⭕ 仁義なき戦い 1
◎ サブタイトルを変更しました。
獅聖幻夢──幻夢さんが裏野ハイツに来てマオキノやセノコンと囲碁を打つ様になって、早2週間が経とうとしている。
幻夢さんは予想外に棋力が高くて囲碁が強い。
あのセノコンとマオキノを囲碁で負かせてしまうぐらいだ。
かといって全ての対局で幻夢さんが勝つ訳じゃない。
セノコンもマオキノもセロと直々に打っているから毎回負ける事は無い。
良い勝負をしていると思う。
玄武さんも弓弦さんも幻夢さんと打ち解けている。
囲碁好きな玄武さんは、幻夢さんと囲碁で親睦を深めているし、弓使いの弓弦さんは弓道を通じて幻夢さんと親睦を深めているみたいだ。
事務所の近くに弓道が出来る道場が在って、弓弦さんと幻夢さんは、偶に道場で弓道をさせてもらっているみたいだ。
自己流で弓矢を射っている実戦派の弓弦さんとは違って、弓道の心得を持つ幻夢さんは弓道を習いに来ている子供達に弓道の楽しさや上達するコツを教えているらしい。
幻夢さんはセノコンやマオキノにも勝てる棋力も持っている。
セロとも囲碁を打つし、セノコンやマオキノとも囲碁を打っているし、何故かオレにも親切で良くしてくれる。
幻夢さんは気さくな人だ。
幻夢さんは半分が人間で半分が妖魔だからか、弓弦さんとは気が合うみたいだ。
玄武さん以外の友達が出来て、弓弦さんは嬉しそうだし、玄武さん,弓弦さん,幻夢さんは3人で良く外出もしているみたいだ。
「 平和だな~~ 」って思う。
マオ
「 そう言えばさ、明後日は14日だよな。
バレンタイン──チョコの日だ!
マオキノ,セノコン、明後日はチョコ尽くしのスイーツが食べたいな 」
マオキノ
「 心得てますエリ 」
セノコン
「 バッチリ準備してますエリ 」
マオ
「 流石だな!
明後日はバレンタインパーティーしような! 」
マオキノ
「 はいですエリ 」
セノコン
「 マオ様、今年はセロ様に手作りチョコを渡しませんエリ? 」
マオ
「 あ…………色々と有り過ぎて忘れてた!
市販ので良いかな? 」
セノコン
「 マオ様!
市販なんて安物で済ませないでくださいませエリ! 」
マオキノ
「 そうですエリ!
手作りですエリ!!
マオ様の真心を込めた手作りチョコをセロ様にお渡ししますエリ!! 」
マオ
「 今年は妙に熱烈だな…… 」
セノコン
「 マオ様、チョコレートはボク達が用意してますエリ。
作り方は教えますエリ 」
マオキノ
「 一緒に作りますエリ 」
マオ
「 お、おぅ………… 」
セノコンとマオキノからの圧が凄い気がする。
並々ならぬ覇気を感じる。
何か恐い…………。
獅聖幻夢
「 マオ殿、何を話されているのですか? 」
マオ
「 幻夢さん?!
今日は1人なの? 」
獅聖幻夢
「 はい。
水墨画展から帰って来ました 」
マオ
「 水墨画展?
幻夢さんって水墨画も好きなの? 」
獅聖幻夢
「 はい、好きですよ。
墨の濃淡のみで作品を描く──。
奥深く素晴らしいです 」
マオ
「 そうなんだ? 」
獅聖幻夢
「 初心者用の水墨画セットを購入してしまいました♪ 」
マオ
「 趣味が増えて良かったね… 」
う~~ん、幻夢さんって、やっぱり【 少年陰陽師★平安幻想異聞録 】に登場する平安貴族の獅東彩志に似てるな~~。
口調もクリソツだ。
ゲームの画面から飛び出て来たみたいなキャラクターだよ。
マオ
「 えぇと……オレは明後日のバレンタインに向けて、セロに渡す為の手作りチョコを作る話をマオキノ,セノコンとしてたよ 」
獅聖幻夢
「 バレンタイン?
あぁ……口の中で溶ける茶色くて甘い洋菓子の事ですね。
それなら私も貰いました 」
マオ
「 貰った??
