⭕ 仮想世界ゲームMMQ 2
──*──*──*── 仮想世界
──*──*──*── 何処か
霄囹
「 マオ、VWに入ったぞ。
目を開けてみろよ 」
マオ
「 お、おぅ…… 」
シュンシュンの声で目を開ける。
視界に広がる其処は────。
マオ
「 部屋ぁ?? 」
霄囹
「 運営から与えられたプレイヤー専用の宿泊室だ。
VWにダイブすると宿泊室からスタートするんだ。
[ セーブ ]は宿泊室でしか出来ない様になっている。
ステータス画面で[ ログアウト ]を選択すると宿泊室に転移される様になってるぞ。
ベッドの上で仰向けに寝てから、右側の赤いボタンを押して “ リンクアウト ” って言えば終われる。
現実に戻ったら左側のスイッチをOFFにして、ゴーグルを外したら良い。
因みに戦闘中に[ ログアウト ]は出来ないぞ 」
マオ
「 そうなんだ? 」
霄囹
「 マオ、ステータス画面を出して[ キャラメイク ]を選べ。
[ キャラメイク ]が終わったら鏡を見てみろよ。
容姿が変わっているからな 」
霄囹
「 ステータス画面って、どうやって出すんだ? 」
霄囹
「 “ ステータスオープン ” って言えば良いさ 」
シュンシュンがそう言うと、シュンシュンの前に透けた画面が現れた。
マオ
「 此がステータス画面か── 」
シュンシュンの容姿が一瞬で変わる。
シュンシュンは背が高くなって姿は────。
マオ
「 ──げ、玄武さん!?
何で玄武さんの姿なんだよ、シュンシュン!! 」
霄囹
「 玄武に相手にされないからな。
せめて玄武の姿になって自分を慰めたいだけさ! 」
マオ
「 痛い奴ぅ~~ 」
霄囹
「 お前もだからな!
ほら、容姿がセロフィートになってるぞ 」
マオ
「 あっ!
本当だ!
やっぱ身長が高いって良いな~~♥
声って変えれないのか? 」
霄囹
「 裏技を使ってキャラクターを再現したんだぞ。
変声が出来ないバグだな 」
マオ
「 折角、セロの姿に変われたのにセロの声で話せないなんて──。
バグるって最悪じゃん 」
霄囹
「 犠牲は付き物だろ。
贅沢を言うな。
キャラメイクが終わったら名前を決めるんだ 」
マオ
「 名前か~~。
“ セロフィート ” で良いだろ? 」
霄囹
「 捻りの欠片も無いな。
お前の名前は “ セロー ” だ! 」
マオ
「 はぁ?!
何で勝手に決めるんだよ! 」
霄囹
「 ゲームの中で “ セロフィート ” なんて聞きたくないんだよ!
察しろ! 」
マオ
「 勝手な事ばっかり言うなよ!
じゃあ、シュンシュンの名前はどうするんだよ? 」
霄囹
「 僕は “ ゲンブ ” って名前にするって決めてるんだ。
因みに名前の文字数は制限されて3文字しか入力が出来ないからな!
名前に漢字を使えないバグも有る。
平仮名も自動的に片仮名へ変換されるバグが有るぞ 」
マオ
「 またバグかよ~~。
──ってか、バグが3つも有るじゃん 」
霄囹
「 名前の登録をするぞ 」
シュンシュンは手慣れた感じで名前の登録をしてくれる。
オレの名前はシュンシュンの勝手な都合で──じゃなくて文字数制限っていうバグの所為で “ セロフィート ” じゃなくて “ セロー ” で登録された。
霄囹:ゲンブ
「 よし、名前の登録が済んだぞ。
セノコンの裏技で、セローは “ 古の失われた魔法 ” と呼ばれた古代魔法の使い手になるぞ。
マオキノの裏技で全装備品は最強ランク,MPはMAX,全パラメーターもMAX,全ステータスもMAXになってるからな。
但し、LV1でHPは初期値になってるからな、モンスターを倒してLVを上げる必要があるぞ 」
マオ:セロー
「 全装備品が最強ランクって凄いな。
MPもパラメーターもステータスもMAXなんて反則技じゃんか。
大丈夫なのかよ? 」
霄囹:ゲンブ
「 安心しろ、バレやしない。
あぁ、このゲームは装備品にもLVがあってな、《 アイテム界 》ってのに入って “ アイテム神 ” を撃破して装備品のLVを上げるんだ。
面倒だから、僕等の装備品は既にLV99にしてあるから《 アイテム界 》へ入る必要は無いぞ 」
マオ:セロー
「 そ、そうなんだ? 」
霄囹:ゲンブ
「 武器,防具,装飾具を売る場合はLVが高ければ高い程高額で買い取ってもらえるから、少しでも高く売りたいなら《 アイテム界 》でアイテム神を倒しまくってLVを上げる事だ。
金も貯まるし、LV上げも出来るから《 アイテム界 》は便利だぞ。
《 アイテム界 》で倒したモンスターが落とすドロップアイテムには、レアリティも有るんだ。
レアリティアイテムは競売場で競売に掛ければ、ボロ儲けを出来る世界設定になっているぞ 」
マオ:セロー
「 へぇ……《 アイテム界 》か……。
ゲームに慣れたら入ってみようかな? 」
霄囹:ゲンブ
「 LVが上がると《 アイテム界 》に出現するモンスターも強くなるから準備を整えてから挑戦しろよ 」
マオ:セロー
「 分かった、覚えとくよ。
セロの身長は199cmだけど、シュンシュンの身長は幾つなんだ ? 」
霄囹:ゲンブ
「 シュンシュンじゃなくて “ ゲンブ ” だぞ!
