✒ 少年陰陽師★平安幻想異聞録 54
《 西地区 》の退魔仲介所で依頼を受けて、鵺の住処へ行ける様になった。
3分クッキング並みに依頼をパパッと解決させたら、鵺の住処へを向かう。
鵺に支配されている≪ 里 ≫がある。
その≪ 里 ≫で暮らす住人の殆んどは老人だ。
マオ
「 老衰の相か…。
マオキノ、老衰って年寄りに起こる事だよな。
主人公は若いから老衰なんかしないと思うんだけど、何で占い師さんは “ 老衰の相 ” なんて言ったんだろうな? 」
マオキノ
「 先ずは里人に話を聞いてみますエリ。
ヒントが隠されてるかも知れませんエリ 」
マオ
「 ヨボヨボで今にも死にそうなジジババにまともなな話が聞けるかな? 」
マオキノ
「 マオ様、偏見で人を見るのは良くないですエリ 」
マオ
「 人じゃなくてキャラクターだろ? 」
マオキノ
「 マオ様、世間ではそれを “ 屁理屈 ” と言われますエリ 」
マオ
「 理不尽だな!! 」
兎に角、オレは主人公を動かして、今にも他界しそうなヨボヨボのジジババ──じゃなくて里人達から話を聞く事にした。
ジジババ達との会話シーンは割愛したい。
聞いた話を纏めて整理してみると、里人達は元からジジババではなかったみたいだ。
夜な夜な美しい女性が訪ねて来ては、唇を重ねて来るらしい。
美しい女性は豊満な胸を当てて来ては、積極的に口の中へ舌を入れて来る。
口の中で舌を絡められている間に生気を吸い取られてしまうらしい。
美しい女性は男性の場合で、女性の場合は美丈夫な男性の姿で夜な夜な訪ねて来るらしい。
甘い言葉を耳元で囁かれて、逞しい手で太股を撫でられるんだとか。
気持ち良く感じていると唇を重ねられて、舌を入れられるらしい。
舌を絡められている間に生気を吸い取られてしまうんだとか。
朝起きると布団の中でヨボヨボのジジイ,ババアの姿になっているそうだ。
夕方になると生気が戻って身体は元通りになるけど、夜な夜な美しい女性や美丈夫な男性が訪ねて来るらしい。
ヨボヨボなジジババの姿になるのは嫌らしいが、美しい女性や美丈夫な男性と毎晩の様に口付けが出来るから楽しみにしている里人も多いみたいだ。
占い師さんの言っていた “ 老衰の相 ” ってコレの事かな?
水難の相では “ 河童なりきりセット ” を使って湖の中へ入ったし、女難の相では “ 天狗なりきりセット ” を使って、天狗の住処へ潜入したしな…。
強ち間違いじゃないかも知れない。
だけど、老衰って死ぬ事だろ?
笑えないよな……。
マオ
「 マオキノ、どうしたら良いんだ?
鵺の話しなんて1つも無かったぞ 」
マオキノ
「 マオ様、里長と会いましょうエリ。
空き家を借りて泊まりますエリ 」
マオ
「 空き家を借りる?
泊まったら鵺に会えるのか? 」
マオキノ
「 主人公は身代わりになってくれる御守りを持ってますエリ。
生気を吸い取られても老人にはなりませんエリ 」
マオ
「 …………え゛っ!?
まさか、主人公に里人と同じ様に被害に遭えって言うのか?! 」
マオキノ
「 はいですエリ。
男女の帰る後を付ければ、鵺の住処へ行けますエリ 」
マオ
「 そうなのか?
マジかよ。
占い師さんが “ 御守り ” をくれなかったら、主人公は老衰死してたかも──って事かな?
帰ったら占い師さんに御礼をしないと!! 」
マオキノ
「 夕方になると生気が戻りますエリ。
老衰はしませんエリ。
老衰の相より、老人の相が合ってますエリ。
所詮は占いですエリ 」
マオ
「 こら、マオキノ!
占い師さんを悪く言うなよ!
