✒ 少年陰陽師★平安幻想異聞録 72
画面が切り替わって、翌日──。
主人公,愿縲さん,千颯,毘周さん,挧氤さん,トトメスの6人は、顔の見えない帝の依頼を受ける為に1ヵ所に集合していた。
パーティーから抜けた彩志さんと眞小呂の姿は見えない。
何処に居るんだろうな??
帝の依頼内容が書かれた書状を警護使が読み上げる。
依頼内容は≪ 平安京 ≫付近に出没する野良妖怪を退治し、祓魔師が古い魔除けの護符を新しい魔除けの護符に貼り変えている間の時間稼ぎをしてほしい──って事みたいだ。
因みに今回、一時的に仲間に加わる警護使と祓魔師は戦闘には参戦しないらしい。
警護使は魔除けの護符を貼り付ける祓魔師を護衛する役目だからか、戦闘は主人公達に任せるみたいだ。
仮に戦闘に参戦の出来るキャラだったとしても使わないけどな!
帝の命を受けて出発する時に、パーティーに警護使と祓魔師が仲間に加わったけど、上から目線で態度がデカくて偉そうに命令して来やがる嫌な奴等だった。
「 もっとマシな性格のキャラクターにしろよ! 」って制作者側に文句を言いたくなる。
パーティー内が嫌な雰囲気に包まれると思ったけど、意外にも愿縲さん,毘周さん,挧氤さんは大人な対応で上手くやり過ごしている。
千颯とトトメスは警護使と祓魔師には興味無いのか眼中にすら入れてないみたいだ。
主人公は未成年だから、愿縲さん,毘周さん,挧氤さんの男性陣が相談しながらパーティーを引っ張ってくれている。
大人な男性陣が頼もしくて心強い!!
因みに主人公は義妹の千颯と挧氤大好きっ子なトトメスの間に挟まれてながら見ているだけだ。
最終的な決定権は主人公にあるみたいだけど、どうやらそれが警護使と祓魔師は気に食わない様だ。
未成年に決定権を与えている事を良く思わないのは当然かも知れない。
主人公が成人していれば、不満の声も上がらないだろうし、問題も無いのかも知れないけど……。
パーティー内を無闇に掻き乱さないと気の済まない2人なのかな??
愿縲さん,毘周さん,挧氤さんは主人公の保護者にでもなったつもりなのか、態度の悪い警護使と祓魔師とギスギスしたり対立したりしない様に心掛けて対応してくれている。
偶にはこういうのも良いかもな~~。
≪ 平安京 ≫を出ると魔除けの護符が貼り付けられている場所を目指して歩く。
道案内は警護使と祓魔師がしてくれる。
1ヵ所目に到着した。
祓魔師が直ぐ様作業に取り掛かる。
そのタイミングで野良妖怪が群れで襲い掛かって来た!!
戦闘開始だ!
戦うのは主人公,愿縲さん,千颯,挧氤さんだ。
蟲師の毘周さんと回復役のトトメスには後方で待機していてもらう。
主人公の左隣に夕鶴ちゃんが当然の様に立っている。
これで主人公だけは敵の攻撃を受けないで済む。
夕鶴ちゃんの左横には戦闘力と素早さの高い鬼人族の千颯が立つ。
主人公の後方には愿縲さんが立ち、千颯の後方には弓嘉さんと同等の攻撃力の挧氤さんが立つ。
主人公が先行で式神を召喚する。
彩志さんが居ないから敵側の属性が分からない。
無難な雷属性,風属性,地属性の式神をチョイスした。
素早さが異常に高い式神達の連続攻撃で妖怪の数を減らすけど、倒した矢先に野良妖怪が追加される。
千颯には転身をしてもらって妖刀に炎属性を纏わせて敵を1体ずつ確実に倒してもらう。
攻撃力が抜群に高い千颯は単体攻撃しか出来ないんだよな…。
そんな千颯をカバーしてもらうのは、全体攻撃は出来ないけど単体攻撃と複数攻撃を得意とする挧氤さんだ。
法術を込めた複数の剣を巧みに操り華麗に舞わせて敵を容赦なく攻撃する。
剣の雨を降らせたり、剣で串刺しにしたり、剣で胴体を真っ二つにしたり──、かなり残忍でエグい方法で敵の数を確実に減らしてくれる。
愿縲さんには強力な御札を惜しみ無く使わせてパーティーのサポートをさせる。
防御力を上げたり、素早さを上げたり、攻撃力を上げたり、一時的に全ステータスを底上げしたりと主人公がしないといけない事を愿縲さんにやってもらっている。
愿縲さんも式神を召喚する事が出来るんだけど、主人公と違って式神に攻撃をさせると御札を使う事なく愿縲さんのターンが終わってしまうんだ。
戦闘力は十分あるから、愿縲さんには式神を召喚させないで、仲間のサポートに専念させている。
それに愿縲さんの式神にはLVが無いから強化が出来ないんだ。
何時までも変わらない強さだから、召喚して戦わせても戦力にならないんだよな……。
そんな感じで野良妖怪の退治を続けていると、祓魔師の護符の貼り付け作業が終了した事を告げるアイコンが画面に表示され、戦闘が中断されて終了する。
そして次の場所を目指して警護使と祓魔師の案内で移動する。
この繰り返しが護符を貼り付け作業が終わるまで長々と続く事になるらしい。
嫌なんだけどぉ~~~~!!
