──*──*──*── 春舂霄囹side
春舂霄囹は召喚した鳥型の式神の背中の上に居た。
上空から地上を眺めながら召喚した式神達へ的確な指示を出している。
セロフィートから教えてもらった闇呪術を使った式隷の呪靈化を何度か試みるも幾度の失敗を繰り返した末、漸くコツを掴めた春舂霄囹は、式隷を次々に呪靈化させては、特級呪靈を襲わせていた。
霄囹
「 先ず先ずだな。
初めてにしては上出来か。
式隷をパワーアップさせる事が出来るのは良いが、元に戻せるのか??
戻せなくて倒さないといけなくなったら損害賠償もんだぞ!
苦労──は、してないが名前を奪って式隷にしたんだ。
式隷にした時に使える妖術は全部奪ってやったから倒されても僕は困らないんだが…………多少の愛着は有る 」
春舂霄囹は御札を取り出すと更に強力な式神を召喚し、知能を持つ特級呪靈の相手をさせる。
召喚された式神は禍々しい法力を出し惜しみもせず使い、特級呪靈を次々に沈めていく。
霄囹
「 それにしても知能の無い特級呪靈が向こうに向かって移動してるが、何かあるのか?
僕としてはザコが他所へ行ってくれるのは助かるけどな 」
──*──*──*── 絲腥玄武side
キノコンA:本体
「 皆~~、玄武様を衛るエリ! 」
キノコンA:分身体
「「「「「 エリ!! 」」」」」
キノコンA:分身体
「「「「「 エリ!! 」」」」」
キノコンA:本体
「 キノコンが玄武様を衛る盾になりますエリ!
玄武様はどんどん呪靈に向けて法術で攻撃してくださいませエリ! 」
玄武
「 うむ、そのつもりだ。
とは言っても我の法術は攻撃向けではないのだがな…… 」
キノコンA:本体
「 大丈夫ですエリ。
玄武様が憑依している杖の力で法術もパワーアップしてますエリ。
バリバリと呪靈を攻撃出来ますエリ! 」
玄武は10体のキノコンの分身体達に囲まれた状態で法術を発動させる。
玄武の使える属性の法術は攻撃向けと言うよりも補助向けだ。
然し、キノコンの言う通り玄武の法術はパワーアップしていた。
キノコンの分身体達が盾となり呪靈達の足止めをしてくれる為、玄武は安心して法術を発動させる事が出来る。
相手の身体に絡み付いて拘束し、動きを止めるぐらいしか出来ない木属性の法術だったが、呪靈の体を突き破り、原動力を吸収している。
原動力を吸われ続ける呪靈はどんどん干からびていく。
玄武
「 1度に多数の呪靈を干からびさせるとは凄まじい……。
干からびた呪靈が〈 テフ 〉に変換されていく……。
呪じゅ靈れいから何なにを吸い取ってるのか分からないが、あれは──花か!?
花が咲いている?? 」
玄げん武ぶが法ほう術じつで呼び出した無数の枝は、呪じゅ靈れいから原動力を吸い尽くし、様さま々ざまな花を咲かせている。
咲き誇っている花は季節感を無視している。
軽く風が吹くと花は枝から離れ、散ちり散ぢりとなり呪じゅ靈れいに張り付く。
張り付いた花はなは呪じゅ靈れいの体からだに根を張り始めた。
体からだに根が張った呪じゅ靈れいはど・ん・ど・ん・干ひからびていく。
玄げん武ぶも驚きを隠せない。
キノコンA:本体
「 玄げん武ぶ様、式神も召喚してみてくださいませエリ。
式神もパワーアップしてますエリ! 」
玄武
「 そうなのか?
我われが使役している式神も戦闘向きでは無いのだが…… 」
キノコンに言われて玄げん武ぶは持参している御札を使い使役している式神を召喚してみる。
戦闘よりも雑用向きな式神達の容姿に変化は無く、本ほん当とうにパワーアップをしているのか疑わしい。
然しかし、玄げん武ぶが扇せん子すを前に出し「 行け! 」と指示を出すと式神達は呪じゅ靈れいに向かって襲い掛かる。
式神達は素早く動き、容赦なく呪じゅ靈れいに法ほう術じゅつをブチ込んでいる。
式神の動きが冴えており、使う法ほう術じゅつも強力になっており、式神に攻撃した呪じゅ靈れいは一撃で地面に倒れ、〈 テ原質フの源みなもと 〉へ変換される。
キノコンA:本体
「 玄げん武ぶ様──、彼奴アイツは自我と知能を持つ特級呪じゅ靈れいですエリ!
