⭕ 少年陰陽師★平安幻想異聞録 76
妖魔の森に出現する妖魔は予想以上に強い。
友愛ルートでも家族愛ルートでも、妖魔の森なんて登場しなかった。
性愛ルート限定なのかも知れない。
LVも高くて、群れて遭遇する妖魔達。
数が多いから全体攻撃が得意な弓嘉さんと挧氤さんを選んで正解だった。
愿縲さんに御札を使わせて素早さを上げて、敵のターンにならない様にしてるお蔭か、ノーダメージで妖魔の森の中間地点まで来れた。
妖魔王の住み処まで後半分か。
ショートカットしたいぐらいだ。
オレは方向キーを押しながら、ドット絵の主人公を動かして道なりに進んで行く。
マオ
「 はぁ~~……妖魔の出現率が高いな~~。
全然先に進まないじゃんかよ~~ 」
マオキノ
「 妖魔の森は妖魔王の御膝元ですエリ。
隠行術の効果も意味ありませんエリ 」
マオ
「 ひでぇ……。
制作者側の悪意をビシバシと感じるぅ~~ 」
マオキノ
「 妖魔王の住み処へ向かう為には、妖魔王のダンジョンを攻略する必要がありますエリ。
ダンジョンへ挑む前にLV上げをするのに持って来いの場所ですエリ 」
マオ
「 LV上げか~~。
此方はデータ改竄した後だから意味ないんだよな…… 」
マオキノ
「 確実にメンバーのLVは上がってますエリ 」
マオ
「 ははは…………。
嬉しくないけどな~~ 」
マオキノと話ながら妖魔の森を突き進む。
戦闘シーンが面倒過ぎる。
ガチでLV上げが嫌いになりそうだ。
マオキノ
「 マオ様、この先に大きな広場がありますエリ。
妖魔の森に巣食うボスが居ますエリ。
ボスを倒せば妖魔王のダンジョンへ行けますエリ 」
マオ
「 えっ……ボス戦が有るのか?
マジかよ…… 」
オレはボス戦に備えてステータス画面を開く。
ボス戦なら単体攻撃に大ダメージを与えられる千颯を入れたい。
千颯は毘周さんとセットだ。
毘周さんが居ると素早さと攻撃力に+αが付くから、弓嘉さんと挧氤さんを後方に下がらせて入れ替える。
ボス戦には主人公,転身コンビ,愿縲さんで挑む。
ぶっちゃけ転身した美螽さんのエゲツい複数攻撃は好きじゃないけど、千颯の為だ。
転身した美螽さんも強いんだけど……どうもな~~。
使い捲って数が減った御札も補充して、メンバーを全回復させたら忘れず[ セーブ ]をする。
これでボス戦に挑む準備は整った!
いざ──、ボス戦へ!!
ドット絵の主人公を動かして広場へ入ると、広場の中央に見覚えのある種族が待ち構えたいた。
マオ
「 うん?
マオキノ、妖魔の森で戦うボスって── 」
マオキノ
「 トトメスと同種族ですエリ 」
マオ
「 何でトトメスと同じ種族がボスなんだよ? 」
マオキノ
「 妖魔王のダンジョンへの出入り口を塞いでますエリ。
妖魔王が出て来れない様に結界を張って衛ってますエリ 」
マオ
「 えっ…………じゃあ、悪い人達じゃないんだ? 」
マオキノ
「 はいですエリ。
妖魔王と敵対している種族ですエリ。
人類の味方ですエリ 」
マオ
「 …………………………ちょい待て。
じゃ、何か?
主人公は人類の味方で、妖魔王が出て来れない様にしてくれてるトトメスの同種族を倒さないといけないのか?? 」
マオキノ
「 はいですエリ。
完膚無き迄に叩きつぶつして負かす必要が有りますエリ。
通せんぼしている彼等を倒さなければ、妖魔王のダンジョンへは入れませんエリ。
ダンジョンを攻略して住み処へ行かないと妖魔王には逢えませんエリ 」
マオ
「 マジかよ……。
主人公が此処でまさかの “ 人類の敵 ” に回る事になるなんて…… 」
こんな展開は友愛ルート,家族愛ルートには無かったぞ!!
流石はハードモードだ。
プレイヤーの心を容赦なく抉りに来た感じが半端ない!!
マオ
「 やるしかないんだよな? 」
マオキノ
「 はいですエリ。
一思いに殺っちゃってくださいませエリ★ 」
主人公が現代世界へ帰る為には、妖魔王の協力が必要不可欠だ。
その為には多少の犠牲には目を瞑るしか──。
オレは葛藤した。
物語を進める為に断腸の思いで戦う事を選ぶ。
主人公は “ 人類の敵 ” になってしまうけど、仕方無いんだ!!
マオ
「 これはゲームだから!
これはゲーム,これはゲーム,これはゲーム,これはゲーム── 」
マオキノ
「 マオ様、悩み過ぎですエリ~~ 」
マオ
「 し、仕方無いだろ?!
展開が展開過ぎるんだからさ! 」
マオキノ
「 とっとと覚悟を決めてくださいませエリ 」
マオキノにつつかれてドット絵の主人公を動かして、ボス達に近付いた。
ボス達との会話が始まるが内容は割愛したい。
何や彼やで話が拗れてしまい、結局ボス達と戦う運びになった。
とうとう戦闘が始まってしまったんだ。
◎ 訂正しました。
穏行術 ─→ 隠行術