⭕ ヴァンプルの宴 2
──*──*──*── 1週間後
──*──*──*── 東京都米●市米●市米●横丁
──*──*──*── 犯罪天国都市・米●町
──*──*──*── パン屋巡りデート
マオ
「 セロ──、此処だよ!
マオキノが調べてくれた美味しいパン屋さん! 」
セロフィート
「 随分と年季の入ったパン屋さんです 」
マオ
「 昔ながらのパンを食べれるパン屋だって。
セロ、入ろう!
中で食べれるんだってさ 」
セロフィート
「 はいはい。
オススメのパン屋さんでしたね 」
オレは今、セロと一緒にデートをしている最中だ。
パン屋を調べてくれたマオキノが手作りしてくれたパン屋地図を見ながらパン屋巡りをしているんだ。
久し振りのセロとのデートだから楽しみたい!!
──*──*──*── パン屋
店内に入ると予想外過ぎる内装に思わず声が出てしまった。
マオ
「 ──わあっ……!!
地味で冴えない外観とは違って店内はオシャレだ……!!
凄いな、セロ!
店内だけまるで別世界だよ……。
パンもオシャレだよ! 」
セロフィート
「 マオ、声が大きいです。
失礼な事を言ってはいけません 」
マオ
「 御免…… 」
セロフィート
「 年代物のアンティークが映えてます 」
マオ
「 テンション上がっちゃうなぁ~~。
セロ、パンを買おう! 」
セロフィート
「 はいはい。
好きなパンを選んでください。
支払いはワタシが── 」
マオ
「 今日は久し振りのデートなんだ。
オレが払うよ! 」
セロフィート
「 有り難う、マオ。
使うカードはワタシのですけど。
ふふふ…(////)」
マオ
「 そ…それを言わないでくれよ(////)」
セロフィート
「 ワタシはマオの “ お兄さん ” です。
支払いはワタシに任せてください 」
マオ
「 デートだって言ってんのに……。
“ お兄さん ” とか言うなよな~~ 」
セロフィート
「 今は “ 兄弟 ” でしょうに 」
セロは嬉しそうな笑顔でオレの横でパンを見ている。
店員さんもセロの美貌を前にして言葉が出ないみたいだ。
頬を赤く染めている。
マオ
「{ セロぉ~~。
魅力が駄々漏れだから何とか出来ないのか? }」
セロフィート
「 気にしなければ良いでしょうに 」
マオ
「 無理言うなよ!
{ デート中にセロがナンパされるなんて、オレは嫌だからな! }」
セロフィート
「 ふふふ(////)
マオのやきもち妬きさん♪ 」
マオ
「 笑うなぁ~~(////)」
セロフィート
「 マオ、先ずは此処から此処迄を買いましょう。
残りは食べ終わってからです 」
マオ
「 うん。
じゃあ、2個ずつだな!
──すみません 」
店員
「 はい、お決まりですか? 」
マオ
「 えと──、先ずは此処から此処迄を2個ずつください。
支払いは── 」
セロフィート
「 このカードで支払います 」
店員
「 畏まりました。
お持ち帰りですか? 」
マオ
「 店内で食べたいんだ。
飲み物も頼みたいな 」
セロフィート
「 そうですね 」
マオ
「 飲み放題って有るかな? 」
店員
「 申し訳御座いません……。
飲み放題の提供はしておりません。
飲み物は此方のメニューから選んで頂けます 」
マオ
「 ふぅん……。
あっ、ココアが有る!
オレ、生クリームたっぷりのホットココアを大きいマグカップで飲みたい! 」
セロフィート
「 マオの欲張りさん。
マグカップでは飲めませんよ。
好きなだけ頼んでください。
ワタシは果物紅茶をホットで、お願いします 」
マオ
「 果物紅茶って、ポットが付いて1.700円もするじゃんかよ。
たっか!
