⭕ ヴァンプルの宴 １
◎ 読者の皆さん、御早う御座います。
暇潰しに作品を読みに来てくださって有り難う御座います。
昨日の１３時に２１３ＰＶも有りました。
理由が分からないので吃驚していますが、嬉しいです。
有り難う御座います。
──＊──＊──＊── １ヵ月後
──＊──＊──＊── 東京都米●市米●町米●横丁
──＊──＊──＊── 犯罪天国都市・米●町
──＊──＊──＊── 裏野ハイツ
──＊──＊──＊── １０２号室
──＊──＊──＊── １階・リビング
《 陰陽術４事務所 》のランチルームで、キノコン達が見付けて来てくれた大量の呪箱の中身を確認しまくった日から、１ヵ月が経っていた。
保留にしていた呪物の件も解決したけど──、あの中にはオレに取り憑いている奴とは無関係な物ばかりだった。
今は１階のリビングでマオキノが作ってくれた野菜を使ったケーキを食べている。
セノコンがリモコンを使って、デジタルＴＶのチャンネルを変えていた。
マオ
「 野菜ケーキ、美味いなぁ～～♥ 」
マオキノ
「 有り難う御座いますエリ（////）」
セノコン
「 マオ様、隣町の絲妻木町に巨大な市民プールを建設する話が持ち上がっているみたいですエリ 」
マオ
「 隣町の絲妻木町？
隣町に巨大な市民プールを作れる様な土地が在ったのか？ 」
セノコン
「 絲妻木町には廃れたシャッター商店街が多いですエリ。
大型スーパーが倒産した事で、敷地内で賑わっていた商店街も次々に廃れてしまいましたエリ。
大型スーパーとシャッター商店街を更地にして、巨大な市民プールを建設する予定みたいですエリ 」
マオ
「 大型スーパーなんて在ったんだな。
隣町って事は米●町みたいに犯罪も多いのかな？ 」
セノコン
「 米●町よりは少ないと思いますエリ。
米●町には澱みの拡散を防ぎ、呼び込む結界が張られていますエリ。
米●町が澱みを取り込んでいる事で発生する事件や事故は少ない筈ですエリ 」
マオ
「 隣町なのに違うんだな 」
セノコン
「 米●町を中心に隣町でも子供の【 神隠し事件 】が起きてますエリ 」
マオ
「 【 神隠し事件 】って、幻夢さんが特級呪靈を使って連れ去ってる事件だよな？ 」
セノコン
「 はいですエリ。
産みの親，育ての親から育児放置や虐待を受けている子供を対象に連れ去っていますエリ。
家の中で忽然と居なくなる事が話題となり、全国的に【 神隠し事件 】は拡大していますエリ 」
マオ
「 セノコン…………。
涎が垂れてるぅ～～ 」
セノコン
「 此は失礼致しましたエリ★ 」
セノコンは笠の中からバスタオルを取り出すと涎を拭き取る。
吸水性抜群のバスタオルなのに涎を１回拭き取っただけでビショビショだ。
吸水性抜群の意味ぃ～～。
因みにキノコンの涎はキノコン汁よりも万病薬との相性が頗る良くて適しているらしい。
涎入りの万病薬…………絶対に使いたくないな。
だけど、残念な事に《 セロッタ商会 》で取り扱っている医療薬品の全てには “ キノコンの涎 ” が使用されているんだ。
だから、市販の医療薬品よりも効果抜群らしく医療薬品は馬鹿売れしているみたいだ。
“ 知らない ” って事は “ 幸せ ” な事だよな。
オレは絶っっっ対に使いたくない！！
不老不死で怪我をしても直ぐに修復されて治っちゃうオレが、《 セロッタ商会 》の医療薬品を使う機会なんて来ないだろうけどな！
マオ
「 でもさ、育児放置や虐待をするぐらいだから、親からしたら “ 要らない子供 ” なんだろ？
日頃から邪険にしているのに突然居なくなったからって騒ぐかな？
心配するなんて今更だろ。
寧ろ、煩わしくて邪魔者だった厄介者が居なくなるんだから、清々して喜んでるんじゃないのか？ 」
セノコン
「 確かに子供を邪魔者だと思っている親は存在しますエリ。
手放し，小躍りして喜ぶ親も居ると思いますエリ 」
マオ
「 絶対居るだろ 」
セノコン
「 それでも取り乱す程、ショックを受けて子供を探す親も中には居ますエリ。
人間は面白いですエリ 」
マオ
「 家の中に居たのに忽然と消えるんだもんな？
気味が悪いよな 」
セノコン
「 特級呪靈は子供を連れ去った現場に “ 紫の羽根 ” を残してますエリ。
