✒ 禁じられた❌❌❌ 4
──*──*──*── 陰陽師4事務所
──*──*──*── 1階
受けた依頼を解決させて絲腥玄武が【 陰陽師4事務所 】へ戻って来た。
自動ドアを通り、玄関ホールに入った絲腥玄武は、先へ進むの足を止めるとその場で立ち止まった。
絲腥玄武が思わず立ち止まったのは、1階の玄関ホールや廊下から仄黒い腕が出ており、気味悪くウネウネと動いていたからだ。
玄武
「 これは何事だ?
どうなっているんだ? 」
絲腥玄武は止めていた足を動かし歩き始める。
どうやら仄黒い腕は実体がないのか、絲腥玄武の足を触れないし掴めない様だ。
絲腥玄武は2階に続く階段へ足早に向かう。
地下室はキノコンが管理している茸の養殖室になっている。
得体の知れない腕の本体が地下室から出ているならば、必ずキノコンが気付いている筈だし、何等かの対処をしている筈である。
玄武
「( キノコンには見えていないのか? )」
階段の手前でモップ掛けをしているキノコンを見掛ける。
エプロンを付けているから本体のキノコンなのだろう。
階段を使おうとしたが、階段には真っ黒な足跡が幾つも付着している。
階段の壁には真っ黒な手形が幾つも付着している。
足跡も手形も子供サイズだ。
何故、子供サイズなのかは絲腥玄武にも分からない。
因みに天井からは仄黒い腕が伸びており、やはりウネウネと奇妙に動いている。
玄武
「( キノコンには見えてないみたいだな )」
キノコン:本体
「 玄武様、お帰りなさいエリ! 」
モップ掛けをしていたキノコンが絲腥玄武に気付き、笑顔で声を掛ける。
玄武
「 うむ、ただいま。
掃除とは精が出るな 」
キノコン:本体
「 掃除は心の洗濯ですエリ。
綺麗で清潔な環境で過ごして頂きたいですエリ 」
玄武
「 キノコンには頭が上がらないな。
何時も有り難う 」
キノコン:本体
「 エリ~~(////)
玄武様ぁ~~~~ 」
玄武
「 やはりキノコンには見えていないみたいだな 」
キノコン:本体
「 エリ?
玄武様にも何かが見えてますかエリ? 」
玄武
「 我にも?
玄関ホールと廊下の下から仄黒い腕が無数に出ている。
ウネウネと動いているが実体が無く掴まれる事はないな 」
キノコン:本体
「 エリ?!
ボクには見えませんエリぃ~~ 」
玄武
「 何故キノコンには見えないのか不思議だな。
階段には真っ黒い足跡と真っ黒な手形が付いている。
天井からは仄黒い腕が伸び、奇妙にウネウネと動いるのだが──、それも見えないか? 」
キノコン:本体
「 み…見えませんエリぃ~~。
弓弦様も幻夢様も違うモノが見えてましたエリ。
でもでも、ボクに見えるのは事務室の前に付いてる足跡と手形だけですエリ~~ 」
玄武
「 弓弦と幻夢にも見えているのか?
“ 違うモノが見えている ” とどういう事だ? 」
キノコン:本体
「 御説明致しますエリ 」
キノコンは絲腥玄武に厳蒔弓弦と獅聖幻夢から聞いた事を話した。
玄武
「 そんな事があったのか。
我も2階に上がってみるとしよう 」
絲腥玄武は階段を上がり、2階へ移動した。
──*──*──*── 階段の前
2階へ上がる為に階段の前に着いた絲腥玄武はピタリ──と足を止めた。
階段には真っ黒な足跡が付着しており、階段の壁にもビッシリと真っ黒い手形が付着していたからだ。
因みに天井からは仄黒い腕が伸びており、やはりウネウネと奇妙に動いていた。
キノコン:本体
「 玄武様、どうされましたエリ?
