⭕ クリスマス 3
──*──*──*── 外出中
裏野ハイツを出て、最寄り駅を目指して歩く。
人目を気にせず堂々とセロと手を繋いで歩けるのは嬉しい。
傍からは歳の離れた兄弟か父子に見えるみたいだから、変な目で見られる事もない。
腕を組んで歩いたり、抱き付いて歩いたりしても、変な目で見られないのは有り難いな。
──*──*──*── 最寄り駅
米●駅は大きくて広い。
駅構内には巨大なクリスマスツリーが飾られていて綺麗だ。
ツリーの下には沢山のカラフルなプレゼント箱が置かれている。
マオ
「 ──ツリーの近くにピアノが置かれてる? 」
セロフィート
「 ストリートピアノと言われてます。
誰でも自由にピアノを弾く事が出来ます 」
マオ
「 へぇ~~。
随分と高そうなピアノだよな?
幾らぐらいするんだろうな? 」
セロフィート
「 さて、値段までは知りません。
置かれているピアノはアコースティックピアノのようです 」
マオ
「 アコー??
長ったらしい名前のピアノだな 」
セロフィート
「 グランドピアノと言えば分かります? 」
マオ
「 TVで見る発表会に出てるピアノだよな?
セロはピアノを弾けたりするのか? 」
セロフィート
「 ワタシです?
魔王なら弾けますけど? 」
マオ
「 魔王??
何だよ、それ 」
セロフィート
「 クラシックです。
誕生祭には不向きな曲ですね 」
マオ
「 へぇ~~。
弾かなくて良いから、店に入ろうよ 」
セロフィート
「 はいはい。
何処の店に入ります? 」
マオ
「 う~~ん……。
メンズショップに入ってみたいかな?
セロと御揃いで何か欲しいな! 」
セロフィート
「 マオが買ってくれます? 」
マオ
「 ──うっ゛…。
ま、まぁな!
その代わり、支払いはMBKだからな! 」
セロフィート
「 ふふふ…。
上限を気にせず幾らでも買えますね♪ 」
マオ
「 そだな~~ 」
──*──*──*── メンズショップ
店内は誕生祭だからか男性客で賑わっている。
店員も男性だ。
女性店員が1人も居ない。
マオ
「 へぇ~~、色んなもんが売ってるんだな~~。
あっ、マフラーだ。
セロ、御揃いのマフラーと手袋なんて良いんじゃないか?
色違いにしてさ 」
セロフィート
「 それならコートと靴も揃えたいです 」
マオ
「 セロぉ~~!
どんだけオレに買わせる気だよ! 」
セロフィート
「 サイズは魔法で変えれば良いです。
マオ、選びましょう 」
マオ
「 そだな~~。
サイズを気にしないで買えるのは楽だよな 」
オレはセロと一緒にコート,マフラー,手袋,靴を物色する。
他にも「 良いな~~ 」と思った物は、店員さんに頼んでキープしてもらう事にした。
有名なメンズショップだから、ブランド品が多く取り扱われている。
オレはブランドの良さが分からないから、好みの物を選ぶ。
セロもブランド品には興味無いみたいだしな。
マオ
「 う~~ん…。
セロ──、このコートなんて、どうかな?
マフラーは──、この柄が良いかな~~。
手袋はこれ! 」
セロフィート
「 はいはい。
マオが気に入ったので良いです 」
マオ
「 靴は──、これかな。
デザインがカッコイイ!
他には── 」
レジカウンターに選んだ商品を置く。
支払いは限度額の無いMBKを使う。
さよなら──、誰かの大事な裏金よ。
さよなら──、誰かの大事な隠し財産よ。
セロとオレの為に消えてくれ。
店員
「 有り難う御座いました!! 」
1回の買い物で400万円以上使っちゃたからか、店員さん達から丁寧に見送られた。
良い気分!
金額を気にせず買い物が出来るって最高だよな!
セロフィート
「 マオ、次は何処の店に入ります? 」
マオ
「 そうだな~~。
メンズショップの次だから、メンズ雑貨店かな?
宝石店にも入ってみたいな 」
セロフィート
「 メンズ雑貨店なら此方です。
気に入る雑貨があれば良いですね 」
マオ
「 そうだな! 」
メンズショップで買った荷物は、セロが転送魔法を発動させて自宅へ転送してくれる。
持ち歩きしなくて良いから楽チンだ♪
──*──*──*── メンズ雑貨店
マオ
「 うお~~ぉ!
メンズショップの店内も広々してたけど、メンズ雑貨店の中も広いな! 」
セロフィート
「 男性向けのインテリア雑貨が豊富に取り揃えられてますね 」
マオ
「 男物なのに、お洒落だな!
なんかワクワクして心が躍るよ! 」
セロフィート
「 時間を気にせず見て回りましょう 」
マオ
「 うん! 」
メンズ雑貨店で色んな商品をセロと一緒に見る。
物色するのって時間を忘れちゃうぐらい楽しいよな!
“ セロと一緒だから ” だと思うけどな!
マオ
「 いやぁ~~。
また買っちゃったな~~。
一寸買い過ぎちゃったかもな 」
セロフィート
「 次は宝石店でしたね。
男性向けの宝石店があります。
行ってみます? 」
マオ
「 うん!
