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⭕ ヴァンプルの宴 4

◎ 読者の皆さん、御早う御座います。

  読みに来てくださり有難う御座います。

  今回で一旦、投稿はストップします。

  4月2日以降は、完全に不定期投稿となります。


 衝撃的な事件を〈 (原質)(みなもと) 〉に変換して証拠隠滅してしまったセロとデートを再開する。

 セロはまったく気にしていないのか、いたって普通のデートを楽しむ。


セロフィート

「 マオ、折角ですし、映画を観ましょう 」


マオ

「 映画?

  このへんに映画館が在るのか? 」


セロフィート

「 歴史を感じるレトロな映画館が在ります。

  映画館で映画を観るのもデートらしくないです? 」


マオ

「 内容に依るんじゃないか?

  ちなみに映画が上映されてるんだ? 」


セロフィート

「 それは映画館へ行かなければ分かりません。

  デートに合う内容の映画が上映されているといですね 」


マオ

「 そだな 」


 そんな訳で、セロと一緒に映画を観る為に映画館へ向かった。






──*──*──*── 映画館


 レトロな映画館って事をセロは言ったけど、レトロなのは外観だけだった。

 映画館の中は全然レトロじゃなくて、近代的でハイテクだった。

 完全に騙されちゃったな~~。


マオ

「 ………………1本もデートらしい映画が無いのはなんでだよ? 」


セロフィート

「 仮に有ったとしてもマオなら爆睡するでしょう? 」


マオ

「 それは否定出来ないな~~。

  なにを観ようか? 」


セロフィート

「 マオなら冒険物がさそうですね。

  此はでしょう。

  幸福の象徴と言われているふくろうが主人公の物語です 」


マオ

「 3部作か。

  【 ガフーフの伝説 】──、ふくろうが喋るんだ?

  面白そうだな! 」


セロフィート

「 130年ほど前の映画のようです。

  観てみます? 」


マオ

「 そうだな。

  3部作だから6時間か……。

  最後まで起きてられるかな?? 」


セロフィート

「 ワタシと賭けます? 」


マオ

「 勝てる自信が無いからめとくぅ~~ 」


 そんな訳で、セロと一緒に【 ガフーフの伝説 】を観る事にまった。

 チケットはセロが(魔法の)ブラックカードを使って買ってくれた。

 映画のチケットが1枚3.000円もするんだもんなぁ。

 チケットを1.000円で買えていた時代がなつかしく思う。


マオ

「 そうだ!

  シュンシュンから聞いたよ。

  (魔法の)ブラックカードで使った裏金は、偽札に変わって戻ってるらしいじゃん。

  初耳だぞ 」


セロフィート

「 戻るのではなく、偽札とれ替わるようになってます。

  本物の現金だと思い使うとさま偽札だと判明し、大変な事態をまねいている事件がなん件も起きています。

  誰も偽札に関与していないのに偽札とれ替わっているなんて面白いでしょう? 」


マオ

「 まさに怪奇事件だな。

  異形のたぐいや怪異のたぐいが関わってるんじゃないか──って大騒ぎしそうだな。

  身に覚えの無い偽札の原版と関与していた証拠資料まで金庫の中に用意してるとも聞いたぞ 」


セロフィート

「 善意に依る親切心です。

  偽札の原版と証拠資料だけでなく、証拠映像,証拠音声…など(など)も用意してます。

  税金を脱税し、貯めている大事な裏金を使わせて頂いているのです。

  ごころと誠意を込めた御返しをしなければ申し訳無いでしょうに。

  恩情と感謝の意を伝える為に見える形を選びました 」


マオ

「 恩情を利用して、仇で返すなんて流石だな。

  でもさ、議員が脱税と偽札のダブルパンチで逮捕されるニュースは放送されないよな?

  なんでだよ? 」


セロフィート

「 政治家は警視庁だけでなく、メディアともズブズブな関係ですし、く揉み消されますから、国民には知らされないのでしょう。

  大物議員から受けた多額の政治資金が偽札だと判明し、逮捕される政治家のニュースがだい(だい)てきに報道されます 」


マオ

「 へぇ?

