⭕ 仁義なき戦い 3
霄囹
「 で──、何でキノコンに僕を拉致らせたんだよ? 」
マオ
「 拉致ってないだろ~~ 」
セノコン
「 霄囹ちゃまにはマオ様のサポートをしてほしくて呼び戻しましたエリ 」
霄囹
「 サポートだぁ?
全く……一体全体、僕に何をさせる気だよ? 」
セノコン
「 7並べでマオ様と組んでくださいませエリ 」
霄囹
「 はぁぁぁぁああああん!?
7並べだとぉ~~?
そんなくだらない事の為に僕の実験の邪魔をしたってのか!! 」
マオキノ
「 くだらなくないですエリ。
重要な役目ですエリ!
霄囹ちゃまにしか遂行の出来ない事ですエリ 」
霄囹
「 でぇ?
また何で7並べなんかしてるんだよ?
お前等が揃ってたら囲碁だろ? 」
幻夢
「 出掛け先で私がトランプを買って来たからです 」
霄囹
「 トランプぅ?
トランプなんて態々買わなくても有るだろ? 」
マオ
「 水墨画展に行った記念に買ったトランプなんだ。
ほら、有名な水墨師が描いた水墨画を見ながら遊べるトランプだろ 」
霄囹
「 使わずに保管しとけよ… 」
幻夢
「 心配は要りません。
保管用と予備用も買ってます 」
霄囹
「 オタクかよ……。
トランプゲームなら7並べ以外にも有るだろが 」
弓弦
「 7並べ以外のゲームは一通り終わっているんだ。
7並べが玄武も幻夢も7並べを気に入ってな 」
玄武
「 シュンシュン、マオが弱くてな。
カード運が良くても断トツで負けてしまう。
マオを勝たせてやってはくれぬか? 」
霄囹
「 そんなの僕じゃなくても良いだろ?
セノコンもマオキノも居るじゃないか! 」
セノコン
「 丁重に御断りしてますエリ 」
マオキノ
「 マオ様は手に終えませんエリ~~ 」
霄囹
「 はぁ~~?
僕に丸投げするって言うのか?
お前等、御世話係りだろが!
丸投げなんて、御世話係りが聞いて呆れるな! 」
マオキノ
「 何と言われても覆りませんエリ! 」
セノコン
「 キノコンも万能ではないですエリ。
出来ない事は有りますエリ 」
霄囹
「 “ 万能じゃない ” ねぇ。
便利な言葉だよな、全く! 」
何だかんだあったけど、最終的にはオレが7並べに勝てる様にシュンシュンが後ろからアドバイスをしてくれる事になった。
霄囹
「 良いか、マオ。
やるからには勝つんだからな!
僕がアドバイスするのにドボンしたら承知しないぞ! 」
マオ
「 シュンシュン、有り難な!
シュンシュンのアドバイスを活かして次こそは勝つよ! 」
セノコン
「( 屈託のないマオ様の笑顔に騙されて、エラい目に遭ったエリ…… )」
マオキノ
「( マオ様の笑顔に騙されたばっかりに大変な目に遭ったエリ~~ )」
セノコン & マオキノ
「「( 霄囹ちゃま、御愁傷様ですエリ )」」
玄武
「 シュンシュンは7並べでも強い。
油断は出来んな 」
弓弦
「 そうだな。
カード運が良いからな 」
幻夢
「 それは楽しみです。
今度こそはマオ殿も勝てるかも知れませんね 」
マオ
「 よ~~し!
無くしたチョコを取り戻すぞぉ!! 」
セノコン
「 新しいチョコを追加しますエリ。
ハートチョコレートですエリ!
通常品ではなく、バレンタイン限定パッケージですエリ! 」
マオ
「 へぇ~~。
限定パッケージなんて有るんだな 」
マオキノ
「 《 セロッタ商会 》とのコラボ商品ですエリ。
セロカ君パッケージの小袋が入っていたら、季節限定パッケージのハートチョコレートが毎月1袋ずつプレゼントされる企画ですエリ。
セロカ君パッケージの中に印刷されているQRコードを── 」
マオキノの説明が長くなりそうだから割愛したい。
セノコンが大袋から出したハートチョコレートを4等分してくれる。
それが終わると慣れた手付きでカードを切って配ってくれた。
マオ
「 あっ!
ダイヤの7だ!
やったぁ、オレからのスタートだ! 」
霄囹
「 中々良いカードが揃ってるな。
これならドベにならずに済みそうだな 」
セノコン
「 7を出し終えましたエリね。
ダイヤの7を出したマオ様,霄囹ちゃまから時計回りで始めさせて頂きますエリ 」
カードを出す順番は、シュンシュン,オレのチーム ─→ 幻夢さん ─→ 弓弦さん ─→ 玄武さん ─→ シュンシュン,オレのチームって感じになる。
マオ
「 えぇと──、先ずはハートのろ── 」
霄囹
「 パスだ。
マオはパス1だ 」
マオ
「 は?
ちょっ──何勝手に宣言してるんだよ?!
オレはハートの6を出すんだよ! 」
霄囹
「 煩い!
勝ちたいなら黙って僕の言う通りにパスしろ。
後、持ってるカードのマークと数字を声に出すんじゃない!