占い師さんは主人公の恩人になるんだからな! 」
マオキノ
「 マオ様……。
めちゃんこゲームにのめり込んでますエリ~~ 」
マオキノのアドバイスを素直に聞いて、里長に会い、空き家を借りる事が出来た。
空き家は旅人が訪れた時に宿変わりに貸し出しているみたいで、1組の布団が置かれている。
布団は日に干されていて、お日様の匂いがしているのかは、画面越しじゃ分からない。
主人公が空き家に入ってから、直ぐに日が暮れた。
ゲームだから待ち時間はショートカットされるんだな。
ドット絵からアニメーションムービーに切り替わる。
主人公は敷布団の上に寝転がってスヤスヤと眠っている。
空き家の戸が勝手に開く。
真っ白い着物を着ている美女が物音も立てずに中へ入って来た。
スヤスヤと眠っている主人公の近くに美女が近付くと、静かに唇を重ねる。
本当に美女だ。
セロには敵わないけどな~~。
美女は眠っている主人公の口の中へ舌を入れて絡めて来た。
美女は眠っている主人公の口から生気を吸い取られる。
若い主人公の顔がどんどん老けていく。
主人公の顔が──、身体が──、シワシワになって、骨と皮だけに変わっていく。
ハイクオリティーなアニメーションムービーだから、老化していく様がリアル過ぎてトラウマになりそうだ。
主人公から生気を吸い取った美女は物音を立てずに戸から出て行く。
どうやら足が無くて宙に浮いてるみたいだ。
通りで物音を立てずに移動が出来る訳だな。
主人公は占い師さんから貰っていた “ 御守り ” のお蔭で直ぐに14歳の若々しい顔に戻った。
生気が戻って来たのかな?
目を覚ました主人公は上半身を起こして立ち上がると、隠行術を使い空き家を出た。
アニメーションムービーからドット絵に切り替わる。
外に出た主人公は1ヵ所へ向かって移動する白い着物を着ている男女の後を追って走る。
結構な数の白い男女が1ヵ所を目指して暗闇の中へ次々と消えて行く。
主人公は迷う事なく白い男女に続いて暗闇の中へ入った。
暗闇の中へ入ると白い男女は未々先へ向かって移動している。
遠くの方に明かりが見えていて、其処が暗闇の出口みたいだ。
明かりに近付いた主人公は出口に飛び込んだ。
明かりの先に在ったのは人気の一切無い不気味な寺だった。
白い男女は寺の中へ消えて行く。
主人公も寺の中へ入る。
寺の中には1体の妖怪が居た。
ジジイの顔をして獣の身体をしている。
マオ
「 もしかして、この妖怪が鵺なのか?? 」
マオキノ
「 はいですエリ。
アレが鵺ですエリ 」
マオ
「 顔は人間で、鬣は馬で、胴体は狸で、翼は鶏で、手足が虎で、尻尾が蛇…………まるで合成獣じゃないかよ。
何で鵺は人間の生気を吸い取ってるんだ? 」
マオキノ
「 より強い子供を産む為に必要ですエリ。
人間も出産前,出産後の妊婦は英気を養いますエリ。
人間の生気を吸収する事が英気を養う事になりますエリ 」
マオ
「 ふ、ふぅん…。
子供を産む為に……。
じゃあ、あの鵺は “ お母さん ” なんだな… 」
マオキノ
「 鵺に性別はないですエリ。
交尾をしなくても子供を産みますエリ。
鵺の子供が産まれた年は “ 災厄に見舞われる ” と言い伝えられてますエリ 」
マオ
「 そうなんだ? 」
マオキノ
「 鵺に話し掛けて囲碁勝負を挑んでくださいませエリ 」
マオ
「 そだな 」
オレは主人公を動かして、鵺に近付かせる。
主人公は鵺に話し掛けて、囲碁勝負を挑む。
負けたら主人公に真名を教える条件を了承してくれたけど、物凄い上から目線だ。
人間の主人公に負ける筈ないと自信満々だ。
鵺を相手にした囲碁勝負が始まる。
天狗になってる長い鼻を、へし折ってやる!!