行ってみたい! 」
セロフィート
「 此方です 」
セロに手を引かれて駅構内を歩く。
誕生祭だからか人が多い。
サンタのコスチュームやトナカイ,妖精,精霊のコスチュームを着た店員が呼び込みをしている。
未だ昼前だからか賑やかだ。
マオ
「 こうやって見ると、平和だなぁ~~。
事件らしい事件も事故らしい事故も起きてないし 」
セロフィート
「 治安が良いと安心してデートを楽しめますね 」
マオ
「 そだな。
毎日が今日みたいに平和なら良いのにな! 」
セロフィート
「 刺激の無い毎日は退屈ではないです? 」
マオ
「 米●町は刺激が多過ぎるんだよ! 」
セロフィート
「 マオ──、男性向けの宝石店です 」
マオ
「 わぁ……外観はシンプルなのに、お洒落だな 」
セロフィート
「 気に入る品と出会えると良いですね 」
マオ
「 うん 」
──*──*──*── メンズ宝石店
店内に入るとメンズアクセサリー類が棚に置かれている。
アクセサリーの種類は多くて、ネックレス,リング,ピアス,ブレスレット,バングル,アンクレット,カフリンクス,ネクタイピン,ブローチ,時計──等々がある。
マオ
「 レディースアクセサリーとは違うんだな。
セロがオレにくれたアミュレットはレディース用みたいだ 」
セロフィート
「 マオ──、ピアスを買いましょう。
1つずつ付けません? 」
マオ
「 ピアスって耳に穴を開けるヤツだろ?
身体に穴を開けるのは嫌だよ 」
セロフィート
「 耳朶に穴を開けるものばかりではないです。
見てください。
種類別に説明書きされてます 」
マオ
「 えぇと──、スタッドピアス,フックピアス,チェーンピアス,フープピアス,イヤーラップピアス,ノンキャッチピアス,スナップピアス,パールピアス,ボールピアス,マグネットピアス,ノンホールピアス,ストーンピアス,プレートピアス,イヤカフ……。
結構あるんだな 」
セロフィート
「 穴を開けないならイヤカフかノンホールピアスになります 」
マオ
「 イヤカフかぁ……。
デザインはイマイチでパッとしないな。
ノンホールピアスってのも落ちたら嫌だしな……。
──これなんか綺麗じゃないか?
やっぱさ、色付きの宝石が付いてる方が良いよ! 」
セロフィート
「 それはスタッドピアスです。
耳朶に穴を開ける事になりますけど良いです? 」
マオ
「 うん。
ミニピアスって言うの?
宝石の色が綺麗だし、小さい方が良いかな。
邪魔にならないだろ?
えぇと……キュービックジルコニア??
天然石……スカイブルートパーズ……??
ロイヤルブルームーンストーン??
天然カイヤナイト……。
全然、分かんないや…… 」
セロフィート
「 マオの好きな色を選んでください 」
マオ
「 オレは──、光の加減で色が違って見えるのが良いな。
青系でさ、緑に見えたり紫に見えたりするヤツ! 」
セロフィート
「 マオは欲張りさんですね。
それなら──、この色はどうです?
マオの好きな青系です 」
マオ
「 光の加減で色が変わったりは? 」
セロフィート
「 しませんね。
{ 古代魔法で変わるようにします。
どの青系を選びます? }」
ピアスの色を決めたオレは、カフリンクスと時計を見る事にした。
カフリンクスはカフスボタンって言われているアクセサリーで、ワイシャツの袖に付けるお洒落アイテムだ。
セロも本屋でワイシャツを着る事があるから、身に付けて欲しいんだよな!
セロに似合うのは紫だから、綺麗な紫色のカフリンクスにしたい。
時計はセロと御揃いを買いたいな。
防水性で24時間の腕時計にしたい。
あると良いんだけど……。
マオ
「 ──このカフリンクス、凄く良い!
綺麗だし、上品なデザインだし、セロに似合いそう!
よし、これは買いだな! 」
オレは値段を見ないで店員さんに頼んでプレゼント用にラッピングをお願いした。
別の店員さんに24時間の腕時計がないか聞いてみる。
流石に防水性は無いみたいだけど、其処はセロの古代魔法で何とかしてもらおうと思う。
アンティークっぽさのあるお洒落な24時間腕時計を発見!
マオ
「 やっば!
これ、年代物っぽい!
セロに使って欲しい……。
裏には名前を刻んで、交換して持ってたい(////)」
──と言うわけで、オレは店員さんに頼んで、腕時計を2つ用意してもらった。
勿論、値札なんて見ない!
腕時計の裏に名前を刻むのに別料金が掛かるけど、気にせずに頼んだ。
名前を刻んでもらったら箱に入れて包んでもらう。
セロに渡すオレの名前入りの腕時計には紫色のリボンを結んで貰って──、セロの名前入りの腕時計はオレが使うから青色のリボンを結んで貰った。
レジカウンターでMBKを出して支払いを済ませる。
レシートを見たら2.000万円を超えた。
マオ
「 うわっ──、まかさの2.000万かよ。
結構使っちゃったな~~ 」
セロフィート
「 良い買い物は出来ました? 」
マオ
「 そだな。
満足した!
良い品を買えたよ! 」
セロフィート
「 マオが喜んでくれてワタシも嬉しいです♪ 」
マオ
「 セロぉ~~!
お腹が空いちゃったからさ、食事にしたい 」
セロフィート
「 そうですね。
正午も過ぎてますし、飲食店へ行きましょう 」
2.000万円も使ったからか、店員さん達に丁寧に見送られながらメンズ宝石店を出た。
◎ 読者さんから「 男同士で作中みたいなデートはしないよ 」って、お叱りを受けるかも知れませんね。
年の差の仲良し兄弟なら、こういう買い物をするかも知れませんか?
1回の買い物で2.000万、使ってみてぇ…。