敵に情報を教えるな 」
マオ
「 なっ── 」
霄囹
「 敵に塩を送るんじゃない、馬鹿が!
セノコン、戦略パスは有りなんだろ? 」
セノコン
「 勿論ですエリ。
パスは5回ですエリ 」
霄囹
「 良いか、マオ。
パスは出せない時に使うもんじゃない。
勝つ為に上手く利用してナンボだぞ 」
マオキノ
「 霄囹ちゃま、パスを上手く使えるのは7並べに慣れてる上級者だけですエリ。
マオ様には難しいと思いますエリ~~ 」
霄囹
「 僕がアドバイスするんだから大丈夫だ 」
結局ハートの6を出させてもらえないまま順番は幻夢さんに移った。
幻夢さん,弓弦さん,玄武さんの順番が終わって、再びオレの番が回って来た!
マオ
「 ──出せるカードが有るから出さないとだよな。
えぇと、クラブの── 」
霄囹
「 パスだ。
マオはパス2だ 」
マオ
「 はぁぁぁぁぁ!?
何で出せるカードを持ってるのに出さないんだよ!
出さないと枚数を減らせないじゃないか! 」
霄囹
「 態々相手を有利にするカードを出す馬鹿が居るか!
良いか、自分にメリットの無いカードは出せても出すな!
相手にパスを使わせて自滅させる為に持っとくんだ! 」
マオ
「 な゛っ──?!
シュンシュン、そんなの性格が悪いぞ! 」
霄囹
「 7並べは頭を使うゲームだ。
勝つ為に戦略を練るんだよ!
良いか、マオ。
7並べってゲームはな、カード運は勿論だが、それだけじゃない。
対戦者の中で1番、性根が悪くて性格が歪んでるズル賢い奴が勝ち易いゲームなんだよ 」
マオ
「 ………………えぇ~~~~……何か勝ちたくなくなって来たんだけど…… 」
霄囹
「 僕の言う通りにすれば、取られたチロルチョコを取り返してやるよ! 」
マオ
「 ………………うぅ~~~~………… 」
幻夢さん,弓弦さん,玄武さんの順番が終わって、オレの番が回って来た。
シュンシュンは、またまたまたパスにする。
3度目のパスだ。
玄武さん,弓弦さん,幻夢さんは未だ1度もパスを使ってない。
オレよりカードの枚数は減っている。
オレ、1枚も減ってないんだけどぉ!?
幻夢さん,弓弦さん,玄武さんの順番が終わって、オレの番が回って来た。
4回目だ。
まさか、4回目も「 パスする 」なんて言わないよな!?
霄囹
「 ──よし、これを出せ 」
マオ
「 えっ?!
ハートの6じゃないのか? 」
霄囹
「 マークと数字を言うんじゃない!
これで良いんだ。
他のカードは出せても出すなよ 」
マオ
「 シュンシュン……幾ら何でも酷くないか? 」
霄囹
「 勝負に酷いもヘチマも有るか!
良いから出せよ 」
マオ
「 分かったよ…… 」
オレはシュンシュンが指名したカードを出す。
幻夢さん,弓弦さん,玄武さんの順番が終わって、オレの番が回って来ると、シュンシュンの指名したカードを出した。
8回目に入ると玄武さん,弓弦さん,幻夢さん達がパスを使い始めた。
このパスが戦略的なパスなのか出せない為のパスなのかオレには分からない。
オレの手元には4枚カードが減った枚数が残っている。
霄囹
「 マオ、これを出せ 」
マオ
「 何でだよ? 」
霄囹
「 これを出せば、後2枚は出せるからだ。
手札を減らしたいんだろ。
言う通りに出してろ 」
マオ
「 う、うん…… 」
半信半疑でシュンシュンの言う通りにカードを置いていたら、パス3回で上がる事が出来た!
然も2位だ!
1位は弓弦さんで、3位は幻夢さん,4位が玄武さんだった。
マオ
「 やったぁ!
2位だ!
初めての2位だぁ!! 」
霄囹
「 チッ、出すカードを間違えた!
間違えなければ1位になれてたのに!! 」
弓弦
「 やはり霄囹が居ると盛り上がるな 」
玄武
「 うむ。
ハラハラ感が違うな 」
幻夢
「 白熱したゲームでしたね 」
セノコン
「 マオ様からはハートチョコレートを2つ没収ですエリ 」
マオ
「 1位じゃないから取られたぁ~~!! 」
マオキノ
「 弓弦様にはチロルチョコを7つとハートチョコレートを2つですエリ 」
弓弦
「 有り難う、マオキノ 」
霄囹
「 もう1回だ!
勝つ迄やるぞ!! 」
どうやらシュンシュンの勝負魂に火が点いちゃったみたいだ。
オレが解放されるのは何時になるんだろうな……。
オレ、見学者でも構わないんだけどな~~。
マオ
「 シュンシュン、オレさ見学しても良いかな? 」
霄囹
「 駄目に決まってるだろが!
お前が1位になる迄するんだから、腹を括って覚悟しろよ!! 」
マオ
「 ひぇ~~~~……。
マオキノぉ~~~~ 」
マオキノ
「 マオ様、ファイトですエリ★ 」
セノコン
「 カードを集めますエリ 」
7並べは未々続きそうだ。
もう勝てなくて良いから早目に解放されたい……。