気を付けてくださいませエリ! 」
玄武
「 うむ──、確たしかに手て強ごわそうな呪じゅ靈れいだな。
人ひと型がたをしている特級呪じゅ靈れいは自我と知能を得ているのだな 」
キノコンA:分身体
「 知能の無い特級呪じゅ靈れいが向きを変えて移動を始めたエリ 」
キノコンA:分身体
「 何なにが起きたエリ? 」
キノコンA:分身体
「 呪じゅ靈れいの数かずが減るのは好都合エリ! 」
キノコンA:分身体
「 良よく分からないけど、めちゃんこラッキーかもエリ! 」
キノコンA:本体
「 皆みんな~~、セロフィート様から渡された武器を使うエリ! 」
キノコンA:分身体
「「「「「 エリ!! 」」」」」
キノコンA:分身体
「「「「「 エリ!! 」」」」」
キノコンの分身体たい達は一斉に笠かさから素早く釘バットを取り出すとスチャッ──と構える。
玄げん武ぶを衛まもる様ように取り囲んでくれている11体たいのキノコンが左右の手に釘バットを器用に持っている。
釘バットの二刀流である。
キノコンA:本体
「 釘バットの装備はOKオッケーエリね?
残った特級呪じゅ靈れいを容赦なく血祭りに上げるエリ!! 」
キノコンA:分身体
「「 蹂躙エリ!! 」」
キノコンA:分身体
「「 武力行使エリ!! 」」
キノコンA:分身体
「「 天誅エリ!! 」」
キノコンA:分身体
「「 鉄拳制裁エリ!! 」」
キノコンA:分身体
「「 集団リンチエリ!!」」
玄武
「 キノコン達は殺やる気満まん々まんだな。
さっきより釘バットを持った今の方が生き生きしているな 」
キノコンA:本体
「 皆みんな~~!
宴うたげを始めるエリ!!
呪じゅ靈れいを屠ほふるエリ!! 」
キノコン本体の掛け声ごえと共ともにキノコン分身体たい達は両手に持った釘バットを振り回して特級呪じゅ靈れいに向かって襲い掛かる。
中には駒の様ように高速回転をしながら釘バットで呪じゅ靈れいを攻撃する恐ろしいキノコン迄居いる。
玄武
「 ふむ、凄まじい光景だ。
流石キノコンだな 」
玄げん武ぶは釘バットで特級呪じゅ靈れいをブチ殺ころし捲まくっているキノコンの分身体たい達を見て、感嘆の声を漏らすのだった。
──*──*──*── 厳蒔弓弦side
キノコンB:本体
「 皆みんな~~、弓ゆ弦づる様を衛まもるエリ! 」
キノコンB:分身体
「「「「「 エリ!! 」」」」」
キノコンB:分身体
「「「「「 エリ!! 」」」」」
キノコンB:本体
「 キノコンが弓ゆ弦づる様を衛まもる盾になりますエリ!
弓ゆ弦づる様はど・ん・ど・ん・呪じゅ靈れいに向けて矢を射いってくださいませエリ! 」
弓弦
「 あぁ、分かった 」
弓ゆ弦づるは10体たいのキノコンの分身体たい達に囲まれた状態で魔ま喰ぐらいの弓矢に法ほう力りきを込めると弓を射いる。
弓使いの弓ゆ弦づるは遠距離型がたで単体攻撃だが、法ほう力りきを矢に込める事で広範囲攻撃が可能になる。
使える属性の法ほう力りきを矢に込め、ひたすら射いる。
矢に法ほう力りきを込めるのに時間が掛かるのがネックだが、キノコンの分身体たい達が盾となり呪じゅ靈れい達の足あし止どめをしてくれる為、安心して矢に法ほう力りきを込める事が出来ていた。
天てん血けつ,妖よう血けつ,人にん血けつが混ざっている弓ゆ弦づるの法ほう力りきの威力は凄まじく、降り注ぐ矢が刺さった呪じゅ靈れいは一撃で倒れていく。
倒れた呪じゅ靈れいはす・か・さ・ず・〈 テ原質フの源みなもと 〉へ変換されていく。
キノコンの分身体たい達のテンションが上がり、思わず小躍りしてしまう程ほど、弓ゆ弦づるの広範囲攻撃は強力であり破壊力が高かった。
キノコンB:本体
「 弓ゆ弦づる様──、彼奴アイツは自我と知能を持つ特級呪じゅ靈れいですエリ!