オレは指導碁で鵺を負かしてやった。
鵺は人間の主人公に囲碁勝負で負けた事を認めたく無いのか、襲い掛かって来た!!
往生際の悪い鵺と戦闘になる。
囲碁勝負の後に戦闘に突入するなんて初耳だけどな!!
鵺は白い男女を壁にするスタイルのフォーメーションで挑んで来る。
主人公は夕鶴ちゃんとLVの高い3体の式神を召喚した。
鵺や白い男女よりも式神の方が素早さは上だ。
式神には全体攻撃をさせる。
夕鶴ちゃんにも光属性で鵺と白い男女を容赦なく攻撃する。
白い男女が倒されて消えると鵺のターン。
鵺はけたたましい鳴き声を上げる。
敵を怯ませる効果があるんだろうけど、式神には効果が無い。
虎の鋭い爪で引っ掻いて来たり、突進して体当たりをしたり、鶏の翼で打って来たり、尻尾の蛇の口から毒を吐いたりと、5回攻撃をして来やがった!
鵺のターンが終わると主人公のターン。
式隷した妖怪の総大将を召喚して、鵺を攻撃する。
3体の式神と夕鶴ちゃんに全体をさせる──の繰り返しだ。
鵺は意外と防御力が高くて、中々倒せなかったけど、30ターン目前で倒す事が出来た。
鵺との戦闘に勝利すると、鵺も諦めた様子で主人公を主と認めてくれたのか、真名を教えてくれた。
鵺の名前を奪って、鵺を式隷にした主人公は、“ 時渡りの妖怪 ” に関する情報を聞き出す。
最後の情報を入手した主人公の前に鍵が出現した。
鵺曰く、妖魔王ダンジョンの門を開く為に必要な鍵らしい。
マオ
「 マオキノ、ハードモードは物語の内容がかなり変わってるよな。
ミカトさんは天女として登場しないし、退魔仲介所で挧氤さんとも出逢ってないし、“ 時渡りの妖怪 ” の情報の中にも心臓の事なんて出て来なかったし……。
妖魔王ダンジョンの扉を開ける鍵なんて出現しなかったじゃん? 」
マオキノ
「 ハードモードは難しくなってますエリ。
進めていれば分かりますエリ 」
マオ
「 そうかもだけど……。
“ 時渡りの妖怪 ” の心臓が必要なのになぁ…… 」
マオキノ
「 占い師に頼れば良いですエリ。
その為の占い師ですエリ。
陰陽院の中にある “ 試練の洞窟 ” に入れるイベントも発生しますエリ 」
マオ
「 あっ!
そう言えば、そうだったな。
すっかり忘れてたけど、“ 試練の洞窟 ” でもLV上げが出来るんだったな! 」
マオキノ
「 どのみち、妖魔王と囲碁勝負をして勝たないと “ 時渡りの妖怪 ” の心臓を入手する事は出来ませんエリ。
先ずは妖魔王ダンジョンへ挑む前に仲間のLVを50以上に上げる事ですエリ 」
マオ
「 そだったな~~。
鵺イベントが終わったら妖怪が一気に強くなるんだよな?
パーティを組んでからじゃないと、依頼を受けれないんだっけ。
先は未々長いな 」
マオキノ
「 《 西地区 》の退魔仲介所で依頼完了の手続きを済ませる迄は1人で戦闘が出来ますエリ。
式神のLV上げに専念が出来る最後のチャンスですエリ 」
マオ
「 最後のチャンス……。
よし、強い妖怪の出る場所で式神達のLV上げに専念してみるか! 」
マオキノ
「 マオ様、応援しますエリ 」
という訳で──、主人公を動かして寺から出たら、≪ 平安京 ≫へ戻る前に式神のLVを上げる為に妖怪の強い場所へ主人公を移動させた。
◎ 訂正しました。
隠行術を使うと ─→ 隠行術を使い