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⭕ リンフォン 9


キノコン

しょうれいちゃま──、こっちのトロ舟にもバラバラの死体がはいってますエリ~~。

  誰の死体ですエリ? 」


霄囹

「 さてねぇ。

  婚約者の死体を運んで隠した共犯者の死体かな?

  する事だけさせたら、男が口封じの為にっちゃったのかも知れないねぇ 」


キノコン

「 共犯者をも殺害するなんて、旅館の跡取り息子はヤバい奴でしたエリ~~ 」


霄囹

「 このバラバラ死体は元の状態に戻してやろう。

  無い部分も分かるだろう 」


キノコン

「 視聴者から凄い量のコメントが書き込まれてますエリ 」


霄囹

「 生配信を見れなかった視聴者は、編集した動画アップするから暇潰しに見てくれよ! 」


キノコン

しょうれいちゃま、カメラ目線が決まってますエリ★ 」


霄囹

「 アッハッハッハッハッ!

  そうだろう!

  僕はイケてる陰陽師だからな! 」


キノコン

しょうれいちゃま、“ 半ズボンを穿いて撮影してほしい ” とか “ 膝小僧を見せてぇ!! ” とか熱烈なコメントも寄せられてますエリ 」


霄囹

「 半ズボンは舞台でアイドルするとき専用だから、普段は穿かないぞ!

  膝小僧フェチは来月中旬に発売されるディーブイディーぶり付いて見てろ!! 」


 僕は陰陽術を発動させて、バラバラに切り刻まれた死体を元の状態に戻してやった。


霄囹

「 どっちも首が無いか。

  首だけか別の場所に埋めたのか? 」


キノコン

「 可哀想ですエリ…。

  しょうれいちゃま、2体の首を見付けてくださいエリ~~ 」


霄囹

「 当然だろ。

  首なし状態で警察に渡せるかよ!

  陰陽師・しゅんしょうしょうれいの名に懸けて、首を見付け出してやるさ! 」


キノコン

「 カッコいですエリ、しょうれいちゃま★

  しょうれいちゃま──、生配信で死体がガッツリとうつってますエリ。

  運営さんから配信禁止令が出ないか心配ですエリ 」


霄囹

「 気にするな!

  そのときは編集でモザイクを付ければいだけさ!

  そんな心配する必要は無い!

  首を見付けるぞ!

  しっかうつせよ 」


キノコン

了解ラジャーですエリ 」


霄囹

しかしだ、わざ(わざ)僕の方から探しに出向くのは面倒だ。

  彼方あっちからてもらうとしようか 」


キノコン

しょうれいちゃま、手抜きっぷりもイカしてますエリ★ 」


霄囹

「 ハッハッハッハッ!

  許すから、もっと褒めていぞ! 」 


キノコン

「 面倒臭いですエリ★ 」


霄囹

「 キノコン、あとBBQバーベキュー用の串を刺して、こんがり炭火焼きにしてやるからな★ 」


キノコン

「 簡単には焼かれませんエリ★ 」


霄囹

「 キノコン、生配信を中断してスマホ(スマートフォン)を僕に返してくれ。

  若女将に警察へ電話して呼ぶように言っててくれ 」


キノコン

「 分かりましたエリ。

  視聴者のみなさん、しょうれいちゃまは “ お花摘み ” に行かれたいそうですエリ★ 」


霄囹

「 こら、キノコン!

  いち(いち)バラすんじゃない!

  さっさと配信を切れ! 」


キノコン

「 はいですエリ 」


 僕はキノコンからスマホ(スマートフォン)を受け取る。

 キノコンは器用に階段を駆け上がり地下室から出て行った。

 僕はスマホ(スマートフォン)電話帳アドレスに登録している番号へ電話を掛けた。


『 もしもしエリ。

  マオキノですエリ。

  どうされましたか、しょうれいちゃま 』


霄囹

「 マオキノ、セロフィートはるか?

  話したい事があるんだ 」


マオキノ

『 セロ様なら2階にられますエリ。

  暫く御待ちくださいエリ 』


 電話相手マオキノスマホ(スマートフォン)から保留音が流れてる。

 琴,琵琶,三味線の3連楽器が奏でるドナドナだ。

 なんでマオキノは保留音にドナドナをチョイスしてるんだ??


『 もしもし、セロフィートです。

  しょうれいさん、どうされました? 』


霄囹

「 セロフィート!

  この、嘘き野郎!!

  なにが “ 地獄の門がひらく ” だよ!!

  期待させるような事、言いやがってぇ!!

  地獄の門なんてにも出なかったぞ!! 」


セロフィート

『 ははぁ…。

  怪奇現象に、リンフォンを完成させましたか。

  随分と時間が掛かりましたね 』


霄囹

「 僕は仕事と両立させていたんだ!

  完成に時間が掛かるのは仕方無いだろ!

  それにしたって、嘘をくなんて酷いじゃないか!

