⭕ 少年陰陽師★平安幻想異聞録 47
画面が切り替わって、翌日になった。
彩志さんと主人公は朝食の最中だ。
彩志さんは御機嫌だ。
主人公も御機嫌だ。
昨晩も思った以上に楽しめたのかも知れない。
「 春、昨晩の返事を聞かせてください。
紫陽花の姫君の元へ行ってくれますか? 」と真面目な顔をした彩志さんの台詞。
「 勿論、行きます。
父上からの頼みを断りはしません。
男の僕に紫陽花の姫君の憂いを晴らす事が出来るのか分かりませんけど、出来る限り尽力します 」と主人公の台詞。
「 恩に切ります、春。
紫陽花の姫君は、周囲の者からは “ おてんば姫 ” 呼ばれています。
幼い頃に誘拐され掛けた事もあり、男性不信を拗らせています。
春には女子の姿で紫陽花の姫君の屋敷へ行ってください 」と彩志さんの台詞。
「 女子の姿で会うんですね?
分かりました。
性別反転の術を使います 」と前向きな主人公の台詞。
「 少女となった春の為に着物を用意しています。
着替えは私が手伝います。
春の晴れ姿を見せてください 」と嬉しそうに彩志さんの台詞。
「 分かりました、父上。
女性の着物は着たこ事がないので、着付けは父上に任せます 」と満更でも無さそうに主人公の台詞。
マオ
「 未だ事情は分からないけど、“ 紫陽花の姫君 ” って呼ばれてる子が暮らしてる屋敷に行くのかな。
また少女の姿になるのか……。
然も、今度は女物の着物かよ…。
主人公も大変だな~~ 」
マオキノ
「 必要なイベントですエリ。
マオ様がクリア出来る様にボクも協力しますエリ 」
マオ
「 マオキノぉ~~!
頼りにしてるからな! 」
マオキノ
「 お任せくださいませエリ★ 」
朝食を終えた主人公は、彩志さんから女性用の着物が用意されている部屋へ案内された。
案内された部屋の中に入った主人公は彩志さんの前で性別反転の術を使う。
男子姿だった主人公の姿が、性別を反転させた事に依って女子姿に変わった。
主人公は彩志さんの手に依って、可憐な姫君へと変身したぁぁぁぁぁ!!
少年陰陽師の面影は何処にも無い。
まるで元から少女だったみたいだ。
彩志さん凄いな!!
何でも出来ちゃうんだな!
「 とても似合いますよ、春。
弓千嘉との子供を産んだら、私との子供も産んでくださいね。
きっと美人に育つでしょう 」と嬉しそうに彩志さんの台詞。
彩志さん……マジで養子の主人公に自分の子供を産ませる気なんだな……。
元気ぃ~~。
「 春、少女の時は “ 春麗 ” と名乗る様にしてください。
紫陽花の姫君の屋敷には、先に弓千嘉を向かわせています。
弓千嘉は陰陽師としてではなく、獅東家現当主代理として屋敷に滞在します。
御互いに知らぬ仲である事を肝に命じ、呉々も親しくしない様に気を付けてください 」と真剣な表情で彩志さんの台詞。
「 弓嘉とは話せないんですね…… 」と残念そうな主人公の台詞。
「 弓千嘉は紫陽花の姫君の父親の客人として屋敷に滞在します。
春は紫陽花の姫君の友人として屋敷に滞在します。
滞在中の部屋は離れています。
簡単に会う事は出来ません。
弓千嘉と顔を会わせる機会がある時も有るでしょう。
異性と会う時は扇子を広げて顔を隠す様に心掛けてください 」と彩志さんの台詞。
「 何故ですか? 」と首を傾げながら主人公の台詞。
「 鏡を見てみなさい。
春は可愛いのです。
大人の中には、未成年の子供に欲情する性癖を持つ者も居ます。
春は可愛いですから、目を付けられ易いと自覚をしてください 」と彩志さんの台詞。
マオ
「 彩志さん、もしかして自分の事を言ってたりするかな? 」
マオキノ
「 彩志は真っ当な大人ですエリ。
主人公以外の未成年には興味無いですエリ。
●●●●する異性は弓千嘉だけですエリ 」
マオ
「 えっ?
そうなの??
愿縲さんと●●●●する仲じゃないのか? 」
マオキノ
「 してませんエリ。
彩志と愿縲は清い友人関係ですエリ。
愿縲が●●●●する相手は主人公だけですエリ 」
マオ
「 そ、そうだったんだ…。
でもさ……未成年に手を出してる時点で “ 真っ当 ” ではないだろ~~ 」
マオキノ
「 些細な事ですエリ。
主人公の張ったクモの巣に掛かった犠牲者達ですエリ 」
マオ
「 嫌な言い方しないでくれよ…… 」
「 春、紫陽花の姫君の事、頼みましたよ 」と彩志さんの台詞。
「 はい、父上。
紫陽花の姫君の憂いを晴らしてみせます! 」と力強く返事をする主人公の台詞。
彩志さんが用意してくれた牛車に乗り込むと、牛車が動き出した。
紫陽花の姫君の屋敷を目指して出発だ!!