オレのホットココアは580円で安いな 」
店員
「 カードを御返し致します。
番号札を御持ちください。
御好きな席で御待ちください。
御運びさせて頂きます 」
マオ
「 有り難う! 」
店員さんから番号札を受け取ったオレは、空いている席を探す。
セロフィート
「 マオ、あまりキョロキョロしては他の御客さんに失礼です 」
店員さんからMBKを受け取ったセロは、微笑みながら歩いて来る。
セロフィート
「 マオ、此処にしましょう。
見晴らしが良いですし 」
マオ
「 セロが良いなら何処でも良いよ 」
セロが即決した席に向かって歩く。
椅子に腰を下ろして座ってから窓に目を向けると確かに見晴らしが良かった。
店員さんが運んで来てくれていたパンとホットココア,ポット付きの果物紅茶がテーブルの上に並ぶ。
マオ
「 いただきますっ! 」
セロフィート
「 いただきます… 」
そうそう、普段のセロは「 いただきます 」って言わないんだけど、外食をする時には「 いただきます 」を言う様になったんだよな。
セロは一切パンには手を付けないで果物紅茶を味わいながら飲んでいる。
パンを食べに来たのに肝心のパンを食べないとか有り得ないだろ~~!
マオ
「 セロ、何でパンを食べないんだ?
頼んだ意味無いじゃんかよ 」
セロフィート
「 嫌ですね、マオ。
君の目は節穴です?
ワタシはちゃんとパンを食べてます 」
マオ
「 本当かよ?
オレには減ってない様に見えるんだけどな? 」
セロフィート
「 マオの食いしん坊さん。
ワタシの分もどうぞ遠慮せずに食べてください 」
マオ
「 そうか?
じゃあ、遠慮なく食べちゃうぞ? 」
セロフィート
「 はいはい 」
セロは全くと言って良い程、パンに手を付けていない。
パン屋さんに失礼だから、オレがセロの分も食べてやるんだ!
こういう時に “ 満腹にならない ” って便利で有り難いよな。
マオ
「 ふぅ~~~~。
店内で販売されてるパンを全種類、制覇したぞ!
2人分も食べた自分を褒めたいよ。
結局セロは果物紅茶しか口に付けてなかったよな~~ 」
セロフィート
「 言い掛かりは止してください。
ちゃんと食べてました 」
マオ
「 う~~ん…………。
折角だし、お土産に幾つか買って帰ろうか? 」
セロフィート
「 マオ──、あれだけのパンを食べて何も感じませんでした? 」
マオ
「 は?
何も感じなかった??
一体何の事だよ? 」
セロフィート
「 マオ…………、君には少々失望しました 」
マオ
「 えぇっ?!
何だよ、急にぃ~~!?
食べたパンがどうかしたのかよ? 」
セロフィート
「 マオには専用のスペシャルメニューを用意させるとしましょう 」
マオ
「 恐い事を言うなよ~~。
{ それで──、此処のパンが何々だよ? }」
セロフィート
「{ このパン屋だけではなく、今迄に訪れたパン屋で販売されている全てのパンには──── }」
セロの言葉を聞いて、オレは思わず言葉を失った。
「 嘘だ 」と言って欲しい思いが、オレの心の中に広がる。
だけど、セロは嘘でこんな事を言ったりはしない。
マオ
「{ 嘘だろぉ~~!?
じゃあ、何か?
オレは●●●●の入ったパンを『 美味い! 』って喜んで食べてたって事かよ?! }」
セロフィート
「{ そうです。
今の今迄、全く気付かないとは── }」
マオ
「{ で…でもさ、何だってパン屋は販売してるパンの中に●●●●を入れたりしてるんだよ!? }」
セロフィート
「{ 目的が有るからに決まってます }」
マオ
「{ 目的って? }」
セロフィート
「{ 吸血鬼は生命力を吸い、寿命を延ばします }」
マオ
「{ それ──、セノコンとマオキノから聞いたよ!