身長は179cmだ。
マオキノの裏技で、戦闘中に弱らせたモンスターから名前を奪い、使役する事が出来る様にしてもらったんだ。
使役したモンスターを式神として戦わせる事が出来るんだぞ。
式神が倒したモンスターの経験値は全て主人の僕に入るから、戦わなくても経験値をガッポリ出来る仕様だ。
セノコンの裏技で作った経験値が2倍になる装飾具を身に付けるから、LVが上がり易くなっているし戦闘に勝利する度に式神は強くなるんだ 」
マオ:セロー
「 経験値2倍になる装飾具?!
オレには無いのかよ? 」
霄囹:ゲンブ
「 強くてNEWゲームだから必要ないだろ 」
マオ:セロー
「 シュンシュンだけ狡いじゃないかよ! 」
霄囹:ゲンブ
「 マオはのんびりLV上げを楽しめよ 」
マオ:セロー
「 不公平さを感じるぅ~~ 」
霄囹:ゲンブ
「 その顔で言われると笑えるな!
まぁ、聞けよ。
マオのジョブ──職業は “ 吟遊詩人 ” にしてやった。
使用武器に対する適性は何れもSにしてあるから、好きな武器を使えよ 」
マオ:セロー
「 適性って? 」
霄囹:ゲンブ
「 職業に合った武器との相性が有るんだ。
得意,不得意ってヤツだな。
得意な武器であれば適性が高いし、不得意な武器なら適性は低くなる。
適性S ~ 適性Dの5段階に分けられるんだ。
裏技で武器に対する適性を “ Sにしてある ” って事だよ。
折角だし、剣や刀以外の武器を使ってみるのも良いんじゃないか? 」
マオ:セロー
「 そっか。
どんな武器との相性も抜群に良いんだな。
確かにな──。
う~~ん………………悩むな~~~~ 」
霄囹:ゲンブ
「 まぁ、素手でも十分だけどな。
拳と蹴りで戦う武道家の吟遊詩人も面白いんじゃないか? 」
マオ:セロー
「 出来る限りセロのイメージを崩したくないんだけど…… 」
霄囹:ゲンブ
「 声色と口調が素ってだけで十分にイメージは崩れてるだろ。
容姿と合ってないからな 」
マオ:セロー
「 それはシュンシュンも同じだろ。
玄武さんがシュンシュンの声と口調で話してる姿は異様だし、変な感じだよ。
因みにシュンシュンの職業は陰陽師なのか?
武器は御札……とか? 」
霄囹:ゲンブ
「 僕──我の職業は召喚士だ。
武器は毒を仕込める鉄扇だな 」
マオ:セロー
「 ちょっ……シュンシュン~~~~。
玄武さんの物真似、めっちゃ上手いじゃん!
声は違うけどwwwwww 」
霄囹:ゲンブ
「 フフン、そうだろ♪
僕は玄武になりきるつもりでいるからな!
マオもセロフィートになりきるんだろ?
宿泊室から出る前に練習してみろよ 」
マオ:セロー
「 そっか!
それもそうだよな。
自分の声なのが残念だけど、一致ょセロの真似してみるか! 」
という訳で──、ゲームに詳しいシュンシュンの説明を聞きながら、セロの口調や仕草を真似てみる事にした。
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