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第45羽 布団爆発

ブクマと評価ありがとう!

昨日はお休みでした。今日は短め。

あ、誤字報告もいただきました。ありがとう!

誤字報告を貰うと、気づくくらいめっちゃ読んでくれてるんだなって嬉しくなります。好き。

 

「知らない天j――」


 目が覚め、そう言おうとしてふと横を見る。


「ッ!!?!?」


「すー……すー……」


 知ってる顔だ。

 まつげが長い。

 今は隠されているけれど、まぶたが開かれればその奥から太陽の輝きが現れるだろう。筋が通った鼻は思わず摘まんでイタズラしてしまいそうになる。かわいらしい唇はなんだか緩く弧を描いて嬉しそうだ。

 形の整った胸が規則正しく上下している。一つの絵画のような景色はなんだかきらめいている様で。

 スヤスヤと無防備に穏やかな表情で眠るフレイさん。それを正確に脳が認識したとき――――


「ふやッ!?」


 布団が爆発した。


 ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ 


 人の姿が戻ってきている街を二人で歩く。


「全く……」


「面目ないです……」


 隣で美少女が寝てると言う状況に驚きのあまり、何故かしまわれていた翼が、何故か背中から飛び出してしまったのだ。そのせいで安眠していたフレイさんを起こしてしまった。

 まあ、人の姿の時に翼をしまえるのは便利です。じゃないと仰向けで眠れないですから。


「ま、良いさ。こうして無事に目覚めてくれたからね」


 三日。それが今回目が覚めるのにかかった時間だ。その間色々とお世話をしてくれていたらしいです。ありがとうございます。

 何度か致命傷を受け、無理矢理直して戦っていた結果でしょう。ヒドラとコアイマの2連戦でしたし、闘気もかなり消費していました。最後は魔術を使う為に魔素を取り込んで、体に追い打ちを掛けていたのでこの期間は短いと感じるくらいです。これも魔物としての丈夫な体のおかげでしょう。


 実際未だに体の重さは取れていませんし、魔力の巡りが悪いです。今回の主な不調の原因は魔素の中毒症状の方ですね。時間が経てば直るでしょうが、魔素を取り込むのを多用するのはやはり得策とは言えないでしょう。


 壊されてしまった場所を、街の人たちが協力して直している景色がちらほら見られる。場所としては少ないはずだけれど、めげないその姿勢はたくましい。


「おっ?嬢ちゃんこれでも食いな」


「これなんか俺のお気に入りなんだ。あげるよ」


 そして何故か行く先々でひたすら冒険者らしき人たちが、露店で買った食べ物をくれる。何故?いや、美味しいからありがたいんですけど。もぐもぐ。


「あんたに助けて貰ったからだよ。皆感謝してるのさ」


 ヒドラを倒し、コアイマも下した。きっとこの街の冒険者だけではできなかっただろう。でも、私だけでも、それはできませんでした。私が今生きているのは皆さんのおかげでもあります。


「それに私、今翼出してないですよ?」


 タダの子供にしか見えないはずなんですが。なぜ私だとわかるのでしょうか。


「あたいと一緒に居るからじゃない?」


「なるほど……」


 両手にいっぱいになって今にも落としてしまいそうな食べ物。それを色々食べながら頷く。持ちきれない分は、フレイさんが持ってくれているがそれもいつまでもつか……。断ると悲しそうな顔するんですよ……。貰うしかないじゃないですか。しかももりもり抱えているのを面白がって、冒険者じゃ無い人までくれるようになってしまいました。そちらは断っても悲しい顔されないのでなんとかなるんですが。

 私のことがバレなければ大丈夫そうなのですが……。


 チラリとフレイさんの方を見れば目が合った。


「……あたいがいない方が良かった?」


 むすっとしたフレイさん。


「い、いやいやいやいや!!!そんなこと無いですよ!!」


「……どうだか」


 この後頑張ってなだめると、目的地にたどり着くまで鳥の姿で抱きしめられた。もふもふが良かったらしいです。


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― 新着の感想 ―
[一言] もふもふは全世界共通の癒しでご褒美なのさ……… …………猫飼いたい
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