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⭕ 禁じられた❌❌❌ 13


──*──*──*── 3月中旬


──*──*──*── 陰陽師4事務所


──*──*──*── 1階・ランチルーム


 テーブルの上にはキノコンがかの心霊スポットから見付けてぎたない箱が置かれている。


 テーブルがよごれないようにと箱とテーブルのあいだにはランチシートが敷かれている。


マオ

「 ……………………今度こそ、当たりだよな? 」


獅聖幻夢

「 どうでしょう?

  たしかに今迄のじゅぶつよりはまが(まが)しさが箱から漏れ出してはいますけれど…… 」


霄囹

まったく、どんだけじゅぶつが見付かるんだよ?

  さすは “ 犯罪天国パラダイス都市 ” って呼ばれてるだけ有るよな。

  これは新しいビジネスを始められそうだぞ 」


マオ

「 シュンシュン、オレにいてる奴をはらう為にしてるのに新しい商売ビジネスを始めないでくれよな 」


霄囹

いじゃないか。

  おがるに高品質で本格的なじゅじゅぶつのオカルトグッズを販売すれば、好きもんに売れると思わないか?

  じゅじゅぶつを切っ掛けにしてオカルトに興味を持つやからが増えれば、カモれる客も増えるじゃないかよ! 」


マオ

「 ブレない最低さだよな、シュンシュン…… 」


霄囹

「 あくまでも “ オカルトグッズ ” だ。

  購入者や利用者に危険はないぞ。

  本格的な心霊現象や怪奇現象を一寸ちょっとだけあじわえる体験グッズなんだ。

  人間は一寸ちょっとした不可思議な現象やスリルが好きだろ? 」


マオ

さん(ざん)儲けてるのにだ稼ぐのかよ…… 」


霄囹

「 当たり前だろ!

  昔からカネは天下の回り者だからな!

  稼いで稼いで稼いで稼いで稼ぎまくって、僕はウハウハしたいんだ!! 」


マオ

「 十分してるじゃん…… 」


獅聖幻夢

「 そう言えば、最近は不動産業にも手を出しているようですね 」


マオ

「 マジかよ?!

  シュンシュン、不動産屋も始めてんのか? 」


霄囹

「 あぁ、いわきの事故物件を集めて取り扱ってるんだ。

  事故物件専門の不動産屋だな。

  怖くて長くは住めないけど、すうじつ宿泊してなまの心霊体験や怪奇体験をしてみたい──っていう好奇心旺盛なオカルトマニア向けだ。

  セロカ会員でなおつ、僕が管理してるオカルトサイト登録者に限定してる娯楽サービスだよ。

  セロフィートに許可は取ってあるぞ 」


マオ

「 この裏野ハイツで商売をびろく始めたって訳か。

  たしかに好きモンが短い期間で宿泊にてたよ 」


霄囹

ほかの不動産屋と違うのは、現役陰陽師である僕が全面的に監修してる──ってのが売りだ。

  使役してる式隷を忍ばせてささやかな恐怖を日常生活に提供してやってもいるんだぞ。

  優しいだろ? 」


マオ

「 ヤラセかよ……。

  最低じゃないか 」


獅聖幻夢

「 考えましたね。

  式隸の姿は人間には見えません。

  人間には本物とヤラセの区別が付きませんから文句は言われないと思います 」


マオ

げんさんまで── 」


霄囹

「 今迄キノコンが見付けたじゅじゅぶつはキノコンがべちまったからな。

  セロフィートに〈 (原質)(みなもと) 〉で構成してもらったじゅじゅぶつを集めたコレクションルームも作ってあるんだ 」


マオ

「 えぇっ?

  コレクションルームなんか作って盗まれたりしないのかよ? 」


霄囹

「 レプリカだからな、仮に盗まれても大丈夫さ。

  僕が提供してる物件はすべてキノコンが管理してくれてるんだ。

  コレクションルームに展示してるじゅじゅぶつを盗み出す奴はキノコンがべてくれるぞ 」


マオ

「 泥棒はキノコンのエサかよ。

  相変わらず鬼畜だな~~ 」


霄囹

「 バイト料だよ。

  キノコンはカネより人間を与えた方が喜ぶからな。

  人間は簡単にかく出来るから安上がりで助かってるんだ 」


マオ

「 善良な一般人はべさせるなよ~~ 」


獅聖幻夢

しかし──、物件をキノコンに管理させているなら、心霊現象や怪奇現象は起こらないのではないですか?

