✒ 仮想世界ゲームMMQ 3
──*──*──*── 旅立ちの街
シュンシュンから粗方ゲームの説明を聞いたら[ セーブ ]をして宿泊室を出る。
宿泊室から出ると街中に出た。
後ろを見ると宿屋が建っている。
マオ:セロー
「 旅立ちの宿ぉ?? 」
霄囹:ゲンブ
「 セロー、素の口調に戻っているぞ。
なりきるのは難しいか? 」
マオ:セロー
「 おっと──、そうでした。
気を付けなければいけませんね 」
霄囹:ゲンブ
「 セロフィートの容姿にマオの声での口調は違和感が強過ぎて笑えるな(////)」
マオ:セロー
「 シュンシュン、笑い過ぎぃ~~~~。
玄武さんだって、そんな風には笑わないからな! 」
霄囹:ゲンブ
「 さてと──、先ずは《 冒険者斡旋所 》へ行くぞ 」
マオ:セロー
「 玄武さんの真似は止めるのか? 」
霄囹:ゲンブ
「 2人で話す時ぐらいは素で良いだろ? 」
マオ:セロー
「 それもそうだな。
《 冒険者斡旋所 》って《 冒険者ギルド 》とは違うのか? 」
霄囹:ゲンブ
「 ゲームではパーティを組んだら “ ギルド ” を立ち上げる事が出来るんだ。
ゲーム内では冒険者が立ち上げたギルドの事を《 冒険者ギルド 》って呼ぶ様になっている。
プレイヤーが間違えない様に区別されてるんだ 」
マオ:セロー
「 へぇ、そうなんだな。
《 冒険者斡旋所 》で冒険者登録を済ませるのか? 」
霄囹:ゲンブ
「 いや、プレイヤーは既に “ 冒険者 ” として登録されている。
面倒な手続きは免除されてるんだ。
冒険者ランクは1番低いGランクから始まるがな。
ギルドを立ち上げると冒険者ランクとは別に “ ギルドランク ” ってのが有るぞ。
個人ではなくギルドで活躍すると “ ギルドランク ” が上がって有名になれるんだ。
名声,富み,権力,地位が舞い込んで来るんだ 」
マオ:セロー
「 へぇ~~ 」
霄囹:ゲンブ
「 僕とマオは “ フレンド登録 ” を済ませてあるし、パーティも組んである。
ギルドを立ち上げるなら《 冒険者斡旋所 》で登録するぞ。
受け付けでギルド名を付けたらギルド設立だ 」
マオ:セロー
「 意外と簡単に作れちゃう訳だな? 」
シュンシュンから説明を聞きながら目的の《 冒険者斡旋所 》を目指して歩く。
かなり賑わっていて活気の有る≪ 旅立ちの街 ≫みたいだ。
霄囹:ゲンブ
「 《 冒険者斡旋所 》は主に依頼を受ける場所だが、パーティを組む相手を募集する場でもあるんだ。
《 酒場 》は情報収集する場所だが、パーティを組む相手を探す事も出来る。
《 冒険者斡旋所 》で仲間に出来るのは冒険者だが、《 酒場 》で仲間に出来るのはNPCと決まっているんだ。
NPCを仲間に入れるとクエストが発生する確率が高いから、[ セーブ ]をしてから《 酒場 》にへ行く様にしろよ。
クエストを達成する迄は仲間から外せないからな 」
マオ:セロー
「 《 酒場 》で仲間を探す時は要注意って事だな 」
霄囹:ゲンブ
「 《 酒場 》でNPCを仲間に入れなくても、持っているだけでクエストが発生する特殊なイベントアイテムも有るんだ。
その場合は特定の場所へ行けばクエストが始まる様になっているぞ。
クエストが発生するイベントアイテムは売れないし、使用も出来ない。
自動的に[ 非消耗品 ]のフォルダへ移動する様になってるぞ 」
マオ:セロー
「 アイテムにも気を付けないといけないんだな 」
霄囹:ゲンブ
「 クエストの中には “ UK ” って呼ばれるレアなクエストも有るから[ セーブ ]は必須だぞ 」
マオ:セロー
「 へぇ~~~~。
UKか。
面白そうだな! 」
霄囹:ゲンブ