  まるで未来予知だな 」


セロフィート

「 マオはニュースで見たいのでしょう?

  マオが望むならいくらでもニュースで見れるようにします。

  この世界に綺麗な政治家は1人もません。

  叩けばいくらでも埃は出てるものです。

  毎日が楽しくなりますね♪ 」


マオ

「 どうせなら政治家生命が終わるくらいだい(だい)てきにメディアで公開処刑されてほしいかな。

  未成年の子供達を食い物に(に性的虐待を)して楽しんでる変態議員も大勢るんだろ?

  そんな未成年に手を出して楽しむようなヤバい性的嗜好の政治家達に≪ にっぽんこく ≫の大事な舵取りを任せてたら駄目なんじゃないのか?

  どんなに優秀で有能な政治家でもさ、やってる事は犯罪じゃんか。

  逮捕されないだけで十分過ぎるほどに立派な犯罪者だろ?

  相当の報いや咎め,仕置きや制裁を受けさせるべきじゃないのかな?

  政治家として甘い蜜をすすって贅沢三昧な暮らしを楽しんでる人生を早く終わらせて、もっと真剣に≪ にっぽんこく ≫の為に尽力してくれる熱意と情熱と忠義心を持ってる政治家に世代交代させた方がいんじゃないかと思うんだよな…… 」


セロフィート

「 そうなるように仕向けるとしましょう。

  無い証拠は作ってしまえばいですし 」


マオ

「 でっち上げとか捏造じゃないよな? 」


セロフィート

「 実際におこなっていた当時の様子を映像化するだけです。

  でっち上げる必要はないです。

  現時点で県内に存在するテレビ局,新聞社,雑誌編集部,警察関係のパソコンへ一斉送信します。

  本人が自宅で使うプライベート用のパソコンを使います。

  本人がプライベート用のパソコンを持っていなくても家族の誰かは持っているでしょう。

  家族の誰かが犯人だと疑えば、人間不振になるかも知れませんね? 」


マオ

「 ひっそりと人知れず自殺しちゃわないか? 」


セロフィート

「 自分の身勝手な都合でいのちてないようにすればいです。

  どうせなら、きちんとつみつぐなってほしいですね。

  人間の決めた法律で裁く事がようではなくても、実際に自分がおこまった事を当時の自分にされれば、被害者がいだいていた恐怖感,おぞましさ,絶望感…さま(ざま)な感情の1部ぶんくらいは感じる事は出来るでしょう。

  なんにんも犠牲者がるならば、当時の心無い悪魔のような自分から、同じ人数ぶんの行為を受ける事になります。

  心が折れて廃人となる可能性も有りますけど、マオはです? 」


マオ

古代エンシェント魔法マジックを使えば、廃人にならないようにも出来るんだろ?

  当時の自分から未成年の被害者にした事と同じ目に遭わせて身体からだに叩き込んで教えるのはいけどさ、それで自分のおかしてた犯罪行為を悔い改めて反省するのかな??

  ちゃんと被害者達や被害者家族達に対してだよ、両手を付いて、ふか(ぶか)と土下座をして、腹の底から心の底から謝罪が出来るのか?

  新しい世界の扉がひらいちゃって、新しい性癖の世界に “ こんにちは ” しちゃったりとかさ── 」


セロフィート

「 そんな事までは知りません。

  反省するもしないも本人の問題です。

  ワタシが与えるのはつみに対する相応のバツだけです 」


マオ

「 犯罪者に丸投げするんだな~~。

  まぁ、いや。

  じゃあさ、国民の代表者でもある議員になったのに税金の脱税をして裏金を貯めてる脱税議員にはバツを与えるんだ? 」


セロフィート

「 脱税して貯めた裏金に徴収税を加えた金額を徴収します。

  仮に6億円の脱税が発覚した議員さんには、6億円とは別に18億円も徴収する事になります 」


マオ

「 は?

  別に18億円??

  金額が多くないか? 」


セロフィート

「 18億円は徴収税──脱税者に対するペナルティです。

  違反をしたら罰金を支払うでしょう?

