✒ 少年陰陽師★平安幻想異聞録 45
弓弦
「 ──マオ、終わったぞ 」
弓弦さんが天狗の総大将との対局に勝ったみたいだ。
マオキノと話している間に決着が付くなんて、相変わらず早い。
マオ
「 弓弦さん、有り難う!
今回も早かったね! 」
弓弦
「 そうだな。
牛鬼の総大将より弱かったな 」
マオ
「 そうなんだ… 」
マオキノ
「 マオ様、おめでとう御座いますエリ。
主人公が天狗の総大将の名前を奪って式隷に出来ましたエリ 」
マオ
「 お、おぅ…… 」
天狗の総大将を無事に式隷に出来た主人公は性別反転の術を解く。
ヒモパンとヒモブラと黒い翼は性別反転の術が解かれると同時に消えた。
主人公は陰陽師の狩り衣を着ていて、烏帽子も被っている。
囲碁勝負に勝ったのが天狗じゃなくて、人間の陰陽師だと知った天狗の総大将は愕然としている。
“ 時渡りの妖怪 ” の情報を天狗の総大将に尋ねているだけなのに主人公が悪役に見えるぅ~~。
天狗の総大将は屈辱的な顔をして主人公を睨んでいる。
マオ
「 主人公はさ、ハーレムを手に入れた事になるんだよな? 」
マオキノ
「 はいですエリ。
天狗の総大将を式隷にした事で、何時でも自由に転移陣で来れますエリ。
男に飽きたら此処でハーレムを楽しめますエリ 」
マオ
「 ………………うん。
セロにバレたら確実にデータを消されちゃうな 」
弓弦
「 マオ、この後はどうするんだ? 」
マオ
「 あ~~うん、取り敢えず天狗の住処を〔 探索 〕〔 物色 〕〔 拝借 〕しようと思う。
此処には来ないと思うし 」
弓弦
「 そうか 」
という訳で、オレは主人公を動かして、天狗の住処を隅々まで〔 探索 〕をして〔 物色 〕〔 拝借 〕をした。
〔 物色 〕で見付けたのは、ヒモブラとヒモパンのセットだ。
消えないヤツ。
使い道が分からないし、要らないけど一応〔 拝借 〕しといた。
後──、宝物庫の中には金銀財宝が詰まっていた。
生憎と金銭には困ってないから手を付けないでおく。
まるで隠し財産を持ってるみたいでドキドキする!
溜め込まれていた煌びやかな財宝にも驚いたけど、オレが1番驚いたのは── “ いけない大人の玩具セット ” なる最終兵器並みにヤバい物だ。
何だよ!
“ いけない大人の玩具セット ” って!!
モザイクで隠さないと見せられない様な危険物が木箱の中に入っていたんだ。
明らかに時代が違うだろぉ!!
然も、何れもバッチリ使用済みだった。
“ いけない大人の玩具セット ” なんて、一体全体どうしろってうんだよ??
高価かな貢ぎ物をしてくれる彩志さんにプレゼントフォー・ユーすれば良いのか??
使用済みの “ いけない大人の玩具セット ” をか??
…………いや、駄目だ!
彩志さんには渡せない!!
封印だ!
“ いけない大人の玩具セット ” は封印するんだ!
アイテム欄の中で永遠に封印決定!!
マオキノ
「 マオ様、天狗の羽根をMAXまで入手してくださいませエリ 」
マオ
「 天狗の羽根?
何処かに有るのか? 」
マオキノ
「 天狗の羽根は天狗の翼から毟り取りますエリ 」
マオ
「 む…毟り取る!?
エグいな…… 」
マオキノ
「 天狗の羽根は抜けても直ぐに生え変わりますエリ。
天狗の総大将から羽根を毟り取ってから帰りましょうエリ 」
マオ
「 お、おぅ…… 」
マオキノは残酷な事を可愛い顔と可愛い声で平然と言ってくれる。
薄毛を気にしてるオッサンの少ない髪を掴んで容赦なく引く抜いてハゲ頭にするぐらい残酷な仕打ちじゃないかな??
完全に罰ゲームだろ!
とか思いつつも、オレは主人公を動かして天狗の総大将が居る部屋へ移動させた。
マオ
「 これはゲームだから……。
ゲームだから!