牛車に乗り込む前に、彩志さんから、紫陽花の姫君に渡す手紙と父親に渡す手紙を預かった。
あっ、手紙じゃなくて平安時代では文って言うんだっけ。
紫陽花の姫君に手渡す文は花弁が透けて見える和紙にくるまれているみたいだ。
マオ
「 彩志さん、香り袋だけじゃなくて、こういう和紙も作ってるんだな~~。
ところでさ、肝心の依頼内容って何なんだ?
何も詳しい説明がされてないんだけど? 」
マオキノ
「 紫陽花の姫君の憂いを晴らす事が目的ですエリ 」
マオ
「 “ 憂いを晴らせ ” って言われてもなぁ?
漠然的な内容じゃんか。
もっと具体的に分からないのか? 」
マオキノ
「 マオ様、それを言うと “ ネタバレ ” になっちゃいますエリ 」
マオ
「 散々ネタバレされてるってのに今更だよ。
気にしないから教えてくれよ。
クリアする為なら、ネタバレも大歓迎だからさ! 」
マオキノ
「 分かりましたエリ。
紫陽花の姫君の父親は妖怪に身体を乗っ取られてますエリ 」
マオ
「 へ?
父親が妖怪に身体を乗っ取られてる?? 」
マオキノ
「 はいですエリ。
紫陽花の姫君は幼少児、化け物の姿に変わった父親が母親を貪っている場面を見てしまいましたエリ 」
マオ
「 …………貪るって事は喰べてた訳か。
そりゃ……、ショッキングな光景だったろうな…。
じゃあ、紫陽花の姫君の屋敷には母親が居ないんだな… 」
マオキノ
「 居ますエリ。
父親の身体を乗っ取っている妖怪の仲間が母親の身体を乗っ取り、紫陽花の姫君の母親として暮らしてますエリ 」
マオ
「 マジかよ…。
じゃあ、紫陽花の姫君の憂い晴らす為には、化け物と化した父親と母親を退治しないといけないって事か…。
…………中々ハードなイベントじゃないか? 」
マオキノ
「 マオ様なら楽勝ですエリ。
父親の客人として弓千嘉も滞在してますエリ。
取り敢えず、父親は弓千嘉に任せれば良いですエリ。
マオ様は紫陽花の姫君と打ち解けて仲良くなってくださいませエリ。
隙を付いて母親の息の根を止めて退治しますエリ 」
マオ
「 お、おぅ… 」
マオキノ
「 式神を召喚するも良し、式隷した妖怪の総大将を召喚して攻撃させても良いですエリ 」
マオ
「 式隷した妖怪の総大将も戦わせる事が出来るのか 」
マオキノ
「 召喚獣の扱いですエリ。
名前を呼んで召喚すると1回だけ敵に攻撃してくれますエリ 」
マオ
「 へ、へぇ…。
妖怪の総大将達はパーティには加わってくれないんだ。
何はともあれ、先ずは母親を倒せば良いんだよな! 」
マオキノ
「 マオ様、もう直ぐ紫陽花の姫君の屋敷へ到着しますエリ 」
マオ
「 お、おぅ…… 」
牛車はとある立派な屋敷の前で止まった。
牛車は屋敷の中へは入らない。
牛車を引いてる牛が屋敷の中へ入る事を拒んでいるからだ。
牛──いや、動物は人間よりも敏感だか異様な気配を感じ取ってるのかも知れない。
ガクガクブルブルと震えているから、早く帰してあげよう。
主人公が牛車から降りると牛は物凄い早さで獅東屋敷へ向かって去って行った。
牛早っ!!
あんなに早く動けるなら普段からも早く歩いてほしいもんだ。
全くもう!
ステータス画面を出したら[ セーブ ]をする。
主人公を動かして、屋敷の中へ入ると、使用人みたいな人達に出迎えられた。
う~~ん、紫陽花の姫君の両親が妖怪に身体を乗っ取られているなら、使用人達も同じかも知れないよな…。
用心しないと。
画面の中の主人公が用心するかは分からないけどな~~。
使用人の女の人に案内されたのは離れにある立派な部屋だ。
池があって、上に橋が掛かっている。
雨が降っても橋を渡れるようにと上に立派な屋根まで付いている。
池の中で気持ち良さそうに泳いでいるのは錦鯉かな?
平安時代に錦鯉が存在していたかは知らないけど、やっぱり池には錦鯉が似合うと思う!
「 ──姫様、獅東彩志様の御屋敷から春麗様が来られました。
獅東春麗様、どうぞ御入りくださいませ 」と使用人の台詞。
主人公は招かれた部屋の中へ入る前に、紫陽花の姫君の父親に渡す様に言われた文を使用人に届けてもらう事にしたみたいだ。
使用人は主人公から文を受け取るとペコリと頭を下げて、離れて行った。
部屋の中へ入ると少女が退屈そうに座っている。
う~~ん……見覚えがある顔だ。
誰だろう??