  たようなものです。

  徴収税は3倍ですけど、りないなら5倍に増額するとしましょう。

  6億円も脱税をして裏金を貯めた議員さんからすれば、18億円はガネに過ぎません。

  倍の30億円でも楽勝に徴収出来ます 」


マオ

「 30億円でもガネって言うのか?

  ほんかよ? 」


セロフィート

「 当たり前です。

  30億円を支払える見込みが有るから国民の信頼を裏切ってでも平気で脱税に手を染め、甘くてしい蜜をすすり、当然の権利のように贅沢ざんまいな暮らしを楽しむのです。

  実際には30億円以上の無駄使いをして、ぜいを尽くした豪遊に明け暮れる余裕が有るのですから、徴収税の30億円くらい簡単に支払えます。

  政治家とは者の集まりです。

  ≪ にっぽんこく ≫のてんぷくくろみ、≪ にっぽんこく≫を解体をさせようとやっとなり、国民と敵対する売国議員にも、多額の給料が支払われています。

  国民達がおさめている貴重な税金の一部が、≪ にっぽんこく ≫をすい退たいさせおとしめる活動にまいしんしている心無い議員のふところはいり、潤わせています。

  一部の国会議員は確実に悪質な税金泥棒と化しています。

  ≪ にっぽんこく ≫の国民ではないワタシ達には関係無いはなしですけど── 」


マオ

たしかに関係無いはなしだよな……。

  オレ達は1円だって≪ にっぽんこく ≫に対して税金を払ってないしな 」


セロフィート

「 脱税なんてしてません。

  《 セロッタ商会 》はと税金をおさめてます。

  誰かが貯めている裏金を有効的に使わせて頂いていますよ 」


マオ

「 だよな~~。

  使える裏金が有るなら当然の権利として使うに決まってるよな~~。

  でもさ、仮に徴収税ぶんを支払えない議員がたらんだ?

  徴収税の徴収は諦めて徴収しないのか? 」


セロフィート

「 当然、徴収税は頂くに決まってます。

  脱税者に対するペナルティですから、諦めたりおおに見たりはしません。

  違反に対する罰金を支払うのは違反者の責務です。

  支払いを拒否すれば犯罪者として逮捕されるのは当然の結果です。

  支払いを免除されるような特例待遇など無いです。

  りないぶんは臓器売買でもして支払ってもらう事になります 」


マオ

「 臓器売買?!

  なつかしい響きだな……。

  本人の臓器を売ってもりない場合はから徴収するんだ? 」


セロフィート

「 勿論、家族にも臓器提供をしてもらうに決まってます。

  家族でもりないなら、本人の兄姉弟妹きょうだい,その子供達,更には子孫達にも臓器提供をしてもらう事になります。

  本人との血縁者でもりなければ、妻の兄姉弟妹きょうだい,その子供達,更には子孫達にも臓器提供をしてもらう事にもなります。

  脱税は “ してはいけない犯罪行為 ” だという事、逮捕されていなくても “ 立派な犯罪者の一員 ” である事をなによりも大事な身体からだを失う事で理解してもらいます。

  反省するかは知りませんけど、おかしたつみに対しては必ずバツを受けなければなりません。

  臓器を摘出するときには、麻酔薬を一切使いません。

  きちんと痛みを体感し、長年続けたつみの重さと向き合い、受けれ、実感してもらいます。

  ぬるバツなら教えてください 」


マオ

「 脱税して裏金を貯めてただけで、麻酔薬無しの臓器摘出は十分過ぎるバツなんじゃないかな?

  いささじょうバツとは思うけど──、セロは人間じゃないもんな。

  人間のかためたなまぬるばつを受けても、脱税者は悔い改めたり、反省なんてしないかもな?

  “ 2度としない ” って思わせるのが大変だと思う。

  寝た切りじゃあ、国民の信頼を裏切るような犯罪も出来ないと思うけど── 」


セロフィート

「 脱税しているあいだ、犯罪者は家族とともに甘い蜜をすすりながらなんじゅうねんも生きています。

  家族は小さな集団です。

  個人のおかしたつみは連帯責任でつぐわなければいけません 」


マオ

「 鬼ぃ~~~~ 」


セロフィート

「 誰が鬼ですか?