階段を上がりませんエリ? 」
玄武
「 そうだな。
大丈夫だ…… 」
絲腥玄武は扇子を広げて口元を隠す。
キノコンに見えていないのは事実の様で、キノコンは不思議そうな顔をして絲腥玄武を見上げていた。
絲腥玄武は致し方無く、2階へ上がる為に階段を使う事にした。
──*──*──*── 2階
無事に2階に着いた絲腥玄武は心の中で安堵する。
幾ら害を受けないからといっても気味が悪いのは変わらないからだ。
キノコン:本体
「 玄武様には何が見えてますかエリ 」
玄武
「 スライド式ドアに付いている手形と廊下に付いている足跡だな。
此処も子供サイズだな 」
キノコン:本体
「 玄武様、何色に見えますエリ? 」
玄武
「 我には真っ赤見えるな。
階段に付いているのは真っ黒だったが── 」
キノコン:本体
「 それ以外は見えませんかエリ? 」
玄武
「 うん?
それ意外とは?
あぁ──、2階の壁や天井,廊下に真っ赤な手形や足跡が付いてるのだったな。
我には見えぬな 」
キノコン:本体
「 靴も見てほしいですエリ 」
キノコンはスライド式ドアを開けると絲腥玄武を事務室の中へ入る様に促した。
──*──*──*── 事務室
キノコン:本体
「 玄武様、此方の靴ですエリ 」
キノコンは洗面器の中に入っているに子供用の靴を絲腥玄武に見せる。
キノコン:本体
「 玄武様にはどの様に見えてますかエリ 」
玄武
「 うむ──、我には水で濡れた靴に見えるが? 」
キノコン:本体
「 エリ!?
水ですかエリ?? 」
玄武
「 うむ。
雨が降っていただろう。
雨で濡れたかの様にグッショリと濡れているが? 」
キノコン:本体
「 エリぃ~~…………。
玄武様、モップはどう見えてますかエリ 」
玄武
「 至って普通のモップに見えるが?
そう言えば、弓弦と幻夢は見え方が違うのだったな 」
キノコン:本体
「 はいですエリ。
玄武様、事務室の壁一面はどう見えてますかエリ 」
玄武
「 我には天井から仄黒い無数の腕が伸びているのが見えるな。
ウヨウヨと動いているな 」
キノコン:本体
「 エリぃ~~~~!?
弓弦様と幻夢様と見えてるモノが違いますエリぃ~~ 」
玄武
「 見えているモノが違うとは益々妙だな。
弓弦と幻夢は3階の部屋に居るのか? 」
キノコン:本体
「 はいですエリ 」
玄武
「 そうか。
よし、我も直々に話を聞いてみるとしよう 」
そう言うと絲腥玄武は事務室を出ると階段へ向かって廊下を歩く。
キノコン:本体
「 玄武様に見えたモノもセノコンに伝えとくエリ。
セノコン…………、何で未読してるエリ??
保険としてマオキノにも送信しとくエリ 」
事務室を出て行った絲腥玄武を見送ったキノコンは器用に文字を打ち、セノコンとマオキノのスマホへLINEを送信するのだった。
──*──*──*── 階段
3階へ上がる為に階段の前に着いた絲腥玄武はピタリ──と足を止めた。
階段には真っ黒な足跡が付着しており、階段の壁や天井にもビッシリと真っ黒い手形が付着していたからだ。
天井からは1階のと同じく仄黒い腕が伸びており、やはりウネウネと奇妙に動いてる。
玄武
「 ………………エレベーターを使うとしよう 」
階段を使うのを止めた絲腥玄武は、廊下を半分程戻るとエレベーターの前に来た。
エレベーターのボタンを押す。
チンと鳴り、ドアが開き、エレベーターの中へ入ろうとした玄武の足が止まる。
エレベーターの中が血塗れだったからだ。
壁も天井も床にも鮮血が飛び散っている。
こびり付いているのではなく、たった今、何かの血を故意に撒き散らしたかの様に旬な血液がエレベーターの中を真っ赤に染めていた。
絲腥玄武はエレベーターに乗るのを止めると階段を使う事にする。
再度、階段へ向かい廊下を歩いた。
──*──*──*── 3階
階段を上がり切った絲腥玄武は深い溜め息を吐く。
玄武
「 キノコンから聞いた話では、弓弦も幻夢も階段では何も見ていない様だった。
直に聞いて確かめてみる必要が有りそうだ 」
絲腥玄武は先ず、厳蒔弓弦が使っている部屋を訪ねる事にして廊下を歩いた。
◎ 作中の現象を一般的に「 心霊現象 」と言うのか「 怪奇現象 」と言うのか「 幻覚 」と言うのか、実は分かりません。
検索したら分かるかな??