「 UKを達成するとNUCが、ギルドに加入するんだ。
NUCは、ギルドの管理を任せる事が出来る便利なキャラクターだ。
加入したNUCが多ければ自然とギルド名も有名になる仕組みだ 」
マオ:セロー
「 ギルドを有名にする気は無いから態々UKを受ける必要は無いかもな 」
霄囹:ゲンブ
「 いや、そうでもないぞ。
《 酒場 》で仲間になるNPCは戦闘に参加しないから戦えないキャラクターだ。
NUCは戦闘には参加しないが戦えるキャラクターなんだ。
育てて強くすれば、自分の代わりに《 アイテム界 》へ潜らせて攻略させる事も出来るのさ。
態々自分で武器,防具,装飾具のLV上げしなくても、NUCに任せれば楽だろ 」
マオ:セロー
「 な…成る程ぉ~~。
それは確かに便利だな。
NUC欲しいかもだ! 」
霄囹:ゲンブ
「 パーティ編成でNUCをリーダーにしたら、残りのメンバーはNDCで構成するんだ。
NDCも育てて強くする必要があるけどな 」
マオ:セロー
「 NDCってのは、どんなキャラクターなんだ? 」
霄囹:ゲンブ
「 奴隷の事だな。
ゲーム内では奴隷を “ ドンクラ ” って呼んでるんだ。
奴隷は《 奴隷商 》へ行けば買えるぞ。
ギルドを立ち上げたら奴隷を買って、雑用をさせるのが一般的だな。
奴隷は3種類あって、労働奴隷,戦闘奴隷,愛玩奴隷から奴隷を事が出来るんだ。
ゲームだからあらゆる種族の奴隷が揃っていて、自由に選べるんだ。
因みに奴隷に対して性的行為は出来ない様になっている。
“ 風紀を乱した ” と判断されて運営からペナルティを受ける事になる。
NPC,NUC,NDCには絶対に性的行為はするなよ。
ゲーム内で性的行為をしたいなら運営公認の《 娼館 》へ通え。
冒険者とも合意すれば御互いに性的行為は出来るが、揉める原因になるから止めとけ 」
マオ:セロー
「 しょ──《 娼館 》まで在るのかよ…。
性的行為なんてする気は無いんだけどな~~。
覚えとくよ。
──兎に角、労働奴隷が主に雑用係りを担ってもらうって事だな。
戦闘奴隷には、《 アイテム界 》を攻略してもらうんだな。
愛玩奴隷って何だ? 」
霄囹:ゲンブ
「 現実で言う所のペットだな。
愛玩奴隷はテイマーでも有る。
育てれば昆虫,小型動物,中型動物,大型動物,モンスター,魔物なんかをテイムしてくれるんだ。
テイマーにもランクが有るからランクが上がればテイムの出来る種族も増えるんだ 」
マオ:セロー
「 テイマーかぁ。
良いなぁ、それ! 」
霄囹:ゲンブ
「 愛玩奴隷がテイムしたモンスターを《 アイテム界 》を攻略する為の助っ人に加える事も出来るんだ。
パーティにテイマーを入れる必要あるし、戦えるNDCに1体ずつモンスターや魔物を相棒として付ける事が出来るんだ 」
マオ:セロー
「 愛玩奴隷って戦えないのか? 」
霄囹:ゲンブ
「 労働奴隷と愛玩奴隷は非戦闘員だから戦えないぞ 」
マオ:セロー
「 そうなんだな……。
唯一戦える奴隷は戦闘奴隷だけなんだな 」
霄囹:ゲンブ
「 《 冒険者斡旋所 》で用を済ませたら、《 奴隷商 》にも行ってみよう。
ギルド内の雑用を任せたいからな 」
マオ:セロー
「 ははは……。
雑用を丸投げする為に奴隷を買うって、平和だな~~ 」
霄囹:ゲンブ
「 ゲームだからな。
マオ──、着いたぞ。
此処が《 冒険者斡旋所 》だ 」
マオ:セロー
「 うわぁ……。
デカくて立派な建物だな~~ 」
霄囹:ゲンブ
「 中は高級ホテル並みに広いぞ!
VWならではだぞ 」
オレはシュンシュン──じゃなかった。
ワタシはゲンブと共に目の前に建つ立派な《 冒険者斡旋所 》へ入る事にしました。
────なんちゃてな♥