  キノコンは見た目の可愛さとは裏腹に脅威の存在です。

  異形も怪異も物件には近寄らなくなります。

  あくりょうおんりょうりょう,生き霊…など霊的存在のたぐいも寄りかないでしょう 」


霄囹

「 それなら問題ない。

  僕は凄腕の最強陰陽師だが、異形でもある。

  僕は異形,怪異とビジネス契約を交わしてるんだ 」


マオ

「 ビジネス契約ってなんだよ? 」


霄囹

「 フフン♪

  一時的な入居者をイイ感じに驚かせれたら、報酬にを1人、与える契約を交わしているんだ。

  安上がりだろ 」


マオ

「 シュンシュン~~。

  人間をエサに使い過ぎじゃないか? 」


霄囹

「 別に構わないだろ。

  “ 犯罪天国パラダイス都市 ” じゃないかよ。

  1人や2人、行方知れずになったって誰も不思議に思わないさ 」


マオ

「 1人,2人じゃないだろ~~。

  行方不明者が増えてる──ってニュースでも報道されてるじゃんか。

  シュンシュンが関わってるんだな? 」


霄囹

「 それがなんだよ。

  悪党や犯罪者予備軍を報酬わりに支払ってるだけじゃないか。

  僕は米●町のゴミ掃除をしてるだけさ!

  ボランティアでしてる善意のクリーン活動だよ。

  分かるだろ? 」


マオ

「 シュンシュン~~ 」


獅聖幻夢

しょうれいの事は放っとくとして──、今は目の前の箱をしましょう 」


霄囹

ひどい言いぐさだな 」


マオ

「 シュンシュン、悪人だからってらんかくするのはひかえてくれよ?

  らんかくのし過ぎで悪人が1人もなくなったら善良な一般人が対象ターゲットになりねるんだからさ 」


霄囹

「 分かった、分かった。

  人間りはほど(ほど)にしといてやるよ 」


マオ

がとな、シュンシュン 」


霄囹

「 フン!(////)

  ──それでぇ、この箱にはなにはいってるんだ?

  宝箱を開けるみたいでドキドキするよなぁ 」


マオ

が宝箱だよ……。

  オレにはぎたない箱にしか見えないけど、げんさんには “ なにか ” が見えてるんだよね?

  陰陽師にしか見えないヤツなの? 」


獅聖幻夢

「 そうですね。

  しょうれいにも見えているでしょう? 」


霄囹

「 まぁな。

  今回のまが(まが)しさは今迄のと微妙に違う感じがするんだよな。

  開けるのが楽しみで仕方無いよ 」


マオ

もみたいにちからわざで開けるのか? 」


霄囹

「 いや──、今回ばかりはげんの方がいと思う 」


獅聖幻夢

「 おや、珍しく賢明な判断ですね。

  なおしました 」


霄囹

「 そりゃどうも!

  僕は周囲に結界を張ってやるよ。

  マオは念の為、僕の後ろに立ってろ 」


マオ

がとな、シュンシュン…(////)」


 オレは椅子から立ち上がるとシュンシュンの後ろに立つ。

 ちなみ今のシュンシュンの背丈は、オレより高い容姿だ。

 シュンシュンいわく20歳らしい。

 一寸ちょっと長い黒髪を紐でむすんでいる。


 椅子に座った状態でげんさんは箱の上に赤色の御札を貼っている。

 白い墨で文字が書かれているけど、達筆過ぎて読めない。

 げんさんは箱に向かってなにかを唱えているみたいだ。


マオ

「{ シュンシュン、げんさんはなんで箱に御札を貼ってるんだ? }」


霄囹

「{ あぁ──、箱から漏れ出てるまが(まが)しいじゅを御札に吸わせてるんだ }」


マオ

「{ じゅってなんだ? }」


霄囹

「{ じゅってのはあっの事だよ。

   じゃじょうけがれ,よどみ──いろ(いろ)な呼び方が有るんだ。

   呼び名なんてのはなんでもい }」


マオ

「{ よどみは違うんじゃないのか? }」


霄囹

「{ 似たようなもんさ。

   よどみをまとわせたじゅじゅぶつだって有るんだ }」


マオ

「{ 御札にわるを吸わせるなんて、陰陽術って凄いんだな }」


霄囹

「{ これは本家本元のやみじゅじゅつだ。

   見ようやみじゅじゅつじゃあ、出来ない…… }」


マオ

「{ シュンシュンには出来ないって事かよ?

