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☀「 セロ 」もしも、玄武,弓弦,霄囹が裏野ハイツで暮らしたら……。  作者: 雪*苺
一月一三日 【 おまけ 2 / 13日の金曜日 】
109/434

⭕ 犬を飼いたい 1


──*──*──*── 東京都米●市米●町米●横丁


──*──*──*── 犯罪都市・米●町


──*──*──*── 裏野ハイツ


──*──*──*── 102号室


──*──*──*── 居間


マオ

「 わぁ~~、いなぁ!

  大きくてモフモフのグレートピレニーズかぁ~~。

  背中に乗れそうじゃん?

  セロぉ~~、グレートピレニーズ欲しい!

  飼ってみたい! 」


 TVテレビ画面に映っている番組は、ペット大好きな飼い主が自慢のペットを紹介したり、感動的なはなしを再現ドラマで紹介するバラエティ番組だ。

 この番組のあとに、シュンシュンが出演するオカルト関連の生放送番組がある。

 シュンシュンから「 忘れずに録画しとけよ! 」って催促の電話がマオキノにあって、律儀に予約録画がされている。


 現役陰陽師のシュンシュンはホラー関連の番組だけじゃなくて、オカルト関連の番組にも人気らしい。

 今回は番組のEDエンディングに陰陽師アイドルとして、キノコンをバックダンサーにして新曲を御披露目する事になってるらしい。

 歌番組じゃなくても歌うんだな~~。

 陰陽師アイドルとして番組に出演するらしから、今回は膝小僧がガッツリ見える半ズボンを穿いた姿でTVテレビに映るらしい。


 取り敢えず、シュンシュンの事は横に置いとくとして──、オレが「 グレートピレニーズを飼いたい! 」って、セロに言ったらマオキノとセノコンが食器を落としてらかした。

 マオキノとセノコンが食器を落としてるなんて珍しい事もあるもんだ。

 オレには食器の価値なんて分からないけど、れもウンじゅうまんはする高級な食器ばかりの筈だ。


 高級な食器をるという失態を犯したマオキノとセノコンに対して、セロは怒らない。

 暢気に紅茶を飲んでいる。


セロフィート

「 ──マオ、セノコンとマオキノを動揺させるような事を言わないでください 」


マオ

なんでオレぇ!?

  オレは食器をってないけど! 」


セロフィート

「 セノコンとマオキノが食器をような原因を作ったのはマオの心無い一言ですし 」


マオ

「 オレは “ 犬を飼いたい ” って言っただけじゃんかよ 」


セロフィート

「 マオ──、セノコンとマオキノを悲しませないでください 」


マオ

「 悲しませるって── 」


 一寸ちょっとだけ不貞腐れた感じで「 なんでだよ 」ってセロに悪態をいてからマオキノとセノコンに目を向けると、2体のキノコンはつぶらな瞳を潤ませながらオレを見詰めていた。

 今にも大量の涙が溢れそうなんだけどぉ?!


セロフィート

「 セノコン,マオキノ──、怪我はしてませんね? 」


マオ

「 ──セロがマオキノとセノコンを気遣った?!

  優しい言葉を掛けるなんて!! 」


セロフィート

なんです、マオ。

  ワタシがセノコンとマオキノを気に掛けてはいけません? 」


マオ

「 だって──、あのセロが!

  あの…あの……あの──セロがぁ!! 」


セロフィート

「 強調し過ぎです。

  心外です… 」


マオ

「 しょうがないだろぉ!! 」


セノコン

「 セロ様ぁ~~!!

  セロ様がボク達の心配をしてくれましたエリ~~~~ 」


マオキノ

「 セロ様ぁ~~!!

  嬉しいですエリぃ~~~~!!

  セロ様に食べられても本望ですエリぃ~~~~!! 」


 セノコンとマオキノは大量の涙を流しながら、嬉しそうにセロの足に抱き付いた。

 セロに心配されて嬉しい気持ちは分かるけど、いくなんでも感激し過ぎだろぉ~~。


セロフィート

「 大袈裟ですね。

  泣く程の事ですか 」


セノコン

「 泣かずにいられませんエリぃ~~ 」


マオキノ

「 幸せですエリぃ~~ 」


 マオキノとセノコンは左右からセロの足に抱き付いて「 エリエリ 」言いながらほおりしている。

 なんか発情中の猫とか犬みたいだ……。

 えつった表情でセロに甘えてるマオキノとセノコンが一寸ちょっと怖いや…。


 セロは両足に抱き付いているマオキノとセノコンを気にしてないみたいだ。

 マオキノとセノコンがってしまった食器はにやらもとどおりになっている。


セロフィート

「 今回のような事が起こらないよう、食器にはコーティング魔法マジックを掛けました。

  これからは食器を落としてもれません 」


マオ

「 次からは安心だな!

  初めからコーティング魔法マジックしてればかったな~~ 」


セロフィート

「 マオ、くれ(ぐれ)も変な事を言わないようこころけてください 」


マオ

「 変な事なんて言ってないだろ!

  犬を飼ったら駄目なのかよ? 」


セロフィート

「 マオ──、言葉を慎んでください 」


マオキノ

「 マオ様ぁ~~~~。

  ボク達の可愛さに飽きちゃいましたエリ? 」


セノコン

「 ボク達に不満でも有りますエリ!? 」


マオ

「 不満なんてないよ!

