先が長そうだな………… 」
???
「 貴方達、一寸良いかしら? 」
マオ:セロー
「 ん?
誰だろうな? 」
霄囹:ゲンブ
「 冒険者だろ。
──何だ? 」
???
「 貴方達、アタシとパーティを組まない? 」
突然、声を掛けて来た女性の頭上には赤い逆三角形が付いている。
確かにプレイヤーみたいだ。
金髪碧眼で背の高いボンキュッボンな体型をした魅力的な容姿の如何にも出来る女キャラクター風な感じだな。
堂々としていて自信に満ち溢れている様にも見える。