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⭕ 明日にはサヨナラ 4


マオ

「 ──でもさ、なんで米●町って “ 犯罪天国パラダイス都市 ” って言われるくらい犯罪が多いんだ?

  異形も怪異も多いしさ。

  なんか原因でも有るのかな? 」


春麗

「 今更かよ… 」


獅聖幻夢

「 今更ですね 」


マオ

「 どゆことぉ?? 」


春麗

「 陰陽師じゃないマオには分からないか。

  結界だよ、結界 」


マオ

「 結界って?? 」


獅聖幻夢

よどみを吸い集める結界ですね。

  米●町だけでなく、≪ にっぽんこく ≫のなかにはいくつも張られています 」


マオ

「 そうなの?

  そんな物騒きわまりない結界が≪ にっぽんこく ≫にいくつも有るなんて知らなかったよ 」


獅聖幻夢

「 昔の陰陽師達が張った結界です。

  災厄をと考えられていた正体不明の異形,怪異の存在から≪ いにしえのみやこ ≫をまもる為によどみを分散させていたのです 」


マオ

「 そうなんだ? 」


獅聖幻夢

「 昔は私もしょう(しょう)をしていたので、結界に関しては私にも原因は有ります 」


マオ

げんさんが??

  物凄く気になるけど、聞くのが怖いや…… 」


獅聖幻夢

「 そんなたいした事ではないのですよ。

  やみじゅじゅつを発展させる為にびろく活動をしていた時期でした。

  いろ(いろ)と試す為に数え切れないかずの異形,怪異,人間を使い実験に明け暮れていました。

  なつかしいです(////)」


マオ

「 セロとオレがる前から≪ にっぽんこく ≫で暴れてたんだ??

  結界は壊さなかったの?

  げんさんになら簡単にけるんじゃないの 」


獅聖幻夢

「 勝手によどみが吸い集められる結界は便利でしたからね。

  逆に利用していたくらいです。

  結界を張られた場所へ移動し、実験を続けていました。

  今でも結界が張られている場所の中心部には、私の実験室が残っていますよ 」


マオ

「 へぇ……。

  げんさんって≪ にっぽんこく ≫のあちこちに実験室を持ってるんだね 」


獅聖幻夢

「 転移陣で繋いでますから、でも訪れる事は出来ます。

  実験室の管理は式神に任せています。

  じゅもんを書いた物体に憑依させると留守番もながく任せられるので便利ですよ 」


マオ

「 そうなんだ…… 」


春麗

「 一時的に物体へ憑依させる従来の方法とは違うんだな 」


獅聖幻夢

「 そうですね。

  特殊な墨と特殊な筆を使い特殊なじゅもんを物体に書きます。

  しょうれいには出来ない事でしょうね 」


春麗

「 フン!

  お前のやみじゅじゅつが異常なだけだろ! 」


獅聖幻夢

「 負けしみを── 」


春麗

「 これは負けしみじゃないぞ! 」


 また始まった。

 シュンシュンは苺スイーツを食べながら、げんさんに対して文句を言い始めた。

 話題を変えた方がいな。


マオ

「 張られてる結界をいたら≪ にっぽんこく ≫はのかな? 」


春麗

「 どうもしないさ。

  吸い集められていたよどみが≪ にっぽんこく ≫の全土に分散するだけだな。

  異形や怪異もあちこちへ散って行くさ。

  米●町で例えるなら、異形,怪異が引き起こす事故や事件は間違いなく減少するだろうな。

  それでも(ゼロ)になる事は無い。

  今迄どおり、人為的な事故,事件は起き続けるだろうが、よどみが薄まるからな、多少は減るさ 」


獅聖幻夢

「 今迄、異形,怪異の起こす事故,事件とは無縁だった土地で、頻発して起こるようになります。

  しばらくのあいだは全国的にも物騒となるでしょうね。

  異形,怪異にも縄張りが有りますから、新座者が現れれば揉めごとが増えます。

  落ち着く迄になんねん掛かるか── 」


マオ

「 じゃあ、結界は壊さない方がいんだ? 」


春麗

「 どっちでもいさ。

  よどみなんて、わざ(わざ)集めなくても作ればいしな 」


マオ

「 作っちゃ駄目だろ…… 」


春麗

「 マオ──、もう忘れたのか?

  以降にはは無くなるかも知れないんだぞ。

  この店で事件や事故が起きて大勢の人間が死ねば、よどみなんてぐに増える。

  マオは今、よどみ製造機なんだよ 」


マオ

「 そんな言い方しなくてもいだろ!