  マオキノとセノコンは可愛いよ! 」


マオキノ

「 ボク達の可愛さに癒されませんエリ? 」


セノコン

「 モフモフじゃないから癒されなくなりましたエリ? 」


マオ

「 モフモフしてなくても可愛いし、癒されるよ! 」


マオキノ

「 ボク達はペット以下ですエリぃ!?

  ペットなんて必要ないですエリぃ!! 」


セノコン

「 ペットを飼うなんて断固反対ですエリ!

  断固阻止しますエリ!! 」


マオキノ

「 セロ様ぁ~~ 」


セノコン

「 ペットにボク達のポジションが奪われちゃいますエリぃ~~ 」


セロフィート

「 お前達──、取り乱し過ぎです 」


マオ

「 マオキノとセノコンはペット以下じゃないよ。

  マオキノとセノコンは御世話係りだろ!

  ペットは愛玩対象の動物だから…… 」


マオキノ

「 ボク達は愛玩対象からはずされちゃいますエリ? 」


セノコン

「 セロ様ぁ~~!

  ペットに愛玩ポジションを奪われちゃいますエリ~~~~ 」


セロフィート

「 マオ、ペットは生き物です。

  人間に飼い慣らされた動物は、人間に依存しなければ生きていけません。

  四六時中ペットに気をくばり、世話をしなければいけません。

  いのちを預かるのです。

  責任を持ち、ペットが天寿をまっとうするまで御世話が出来ます?

  なにごとも自分優先に物事を進める事が出来なくなります。

  ペットを飼い、育てる以上、途中で飽きて放置したり捨てたりは出来ません。

  介護も必要になります。

  マオに出来ます? 」


マオキノ

「 ボク達は一切関与しませんエリぃ!! 」


セノコン

「 御世話の御手伝いはしませんエリぃ!! 」


セロフィート

「 可愛いから欲しいからと安易な理由で手軽に飼ってはいけません。

  ペットに迎える動物に対して失礼です 」


マオ

「 ………………セロも反対なんだ…。

  オレには “ 出来ない ” って決め付けて反対するなんてひどいじゃんかよぉ!! 」


セロフィート

「 無責任な人間に飼われるペットの方が不幸でしょうに 」


マオ

「 …………………オレは無責任じゃないだろぉ!!

  セロよりは無責任じゃないって自信は有るぞ! 」


セロフィート

「 ワタシのが無責任だと言います? 」


マオ

「 セロはオレより放任主義者だろ~~ 」


セロフィート

ひどいです、マオ── 」


マオ

「 思ってないだろが!

  じゃあさ、〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉みないなのでいよ。

  鯉とか馬とかにわとりとか有るじゃんか!

  〈 (原質)(みなもと) 〉を原動力にして動くヤツ!

  あれなら四六時中、世話する必要はないだろ? 」


セノコン

「 マオ様──、安定の最低さですエリ 」


マオキノ

「 マオ様にペットを飼う資格なんて初めから無かったエリ 」


マオ

ひどい言われようなんだけど!? 」


セロフィート

たしかに〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉を使えば世話をする必要は無いです。

  いでしょう。

  ただし、〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉の動物はなつきません。

  それでもいです? 」


マオ

なついてくれないのかよ…。

  一緒に遊んだりとか出来ないのか? 」


セロフィート

「 マオ、〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉は生き物では無いです。

  意思の無い動く玩具おもちゃだと思ってください。

  さわっても噛み付いたりはしません 」


マオ

「 分かったよ……。

  この際、贅沢は言わないよ 」


セロフィート

「 宜しい。

  では用意するとしましょう。

  セノコン,マオキノもいですね? 」


セノコン

「 はいですエリ。

  犬の形をした〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉なら大丈夫ですエリ 」


マオキノ

「 ボクも構いませんエリ 」


セロフィート

「 マオ、なんたい欲しいです? 」


マオ

「 えと……成犬を2体と子犬を2体かな?

  1階と2階に1体ずつ欲しい 」


セロフィート

「 はいはい。

  4体ですね 」


 そう言ったセロは、古代エンシェント魔法マジックを発動させる。

 リビングに成犬型のグレートピレニーズと子犬型のグレートピレニーズの〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉が現れた。

 本物みたいにフサフサでモフモフしている。

 人形だなんて思えないほどにグレートピレニーズだ。


マオ

「 凄い……。

  TVテレビで見たのと同じだ!

  成犬ってほんにデカいや! 」


 グレートピレニーズの〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉の2体が階段へ向かい、2階の部屋へ上がって行く。

 1階に残った成犬型と子犬型のグレートピレニーズは自由に動き回り始めた。

 オレ達の事を認識しているんだろう、ちゃんとように部屋の中を歩いたり座ったりしている。


セロフィート

「 どうです、マオ。

  これで満足してください 」


マオ

「 う、うん……。

  分かったよ 」


 オレはグレートピレニーズの子犬型を抱っこしてみる。

 こんな小さくて可愛い子犬が、大きくなるなんて信じられないや。

 ほんものみたいに温かくて柔らかい。

 まるで生きてるみたいだけど、心臓のおとはしない。

 鼻をさわると鳴くみたいだ。


 本物じゃないけど、本物に負けないくらい可愛い!

 〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉だから成長しないし、飲食しないし、散歩させる必要も無いし、排泄もしない。

 なついてくれないのは寂しいけど、贅沢は言えないよな。

 ラクだし──。

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