「 貴女が獅東彩志様の紹介で来た、獅東春麗なのね!
歳は幾つなの? 」と紫陽花の姫君の台詞。
「 初めまして、紫陽花の姫君。
私の事は “ 春麗 ” と御呼びください。
歳は14です 」と主人公の台詞。
「 そうなの?
アタシよりもお姉さんなのね!
アタシの事は “ 美加 ” って呼んでほしいわ。
“ 紫陽花の姫君 ” なんて柄じゃないのよね!
アタシの事を “ 紫陽花の姫君 ” って言ったら、顔に墨を塗るわよ!
良いわね、春麗? 」と美加の台詞。
「 分かりました。
その様に致します。
今日から暫く御世話になります、美加様 」と主人公の台詞。
「 春麗は彩志様の紹介で来てくれたのよね?
彩志様から何か聞いてるの? 」と美加の台詞。
そうか!
“ 美加 ” で分かった!
天女のミカトさんだ!
ミカト
そう言えば全然出て来
立派な屋敷で暮らしてる姫様として登場するとは思いもしなかったな。
「 美
どの様
「 そうなのね…。
アタシの憂
アタシの話
「 そうでしたか。
彩
お読みください 」と主人公
懐
美
文
プレイヤーにも文
マオ
「 主人公
珍しい女の陰陽師って事になってるのか。
陰陽師のままなら、堂
マオキノ、使用人達も妖怪に乗っ取られてるのか? 」
マオキノ
「 マオ様、女
貴族に仕える女官ですエリ。
雑務をこ
マオ
「 水
マオキノ
「 衣装が違いますエリ。
女
主人公の出迎えをしたのも美
主人公が水
マオ
「 そうなんだ?
女
マオキノ
「 ザコは放っといて構いませんエリ。
父親と母親を退治すれば勝手に散りますエリ 」
マオ
「 そういうもんなのか? 」
「 彩
陰陽師……陰陽師は異性だけだと思っていたわ。
同性の陰陽師も居
確
心
「 美
「 そうね……。
子供の私には何
陰陽師の春
主人公
衝撃的過ぎるショッキングな光景を目撃してしまった日から、ずっと胸に秘めたまま1人で耐え忍んで来
こんな小さくて、か弱い女の子がだよ、誰が味方なのか──、誰を信用して良
何
この生活から一刻でも早く解放してあげたい。
「 ………………春
「 勿論です。
私は美
陰陽師は化
人間に危害を加える化
美
「 …………私の好きだった母上は父上に襲われ、死にました。
母上は私の好きだった母上ではないの。
父上だって……私の好きだった父上ではないわ…。
私の好きだった母上と父上は…………何
構わないわ!!
退治する事が出来るなら退治して! 」と両目から涙を流しながら美
「 分かりました。
屋敷内の様子を探
退治する機会も探
それ迄は今まで通
( 父上は “ 弓
式隷に文
弓
マオ
「 式神を使うんだ。
陰陽師らしい展開だな!
何
画面の中で主人公
布
どうやら主人公
小さな正方形の紙は、主人公
玄
マオ
「 鳥とか鼠は分かるけどさ、蜘蛛とか●キ●リって──。
美
マオキノ
「 神出鬼没で何
人間ならば、害獣,害虫に反応して退治しようとしますエリ。
これで女
マオ
「 あ、そっか。
人間なら驚いて悲鳴を上げて大騒ぎするもんな!
依
「( 美
まぁ、当然だよな。
今の内に弓
式神を生
主人公
文
マオ
「 うわぁ~~。
式隷って文
マオキノ
「 式隷は雑用をさせるのに便利ですエリ 」
マオ
「 ははは……。
妖怪を式隷してる雑用させれるなんて事、弓
でもさ、文
マオキノ
「 大丈夫ですエリ。
これはゲームですエリ。
其
マオ
「 そだな。
ゲームは主人公に対して御都合主義に出来てるもんだしな? 」
ゲームだから展開が早く動く。
夕
美
父親の客人として滞在している人達も同席するらしい。
夕
食事の時
それはそれで食べにくそうだな…。
庭で美
夕
──で、夕
大広間では既に配膳は済んでいて、美
美
夕
大広間だからなのか、女
楽しい夕
マオ
「 う~~ん…。
初日って事もあるし、今夜は何
弓
マオキノ
「 マオ様、油断は禁物ですエリ 」
マオ
「 どゆことだよ? 」
マオキノと話してる間
振る舞われた酒が美
中には千鳥足の客人も居
弓
弓
マオ
「 何
大人達には酒が振る舞われただけだし。
舞子さんでも居
大広間を出て、美
オレは勿論〔 する 〕を選ぶ。
どうやら何
起きても困るんだけどなぁ~~。
美
チュンチュン……と雀
どうやら朝を迎えたみたいだ。
◎ 訂正しました。
離れていった。─→ 離れて行った。
化