  それにオレじゃなくて、オレにいてる奴が──だろ!! 」


獅聖幻夢

「 結界を壊すにしても破るにしてもしょう(しょう)が掛かります。

  なにせ広範囲の結界ですからね 」


マオ

「 そうなの? 」


獅聖幻夢

「 結界を〈 (原質)(みなもと) 〉へ変換してしまえるセロフィート殿どのには簡単でしょうね。

  〈 (原質)(みなもと) 〉へ変換せずに結界を無くすとなると、先ずは結界の柱を見付け、結界紋を消す必要が有ります。

  結界紋を消し、はしらを壊してしまえば結界は消滅します 」


マオ

「 結界を張るのにはしらるの? 」


獅聖幻夢

「 結界にもさま(ざま)な作り方が有りますから。

  結界を作るのにはしらもちいるのは従来の結界よりも強固にし、長持ちさせる為です。

  はしらに使うしろもの()()に依って異なります 」


春麗

「 昔なら人身御供にした人間とかだな。

  人間の身体からだをが腐敗してちないように術をほどこして、結界紋を書くんだ。

  生きてる状態で棺桶にれて、生き埋めにして結界のしたを作るんだ。

  その上に土台を作って── 」


マオ

「 生きたまま棺桶にれるって?!

  しょうかよ?? 」


獅聖幻夢

「 人身御供ですから、生き埋めが基本ですよ。

  人身御供に死体は使いません。

  天に対して生きた供物を捧げる行為が人身御供です 」


マオ

「 ………………普通の生け贄は殺してから捧げるのに…… 」


春麗

「 人身御供に選ばれるのは大体が女だな。

  それも処女のむすめな。

  天への崇高な供物だから、けがれていたら駄目なんだ。

  人身御供として捧げられる前に、男とまじわって関係を持ったなんてバレたときには、天を冒涜したざいじょうで一家全員が皆殺しにされたりしたんだ。

  それぐらいの、“ 名誉あるたいやくだった ” って事さ 」


マオ

「 ………………じゃあ、結界の柱に選ばれた人身御供も生きたまま? 」


春麗

「 僕には分からないな。

  此方こっちたのはあとだからな。

  げんの方が知ってるんじゃないのか?

  此方こっちて長い事 “ やんちゃ ” してたんだろ?

  原因を作ってたなら人間を使ったはしらかどうかも知ってるんじゃないのか? 」


マオ

「 そうなの、げんさん? 」


獅聖幻夢

たしかに原因の一旦は担っているかも知れませんけど、はしらに使われたのが人間だったか迄は知り得ません。

  興味も無かったですからね。

  あくまでも “ 故郷では ” のはなしです。

  ≪ にっぽんこく ≫では迄は── 」


マオ

「 そうなんだな…… 」


獅聖幻夢

「 マオ殿どの、そんなに気になるなら調べてみますか?

  セロフィート殿どのに相談されれば、ぐに判明すると思いますよ。

  キノコン殿どの達も張り切ってくれる筈です 」


マオ

「 …………迄は遠慮したいかな…… 」


獅聖幻夢

「 マオ殿どのが遠慮する事は有りません。

  マオ殿どのに頼まれたとなれば、セロフィート殿どのなによりも優先されます 」


マオ

「 それが困るんだよなぁ~~。

  結界のはなしに関しては、セロには内緒にしてほしいな…… 」


春麗

「 安心しろ、マオ。

  僕からセロフィートにチクっといてやるよ★ 」


マオ

めろぉ~~!! 」


 「 シュンシュンのぶん、出さないぞ! 」って言ってやりたい!!

 言わないオレって、ちゃんと大人な対応が出来てると思いたい。


獅聖幻夢

「 マオ殿どのしょうれいぶんは自分で支払わせましょう。

  1万円あれば支払える筈です 」


マオ

げんさん── 」


春麗

「 おい、なんて事を言うんだよ!

  余計な事を言うな!

  職権濫用だぞ!! 」


獅聖幻夢

が職権を濫用していますか?

  はなはだしいにもほどが有ります 」


 あぁ~~~~また、シュンシュンとげんさんとのバチバチが始まっちゃったよ……。

 2人のなかを取り持つって大変だ……。

 トホホぉ~~~~。


 オレは肩身が狭い思いをしながら、シュンシュンとげんさんの口論を聞く方向に徹する事にした。

 取り敢えず、食べよう!!

 食べていれば、その内に終わるだろうしな!!

◎ 変更しました。

  春舂霄囹:春麗 ─→ 春麗

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