  家族で仲良く償える機会を与えるのです。

  慈悲ぶかいでしょうに 」


マオ

く言う~~~~ 」


セロフィート

「 マオ、21スクリーンに着きました。

  はいりましょう 」


マオ

「 そだな 」


──*──*──*── スクリーン21


 この映画館は巨大だ。

 スクリーンは1 ~ 25まで有るから相当だと思う。

 スクリーンの室内もひろ(びろ)としているし、座席も沢山だ。


マオ

「 うわぁ~~~~、貸し切りかよ……。

  やったなセロ!

  貸し切りで映画が観れるぞ! 」


セロフィート

「 はいはい。

  途中から爆睡しないでください 」


マオ

「 むぅ~~。

  デートなんだから、しないって言ってるだろが! 」


セロフィート

「 はいはい。

  指定席を探して座りましょう 」


 チケットに書かれている座席番号を見ながら指定席を探す。


マオ

「 あったぞ、セロ!

  ──スクリーンがデカい!

  大迫力で観れるな 」


セロフィート

「 楽しみですね 」






 映画紹介のシーエムが終わり、【 ガフーフの伝説 】の本編が始まったが、マオはすでに寝落ちしていた。

 本編が始まる前のシーエム中、睡魔に勝てないままマオは眠ってしまったのである。

 そのままマオはセロフィートに起こされる事なく、熟睡を続ける事になった。

 1作目が終わり、2作目も終わり、3作目が始まってもマオは目を覚ます事なく、熟睡していた。


 3作目のEDエンディングが終わった所で、漸くセロフィートは爆睡しているマオの肩を揺らした。

 よだれらしながら気持ちさそうに眠っているマオのよだれを清潔なハンカチで優しく拭きながら、マオの身体からだを揺らす。


セロフィート

「 ──マオ、起きてください。

  映画、終わりましたよ 」


マオ

「 ………………………………へ??

  映画…………??

  ………………なんのぉ~~?? 」


 マオは完全にけていた。


セロフィート

「 ワタシとデートちゅうなのも忘れてます? 」


マオ

「 デートぉ?? 」 


セロフィート

「 はい♪

  デートです。

  マオが誘ってくれたデートです。

  ワタシをエスコートしてくれるのでしょう? 」


 セロフィートに耳元で囁かれたマオの意識がハッキリとしてる。

 セロフィートとデートちゅうだった事を思い出したのか、マオの顔はうちそうはくになった。


マオ

「 セ…セロ!

  ご…御免っ!!

  オレ──、“ 寝ない ” ってたんまで切ったのに── 」


セロフィート

「 ふふふ…。

  安心してください。

  きみ(マオ)には初めからなんの期待もしてませんでした 」


マオ

「 うぅ゛~~~~………………マジで御免なさい………… 」


セロフィート

「 ワタシは感心してます 」


マオ

「 感心って?

  オレ……ずっと寝てたんだろ? 」


セロフィート

ほかのスクリーンで爆発でも起きたようです。

  (スクリー)(ン21)から離れたスクリーンのようですから、中断はされず上映は続行されてました。

  避難時の混雑を避ける為に上映の終わったスクリーンから順に劇場スタッフさんが避難誘導にはいるでしょう 」


マオ

「 避難誘導って──。

  映画館で爆発ってなんでまた? 」


セロフィート

「 さて、原因はワタシも知りません。

  劇場スタッフさんがられたら、指示に従い静かに避難するとしましょう 」


マオ

「 そうだな…… 」


 スクリーンの中は電気が着いて明るくなっている。

 階段を下りて1番前の座席に腰を下ろして座る。

 セロと雑談をしながら待っているとじていた扉がいて劇場スタッフさんがはいってた。


劇場スタッフ

「 スクリーン21の御客様は御2人ですか? 」


セロフィート

「 そうです 」


マオ

「 もしかして避難誘導してくれる劇場スタッフさん? 」


劇場スタッフ

「 はい!

