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⭕ 弓弦の浮気 1

◎ 今回のサブタイトルは “ 仮 ” です。

  内容に合わせて変更する可能性があります。


──*──*──*── 1月9日


──*──*──*── 碁会所


 私はげんじのづると言う。

 今は10歳の子供──小学4年生の姿でプロ棋士としてげんともに囲碁業界でに活躍している。

 史上最年少の本因坊となった私は、休日,祝日は囲碁関連の対局やイベントで多忙を極めている。


 本因坊ともなると、げん以上にハードなスケジュールをならず、大変ではある。

 平日は大人の姿で自由に過ごせるし、行動にも制限をされない事もあり、十分に息抜きは出来ている。

 今日きょうは平日だから、大人の姿でひさ(びさ)に碁会所へていた。


 去年の12月29日の夕方にか女装した姿のマオと、陰陽術で性別を変えたしょうれいが宿泊ホテルにわざ(わざ)訪ねててくれた。

 正月かで多忙だった事もあり、大晦日おおみそかちょうしょく迄しか話す事は出来ず、翌日の正月(1月1日)の午前の対局が終わってから、裏野ハイツへ帰るとマネージャーのスマホ(スマートフォン)に連絡が入ったと聞いた。

 3人で観光を楽しめなかったのが残念でならない。


 冬休みも終わった事だし、裏野ハイツへ帰ろうと思ったが、マネージャーの提案で久し振りに碁会所巡りをしながら帰る事になった。

 どの碁会所へ立ち寄ってもしょうれいうつるポスターを見掛ける。

 セロカ君とキノコンのがらが印刷された色紙は額に入れられて飾られている。

 色紙にはしょうれいのサインが書かれている。


 碁会所にかよう常連客達からはなしを聞いてみると、どうやらしょうれいスマホ(スマートフォン)で遊べる【 少年陰陽師★平安幻想異聞録 ~ 碁会所 ~ 】の宣伝にていたようだ。

 相変わらずしょうれいも陰陽師アイドルの仕事が多忙みたいだ。

 しょうれいが配っていたチラシから【 少年陰陽師★平安幻想異聞録 ~ 碁会所 ~ 】のキューアールコードとやらから《 セロッタ商会 》の公式ホームページサイトへ入ると【 少年陰陽師★平安幻想異聞録 ~ 碁会所 ~ 】を無料ダウンロードとやらが出来るらしい。

 セロカ会員が【 少年陰陽師★平安幻想異聞録 ~ 碁会所 ~ 】を無料ダウンロードすると特典として、対局者リストにセロカ君,キノコン,プロ棋士・げんじのげん,本因坊・げんじのづるが加わわり、囲碁の対局が出来るそうだ。


 【 少年陰陽師★平安幻想異聞録 ~ 碁会所 ~ 】では、げん,キノコン,自分とも打てるのだろう。

 【 少年陰陽師★平安幻想異聞録 ~ 碁会所 ~ 】でもセロフィート,マオとは打てないのが残念だ。

 碁会所の常連から聞いたが、プレイヤーは陰陽師・しゅんしょうしょうれいの弟子として自分の分身をカスタマイズして作る事が出来るらしい。


 棋力が未定のプレイヤーは、陰陽師の師匠であるしょうれいと対局する事で、棋力が決定するようだ。

 棋力が決定すると、(しょう)(れい)だけでなく、自分と同等の棋力を持った人物達の顔が明かされるようになる。

 黒く塗りつぶされていた対局者の顔が見えるようになり、対局者リストに追加されるらしい。

 でも選択が出来、好きなだけ対局が出来るようになるらしい。

 

 自分より強い人物と対局する為には、1対1の勝ち抜き対局で白星を取り、自分の棋力を上げる必要があるそうだ。

 なか(なか)面白そうではある。

 棋力が上がり、師範級に昇格すると多面打ち,指導碁,1色碁…など(など)囲碁の種類がつぎ(つぎ)に解禁されるようだ。


 【 少年陰陽師★平安幻想異聞録 ~ 碁会所 ~ 】で1番強い棋士は、妖魔王と呼ばれている妖怪達を束ねる王で、10本の尾を生やした白妖狐の人獣族らしい。

 本編の【 少年陰陽師★平安幻想異聞録 】の内容を知らない私にはだが、キノコン,プロ棋士・げんじのげん,本因坊・げんじのづるよりも強いらしい。

 もしかしたら、セロ並みに強いのかも知れないな。


 会員特典で対局者リストに追加されたセロカ君,キノコン,プロ棋士・げんじのげん,本因坊・げんじのづるとはでも好きなだけ対局が出来るらしく、プレイヤーの棋力を鍛える相手として不足はないようだ。


 常連客から貰えたチラシを丁寧に折り曲げて、ポケットにれた。

 私はスマホ(スマートフォン)とやらを持っていないから、マネージャーに頼んでみようかと思う。

 最近はセロフィート,げん,キノコン,マオ,しょうれいと打てないからだ。

 

一寸ちょっと、お兄さん!