バレンタインは明後日なのに?? 」
獅聖幻夢
「 本当は作品をもっとじっくりと見ていたかったのですが……、水墨画展から出禁されてしまいました 」
マオ
「 出禁されちゃうぐらい酷か──大変だったんだね… 」
セノコン
「 幻夢さま、外出する時は必ず誰かを誘ってくださいエリ。
1人で外出すると今回の二の舞になりますエリ 」
マオ
「 何でだ?
1人で外出が出来ないなんて不便じゃないか 」
マオキノ
「 幻夢さまはマオ様の眷属になりましたエリ。
その恩恵が異性の理性を狂わせてしまいますエリ 」
マオ
「 へぇ~~、オレの眷属になった恩恵で────は??
今なんてった?! 」
セノコン
「 マオキノ!
口止めされてる事を話しちゃ駄目エリ~~ 」
マオキノ
「 あっ!
そうだったエリ~~。
テヘペロりんりん丸エリ★ 」
セノコン
「 マオ様、今のは忘れてくださいませエリ 」
マオキノ
「 聞かなかった事にしてくださいませエリ 」
マオ
「 出来るかぁ!!
何だよ、幻夢さんがオレの “ 眷属になってる ” って、どゆことだよ! 」
獅聖幻夢
「 私の複製呪靈がセロフィート殿と囲碁の対局をして負けました。
セロフィート殿が勝った条件の1つが、本物である私がマオ殿の眷属になる事だったのです 」
マオ
「 オレはセロから何も聞いてないけど!? 」
獅聖幻夢
「 『 敢えて言う事もない 』と口止めされていました。
( マオ殿が “ どの様に気付くのか ” の賭けをしていた事は黙っておくとしましょう )」
マオ
「 口止めぇ~~?!
セロめぇ~~!
何っ時も肝心な事を黙ってるんだから!!
後で文句を言ってやらないとだ!!
──でもさ、幾らセロとの囲碁で負けたからって良く承諾したよね?
嫌じゃなかったの? 」
獅聖幻夢
「 これも縁だと思い受け入れました。
詳しい事情もセロフィート殿から聞いています。
セロフィート殿はマオ殿を大切に想って居られる事が犇々と伝わって来ました。
最愛の弟が居た私には解ります。
私にはマオ殿を守護る能力が十分に備わって居ます。
地球と呼ばれている星の寿命が尽きる迄、〈 皇 〉は死ねない存在だと聞きました。
妖魔の血を継ぐ私は長命ですが、寿命は来ます。
マオ殿と同様に不老不死となり、自由に生きるのも良いかと思ったのです 」
マオ
「 ………………だけど、星の寿命は果てしなく長いんだよ!
何
それでも構わないって言うの?!
知り合いや親しい人を看取るばっかりで──辛
獅聖幻夢
「 1人ではないですから退屈はしません。
私も広い世界へ出て、様
時間は有り過ぎる程
私は私で楽しむ方法を見付けられますし、充実を堪能します 」
マオ
「 ……………… “ 1人ではないって ” って、シュンシュンの事かな? 」
獅聖幻夢
「 あぁ──、春
彼だけではなく、玄
玄
マオ
「 …………………………聞いてないけどぉぉぉぉぉぉ!! 」
マオキノ
「 マオ様、落ち着いてくださいませエリ。
どうどう……ですエリ 」
マオ
「 落ち着けるかよ!
何
セノコン
「 マオ様──、〈 皇
父
とても尊
〈 皇
然
こんな事、今迄に無い事ですエリ 」
マオキノ
「 マオ様は〈 皇
マオ
「 オレはセロと旅を続けるんだから、〈 皇
セノコン
「 マオ様──、セロ様は寿命を終えたセロ様と御別れをした後
マオ様を支えるお友達が沢山(い)居たら寂しくないエリ。
〈 皇
マオ
「 ………………それは分かるけど…… 」
獅聖幻夢
「 マオ殿
不老不死の “ 友
“ 友
マオ
「 兄
セロの次に年長者のオレが皆
マオキノ
「 違和感ないですエリ 」
セノコン
「 十分過ぎる程
マオ
「 止
シュンシュンだけじゃなくて──、幻
セロめぇ!!
黙ってた事に文句を言ってやるんだからな!!
◎ 訂正しました。
眷族 ─→ 眷属