生命力を吸うのとパンに●●●●を混入させるのとどう関係してるんだよ? }」
セロフィート
「{ マオ、生命力ならば誰の生命力でも良い訳ではないのです。
生命力にも相性が有ります }」
マオ
「{ 相性?? }」
セロフィート
「{ 相性の悪い生命力を吸うと吸血鬼は体調不良となります。
寝込んでしまうくらい体調を崩してしまいます。
その為、なるべく相性の良い人間を見付ける為にパン屋を隠れ蓑にしています。
人間はパンが好きですからね }」
マオ
「{ 生命力って人間からしか取らないのか? }」
セロフィート
「{ そんな事はないです。
唯、1番多く生命力を吸う事の出来るのが人間です。
吸血鬼は寿命を延ばす事には貪欲です }」
マオ
「{ セロ──、マオキノが下調べをしてくれたパン屋ってさ、もしかしなくても── }」
セロフィート
「{ 間違いなく吸血鬼が絡んでます。
安心してください、マオ。
体内に入っても〈 テフ 〉 へ変換されます。
マオが吸血鬼
マオ
「 う、うん……。
{ だけどさ、パンを食べた人間達は?
平気じゃ済まないんだろ? } 」
セロフィート
「{ 当然です。
相性の良い贄
吸血鬼
贄
マオ
「{ 夜
寿命を迎える迄? }」
セロフィート
「{ 生
生命力を吸い過ぎて死なせてしまわぬ様
吸血鬼
長く生命力を吸う為に敢えて生
マオ
「{ そ、そうなんだ……。
処
セロフィート
「{ そうでもないです。
厨房は吸血鬼
唯
手の届く範囲で管理していた方が楽
マオ
「{ じゃあ、店員さん達には吸血鬼
夜
セロフィート
「{ そうですね。
今日
多くの吸血鬼
マオ
「{ オレに取り憑
セロフィート
「 そろそろ出ましょう。
次のパン屋へ向かうとしましょう 」
マオ
「 次のパン屋……。
更に犠牲者が増えるんだな…… 」
セロフィート
「 今更でしょうに。
{ マオ、次のデートは激辛店巡りにしましょう } 」
マオ
「 絶対嫌
セロフィート
「 残念です 」
マオ
「 オレは断固反対だからな! 」
セロと一緒にパン屋を出たオレは、次のパン屋へ向かって歩く。
マオ
「 まさか、マオキノが下調べしてくれたパン屋が全部、吸血鬼
一体何
セロフィート
「 それはマオキノに聞いてください。
全国各地で吸血鬼
マオ
「 う、うん。
セノコンとマオキノから教えてもらったよ。
人間の子供が “ 神隠し ” に遭ってる犯人を吸血鬼
吸血鬼
一体何
セロフィート
「 ワタシが知る訳がないでしょうに。
人間の仕業ではないでしょうね 」
マオ
「 じゃあ、吸血鬼
セロフィート
「 消去法で考えれば可能性は有ります 」
マオ
「 ………………実
セロフィート
「 おや、マオはワタシを疑ってます?
心外です 」
マオ
「 前科が有り過ぎるからだろ。
行方知れずになってるのは、生
警察の方はヴァンピルも捕
セロフィート
「 その様
吸血鬼
仮に困っていても助ける義理は無いです。
このまま放っておきましょう 」
マオ
「 ……………………セノコンとマオキノも同じ事を言ってたよ。
吸血鬼
セロフィート
「 殆んどの異形は他
遥か昔から≪ 日
マオ
「 そうなんだ?
まぁ、空
仲良くは出来ないのか? 」
セロフィート
「 異形には縄
縄
マオ
「 領域
今回は吸血鬼
セロフィート
「 ふふふ…。
そういう事にしときましょう 」
マオ
「 全国的に騒がしいよな 」
セロフィート
「 原因の一部にはマオも入
マオ
「 オレじゃなくて、オレに取り憑
セロ──、いい加減にオレに取り憑
セロフィート
「 それは出来ないと言ってます。
原因不明の事件が起きるのは面白いでしょうに 」
マオ
「 セロぉ~~。
キノコンが見付けて来
中身を確認する作業も疲れるんだよ……。
もぅ嫌
セロフィート
「 楽しめば良
マオ
「 “ 楽しめない ” から言ってるんだ!!
オレの大事なメモリーカードを〈 テ
その時
セロフィート
「 ワタシ達に悪さをしない間
マオ
「 取り憑
セロフィート
「 マオの気の所為です♥ 」
マオ
「 絶
もうっ!!
セロはブレる事無く何
◎ 変更しました。
使うカードはワタシのカードですけどね。─→ 使うカードはワタシのですけど。