⭕ 少年陰陽師★平安幻想異聞録 53
獅東屋敷に新しい家族──千颯を迎える事になって、獅東屋敷は賑やかになったと思う。
千颯は女の子だから乳母が必要だったけど、額に小さな角が生えている子供の身の回りの世話を任せる事は出来ない。
そんな訳で、乳母役に白羽の矢が立ったのが、愿縲さんの育ての親でもある占い師さんだった。
愿縲さんが囲碁の指南役として獅東屋敷へ遊びに来た際に、彩志さんが愿縲さんに千颯を紹介して、話を持ち掛けた。
愿縲さんは陰陽院で暮らしていた陰陽師だから、鬼人族の事を知っていた。
文献に書かれているのは本当みたいで、陰陽師達や貴族達に千颯の存在が知られると厄介な事態になる事を懸念してくれた。
愿縲さんは、「 屋敷に帰ったら話をしてみる 」って言ってくれて──、占い師さんの返事は意外にもOKだった。
そんな訳で、現在の獅東屋敷には愿縲さんの育ての親でもある占い師さんが滞在している。
千颯も占い師さんに懐いているみたいだ。
千颯のお蔭もあって、主人公は占い師さんと会話をする機会が増えて、接する機会も多くなった!!
占い師さんも主人公に対して厚意的に接してくれている。
この “ 厚意 ” が “ 好意 ” に変わってくれる事をオレは密かに期待しているんだけど、占い師さんはガードが固いのか上手くスルーされてしまう。
何とか占い師さんとの親睦を深めて性愛ルートに入りたい!!
そんな事は兎も角、オレは主人公を動かして、退魔仲介所で依頼を受けまくっている。
式神と弓嘉さんのLVを上げる為だ。
弓嘉さんのLVが50以上なら、新しく入るメンバーのLV上げも多少は楽になると思うんだ。
弓嘉さんと依頼を受けては、妖怪と戦ってLV上げしならがら依頼を解決させる。
これの繰り返しだ。
弓嘉さんと一緒に獅東屋敷へ帰る際には、千颯に “ お土産 ” を持って帰る様にしている。
獅東屋敷へ帰ると元気な千颯が出迎えてくれる。
鬼人族の子供は成長が早いみたいで、2ヵ月で3歳並みに育っていた。
軽快な足取りで駆けて来ては、嬉しそうに抱き付いて来る姿は画面越しに見ていても可愛いと思う。
弓嘉さんの事を「 あにさま! 」って呼ぶし、主人公の事は「 ににさま! 」って呼ぶ。
千颯が戦力になってくれる日が待ち遠しい。
お土産を渡すと千颯は御機嫌になる。
千颯が特に気に入ってるのは、主人公が紙で作る良く飛ぶ紙飛行機や竹トンボだ。
千颯は空を飛ぶ玩具が好きみたいで、不思議な玩具を作れる主人公に夢中なんだ。
弓嘉さんが弓矢を射る姿も好きみたいで、的に百発百中させる弓嘉さんを尊敬しているみたいだ。
因みに主人公は弓矢の腕はズギャンみたいで、千颯にはガッカリされている。
愿縲さんは依り代を使って、陰陽術で小動物を召喚しては千颯を喜ばせてくれる。
愿縲さんも占い師さんと一緒に千颯の為に、獅東屋敷に滞在してくれている。
留守中の実家は式神に任せてあるから大丈夫らしい。
千颯は囲碁も嗜む。
未々弱いけど、彩志さんと愿縲さんの英才教育を受けて強くなる事だろう。
もしかしたら、千颯が鬼人族の総大将になった暁には、囲碁勝負をする事になるかも知れない。
千颯の名前を奪って式隷にする日が来るのかな?
そんな事、プレイヤーのオレはしたくないけど、主人公は喜んで式隷にしそうだ。
読み書き,算術,教養,礼儀作法,≪ 平安京 ≫の歴史,貴族の暮らし,平民の暮らし,陰陽師について,退魔師について──なんかの教育も彩志さんと愿縲さんが直々に千颯へ教えている。
千颯はお菓子が好きだから、美味しいお菓子の為に勉強も頑張っている。
人間社会の中で生きるなら知識は必要だもんな。
占い師さんは千颯が6歳になったら、弓矢の扱い方と狩猟を教え、捌き方も教えると良いと占ってくれる。
確かに生きる為には狩猟を知っていた方が良いと思うけど、6歳って早くないかな?