これも制作者側の悪意なのか??
そんなこんなで最後の場所に到着した。
野良妖怪の群れと最後の戦闘が始まる。
戦闘シーンは割愛したい。
マオ
「 はぁ~~…………やっと終わったな~~!
帝のイベントって長かったな… 」
マオキノ
「 お疲れ様ですエリ。
セーブをしたら休憩してくださいませエリ 」
マオ
「 うん、そうするよ。
式神と仲間の強さを改竄したお蔭で、戦闘は楽勝だったな! 」
ステータス画面を出して[ セーブ ]をしたら、少しだけ休憩する。
マオキノがテーブルの上にスイーツを並べてくれているから、有り難く頂戴する事にした。
マオ
「 ん~~~~♥️
甘いスイーツ、最高ぉ~~~~♥️♥️♥️
生き返るし、元気の補充だな~~ 」
マオキノ
「 マオ様、アイスクリームも御用意してますエリ 」
マオ
「 有り難な、マオキノぉ~~♪ 」
マオキノが用意してくれたスイーツを完食したオレは、両手を真っ直ぐ上に上げ、両足をピーンと真っ直ぐに前へ伸ばして大きく背伸びする。
再びコントローラーを両手で握ってゲーム再開だ!
ステータス画面を消したら物語が進み始める。
主人公を動かして、≪ 平安京 ≫へ戻ったら内裏へ向かった。
内裏では出発時には姿を見せなかった彩志さんと眞小呂が依頼を達成させて無事に帰還した主人公達を出迎えてくれた。
本当、何処に居て、何をしていたんだろう?
朝っぱらから2人で仲良くパオパオでもしてたのか??
「 お帰りなさい、春,愿縲,皆さん。
誰1人として欠けずに無事に戻って来てくれ安堵しました 」と彩志さんの台詞。
「 霄囹、帝が報酬と御褒美を用意してくれてるみたいだぞ。
良かったな! 」と眞小呂の台詞。
マオ
「 マオキノ、報酬とは別に貰える御褒美って何だ? 」
マオキノ
「 妖魔王のアジトへ行けるアイテムですエリ 」
マオ
「 マジかよ?!
じゃあ、これで妖魔王に囲碁を挑みに行けるんだな? 」
マオキノ
「 はいですエリ 」
マオ
「 漸くかぁ~~!
此処まで頑張ったもんなぁ~~! 」
画面の中では帝から有り難い御言葉を頂いている最中だ。
長ったらしい台詞をスキップして飛ばしたい所だ。
一方的な帝の話が終わると、帝の合図で2人の警護使が前に出て来た。
1つは報酬の入った豪華なツヅラと1つは御褒美の入った豪華なツヅラみたいだ。
帝からの報酬と御褒美を受け取ると、夕食を振る舞われる事になった。
夕食が済んで用意された部屋に案内されたら、自由時間が到来した。
マオ
「 内裏でも自由行動が出来るんだな~~ 」
マオキノ
「 移動が出来る範囲は決まってますエリ。
主人公を動かしてみれば分かりますエリ 」
マオ
「 そうなんだ?
よし、やってみるか! 」
オレは主人公を動かして、何処まで移動が出来るのか試してみる事にした。
見えない壁にぶつかって、「 ブッブゥ~~ 」って音が鳴ると【 これ以上は進めません 】って文字が表示される。
移動が出来る範囲は広くないみたいだ。
取り敢えず、仲間1人ずつに声を掛けて会話をしてみる。
皆、帝からの御褒美が気になるみたいだ。
全員と会話が終わると【 御褒美を見ますか? 】と文字が表示される。
オレは勿論、〔 見る 〕を選択する。
豪華なツヅラの上蓋を開けると──、御札にくるまれた真っ白い髪の毛が入っていた。
どゆことぉ~~~~??