  御客様を避難経路へ御案内致します。

  此方こちらへ── 」


 セロと一緒に劇場スタッフさんの後ろを歩く。

 扉から出て横幅が広くて縦長い通路を歩く。


マオ

のスクリーンではだ上映中だったりするのかな? 」


劇場スタッフ

「 はい。

  避難誘導で混雑しないように映画は通常どおり上映されています。

  音量が大きい事がさいわいしてパニックにならずに済んでいます。

  御客様には広間に避難して頂いています 」


セロフィート

「{ マオ──、気配を消してください }」


 劇場スタッフさんと話しながら歩いていると、セロから耳元で囁かれた。

 気配を消して歩いていると、セロとオレの前を歩いて誘導をしてくれたいた劇場スタッフさんの身体からだが通路の後ろに吹っ飛んだ。


 な…なにごとぉぉぉぉぉぉーーーーーーッッッ!!!!

 劇場スタッフさんを殴り飛ばしたのは一体誰だよ!?


 気配を消しているセロとオレにかないのは、ゾロゾロと通路にはいってた上質で高級な黒いロングコートに身を包んだ黒ずくめの男達だった。

 黒ずくめの男達は扉がまっていて上映中のスクリーンを目指して通路を歩いて行く。

 まっている扉をつぎ(つぎ)けてはスクリーンの中へはいって行く。


 映画が上映中のスクリーンの中へ乱入した黒ずくめの男達はなにかをしているようだ。

 気になるけど、覗きに行ける状況じゃないから諦める。

 黒ずくめの男達は吸血鬼ヴァンパイアだから、なにが起きているのかは想像が付く。

 スクリーンの中からは男性達,女性達の悲鳴や叫び声,助けを求める声が響いている。

 多くの悲痛な悲鳴が聞こえてるぅ~~~~!!


 助けに行きたいけど、生憎と今のオレは気配を消す事に集中している。

 気配を消し続ける為には喋らないようにしないといけない。

 集中力を切らす訳にはいかないんだ。


 気配消しがけるたら、黒ずくめの男達と抗戦する事になるのは必至だろう。

 生憎とオレはあいとうあいけんも持参していないから、素手で相手をしないといけない。

 デート中なのに手が返り血でよごれるのはなんだよな……。


 黒ずくめの男達は通路に片膝を付くと、後から現れた人物に頭を下げてひれした。

 パン屋で見た蜂蜜色の髪をした少年じゃない。

 真っ赤な血みたいな色の髪と瞳をした男だ。


真っ赤な髪の男

にはが多いな。

  おい、彼女は見付けたのか? 」


黒ずくめの男

「 いえ──、にはないようです 」


真っ赤な髪の男

「 この建物の中にはいったのはたしかなんだ。

  早く探し出して私の前に連れてい!!

  私の花嫁にするのだからな 」


 また “ 花嫁 ” かよ。

 パン屋に現れた少年と言い、目の前の男と言い、発情期の真っ盛り──いや、婚活中なのか??

 セロがオレの手を引いて歩く。

 上手く気配を消せてるのか、真っ赤な髪の男からも黒ずくめの男達からもかれていない。


 ──っていうか、黒ずくめの男達って喋れたんだな。

 無口だから喋れないのかと思っていた。

 なにに男前な声だったから聞きってしまった!!


 通路を歩いて映画館の広間に出ると、派手派手な格好に身を包んだ男や女達が大勢た。

 避難誘導されてた御客達や怪我をして動けない御客達の生き血をすすっていた。

 床に敷かれているカーペットが大量の赤い血でよごれている。


 劇場スタッフ達は全滅だ。

 制服を着ているからびたミイラがカーペットの上にゴロゴロと転がっているのが見えているからだ。

 こんな得体の知れない吸血鬼ヴァンパイアの花嫁に選ばれるなんて、運から見放された人なのかな??


セロフィート

「 デートの邪魔です 」


 気配を消していた筈のセロが声を出したから、オレは咄嗟にセロを見上げた。

 広間で人間達の生き血をすすっていた吸血鬼ヴァンパイア達が一斉にセロの方を見た。

 だけど、吸血鬼ヴァンパイア達がセロに襲い掛かる事はなかった。


 かって?