現場に残された “ 紫の羽根 ” を手掛かりに警察も捜査をしていますエリ 」
マオ
「 紫の羽根って？
何で態々手掛かりになりそうな物を置いていくんだ？
必要無いだろ？ 」
セノコン
「 話題性ですエリ。
一連の【 神隠し事件 】は繋がりが有り、“ 犯人は同じ ” だと思わせる事でニュースに取り上げられますエリ。
然も、全国各地で起こっている【 神隠し事件 】ですエリ。
話題性には事欠きませんエリ 」
マオ
「 【 神隠し事件 】は同一犯の仕業──。
確かに同一犯の仕業ではあるけど……。
幻夢さんは連れ去った子供達をどうするんだ？ 」
セノコン
「 其処迄はボク達も存じませんエリ。
実験好きな幻夢さまですエリ。
新しい実験に使うのかも知れませんエリ 」
マオ
「 そんなセロじゃあるまいし──。
…………でも、否定は出来ないか…… 」
セノコン
「 特級呪靈を生み出し、異形や怪異を喰べさせていたぐらいですエリ。
子供を使った実験くらい普通にされますエリ 」
マオ
「 前例が有るから何も言えないな～～ 」
そうなんだよな。
今では仲間になってくれた幻夢さんだけど、初めは敵だったんだよな……。
セロに屈してオレを守護る眷属になってくれたけど、初めは呪靈や特級呪靈を使ってかなりエグい事をしていたんだよな。
実験に人間を使うなんて当たり前みたいな生活をしていたんだから、今更か──。
連れ去られた子供達が不憫でならない。
せめて来世では今世よりも恵まれた環境に生まれてほしいもんだ。
マオキノ
「 マオ様、御存知ですかエリ 」
マオ
「 うん？
何をだ？ 」
マオキノ
「 最近、吸血鬼狩りが行われている様ですエリ 」
マオ
「 吸血鬼狩り？？
初めて聞くけど？ 」
セノコン
「 マオキノ、マオ様は【 少年陰陽術★平安幻想異聞録 】をクリアさせる為にゲームに没頭していたから知らないと思うエリ 」
マオキノ
「 そうだったエリ。
うっかりんりん丸エリ★ 」
マオ
「 ………………結局、クリア目前でセロに見付かってメモリーカードを〈 テフ 〉に変換されちゃったけどな！！
オレのデータぁぁぁぁぁ～～～～！！！！ 」
セノコン
「 残念でしたエリ～～。
もう少しで性愛ルートをクリアさせる事が出来たのに運が無かったですエリ 」
マオキノ
「 現代へ戻って復讐するシーンが見られなかったのは残念でしたエリ 」
マオ
「 マオキノもセノコンも “ 残念 ” なんて思ってないだろ！！
オレのデータ………… 」
マオキノ
「 マオ様、データは何時か消えますエリ。
一寸早まっただけですエリ 」
マオ
「 はぁ～～～～…………。
思い出すだけで胃がキリキリするよ…… 」
マオキノ
「 気の所為ですエリ。
マオ様の体内に胃は無いですエリ 」
マオ
「 知ってるよ！！
ゲームの事は良いよ。
忘れたいんだ。
それよりも──、吸血鬼って人間の血を吸う奴か？
十字架や大蒜が苦手で、銀の銃弾と日光に弱くて、霧になったり蝙蝠に変身したりする── 」
セノコン
「 マオ様、それは小説や映画での設定ですエリ。
実際の吸血鬼には当て嵌まりませんエリ。
異形の中に吸血鬼という種族が存在していますエリ 」
マオキノ
「 吸血鬼は米●町だけじゃなく、全国各地で人間社会に溶け込んで暮らしていますエリ。
吸血鬼の中には血を求めて身勝手に人間を襲い、血を吸う不逞な輩も少なからず居ますエリ。
その為、人間に危害を加える吸血鬼を確保する専門の組織も存在してますエリ 」
マオ
「 へぇ、専門の組織かぁ。
確保されて捕まった吸血鬼はどうなるんだ？ 」
マオキノ
「 人間に危害を加えた吸血鬼は犯罪者ですエリ。
処罰の仕方は地域に依って異なりますエリ 」
マオ
「 そうなんだな…… 」
セノコン
「 現代に生きる吸血鬼は、大蒜，十字架，銀の銃弾，日光を克服していますエリ。
霧化もせず、蝙蝠にも変化しませんエリ。
人並みに食事をしなくても、血を飲めば食費は浮きますエリ。
生命力を吸えば、寿命を延ばす事も出来ますエリ。
吸血鬼は心臓を２つ持っていますエリ。
銀の杭を打たれても片方の心臓が無事なら死ぬ事は無いですエリ。
人間の様に身体を病気に蝕まれる事も無いですエリ 」
