第一章 1-3 「これは現実だ」
走馬灯はあらすじだった!
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俺は高校生探偵伊藤シンイチ!
幼馴染の同級生で片想いを寄せている秋元アスカと遊園地に遊びに行った帰り、遂に告白した!
突然のことに戸惑うアスカはそのまま、
「返事は今度にして欲しい」と走り出してしまった!
1人帰ることになったシンイチは怪しげな石を見つけた。
その石に触れると目の前が真っ暗になって、
突然異世界に転移してしまった!
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高校生探偵というのは嘘だ。
ただの高校生だ!高校生探偵の漫画は好きだ!
そうだ、俺はアスカに告白をした。
アスカと俺は違う大学に進む。
アスカと遊ぶのは本当に楽しかった。ずっと一緒に居たいと思った。だから勇気を出して告白したんだ。
あいつは驚いていた。照れていた。顔が赤くなっていた。告白した後、俺の方を向いてくれなかった。
そしてそのまま、返事は今度にさせて、と走り去ってしまった。
勿論追いかけた。でも遊園地の帰り道、人が多くて見失ってしまったんだ。
返事はどうなんだろうか。
アスカをずっと見てきた俺からすると、あの反応はOKな気がするが、、いや、分からない。あー気になるな。告白しなきゃ良かったかな...
そんなことを考えていたが、
思い出したかのように目を開けると、
黒光り1mほどの魔物の大群が俺を取り囲んでいた。
モゾモゾ動いて、唾液を俺にかけてくる。
あたりには、人間の死体。
まだ息のある人も居るが、血だらけで、関節曲がり、腕や脚はおかしな方へ向いていた。
どっちが現実か夢なのか、分からない。
けど、目の前の感覚は明らかに鋭い。現実だと伝えてくる。俺を殺しにきている。
ああ、神様残酷です。振り幅が酷いです。
どうかお助けください。
「誰か、、助けて!!」
すると、願いが叶ったのか、
魔物たちが俺の元から離れていく。
離れた魔物の断末魔が聴こえる。
上空に炎が見える。火事か?
俺のそばに居た魔物も、
炎に焼かれて悲鳴をあげた。
あたりに居た魔物も燃え上がる。
炎に包まれた先から何かが近づいて見えた。