ソラにとける
空に溶けそうなほど透明な笑顔は
眩しくて見れないのか
悲しくて見れないのか
別れ際
離れたくないと
泣く私
空で会おうと
君が笑った
------
白衣を着て窓辺に立つ君は
壁一面に広がる大きな窓のその向こう側
森の境界線と一面の青い空の中に
浮かび上がっているようで
今にも透けてしまいそうなほど
自然なその微笑みが
本当にそのまま
空に溶けて消えてしまいそうに見えて
私は思わず君を抱きしめる
そんな風に笑われたら
何も言えなくなる
離れたくない
そう伝えたところで
それは子供のわがままで
そんなことは誰も望んでなんかいない
君を治療する医師たちも
君を育てたご両親も
誰一人だって望んでない
そんなことは分かってる
それでも君の笑顔を見てると
今を受け入れてるかのようで
そのまま消えてしまいそうで
わがままな気持ちを
そのまま言葉にして
君にぶつけてしまうことを
抑えることはできなくて
もしもこのまま消えたとしても
その時はまた空で会おう
夜空の月の光になって
君が来るのを待ってるからさ
そうして君が笑うから
本気なのか、冗談なのか
わからないほど透明な
屈託のない笑顔を浮かべて
悲しむことは何もない
繋がってるから怖くない
なんて
きれいな顔のままでいうから
君を見つめていたいのに
歪んだ視界は
君の姿をぐちゃぐちゃにして
そうしてまた、いつものように
私は君の白衣の中に包まれて
優しく頭を撫でられる
君とはいつも一緒だから
いつまでだって一緒だから
そういう君のその声は
やっぱり溶けて消えてしまいそうで
空から見守ってくれるよりも
この温もりに包まれてたい
それがわがままだってことは
分かっているのだけれども