マオ
「 へぇ──、寿命は生命力を吸う事で延ばせるなんて凄いな。
血さえ飲んでいれば食費も掛からないなんて節約が出来て良いよな 」
マオキノ
「 マオ様は楽天家ですエリ～～ 」
マオ
「 どういう意味だよ… 」
セノコン
「 普段は人間を襲う吸血鬼だけを確保する警察も今月に入ってからは、人間を襲わない吸血鬼も確保する為に動いてますエリ 」
マオ
「 そうなのか？ 」
セノコン
「 吸血鬼だとバレてしまうと大変ですエリ。
吸血鬼と人間の間に産まれたヴァンピルも確保されますエリ 」
マオ
「 それは酷いな……。
でもさ、何で今月に入ってから方針が変わったんだ？ 」
セノコン
「 【 神隠し事件 】を “ 吸血鬼が起こしている ” と誤った見解で捜査を進めているからですエリ 」
マオ
「 幻夢さんの所為で！？
吸血鬼は微塵も関与してないのに、とんでもないとばっちりを被ってる訳かよ。
何て酷い話なんだ…… 」
マオキノ
「 因みに最近では吸血鬼の子供達が正体不明の輩に襲われ、行方不明となっているそうですエリ 」
マオ
「 そうなのか？
それも幻夢さんの特級呪靈が連れ去ってるのかな？ 」
セノコン
「 それは無いと思われますエリ。
幻夢さまは吸血鬼を使った実験には飽きておられる御様子ですエリ。
吸血鬼への興味は既に失っているとの伝達が来てますエリ 」
マオ
「 幻夢さん……吸血鬼を実験に使っていた頃も有ったんだ…… 」
セノコン
「 色んな種族の異形を捕獲しては実験に使っておられた様ですエリ。
セロ様と気が合う筈ですエリ～～ 」
マオ
「 オレは幻夢さんの一面しか知らないんだな…… 」
マオキノ
「 一面と言うより１ｃｍくらいだと思いますエリ 」
セノコン
「 幻夢さまは美味しい餌を提供してくださいますエリ。
キノコンは皆幻夢さまが大好きですエリ♥ 」
マオ
「 へ…へぇ～～そうなんだな……。
因みに餌って人間だったりするのか？ 」
マオキノ
「 実験に使った後の失敗作ですエリ。
幻夢さまが処分に困っている事を聞いたキノコンが試しに味見をさせていただきましたエリ。
美味しかったので、キノコン専用のおやつとして貰える事になりましたエリ♥ 」
マオ
「 へ…へぇ～～。
セロの実験で出た失敗作は “ なりそこない ” だったよな？
やっぱり味とか違うのか？ 」
マオキノ
「 全然違いますエリ。
実験内容が違う事も関係していると思いますエリ。
“ なりそこない ” も悪くない味ですエリ 」
セノコン
「 甲乙を付け難いですエリ～～ 」
マオ
「 涎ぇ～～～～ 」
セノコン
「 此は失礼致しましたエリ★ 」
セノコンは笠から──以下省略。
マオ
「 吸血鬼の子供を襲ってる犯人が判明すれば良いんだけどな。
正体不明だと不安だろうな…… 」
マオキノ
「 マオ様が気に止む事は有りませんエリ。
抑吸血鬼はセロ様の庇護下に入る事を頑なに拒んだ種族ですエリ。
種が絶滅して絶えてしまっても知った事では有りませんエリ 」
セノコン
「 手を差し伸べるのは逆に吸血鬼のプライドを傷付けますエリ。
怒りを買う事になるので関わらないのが１番ですエリ 」
マオ
「 そうなんだ……。
そっか……じゃあ、セロに頼んでも助けてくれないかも知れないか…… 」
セノコン
「 マオ様、吸血鬼の事が知りたいのなら死神の娘に聞くと良いですエリ 」
マオ
「 《 陰陽術４事務所 》の空き部屋に勝手に住み着いてるキギナか？ 」
マオキノ
「 はいですエリ。
キギナ・メグド・ナールですエリ 」
マオ
「 何で死神に吸血鬼の事を聞くのが良いんだ？ 」
セノコン
「 どちらも歴史が永く御長寿ですエリ。
死神の殆んどはセロ様の庇護下に入りましたエリ。
でも若い死神はセロ様に反発していますエリ 」
マオ
「 若さ故に──ってヤツだな。
セロに反発してる死神の若者達とセロを拒んでる吸血鬼の気が合ってる──って事か？ 」
セノコン
「 それは無いですエリ。
死神と吸血鬼は大昔から頗る仲が悪いですエリ。
良くなる事は無いと思いますエリ 」
マオ
「 そうなんだ…… 」
セノコン
「 吸血鬼の中には “ 死神が子供達の魂を狩っている ” と勘違いして拗らせている者も多いですエリ。