気を付けてくださいませエリ! 」
弓弦
「 あぁ──、分かった。
人ひと型がたをしている特級呪じゅ靈れいは自我と知能が有るのか。
手て強ごわそうだな… 」
キノコンB:分身体
「 知能の無い特級呪じゅ靈れいが向きを変えて移動を始めたエリ 」
キノコンB:分身体
「 何なにが起きたエリ? 」
キノコンB:分身体
「 呪じゅ靈れいの数かずが減るのは好都合エリ! 」
キノコンB:分身体
「 良よく分からないけど、めちゃんこラッキーかもエリ! 」
キノコンB:本体
「 皆みんな~~、セロフィート様から渡された武器を使うエリ! 」
キノコンB:分身体
「「「「「 エリ!! 」」」」」
キノコンB:分身体
「「「「「 エリ!! 」」」」」
キノコンの分身体たい達は一斉に笠かさから素早く釘バットを取り出すとチャキッ──と構える。
弓ゆ弦づるを衛まもる様ように取り囲んでくれている11体たいのキノコンが左右の手に釘バットを器用に持っている。
釘バットの二刀流である。
キノコンB:本体
「 釘バットの装備はOKオッケーエリね?
残った特級呪じゅ靈れいを容赦なく血祭りに上げるエリ!! 」
キノコンB:分身体
「「 蹂躙エリ!! 」」
キノコンB:分身体
「「 武力行使エリ!! 」」
キノコンB:分身体
「「 天誅エリ!! 」」
キノコンB:分身体
「「 鉄拳制裁エリ!! 」」
キノコンB:分身体
「「 撲殺リンチエリ!!」」
弓弦
「( 随分と物騒だな。
さっきよりも釘バットを持っている今の方が生き生きしている?! )」
キノコンB:本体
「 皆みんな~~!
宴うたげを始めるエリ!!
呪じゅ靈れいを屠ほふるエリ!! 」
キノコン本体の掛け声ごえと共ともにキノコン分身体たい達は両手に持った釘バットを振り回して特級呪じゅ靈れいに向かって襲い掛かる。
中には駒の様ように高速回転をしながら釘バットで呪じゅ靈れいを攻撃する恐ろしいキノコン迄居いる。
弓弦
「( …………………………凄まじい光景だな…。
私もキノコン達に負けていられないな! )」
弓ゆ弦づるは更に強力な矢を射いる為に、法ほう力りきの質しつを高めて矢に込める。
弓弦
「 秘天飛ひ燕えん炎えん風ぷう滅めっ破ぱ弓きゅう!! 」
風属性と火属性の法ほう力りきを込めた矢を上空へ高く射いると、上空に法ほう術じつ陣じんが現あらわれる。
呪じゅ靈れいの周りに無数のカマイタチが発生し、法ほう術じつ陣じんからは渦巻く炎柱が落ちて来きては呪じゅ靈れいを攻撃する。
呪じゅ靈れいには火傷やけどを負おわせる事は出来ないが、大ダメージを与える事が出来た。
弓弦
「 ──っ、2つの属性を合わせると疲労が増すのか?!
これは連続で射いれない…… 」
キノコンB:本体
「 弓ゆ弦づる様!?
どうされましたエリ? 」
弓弦
「 キノコン……済まない……。
2つの属性を合わせた矢を射いってみたんだが…………反動で疲労が酷ひどくてな…… 」
弓ゆ弦づるは地面に片膝を付いてし・ゃ・が・ん・で・いる。
倒れてしまわない様ように魔ま喰ぐらいの弓を支えにしている。
脂汗を掻いている辛つらそうな弓ゆ弦づるに対してキノコンは、笠かさの中から瓶を取り出す。
キノコンB:本体
「 弓ゆ弦づる様、此方こちらを食べてくださいませエリ。
これはセロフィート様が “ キノコンじる ” を用もちいて作った回復薬やくですエリ。
食べ易いグミ状ですエリ 」
弓弦
「 済まない、キノコン。
有あり難がとう。
セロは用意が良いいな(////)」
キノコンB:本体
「 その瓶は魔法マジックが掛けられてますエリ。
量が減ると自然に増えますエリ。
補充の必要がない便利な回復薬やくグミですエリ 」
弓弦
「 ははは……セロは本ほん当とうに凄いな……。
( セロには何なにも敵かなわないのだな…… )」
弓ゆ弦づるはキノコンから受け取った瓶から回復薬やくグミを1粒出だして口に入いれる。
口の中の唾液でグミが破やぶけて、甘い味あじが口の中に広がった。
弓弦
「 薬くすりなのに味あじが付いているのか? 」
キノコンB:本体
「 はいですエリ。
違う味あじを味あじわえて飽きない様ように工夫されてますエリ 」
弓弦
「 そうか……。
身体からだが軽くなった?!
嘘みたいに疲労が消えた── 」
キノコンB:本体
「 弓ゆ弦づる様に、疲れたら食べてくださいませエリ 」
弓弦
「 あぁ、そうさせてもらう。
これが有れば、2つの属性を合わせた弓技を使えるからな!! 」
すっかり元気を取り戻した弓ゆ弦づるは、再び魔ま喰ぐらいの弓を構えると矢に法ほう力りきを込め始めた。
2属性を合わせた弓技を射いる為に────。