   っこでも普通の陰陽師には出来ない事なんだろ? }」


霄囹

「{ 当たり前だろ。

   超絶優秀な僕だからこそやみじゅじゅつっこが出来たんだ。

   僕は超絶エリートな陰陽師なんだぞ! }」


マオ

「{ わるを御札に吸わせてたあとは、どうなるんだ? }」


霄囹

「{ 見てれば分かるさ }」


マオ

「{ シュンシュン、げんさんはなにを唱えてるんだ? }」


霄囹

「{ じゅえいだ }」


マオ

「{ じゅえいって? }」


霄囹

「{ じゅもんみたいなもんさ。

   御札の能力ちからを高めてるんだ。

   御札をじょうにして吸収率を上げてるのさ }」


マオ

「{ へぇ~~、そうなんだ }」


霄囹

「{ じゅりょくを強めたり弱めたりする為の舞──じゅまいってのが有ったり、じゅりょくを強めたり弱めたりする為の歌──じゅってのも有るんだ。

   じゅりょくしばじゅとか──、本家本元のやみじゅじゅつにはいろ(いろ)と有るんだぞ }」


マオ

「{ へぇ……。

   シュンシュンはさ、げんさんの弟子にはならないのか? }」


霄囹

「{ なんでだよ!

   僕は誰の弟子にもなる気はないぞ! }」


マオ

「{ だってさ、シュンシュンはやみじゅじゅつを使ってるじゃんか。

   げんさんとシュンシュンだけだろ?

   師弟関係になれるんじゃないのか? }」


霄囹

「{ なるかよ!

   言っておくが、僕のやみじゅじゅつげんやみじゅじゅつは既に別物なんだよ。

   完全にげんやみじゅじゅつから独り立ちしてるんだ }」


マオ

「{ シュンシュンはさ、弟子を取ったりしないのか? }」


霄囹

「{ はぁ?

   なんだって?

   する訳ないだろ!

   なんで僕が苦労して完成させたやみじゅじゅつを僕以外の奴に伝授しないといけないんだ!

   僕が使う僕だけのやみじゅじゅつだぞ!

   ほかの奴が使うなんて冗談じゃない! }」


マオ

「{ そ…そうなんだ? }」


霄囹

「{ げんだって同じじゃないか?

   僕はマオの眷属になった事で不老不死になった訳だし、子孫を残す必要も無いだろ。

   弟子も必要無い。

   げんだって思ってるさ }」


マオ

「{ そうなのかな?? }」


 箱の上に貼られている赤色の御札の色が白くなってている。

 白色だった文字の色はじょ(じょ)に赤色に変わってている。


マオ

「{ シュンシュン、文字の色が赤色に変わったら終わるのか? }」


霄囹

「{ いや、黒色に変わる。

   箱から御札が自然に剥がれたら箱を開けても大丈夫だ }」


マオ

「{ 御札が自然に剥がれたりするのか? }」


霄囹

「{ そういう御札なんだ。

   あの御札は僕には作れないし、僕には使えない……。

   げんにしか作れないし、げんにしか使えない、げん専用の御札だぞ }

 ( なんぜんかい逆立ちしたって、僕はげんにはかなわない……。

   げんに追い付く事もげゎを追い越す事も僕には出来ない──。

   げんは遥か高見にる存在なんだ…… )」


マオ

「{ へぇ~~。

   陰陽師って誰にでも使える御札も作れるし、自分にしか使えない特別な御札も作れちゃうんだな }」


霄囹

「{ フフン♪

   陰陽師の凄さに感服するだろ!

   ()は凄い陰陽師を3人も眷属にしてるっていう自覚を持てよ!

   この≪ にっぽんこく ≫を征服して、ぎゅうる事だって出来るんだからな! }」


マオ

「{ しないからな~~ }」


 文字の色はだ赤色だ。

 黒色に変わるにはまだ(まだ)時間が掛かりそうかな?

◎ 訂正しました。

  赤色の御札を張っている。─→ 赤色の御札を貼っている。


◎ 変更しました。

  春舂霄囹 ─→ 霄囹

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