前科の有る死神達は否定を出来ない立場ですエリ 」
マオ
「 前科が有るって事は、死神は吸血鬼の子供達の魂を狩っていた時代が有るのか？ 」
セノコン
「 昔は現在よりも仲が悪かったですエリ。
昔の吸血鬼は現代の吸血鬼と違って戦闘能力も高かったですエリ。
戦闘のエキスパートと言う程でしたエリ。
死神と唯一ドンパチの出来る最強クラスの種族でしたエリ 」
マオ
「 へぇ……死神と並ぶ程に強かったんだな。
でも今は？
もう強くないのか？ 」
セノコン
「 世代交代を繰り返す度に弱体化していきました。
それでもリーダーである始祖の末裔は強いですエリ。
セロ様に鍛えられているマオ様には流石に敵いませんエリ 」
マオ
「 そうなんだ……。
死神もだけど吸血鬼とも戦いたくないな 」
マオキノ
「 マオ様、美味しいパン屋の下調べが済みましたエリ 」
マオ
「 マオキノ、有り難な！
此でセロと一緒にパン屋巡りデートが出来るよ！ 」
マオキノからパン屋巡り地図をマオキノから受け取った。
忙しい中、オレの御願いを聞いてくれて、頑張ってくれたマオキノに抱き付いて頬擦りする。
マオキノ
「 どう致しましてですエリ♥
マオ様の御役に立てれて幸せですエリ♥ 」
マオキノは嬉しそうに喜んでくれる。
可愛いんだもんな～～～～♥
照れてるマオキノに癒されるぅ～～（////）
マオ
「 セロが帰って来たら早速、美味いパン屋巡りデートをするんだ！ 」
セノコン
「｛ マオキノ、マオ様は急にどうしたエリ？ ｝」
マオキノ
「｛ 分かんないエリ。
きっとＴＶ番組に感化されたエリ ｝」
セノコン
「｛ 食いしん坊なマオ様らしいデートエリ ｝」
マオキノ
「｛ マオ様は何百年経っても幼稚なお子ちゃまで可愛いですエリ♥ ｝」
セノコン
「｛ 全くエリ。
何時迄も変わらないでほしいエリ ｝」
マオキノとセノコンが急に内緒話を始めた。
一体何を話してるのかな内容は聞こえないけど、こしょこしょと内緒話をしているマオキノとセノコンも可愛いな♥
マオ
「 マオキノ、この野菜ケーキはネット販売しないのか？
絶対に売れると思うんだけどな～～ 」
マオキノ
「 有り難う御座いますエリ。
検討させていただきますエリ 」
マオ
「 うん。
野菜ケーキも美味いけどさ、野菜パンも美味いじゃんか。
野菜ジャムとセット販売したら人気も出るんじゃないか？
野菜紅茶も付けたら良いかも？ 」
マオキノ
「 検討させていただきますエリ 」
セノコン
「 野菜パン，野菜ジャム，野菜紅茶のセットは、豪華な欲張り３点セットですエリ。
マオ様は商売上手ですエリ 」
マオ
「 そんな事無いだろ（////）
セノコンが真心と丹精を込めて育ててくれた野菜をマオキノが素材の良さを最大限に活かして美味しく調理をしてくれるだろ。
野菜が苦手な人に食べてもらってさ、好きになってほしいじゃないか。
セノコンとマオキノの合作料理が、野菜嫌いを野菜好きに変える切っ掛けになったら、ファン１号として嬉しいよ 」
マオキノ ＆ セノコン
「「 マオ様ぁ～～～～（////）」」
マオキノ
「 マオ様の想いは受け取りましたエリ！
早速、商品化を目指しますエリ！ 」
セノコン
「 必ず大成功させてみせますエリ！ 」
マオ
「 お…おぅ……。
応援してるよ 」
何でかマオキノとセノコンがやる気を出してくれた。
前向きにネット販売を検討してくれるみたいだ。
一寸嬉しいな（////）
マオキノとセノコンは今迄も季節限定でネット販売をしている経験者だ。
根強いファンも多いみたいで、予約が始まるとサーバーがパンクしてしまうくらい大人気らしい。
セロカードで支払う事になるから、セロカ会員にならないとマオキノとセノコンのネット販売品を買う事は出来ないらしいんだよな。
ネット通販を利用して会員を増やすなんてちゃっかりしてるよ。
◎ 今回は文章が長かった所為か、８時間も掛かってしまいました。
ルビから卒業を──と思っているのですが、中々 “ ルビ卒 ” は難しいみたいです。
◎ 訂正しました。
呼び込む結果が張られていますエリ ─→ 呼び込む結界が張られていますエリ
◎ 変更しました。
産みの親や育ての親 ─→ 産みの親，育ての親
