⭕ フィールド 1
──*──*──*── フィールド
霄囹:ゲンブ
「 よし!
──結構、モンスターの使役は出来たな 」
マオ:セロー
「 ゲンブ──、芋虫を捕獲するんじゃなかったのか? 」
霄囹:ゲンブ
「 慌てるなよ。
依頼を受けて達成させる期限は1週間だ。
未だ依頼を受けて1日も経ってないだろ 」
マオ:セロー
「 そうだけど…… 」
《 奴隷商 》で労働奴隷を4体も買った後、愛玩奴隷も買う予定だった。
因みに労働奴隷は人獣族,戦闘奴隷は獣人族,愛玩奴隷は獣族と買える種族が既に分けられていた。
霄囹:ゲンブ
「 何だよ、愛玩奴隷を買えなかった事で落ち込んでるのか? 」
マオ:セロー
「 悪いかよ…(////)」
霄囹:ゲンブ
「 はははっ!
金を貯めれば買えるんだ。
どうせ買うなら高額な愛玩奴隷を買おう。
モンスターを倒してれば1億Esなんて直ぐに貯まるさ 」
マオ:セロー
「 そんなに高い愛玩奴隷なんて要らないよ!
1番安い愛玩奴隷だって100万もするんだぞ! 」
そうなんだ。
愛玩奴隷はテイマーも兼ねているから1体の値段が高いんだよな……。
労働奴隷を4体も買わなければ、愛玩奴隷を1体くらい買えたのにぃ!!
労働奴隷の値段は比較的に安くて、0の数が3 ~ 4で買えるんだけど、戦闘奴隷になると0の数が4 ~ 5に増えて高くなる。
愛玩奴隷はテイマーって事もあって、0の数が6 ~ となっていた。
鯔のつまり、愛玩奴隷の最低金額は100万Esって事だ。
──という訳もあり、お財布事情に依って愛玩奴隷を買えずに諦める事になった。
モフモフして可愛い愛玩奴隷が欲しかったんだけど……ガッカリだ。
癒しぃ~~~~!!
霄囹:ゲンブ
「 さてと──、弱らせて名前を奪い使役したモンスターを式神召喚してみるか 」
マオ:セロー
「 えげつなかったよな。
1回の攻撃でモンスターのHPを1にする鉄扇なんてさ~~ 」
霄囹:ゲンブ
「 あっはっはっはっ!
凄いだろう!
此も裏技の力だぞ 」
マオ:セロー
「 完全に反則技じゃないかよ。
違法な改竄じゃないよな? 」
霄囹:ゲンブ
「 安心しろよ、セロー。
良心的で健全な裏技だ。
違法な改竄なんてする訳がないだろ。
セノコンとマオキノを信じろよ 」
マオ:セロー
「 それを言われるとな~~ 」
シュンシュン──じゃなくて、ゲンブは時代劇で良く見る印籠みたいな物を狩衣の袖から取り出すと印を切り始めた。
印を切ると陰陽陣が地面に現れる。
マオ:セロー
「 へぇ、ゲームではちゃんと印を切るんだな 」
霄囹:ゲンブ
「 本当は “ 印を切る ” なんて面倒な動作はしたくないんだが、印を切らないと式神を召喚する事が出来ないんだ。
此もバグの1つだな 」
マオ:セロー
「 召喚士なのにか?
逸そ職業を “ 陰陽師 ” に変更した方が良いんじゃないのか? 」
霄囹:ゲンブ
「 ゲームの中だぞ。
陰陽師より召喚士の方が響き的にもカッコイイだろが(////)」
マオ:セロー
「 ははは~~。
陰陽陣は出現したけど、何も出て来ないよな?
肝心の式神は?? 」
霄囹:ゲンブ
「 陰陽陣じゃなくて召喚陣な。
陰陽陣とはデザインが微妙に違うんだ。
召喚陣が出現すると、画面が出て来る。
使役したモンスターを選べる様になってるんだ 」
マオ:セロー
「 召喚陣?
陰陽陣じゃないんだな。
“ デザインが違う ” って言われても区別なんて付かないよ 」
霄囹:ゲンブ
「 今の僕は召喚士だからな。
魔法陣,陰陽陣を掛け合わせて、裏技で召喚陣を作ったんだ 」
マオ:セロー
「 もしかして、その無茶振りをした代償で印を切らないといけないバグが生まれたのか? 」
霄囹:ゲンブ
「 どうだろうな。
何に対するバグなのかは僕にも分からないな 」
マオ:セロー
「 えぇ~~ 」
霄囹:ゲンブ
「 画面を見てみろよ。
使役したモンスターを立体的に見る事が出来る様にしたんだ。
普通は文字だけなのを改良したんだぞ!
立体的に見えるモンスターの下には必要な情報が明記されているから便利だろ?
矢印をタッチすれば次のモンスターを見れるし、上に出ている栞をタッチすると、目当てのモンスターを見れるんだ 」
マオ:セロー
「 確かに便利だな。
立体的なモンスターがクルクル回ってるから後ろや横も見れてるし、上からも下からも見れて飽きないよ。
名前,属性,習性,生息地,特徴,習得技,退治数,経験値…なんかも見れるんだな。
ドロップアイテムも書いてある! 」
霄囹:ゲンブ
「 フフン。
モンスター図鑑としても使える優れ物だろ!
手始めに──コイツを召喚してみるか 」
マオ:セロー
「 最初に倒したモンスターだよな。
トラッタって名前の──ネズミ型モンスターか? 」
霄囹:ゲンブ
「 何処がネズミ型だよ。
明らかにモグラ型モンスターだろ! 」
ゲンブがモグラ型モンスターのトラッタを選択すると、召喚陣が山吹色に光だしてモンスターが召喚された。
霄囹:ゲンブ
「 成功だな。
コイツは土属性だから召喚陣の光が山吹色だったんだ 」
マオ:セロー
「 へぇ~~~~。
属性に依って召喚陣の光が変わるんだな。
綺麗だし、凝ってるじゃんか 」
霄囹:ゲンブ
「 フフン!
此も裏技だぞ★ 」
マオ:セロー
「 裏技まみれだな… 」
霄囹:ゲンブ
「 召喚した式神はな、モンスターを1回倒すとLV99,全パラメーターMAX ,全ステータスMAXになる様にしてある。
チマチマと面倒なLV上げをする手間を省いているんだ 」
マオ:セロー
「 うわぁ~~~~。
育てる行程を全否定してるな 」
霄囹:ゲンブ
「 当然だろ。
純粋に楽しむ為には “ 強くてNEWゲーム ” が1番じゃないか 」
マオ:セロー
「 まぁ、確かにサクサクと進めれるのは魅力的ではあるけど…… 」
霄囹:ゲンブ
「 よし、芋虫の捕獲を始めるか!
芋虫を捕獲しながら倒しつつ式神をLV99にするぞ!
忘れず芋虫も使役しないとな 」
マオ:セロー
「 ははは……。
オレの出番は無さそうだな 」
そんなこんなで、ゲンブと一緒に《 冒険者斡旋所 》で受けた依頼──芋虫の捕獲を始める事になった。