 〈 (原質)(みなもと) 〉に変換されているからだ。

 吸血鬼ヴァンパイア達は自分達の身体からだひかりの粒子に変わって消えて逝くさまを驚愕した顔での当たりにしていた。


 そりゃそうだ。

 吃驚しない方が

 自分の身体からだひかりの粒子に変わって消えて逝く現象なんて、そうそう御目に掛かれるものじゃない。


 まさにファンタジーな光景。

 今がよるなら天へ昇って行くほたるひかりに見えて綺麗なんだけどなぁ~~。

 映画館の中で残念だ。


 からびたミイラも怪我をしてつらそうでくるしそうな御客達も吸血鬼ヴァンパイアを恐れて震えている御客達も皆、〈 (原質)(みなもと) 〉に変換されて、輪廻の流れへ還って逝く。

 デートの邪魔をされたからって、容赦が無さ過ぎるんじゃないのか?


マオ

「 セロ── 」


セロフィート

「 映画館を出ましょう。

  敷地内をすべて〈 (原質)(みなもと) 〉へ変換します 」


マオ

「 はぁ?!

  なにを言い出すんだよ、セロぉ!!

  映画館にはだ大勢の御客が残って── 」


セロフィート

「 知った事ですか。

  この土地には初めから “ 映画館 ” など無かったのです 」


マオ

「 な…を言い出すんだよ、セロ── 」


セロフィート

いですね、マオ。

  この土地に “ 映画館なる建造物 ” は── 」


 駄目だ。

 セロは本気だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!


マオ

「 ──初めから在りませんでしたぁ!! 」


セロフィート

「 宜しい 」


マオ

「 セロぉ~~。

  映画館を〈 (原質)(みなもと) 〉に変換しているなら中にる真っ赤な髪の男も輪廻の流れへ還るのか? 」


セロフィート

「 当然です。

  映画館の中へははいれても映画館のそとへは誰も出られないようにしてます。

  更地になったら【 セロカ君の本屋 】の店舗を転送します 」


マオ

「 【 セロカ君の本屋 】にするのか?

  ぜ…全部か?? 」


セロフィート

「 勿論です。

  本屋だけではなく、文房具,アニメグッズ,ゲーム,シィディディブイディなおも販売します 」


マオ

「 えぇっ?!

  アニメグッズやゲームも買えちゃうのか? 」


セロフィート

「 ゲームは取り扱ってますし。

  しょうれいさんはアイドルですし、ドラマ出演,映画出演,声優デビューもしてます。

  関連でシィディディブイディも販売します 」


マオ

「 そっか声優デビュー作がアニメだもんな。

  アニメグッズも関連してるんだ。

  アニメグッズが買えるならも増えるかも知れないな 」


セロフィート

「 フードコート,ガチ◯ポン専用コーナーも作ります。

  フードコートでは1しなと飲み物1杯で500円販売します 」


マオ

「 飲み物が1杯付いて500円(ワンコイン)は安いな 」


セロフィート

「 マオ、次はに行きます? 」


マオ

「 次か……。

  パン屋巡りしたし、映画館にもたし……。

  そうだ!

  ゲームセンターに行きたい!

  セロとプリクラを撮りたいんだ(////)」


セロフィート

「 プリクラです?

  それなら、ゲームセンターもれましょう 」


マオ

「 ゲームセンターもれるのか? 」


セロフィート

「 《 セロッタ商会 》で販売している商品を景品に使います。

  新しいグッズも投入しましょう 」


マオ

「 それは楽しみだな~~ 」


セロフィート

のゲームセンターへ行きます? 」


マオ

「 近場のゲームセンターでいよ。

  プリクラが撮れるゲームセンターだからな! 」


セロフィート

「 はいはい。

  行きましょう 」


 そんな訳で、セロと一緒にプリント倶楽部のプリ機が設置されているゲームセンターへ向かう。

 どんなプリクラが撮れるかな?

 楽しみだったりする。

◎ 【 ガフールの伝説 】の続編って作られないのかな?

  原作を買っても読み切る気力が無い。

  1作目を映画館で観てから何年経ってるんだか。

  「 美麗な映像を大画面の3Dで観たいな~~ 」と思いつつ。

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