保育園や幼稚園の年長組と同年だぞ。
途中で小学1年生に上がるけど、狩猟を教えて出来るのかな??
これはゲームだし、千颯は人間の子供と違うから出来るのかも知れないけど?
更に2ヵ月が経つと千颯は5歳に成長して、更に1ヵ月が経つと6歳を迎えた。
主人公が弓嘉さんと一緒に退魔仲介所で依頼を受けて解決する期間が終わってしまった。
千颯が6歳になったから、弓矢の扱い方を教える為に弓嘉さんがパーティから抜けて獅東屋敷に残る事になった。
何とか弓嘉さんのLVを57まで上げる事が出来たから良しとしたい。
本当は60まで上げたかった~~。
弓嘉さんが千颯に弓矢の扱い方を教える為に抜けて、主人公が1人で行動が出来る様になったから、最後の総大将でもある鵺の居場所を探してイベントを発生させないとだ。
獅東屋敷を出る前に占い師さんに鵺を居場所を占ってもらう。
「 西に探し人が居るようです。
老衰の相が出ています。
重々気を付けて…… 」と占い師の台詞。
「 老衰の相……ですか?
老衰…………?? 」と不思議そうに首を傾げる主人公の台詞。
「 …………霄囹殿、その探し人は……どうしても会わねばならぬ相手なのですか? 」と占い師さんの台詞。
「 ──はい。
僕は “ 時渡りの妖怪 ” を探しています。
その相手は “ 時渡りの妖怪 ” の情報を持っているんです。
だから、どうしても会わなければいけないんです! 」と主人公の台詞。
「 時渡りの妖怪??
そんな妖怪が本当に居るのですか? 」と不思議そうに占い師さんの台詞。
「 …………それは僕にも分かりません。
だけど……少しでも可能性があるなら、僕は──探したい 」と表情を曇らせながら主人公の台詞。
「 霄囹殿、これを持っていてください。
愿縲に作らせた “ 御守り ” です。
1度だけですが、霄囹殿の身代わりとなってくれます。
元気な姿で帰って来てください 」と占い師さんの台詞。
「 有り難う御座います! 」と嬉しそうに主人公の台詞。
占い師さんから “ 御守り ” を貰えるなんて、思わなかった!
それに今回は主人公の心配までしてくれるなんて!!
これは “ 厚意 ” が “ 好意 ” に変わりつつあるって思って良いのかな??
占い師さんに見送られながら、主人公は獅東屋敷を出た。
「 いってらっしゃい、霄囹殿──。
貴方が無事に帰って来たら………… 」と妙に意味あり気な占い師さんの台詞。
占い師さんの台詞の続きが気になったけど、画面が切り替わった。
【 [ セーブしますか? ] 】って出るから、〔 する 〕を選んだ。
マオ
「 ──ちょっ、これは兆しかな!?
とうとう占い師さんとの性愛ルートに入れちゃう予兆が来ちゃった?! 」
マオキノ
「 マオ様、夕鶴が居ますエリ。
夕鶴が許しませんエリ 」
マオ
「 大丈夫だって!
美加と●●●●した時も夕鶴ちゃんの邪魔は入らなかったじゃないか!
占い師さんと●●●●だって出来るかも知れないだろ? 」
マオキノ
「 マオ様、セロ様に聞かれたらめちゃんこ拙い発言を連発してますエリ 」
マオ
「 はっ──!!
そうだった!
セロは未だ帰って来てないよな? 」
マオキノ
「 大丈夫ですエリ。
マオ様、そろそろ夕食の時間ですエリ 」
マオ
「 あっ、もうそんな時間なんだ?
切りも付いたし、先に食べようかな 」
オレは一旦、コントローラーをテーブルの上に置く。
電源はそのままにして、マオキノと一緒に1階の居間へ下りた。