ゲームなんだからぁぁぁぁぁ!!!! 」
画面には【 翼を毟りますか? 】のアイコンの下に〔 喜んで 〕〔 いいえ 〕の2択が出ている。
オレが〔 喜んで 〕を選択したから、主人公は天狗の総大将の翼を毟っては、漆黒の羽根を入手している。
どうやら天狗の総大将の漆黒の羽根は妖魔王に会う為に必要となるアイテムらしい。
それにしてもMAXまで必要って……。
天狗の総大将から必要な分だけ漆黒の羽根をゲットした主人公は転移陣を発動させて、天狗の住処から出た。
マオ
「 そう言えば依頼を解決させないといけなかったんだよな。
どうしよう……忘れてた…。
マオキノぉ~~~~、どうしたら良いんだ?! 」
マオキノ
「 安心してくださいませエリ。
主人公は既に物を持ってますエリ 」
マオ
「 物って何をだよ? 」
マオキノ
「 天狗の住処を〔 物色 〕して入手済みですエリ 」
マオ
「 もしかして── “ いけない大人の玩具セット ” だったりするのか? 」
マオキノ
「 違いますエリ。
ヒモパンとヒモブラですエリ 」
マオ
「 えっ?
ヒモパンとヒモブラで良いのか?? 」
マオキノ
「 天狗が身に付けているヒモパン,ヒモブラは本来、天狗が死なないと入手の出来ない稀少なアイテムですエリ。
“ 山に住まう天狗を退治した ” と言っても信じてもらえますエリ。
それだけ信憑性の高いアイテムですエリ 」
マオ
「 マジかよ……。
ヒモパン,ヒモブラって凄いな! 」
マオキノ
「 天狗のヒモパン,ヒモブラは非消耗品ですエリ。
退魔仲介所で見せるだけで大丈夫ですエリ 」
マオ
「 そうなんだ?
渡さなくて良いんだな~~ 」
はっ──?!
何でオレ──、ホッとして喜んでるんだ?!
オレは別にヒモパンもヒモブラも惜しくないのにぃ!!
天狗の住処を出てからも色々なイベントが起きたりして面倒だったけど、何とか無事に≪ 平安京 ≫に戻る事が出来た。
《 東地区 》の退魔仲介所に寄ったら、手続きを済ませる。
依頼を解決させた証拠として、天狗のヒモパン,ヒモブラを見せた。
退魔仲介所の受付人は、主人公が天狗を倒して依頼を解決させた事を疑う事なく信じてくれた。
天狗を倒してないのに、倒したって虚偽の申告するなんて、まるで詐欺師だよ……。
マオキノ
「 マオ様、浮かない顔してますエリ 」
マオ
「 いや、だってさ……虚偽の申告をするなんて思ってなかったから… 」
マオキノ
「 天狗の総大将は主人公の式隷になりましたエリ。
主人公が定期的に人間の男を与えれば、天狗は男を拐ったりしませんエリ 」
マオ
「 定期的に?? 」
マオキノ
「 はいですエリ。
主人公が直々に天狗の総大将の相手をしても良いですエリ 」
マオ
「 …………男を調達して天狗の総大将に渡すよ…。
因みにさ、天狗の総大将の種馬になった男って、どうなるんだ?
やっぱり天狗に喰われたりするのか? 」
マオキノ
「 最後の1滴まで●●を搾り取られますエリ。
骨と皮だけになって死んじゃいますエリ 」
マオ
「 骨と皮…… 」
おぃおぃ、ヤバいじゃんかよ!
絶対に天狗の総大将とは●●●●したら駄目じゃんかよ!!
弓弦
「 妖怪が相手だと人間相手の様にはいかなか…。
悪者を捕まえて連れて行けば良心も痛まないのではないか? 」
マオ
「 あっ、そだね!
小綺麗にして、御馳走をたっぷり食べさせた浮浪者でも良いよね? 」
マオキノ
「 屋敷を買って、式神に浮浪者の世話をさせると良いですエリ。
眠っている間に天狗の住処へ連れて行けば、総大将も喜びますエリ 」
マオ
「 そだな。
退魔仲介所で手続きも終わったし──、獅東屋敷に戻るとするかな? 」
マオキノ
「 マオ様、屋敷に入る前に〔 セーブ 〕してくださいませエリ。
獅東彩志と会うと次のイベントが発生しますエリ 」
マオ
「 マジかよ……。
イベント発生率が高過ぎないか? 」
マオキノ
「 ハードモードはイベントが多く用意されてますエリ 」
マオ
「 はぁ~~……。
取り敢えず、〔 セーブ 〕だな? 」
オレは主人公を動かして、獅東屋敷の前に戻った。
次のイベントが発生する前にステータス画面を出して〔 セーブ 〕を済ませた。
マオ
「 〔 セーブ 〕も出来たし、少し休むかな? 」
弓弦
「 キリが良かったな。
丁度、夕食の時間じゃないか 」
マオ
「 あっ、本当だ!
もう18時を過ぎてる! 」
マオキノ
「 1階に下りますエリ? 」
マオ
「 そうだな。
続きは夕飯を食べた後にするよ。
弓弦さんも一緒に食べるよね? 」
弓弦
「 そうだな。
久し振りにキノコン料理を食べたいな 」
という訳で──、オレは一旦ゲームを中断する事にした。
弓弦さん,マオキノと一緒に1階の居間へ下りた。