  お兄さんも囲碁を打ちにたんでしょ?

  かったら、アタシと打ってくれない? 」


厳蒔弓弦

「 うん?

  あぁ──、構わない。

  彼処あそこいているな 」


がとね!

  あっ、自己紹介するね。

  アタシはささあさひって言うの。

  みんなには “ あさひ ” って呼ばれてるから、貴方もアタシの事は “ あさひ ” って呼んでね! 」


厳蒔弓弦

「 そうか──、分かった。

  宜しくな、あさひ

  私の名前は、げん──げん…………ない…。

  げんないつるとでも呼んでくれ… 」


篠井旭菜

げんないつる??

  へぇ…… “ ゆづる ” って読まないんだ? 」


厳蒔弓弦:愿迺弓弦

「 あぁ…そうなんだ。

  最年少の本因坊が現れてからは、“ ゆづる ” と間違えられるようになったんだが──、“ ゆつる ” と読んでくれ… 」


 流石に大人の姿で “ げんじのづる ” と名乗るのはまずいだろうな。

 同性同名がないとも言い切れないが、変に疑われても困るからな……。


篠井旭菜

「 あ~~と、じゃあ、アタシは “ げんないさん ” って呼ぶね!

  言い間違えちゃいそうだし! 」


 私は碁会所内で出会ったささあさひと名乗る少女と対局する事になった。






篠井旭菜

「 どっちが握る? 」


厳蒔弓弦:愿迺弓弦

あさひが先行で構わない 」


篠井旭菜

「 えっ?

  アタシが黒石でいの? 」


厳蒔弓弦:愿迺弓弦

「 あぁ……私は白石が好きなんだ 」


 セロはも白石を使い、打っていた。

 黒石を使い打っていたときもあったにはあったが──、投了じかのマオと黒白を交代したときぐらいか。

 投了せざるを得ない黒石がセロの手により、見事に形勢逆転し、白石に変わったマオにと勝ってしまった。

 セロは棋士ではないが、凄い……。

 げんにすら勝てない私にはセロは遠過ぎる高みだ…。


篠井旭菜菜

「 ふぅん?

  なんか──げんないさんって、白石に恋してるみたいね? 」 


厳蒔弓弦:愿迺弓弦

「 うん?

  白石に恋?? 」


篠井旭菜

「 あれ、自覚ないの?

  白石に向ける眼差しが熱いから~~。

  本因坊づるも白石をこのんで使ってるじゃない?

  普通は先手の黒石を使いたがるのにね~~ 」


厳蒔弓弦:愿迺弓弦

「 そ……そうなのか? 」


篠井旭菜

「 まぁ、本因坊づるは黒石でも強いけどね!

  だ小学4年生だってのに凄い棋力よね~~。

  今年の4月には5年生になるでしょ。

  きっと1番忙しい小学生なんじゃないかしら?

  平日は学校で学業に励んで、土日,祝日は囲碁の対局をあちこちでしないといけないんだもの。

  囲碁きには羨ましい囲碁三昧よね~~ 」


厳蒔弓弦:愿迺弓弦

「 ははは……。

  たしかに1番忙しい小学生かも知れないな? 」


 そうか……。

 世間では、そんなふうに思われているのか…。

 学業と囲碁の草鞋わらじか──。


篠井旭菜

「 お願いします 」


厳蒔弓弦:愿迺弓弦

「 お願いします 」


 御互いに対局者へ頭を下げる。

 丁寧な礼は欠かせない儀式のようだな。

 師匠と打っていたときには互いに “ 礼 ” なんてしないで打っていたからな……、打つ前に “ 礼 ” をするものだと知ったときは顔から火が出るほどに恥ずかしい思いをしたものだ(////)