  たましいだって回収されなかったし! 」


セロフィート

『 死神が完成させれば、地獄の門はひらきます。

  勿論、たましいも回収されます 』


霄囹

「 はぁぁぁぁあん?!

  “ 死神が完成させれば ” だってぇ!?

  そんな事、一言も言わなかったじゃないか!! 」


セロフィート

『 言いませんでしたし。

  完成させる迄のあいだ、楽しめたでしょう? 』


霄囹

「 僕の貴重な22日間を返してほしいねぇ!! 」


セロフィート

しょうれいさんの用件は、それだけです?

  用が済んだなら切ります 』


霄囹

だ切るな!!

  電話したのはリンフォンの文句を言うだけじゃ無いんだよ! 」


セロフィート

『 はて?

  ほかなにか有ります? 』


霄囹

「 セロフィートに〈 (原質)(みなもと) 〉で構成してほしいのが有るんだ。

  それを僕のる場所へ転送してほしい 」


セロフィート

『 ははぁ…。

  行方不明の生首ですか 』


霄囹

「 ──なんで知ってるんだよ!? 」


セロフィート

『 セノコンが持ってたノートパソコンで、マオが生配信を視聴してました 』


霄囹

「 マオが?

  【 少年陰陽師★平安幻想異聞録 】してるんじゃなかったのかよ? 」


セロフィート

『 とっくにクリアしてます。

  マオが “ 性愛ルート(ハードモード)をしたい ” と()ねて大変でした 』


霄囹

「 そ、そうかよ…。

  それより、どうなんだ?

  生首は〈 (原質)(みなもと) 〉で構成出来そうなのか? 」


セロフィート

『 問題ないです。

  陰陽術で生首の場所を探せばいでしょうに。

  陰陽術の見せどころでしょう 』


霄囹

「 時間が掛かるんだよ!

  セロフィートなら探す必要無いだろ!

  なんなら白骨化した頭蓋骨だけでも転送してくれてもいんだぞ! 」


セロフィート

『 ふふふ…。

  白骨化した頭蓋骨はこな(ごな)くだかれて、そとにある花壇に撒かれてしまっています。

  粉末ですし、土に溶けてしまっています。

  〈 (原質)(みなもと) 〉で構成してから転送しましょう 』


霄囹

「 頭蓋骨を粉末にして花壇に撒いたって?!

  なんで当時を知らないセロフィートが、そんな事を知ってるんだよ! 」


セロフィート

古代エンシェント魔法マジックで当時の様子を見れますし 』


霄囹

なんだってぇ?!

  古代魔法では事も出来るのかよ?!

  魔法ってのはほんに便利だな… 」


セロフィート

しょうれいさんの陰陽術も十分、凄いです。

  自信を持って活躍してください 』


霄囹

「 当然だろ!

  僕よりすぐれた陰陽師なんて、≪ にっぽんこく ≫にはないさ! 」


セロフィート

『 〈 (原質)(みなもと) 〉で構成し、転送します。

  く活用してください 』


「 セロ──、オレにも変わってよ! 」 


セロフィート

『 マオ、先ずは油でよごれた手を拭いてください 』


霄囹

「 おぉと、キノコンが戻ってたみたいだ!

  じゃあな! 」


 僕は自分からスマホ(スマートフォン)を切った。

 マオと話してるとながきそうだと判断したからだ。

 電話を切った矢先、セロフィートから生首が転送されてた。


霄囹

「 早っ!!

  これが2体の生首か…。

  リアル過ぎて気味悪いな… 」


キノコン

しょうれいちゃま──、若女将に警察へ電話してもらいましたエリ! 」


霄囹

「 御苦労だったな、キノコン。

  見ろ!

  生首を調達しぞ! 」


キノコン

しょうれいちゃま、生配信を再開してないのに出しちゃ駄目ですエリ~~ 」


霄囹

「 キノコン、本物の生首はなんじゅうねんも前にこな(ごな)に砕かれて、そとにある花壇にバラ撒かれてしまっているんだ。

  土に溶けてしまっているんだ。

  流石に僕の陰陽術を持ってしても、花に吸収されてしまっている花壇の中から生首の再生なんて出来やしないさ 」


キノコン

「 目の前に生首が有りますエリ 」


霄囹

「 それはセロフィートに頼んだんだ。

  〈 (原質)(みなもと) 〉で構成して転送してもらったんだよ 」


キノコン

しょうれいちゃま、ズルしちゃいましたエリ? 」


霄囹

ひときの悪い事を言うんじゃない!

  これはズルじゃないぞ!

  僕は僕に使える特権を行使したに過ぎないんだ!

  キノコン、生配信を再開してくれ。

  生首を身体からだに付けるからな! 」


キノコン

了解ラジャーですエリ! 」


 僕はスマホ(スマートフォン)をキノコンに手渡すと、生配信を再開させた。

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