⭕ 奴隷商
──*──*──*── 奴隷商・前
マオ:セロー
「 へぇ~~。
此処が《 奴隷商 》か──。
外観は高級ホテルみたいだな 」
霄囹:ゲンブ
「 ゲームだからな。
パッと見ても《 奴隷商 》とは思えない清潔感が溢れてるのはファンタジーを意識しているからじゃないか? 」
マオ:セロー
「 現実では治安が悪い場所に有るからな~~ 」
シュンシュン──ゲンブと並んで立派な高級ホテルの外観をしている《 奴隷商 》の両扉を開けてを中へ入る。
──*──*──*── 奴隷商・中
《 奴隷商 》の中もホテルのフロントホールみたいに広くて綺麗だ。
賑わっているのは奴隷を買いに来ている冒険者が多いからだろうか。
何か……オレが知ってる《 奴隷商 》のイメージと掛け離れ過ぎていて戸惑ってしまう。
マオ:セロー
「 シュンシュン──、冒険者ってプレイヤーだけなのか?
NPCの冒険者も居るのか? 」
霄囹:ゲンブ
「 “ ゲンブ ” って呼べよ。
何の為の名前だよ。
──そりゃ、NPCの冒険者は居るさ。
頭上を見てみろよ。
冒険者のNPCの頭上には黄色い逆三角形が出てるだろ。
逆に冒険者の頭上には赤い逆三角形が出てる。
逆三角形の色を見ればNPCの冒険者だって分かるだろ 」
マオ:セロー
「 あぁ、本当だな 」
霄囹:ゲンブ
「 NPCの冒険者は《 冒険者斡旋所 》にも居るけど、依頼を受けたりはしないんだ。
“ サクラ ” みたいなもんだと思えば良い。
依頼,クエストの最中に行き詰まった時、話し掛けると会話の中に攻略や達成の手助けになるヒントが隠れていたりする場合もある。
場所の移動はするが《 冒険者斡旋所 》から出たりしないから、ヒントが必要になった時には遠慮なく話し掛けると良いぞ。
ランダムになるが、攻略や達成の助けとなるアイテムをくれる時もあるんだ 」
マオ:セロー
「 サクラか──。
VWの中にも居るんだな。
同時にヒントをくれるお助けキャラでもある訳か。
プレイヤーに親切な部分も有るんだな 」
霄囹:ゲンブ
「 初心者も居るからな。
序でに《 酒場 》にも居るし、《 娼館 》にも居るぞ 」
マオ:セロー
「 しょ…娼館か。
娼婦が暮らしてるって言う…… 」
霄囹:ゲンブ
「 そうだな。
前も話したが性的行為を純粋に楽しみたいなら後腐れなく楽しめる《 娼館 》がベストだ。
現実で20歳を迎えてる成人しか立ち入れない規制対象区域になってるぞ。
娼婦はNSCで、常連プレイヤーの間では “ NSC ” と省略されて呼ばれている。
《 酒場 》よりもリッチで華やかに酒を楽しめる場所として提供されているんだ。
指名した綺麗なお姉さん,お嬢さん達に御酌をされたり、話をしながら楽しめるんだ。
酒を御馳走したり、フルーツや料理を御馳走したり、プレゼントを手渡して好感度を上げると、個室に案内されたり、デートに誘われたりして、特別な時間を楽しんだりも出来る。
現実では痴漢やセクハラ扱いされる “ お触り ” だって、親睦を深めて信用度,信頼度,友愛度,親愛度,愛情度──ってな感じで順調に上げて親密になれば、現実では痴漢やセクハラ扱いされる “ お触り ” だって──好き放題出来るんだ!!
その気さえ有れば、全てのNSCとのベッドインを楽しむ事も可能な聖地なんだっ!! 」
マオ:セロー
「 シュンシュン、 同じ事を2回も言ってるけど!?
年齢制限が掛かってるけど、程々に楽しむ分には如何わしくなく健全に酒や会話を楽しめる場所って事か? 」
霄囹:ゲンブ
「 まぁ、そんな感じだな。
NSCへプレゼントするには課金が必要だ。
無課金で楽しみたいなら《 娼館 》の沼にはハマらない事だ。
因みに《 娼館 》には《 女娼館 》《 男娼館 》の2種類が有る。
プレイヤーは両方の《 娼館 》を好きに選べて楽しめる様になってるぞ。
NSCは人間族ばかりだから亜人種と性的行為を楽しみたい冒険者には物足りないかもな。
浪漫はあるが、僕等には用の無い場所さ 」
マオ:セロー
「 課金するのか……。
年齢制限されてる筈だよな 」
霄囹:ゲンブ
「 《 セロッタ商会 》の会員カード番号を登録してあれば、現金を課金する代わりにPを使う事も出来るぞ。
VWで会員カードのPを使うと現実で使えるモバイルクーポンがスマホに送信される仕組みになってるんだ。
セローの会員カード番号も登録してあるから、課金したい時はPを使えよ 」
マオ:セロー
「 何時の間にだよ。
課金ねぇ……。
覚えとくよ 」
霄囹:ゲンブ
「 《 娼館 》の話は此ぐらいにして、フロントで入館手続きと奴隷の買い取り手続きを済ませるぞ 」
マオ:セロー
「 分かった。
受付人は──亜人なんだな 」
霄囹:ゲンブ
「 あぁ、《 奴隷商 》のスタッフは労働奴隷ばかりだからな。
手続きが済んだら、右側のドアから選んで入るだけだ 」
マオ:セロー
「 ドア? 」
右側を向くと壁に3つのドアが有る。
ドアにはドアプレートが付いていて──、労働奴隷,戦闘奴隷,愛玩奴隷と文字が書かれている。
あの中に入るのか──。
フロントでの手続きはシュンシュン──ゲンブが済ませてくれた。
シュンシュンはVWで遊ぶのは初めてじゃないのかも知れないな。
霄囹:ゲンブ
「 セロー、先ずは労働奴隷を買うぞ 」
マオ:セロー
「 ゲンブ、愛玩奴隷も買わないか?
テイマーは興味有るしさ 」
霄囹:ゲンブ
「 《 アイテム界 》にでも潜らせる気かよ? 」
マオ:セロー
「 お供が欲しいかな~~って思ってさ 」
霄囹:ゲンブ
「 分かった分かった。
1体だけだからな 」
マオ:セロー
「 有り難な、シュンシュン! 」
霄囹:ゲンブ
「 “ ゲンブ ” って呼べよ!
全く── 」
先ずはゲンブと一緒に[ 労働奴隷 ]と書かれたドアプレートが付いているドアを開けて中へ入った。