 パチ…パチ…………パチ…パチ………………パチ…パチ──、と私が白石を打つたびあさひは手をめ、考えながら黒石を打つ。

 一子ずつ慎重に丁寧に打っている。

 マオとは大違いだな。

 マオもく考え込んでから打つが、丁寧には打たないからな。

 マオは碁石の持ち方も雑だが、碁石の置き方も雑だった。

 まぁ……なんともマオらしいというか──(////)

 あれからだいぶん経っているし、改善されているだろうか……。


篠井菜旭

「 ……………………だ……ない…… 」


厳蒔弓弦:愿迺弓弦

あさひ、どうした? 」


篠井菜旭

「 投了する…………。

  ──げんないさんって強いのね 」


厳蒔弓弦:愿迺弓弦

「 ──すまない!

  考え事をしていた……。

  手加減するのを忘れてしまったな… 」


篠井旭菜

「 考え事?

  アタシと打ってるのに、ほかごとを考えてたの?

  それで手加減するのを忘れた??

  ──げんないさんって見掛けに依らず随分と失礼な人なのね?

  初対面のアタシの棋力も知らないのに手加減する気でいたの? 」


厳蒔弓弦:愿迺弓弦

「 ……………………すまない…。

  3で大体の棋力が分かってしまうんだ。

  だから、相手の棋力に合わせてを加減をするようこころけていてな… 」


篠井旭菜

「 3で相手の棋力が分かる?? 」


厳蒔弓弦:愿迺弓弦

「 あ……いや、正確には分からないが、大体の予想が付いてしまうだけでな?

  私の知り合いは2や1で相手の棋力を把握してしまえるんだ。

  私はまだ(まだ)未熟者だし…… 」


篠井旭菜

「 貴方ほどの人が未熟者だったら、プロ棋士は未熟者以下って事になるんじゃないの?

  実力があるのにけんそんし過ぎるといやですよ! 」


厳蒔弓弦:愿迺弓弦

「 そ、そうなのか…。

  気を悪くさせてしまったようだな…。

  私が悪かった 」


篠井旭菜

「 …………げんないさんって、意外と世間知らずな人だったりするの? 」


厳蒔弓弦:愿迺弓弦

「 うん?

  世間知らずか?

  …………うとい部分はあると思うが、世間知らずではないと思っている。

  必要がなければ、わざ(わざ)自分から誰かと関わろうとは思わないが…… 」


篠井旭菜

「 ふ~~ん?

  げんないさんって、人見知りなの?

  それともにんと関わるのがきらいな人? 」


厳蒔弓弦:愿迺弓弦

「 どうだろうな?

  人と関わる事をいやとは思わないが。

  私の知り合いには変わり者が多いからな……。

  少からずは関係しているかも知れないか 」


篠井旭菜

「 変わり者?? 」


厳蒔弓弦:愿迺弓弦

「 あぁ……まぁ……いて言うなら私より囲碁が強い──とかな。

  1度も勝てない相手が4人る 」


 4人ではなく、本来は3人と1体だな。

 セロ,キノコン,げん,師匠だ。

 いや──、今の私ならば師匠には勝てるかも知れないな。


篠井旭菜

「 ふ~~ん?

  げんないさんより強い人ねぇ。

  ねぇ、それってれぐらい強いの?

  げんないさんの師匠みたいな人?? 」


厳蒔弓弦:愿迺弓弦

「 囲碁の師匠は別にるが──、セロは囲碁友だな 」


篠井旭菜

「 囲碁友? 」


厳蒔弓弦:愿迺弓弦

「 あぁ。

  セロは囲碁を知らなかったから、私が囲碁を教えたんだ。

  囲碁を覚えたセロは強くてな、いまだに勝てたためしがない 」


篠井旭菜

げんないさんが1度も勝てない相手── 」


厳蒔弓弦:愿迺弓弦

「 セロの強さを伝えるなら、とっておきの棋譜がある。

  並べようか 」


篠井旭菜

いの?

  それなら、この対局を記録してからでいかな? 」


厳蒔弓弦:愿迺弓弦

「 隣の碁盤を借りて並べているから、焦らず慌てず記録すればい 」


 私はいている碁盤を借りて、衝撃的だったセロとマオの棋譜を思い出しながら碁石を置いていく。

 この対局を見れば、あさひにもセロの凄さが分かる事だろう。

◎ 訂正しました。

  同姓同名 ─→ 同性同名

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